森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.10.03
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不安、恐怖、不快な感情の対処法について考えてみました。

例えば訪問営業の仕事をしている人を例にとってみます。私のかつての仕事です。
訪問営業は労多くして、契約がなかなかとれない。
またお客さんは血も涙もない断り文句をぶっつけてくる。
仕事に行くのが嫌だなあ。休みたいなあ。宝くじでも当たればすぐにでも辞めたいなあ。
こんな感情がしょっちゅう沸き起こってきます。

ポイント1、この嫌だという感情を大切に扱うこと。外国の要人を接待するように、最優遇待遇をすること。
その嫌だという感情を決して無視したり、抑圧したり、否定してはいけません。
その感情をとことん味わってください。

たとえば、感情はどうであれ、絶対に仕事に行かなければならないなどと自分を叱咤激励してはいけませんよ。
これは「かくあるべし」を自分に押し付けていることです。
思想の矛盾で神経症に陥ります。
どこまでも、我が身に湧き起った感情は宝物のように扱ってください。ここが一番肝心なところです。

ポイント2、次に自分にこう問いかけてください。
どうして仕事に行くのが嫌なんですか。
だって、なかなか注文はとれないし、セールスは苦労ばかりで、無駄が多いんですよ。
人によってはセールスマンの自分のことを、虫けらみたいに追い返すんです。
すると私の自尊心はズタズタに切り裂かれるんですよ。それがつらいんですよ。

ポイント3、なるほど。よく分かりました。
ところで森田では不安や恐怖の裏には欲望があるといいますよね。

そうですね。人から一目置かれたい。よい評価を得たいですかね。
いや、それよりも、今は人から非難されたり、拒否されたり、無視されたり、否定されたくないということですかね。そうだ、それですよ。
はい、よく分かりました。

ポイント4、ではもし仕事に行かなかったら、生活に困るとか、将来がジリ貧になるとか、あるいは人に迷惑をかけるようなことはありますか。
そりゃ、最悪営業成績が悪くてクビになったら、たちまち生活費に事欠くようになります。

会社も私のような扶養家族を抱えていては利益が上がらず困ると思います。

ポイント5、なるほど。
それでしたら必要に応じて、いやいや仕方なく仕事に出かけるしかありませんね。
いやいや仕方なく仕事をしているうちに興味が出て来て、弾みがついてくることをお祈りします。
老婆心ながら付け加えておきます。
生活に困るとか、将来がジリ貧になるとか、あるいは人に迷惑をかけるようなことがなければイヤイヤ仕事に出かける必要は全くありませんよ。
何をしてもあなたの自由です。家で寝ていても、魚釣りやゴルフ三昧でも全く問題はありません。でもそんな人はめったにいませんがね。

以上を参考にして、あなたの不安な感情を考えてみてください。
仕事に行くのが嫌になったというのを、あなたの不安、恐怖、不快な感情に置き換えて考えてみてください。
例えば会社でミスや失敗をして不安になった。
挨拶をしたのに無視されて腹が立った。
会社の人に飲み会に自分だけ誘われなかった。等々。
この質問項目に従って考えてみてください。
これは森田理論学習でいう沸き起こった感情を受け入れる、服従するというステップです。





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Last updated  2014.10.03 07:05:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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