森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.10.05
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
月刊誌「生活の発見」の27ページにこう書いてあります。

不安の裏側には欲望がある。だから、不安はそのままにして、欲望にそって行動しましょう。
「生活の発見会」では耳にタコができるほど言われます。
でも、自分の欲望が何なのかよく分からない。
欲望というと、何か立派な価値のあることでないと欲望と言えないのではないか、と構えてしまう人もいるようです。

なるほど。
森田先生の言われている欲望は次のようなものです。
1、病気になりたくない。死にたくない。長生きしたい。
2、よりよく生きたい。ひとに軽蔑されたくない。人に認められたい。人に褒められたい。

4、偉くなりたい。幸福になりたい。
5、向上発展したい。

つぎに生活の発見会相談役の山中先生は、欲望について次のように指摘されています。
「われわれが欲望と呼んでいるものの中には、世間から押し付けられたいろいろなものが、入ってきている。
森田先生は、人並みに自動車が欲しいとか、世間的にもっともらしい配偶者を得たいなどというのは、かならずしもその人のほんとうの欲望ではない、といわれます。
いわゆる神経症的な欲求なのか、ほんとうの自分の欲求なのかを見極めるよう心がけて、あまり世間常識にふりまわされないことが大事です。」

普通世間では欲望というと、食欲、物欲、性欲、睡眠、安全欲などのことを指しているのではないでしょうか。
これらは人間の基本的・生理的な欲求であると思う。
山中先生はこういうものは森田でいう本来の欲望ではないといわれているのです。

たしかに物欲、所有欲の果てしない追及は、我々の長所である豊かな感受性がどんどん削られていくことになります。少々のことでは感動、喜びを感じることができなくなります。
また低次の欲望にしがみついていては、高次の欲求である「自己実現」「向上発展」等の本来の欲望の発揮に向かうことはありません。


自分の持っている物、備わっている能力を活かして、一歩高い夢や希望、目標を設定して、命あるかぎり前を見つめて挑戦していくこと。こういうことではないでしょうか。
自分にないものを求めるのではなく、今現在の状況の中から出発することが大切です。
森田でいう努力即幸福ということです。

たとえば凡事徹底という言葉があります。
自分のできる日常茶飯事や雑事は、なるべく人任せにしないで自分が手足を出して処理する。

そんな小さい欲望なんてと思われるかもしれません。

神経質者はともすれば、大きな夢、希望、目標を設定しがちです。
クリエイティブな創作活動、大勢の人から注目を浴びるようなことばかりに目が向きがちです。
でもそれらはどこから手を付けたらよいのかわからない。
反対に小さなことは馬鹿にして最初から無視してしまう、という人が多いのではないでしょうか。

神経質な人はホームランバッターよりも、バントやシングルヒットを打つことが向いているように思います。
それは感受性が強く、いろんなことによく気が付くという特徴があるからです。
その特徴を活かさない手はありません。
そのためにはちょっとした気づきやアイデアをきちんと捕まえなければなりません。
メモやボイスレコーダに記録しておかないとすぐに忘れ去ってしまいます。
結果として自分の長所は活かされないことになってしまいます。

大きな夢や希望、目標は、小さいハードルを一つ一つ超えていくうちにしだいに見えてくるものです。
とりあえず、欲望は常に自分の身の回りに存在するということを忘れてはならないと思います。





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Last updated  2014.10.05 06:11:19
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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