森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.02.09
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1997年の子供白書を見ると、盛岡市教育研究所が市内の全小中学校から小学校3年と5年、中学3年のそれぞれの1学級を選んで実施したアンケートの調査結果が発表されています。
それによると「自分の存在感」の項目で、「生まれなければよかったと思うことがありますか」という質問に、「よくある」「時々ある」と答えた子どもが、小学校3年生で34%、小学校5年生で35%、中学校3年生で38%だったという。
「学校が楽しくない」というのは高学年ほど増えて、中学3年生では34%だったという。

また、ベネッセ教育研究所が、世界6カ国の大都市に住む小学5年生、約4500人に「あなたは幸せですか」と聞いたところ、「とても幸せ」と答えたのは中国75%、ニュージーランド43%、アメリカ40%、日本はなんと26%だったという。(日本経済新聞1997年1月10日)
それから18年経過しているが事態はさらに深刻になっていると思われる。

親は子どもたちが欲しいものはなんでも与えている。やりたいことはなんでもやらせている。
両親を始め、4人のおじいちゃん、おばあちゃんが至れり尽くせりの世話をしてかわいがっている。
それなのにどこに不満があるというのだろうか。
その原因がさっぱり分からないというのが実情ではないだろうか。


子どもを甘やかせて過保護に育てているのがその原因だ言う。
家庭で王子様、女王様として育てられた子どもは「世界は自分を中心にして回っている」と思っています。
今や家族の中での最高権力者として君臨しています。

しかし外へ出てみると「ただの人」でしかありません。
「ただの人」は外の世界では極めて脆弱です。
そのため、外では彼らはひたすら自分が傷つかないように、相手も傷つけないようにふるまうのです。
子どもたちにとって対人関係は実に疲れる仕事になっているのです。

友人との接触は極めて少なく、家庭内では母親との接触が異様に長くなる「母子密着」という現象。
やさしい母親のもとで惰眠をむさぼり、わがままかつ自由気ままに過保護な生活を満喫する日々。
その代償として、独立心や他者への共感、感情のコントロールといったものが徐々に失われているのです。
それは生きる力を奪い取るほどの深刻さを秘めていました。


「どうせ生きていてもつまらない」「ぼくは1個の石ころと同じである」心の中ではそう思っているのに、一方家の中では途方もなく高い自尊心を持っています。
自分は能力がある。なんでも自由にできる筈だという万能感を持っています。
この内と外との落差が、彼らの満たされない葛藤の根源にあります。

子どもが外でも自尊心を守るためには「偏差値」を中心とした学力を獲得することが必要です。
多様な個性は評価されず、判断となる価値観は偏差値だけといってもよいでしょう。

自己否定で引きこもり、家庭内暴力、社会的凶悪事件の温床となっています。

アメリカでは児童虐待、性的虐待、ネグレクトが問題になっています。
日本では過干渉と過保護が問題になっています。
過干渉は自分の意志を持たずに周囲の顔色ばかり気にする子どもを作り出しています。
生きることは苦しみ以外の何物でもありません。
過保護というのは、子どもの自主的な能力を摘み、発明や新しい発見をしたり物を創るという子どもらしい喜びを奪うものです。
過保護は子どもの生きる能力を奪うという意味で、親の精神的「虐待」だと思います。
この解決の手がかりとして森田理論学習があると思います。
森田は神経症を克服するだけでなく、子育てにも十分に対応できる考え方を含んでいると思います。
(佐賀バスジャック事件の警告 町澤静夫 マガジンハウス参照)





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Last updated  2024.04.06 23:29:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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