森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.06.05
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森田理論の自助グループに参加していて、神経症が治るという人と治らないという人がいるという。

神経症が克服できるという人は、はじめてきた人に「神経症は治らない」というと誰も自助グループに参加しようとはしなくなる。
「神経症はよくなりますよ」と言われて初めて参加意欲がわいてくる。

神経症は治らないという人は、実際べテランでもすっかり症状がなくなっている人はまれである。
つまり症状は「治らない」とするのが現実に合っている。
最初はびっくりするかもしれないが、ここは正直に伝えたほうが後々信頼されると思う。
それに医者でもない人間がなんの根拠もなく、やたらと「治る」を連発していたら、かえって信頼されないのではないか。(生活の発見誌6月号63ページより)

治るということを、このように言われると混乱するのではなかろうか。
この問題を考える時は、自助グループに参加された相手をよく観察する必要がある。

あるいは症状でまったく手がつけられないのかどうか。
まったく手がつけられない方には、「受容と共感」の気持ちで相手の話を聞いてあげる。
自分の体験を話してあげる。入院森田療法、外来森田療法施設を紹介してあげる。
あるいは信頼できる臨床心理士を紹介してあげる。
また内観療法などを受けられた方は体験談を話してあげる。
認知行動療法を受けられ方は病院や体験を話してあげる。それぐらいのことしかできない。

けがをして痛がっている人に、けがの原因を探って今度からはけがをしないようにしましょうとアドバイスしても何の役にも立たない。
今は痛みを取り除くための応急処置が必要な時である。
だから協力医の治療、臨床心理士等のカウンセリングを受けることである。
基本的には我々の手には負えない。
その人の周りに集まって励ましたり、共感することぐらいが関の山である。


神経質性格を抱えたままでなんとか社会に適応しようとしているが、その道はいばらの道なのである。
困難を極めてついくじけてしまいそうになる。
そこに焦点をあてて、もう少し肩の力を抜いて、楽に生きる道がありますよというのが森田理論学習なのである。
我々の持っている性格を活かし「生の欲望」に沿った生き方を身につけること。
「かくあるべし」をはじめとする認識の誤りを自覚して、基本的に事実を受け入れて、自然と一体となった生き方を体得していくこと。


同じような境遇の人と切磋琢磨しながら和気あいあいの中で学習していく方がやりやすい。
私は約30年森田理論学習と自助グループにかかわってきた。
おかげさまで神経質性格を持ったままでよりよく生きていくことはどういうことかがはっきりと分かってきた。
私の血となり肉となり森田理論学習を続けてきて本当によかったとしみじみと感じている今日この頃である。






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Last updated  2015.06.05 06:40:20
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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