森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.12.23
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
再び伊丹先生の本から引用してみよう。
東京都在住の42歳の女性は、近くのがん拠点病院で卵巣ガンの化学療法を3種類の組み合わせで次々と行い2年間経過したが、あるとき「標準治療では効果が限界です。
これ以上の治療法がないので、あとはホスピスに行ってください」と言われ、都内の緩和医療施設の一覧表を渡された。
これはこの病院は手術、抗がん剤、放射線の初期治療は行います。
しかしそれでもガンが治らなかったり、再発するようなことがあると、基本的には我々としてはお手上げなのです。
これ以上の治療は行いません。だからこの病院から出ていってもらわなければなりません。
そういう場合は潔く治療を続けることはあきらめてください。
痛みを取り除いてくれる病院を紹介しますから楽になって死を迎えてください。
なんとも腹立たしいことである。


すると担当医が言うことは、「あなたがまだ生きたいともがいているなら、ここには来なくてよろしい。ここは生の執着をなくして清らかな気持ちになって、死を受け入れるように誘導するためにある病院です」
なんと不人情な医師であろうか。こんな人は生まれ変わったら二度と医師にしてはならないと思う。
患者さんの生きたいという気持ちに寄り添うのが医師の仕事ではないのか。

関西在住の57歳の女性は、5年前に乳がんが再発し、腰痛が激しくなりホスピスに入院した。
その時ご主人がホスピス長に会い、まだ未承認のホルモン療法剤、化学療法剤、骨移転の特効薬ゾメタの投与を希望したところ、「ホスピスの入院料は定額制で、どんな治療をしても1日37800円の収入にしかならないので、抗がん剤のような高い薬を使うと赤字になってしまう」と言われた。
医療費と患者の命を天秤にかけているのである。
病院の経営を盤石にすることを唯一で最大の目標にしているのである。

森田先生は臨終のとき、担当医に「もうどんな治療をだめだと見捨てないでくれ。なんとか治してくれ」と懇願されたという。
それは森田先生に限らずだれでもそうではないか。
たとえ無駄になっても、最後まで生きる努力はしてゆきたい。
生の欲望を発揮し続けたい。それを応援していくのが医師という人の使命なのではないか。


そういう医師はガンの拠点病院にいるとは限らないのである。
(絶対にあきらめないガン治療30の可能性 伊丹仁朗 三五館参照)






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Last updated  2015.12.23 06:52:32
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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