森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.11.14
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東洋経済オンラインでグッチーさん(山口正洋さん)が「カープがこれからも勝ち続ける7つの理由」を書いておられる。我々カープファンからすれば涙の出る内容であった。

でもこの記事に対する反論のコメントを見て反省することがあった。
野球ファンといえば、自分の贔屓のチームが負ければ、とたんに機嫌が悪くなるという人が多い。その日のテレビは見ない。翌朝の新聞も読まない。
次の日の仕事でもそのイライラがでて他人に迷惑をかける人もいる。
とにかくイライラが収まらないのだ。感情は自然現象だからどうにもならない。

この記事はよく分析はされているが、他チームと比較して、自画自賛の記事のオンパレードだった。自慢話は身内の人が聞いている分はよいが、他人にとっては嫌悪感そのものだ。
たとえば自分の息子や娘が有名大学に合格した。
あるいは配偶者が有名な会社に勤めている。役員に出世した。
またスポーツや舞台で拍手喝采の大活躍をした。

自慢話を長時間にわたって続けられて、さらに自分の子どもと比較されては聞いている方はたまったものではない。
うんざりする。沸々と怒りがこみ上げてくるのではなかろうか。

これに近い話を森田先生もされている。
森田先生が入院患者に「よくなったか」と聞かれた。
ところが、正直に答えなければならないと思っている人は、「まだまだです」等と答える。
先生が一生懸命に治療にあたっていることは全く考えていない。
すると森田先生は張り合いが無くなってしまうと言われる。

ふつうは、実際にはよくなっているという感じがしなくても、先生の前では、「先生のおかげで、だいぶ良くなりました」と答えるのが人情である。
意固地な人は、それは事実と違うではないか。事実に従えと言われる森田理論とは相いれない。
納得ができないと言われる。どうしてそんなことになるのだろうか。
できるだけ正直に言わなければということに執着しているのである。

まだよくなっていないということを言うと、一生懸命に治療してくださっている先生に申し訳ないという気持ちを無視している。当然湧き起ってくる感情を無視している。
そういう気持ちを抑えつけている。それは自然に素直な態度ではない。
普通の人間は一つの考え方が起きてくると、それと反対の考え方もセットで湧き起るようになっているのだ。
そのことを森田理論では「精神拮抗作用」と言っている。

人のできないことができたり、社会的に認知度が上がったり、幸運が舞い込んだりするとつい自慢話をしたい気持ちは誰にも起きる。

天秤にたとえるとそれが右と左に分かれてせめぎ合いをしているようなものである。
行動するにあたっては右、左に偏ってはならない。
両者の中間あたりをめどにしてバランスを取っていくことが大事である。
ホドホド、中庸を心がけた行動が肝心である。

森田理論では感情は自然現象であるからコントロールできるものではないという。
どんな感情でも受け入れていくことが基本です。
でもその素直な感情を相手に伝える時は、同時に湧き起ってくる反対の感情との調和を優先する必要があると言っている。





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Last updated  2016.11.14 06:55:01
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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