それが、子供自身の中に、自己をコントロールする力として取り込まれていく。
ストップをかけ、掟を守らせる存在としての父親は、子供がスムーズに社会に出ていく上に置いて重要な役割である。
父親が子供のやりたいことをする権利を早くから認めてもいいと考える家庭と、あまり早く認めない方がよいと考える家庭で比べると、後者の父親の子供の方が、成績も良く、よく努力する傾向が見られ、また、非行に走ったり、性的な放縦に陥ったりするリスクも少なかった。
一方、母親がどう考えているかは、あまり関係なかったという。
この研究は、父親が子供にやりたい放題を許すのではなく、子供の行動に一定の制限をかけてコントロールすることが、子供の成長には望ましい影響を与えることを示している。
そうしたブレーキをかける役割として、父親が一定の役割を果たしていると考えられる。
父親が不在だったり、いても、抑止機能が働いていない場合には、子供が行動のコントロールを失い、無軌道で放縦な生活に陥ったり、学習面でも成果は出ない一因となると思われる。
甘いだけの父親では、ダメなのだ。
一方、別の研究では、父親に対して、子供が親近感を持ち、父親から受容されていると感じている子供の方が、自己肯定感が高く、身体的な不調が少なかった。
父親が押さえつけるだけではなく、子供を受容することも、子供の安定には必要なのだろう。
制限と受容のバランスは、父親が子どもに関わる上で、大事なポイントだと言えるだろう。
(父という病 岡田尊司 ポプラ社 85頁より引用)
現代の父親が子どもにどういうふうに関わっているのか。
子供を過保護に育てている。過干渉ぎみに育てている。
子供にかかわらず放任状態で育てている。
このどちらかに偏っている場合が多いのではないだろうか。
それでは思春期を迎え、成人を迎えた頃に大きな問題となって表面化してくる。
子育ての場合、特に重要な事はバランスであると思われる。
時にはバランスが崩れてもよいが、いつかバランスを取り戻すことは必須である。
そのためには母親と話し合い、あるいは他の夫婦の子供の育て方を参考にしたり、子育ての本を読んだり、子育ての自助組織に参加して学んでいくことが大切だと思う。
その際岡田尊司氏の著作は欠かせない。
その時は大変だと思うが、後でその効果がじわじわとでてくるのではないだろうか。
反対にそのことを怠っていると、とんでもないしっぺ返しを食らうことになる可能性が高まる。
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