存在価値について考えてみたい。
その前に存在価値以外の価値についてみてみよう。
「貨幣価値」というのは、物の価格を他の物や以前と比べて、お金の価値が上がったか下がったかを比較している。
例えばマンションを買って、10年後にそのマンションの販売価値が上がっていれば貨幣価値は上昇している。値下がりしていれば、貨幣価値は下落しているとみる。
「歴史的価値」というのは、今日の文明や文化の発達を考えるにあたって、見逃すことのできない遺産や出来事である。象徴的な遺産や出来事をいう。
「なんでも鑑定団」でいう「希少価値」というものは、極めて珍しいもので、欲しい人がたくさんいるものである。それらは高値で取引されるものである。
「経済的価値」というものは、利潤を沢山生むことができるものである。
例えば
IPS
細胞などは今後の経済的価値は高まるであろう。
あるいは、ガソリンを使わない電気自動車なども経済的価値が高まるかもしれない。
「利用価値」があるというのは、そのものが使い勝手がよい、人間の役に立つということである。
「潜在価値」というのは、その中に他では代替できない貴重なものがある。
秘めた力があるということである。潜在能力といってもよい価値である。
今は顕在化していないがいずれ役に立つに違いない価値の事です。
こうしてみると価値の特徴が浮かび上がってくる。
まず、価値というものは、その物だけを見ていては判断できない。
つまり2つを相対的に比較してみた結果、はじめて価値があるとかないとか判定しているのである。比較した結果、優れたところがある。値打ちがある。役に立つ。使い物になる。利点がある。珍しいものである。
価格が高いものを価値が高いと言っているのである。
そうでないものは、相対的に価値がないと言っているのだ。
価値がないものは見向きもされなくなる。
2番目の特徴としては、時代と状況によって価値は高くなったり、低くなったりするものである。一定で永遠に普遍的な価値というものはあり得ない。
例えば野球ではホームランの数や盗塁数、打点等は減ることはない。ところが打率は打てなくなってくると低下してくる。
反対にヒットを量産するようになると打率がアップしてくる。
物の価値は打率のようなものである。
このように価値は変化流動性があるのである。
その点をふまえて、「人間の存在価値」を見てみよう。
生きとし生けるものはすべて存在価値がある。
特に、私たち神経質者は他の性格には見られない優れた特徴がある。
主だったものをあげてみよう。
よく気がつく。感受性が豊かである。好奇心がいっぱいである。
生の欲望が旺盛である。真面目でよく努力する。粘り強い。責任感が強い。
自己内省力があり人に迷惑をかけない。分析力がある。堅実で計画的。しっかりとした人生観を持っている。
森田理論学習の「神経質の性格特徴」でしっかりとそれらを自覚することが大切である。大事なことは、それらを自覚して磨きをかける以外に自分を活かす道なし。
そのように覚悟を決めることだ。
それが神経質性格を持って生まれた我々の進むべき道である。
次に、それらを実際の生活の場面に当てはめて活用していくことが大切である。
いいなと思っても活用していかないと絵にかいた餅である。
そうしないと、感受性の鋭さ、生の欲望の強さ、自己内省がマイナスに作用して、自己嫌悪、自己否定、他人攻撃に陥ってしまう。
そして神経症で苦しむようになってしまう。
2歩前進1歩後退の連続であってもかまわない。
楽しみ、便利さばかりを追い求めて、面倒なこと、努力して苦労することを放棄する道に進むことは避けなければならない。
人の役に立たない人。消費一辺倒で、精神的、経済的に他人に依存してばかりの人は、「人間としての存在価値」がどんどん下がり、みじめで、人からも見向きもされないようになると思われる。
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