アインシュタインの相対性理論の業績は計り知れないものがあります。
その彼が「神はいると思いますか」と聞かれて、こう答えています。
「この世の中をつぶさに見て、これほどの調和が、なにか計り知れない偉大な存在なしに実現しているとは思えない」と答えているそうです。
彼ら物理学者たちは
something great
と言っているそうです。
まだ解明されてはいないが、なにか目には見えない大きな力が働いているに違いないと直観しているのです。
アインシュタインは生と死の織りなす世界に自然の驚異を隠せなかったのかもしれません。どんなに大変なことが起きても、神の見えざる手が働いているようだとみていたのです。
雪の結晶がどうして全部六角形になっているのか。
地球の自転軸はなぜ一定になっているのか。
超新星爆発という巨大な星の死から、新しい星が次々と生まれる。
ブラックホールはどうなっているのか。
この自然界にはまだまだ分からないことだらけです。
でも自然界は、宇宙のいとなみにしろ、私たちの体の仕組みにしろ、2つの相対立するものが互いに影響を与えあって存在している。
そしてそれらはすべて調和を志向している。
さらなる調和を求めて絶えず変化流動しているようです。
これが自然界の偽らざる節理だということは間違いないようです。
これだけははっきりと分かっています。
これは私たちが森田理論学習で学んでいる精神世界も同じだと思います。
不安や恐怖はむやみやたらに沸き起こっているのではありません。
その裏には欲望があり、2つのせめぎ合いの中で流動変化しているのです。
不安や恐怖は、調和、バランスのゆがみを知らせてくれているサインなのです。
そう考えると、どんなにつらいことが立ちはだかってきても、いつかは揺り戻しが起きて、最終的にはバランスがとれてくるというのが自然の法則でしょう。
そう考えると、不安や恐怖を取り除いたり、すぐに逃げ出したりするのはいかにも芸がありません。また欲望の暴走を許すことは、自己と世界の破滅を招きます。
不安や恐怖にかかわりすぎることなく、生の欲望に注意や意識を向けて、常に調和の回復を図ることこそが私たちの進むべき道ではないでしょうか。
このことを森田理論では、精神拮抗作用ということで説明しています。
人間の頭には相対立する考えが同時に沸き起こるようになっている。
これは自然の摂理です。
性急にどちらかに態度を決めて行動すると、たちまちバランスが崩れて前進することはできなくなってしまう。2つの相対立する考えの中で、うやむやのままにやり過ごしていくという選択肢もあるということを忘れてはなりません。
ここでは恐怖や不安を持ちこたえたまま、次の段階に進むことが大切です。
このキーワードの学習は大変役に立つもので外すことはできません。
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