森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.11.16
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ある会社員の女性から次のような相談を受けました。
その方は対人恐怖症で、自己主張かとても苦手だということでした。
対人関係は、いつも相手の機嫌を損なわないように八方美人的な対応をしている。
そんな私に対して、ある同僚の女性が、お茶碗を洗ったり、コピーをとるような仕事をどんどん私に押し付けてくる。
それだけではなく、自分のことを馬鹿にしたような言動もありました。
私は何も言い返せず、彼女が指示する仕事を黙々とやっていますが、心の中ではストレスが溜まり、いつも腹立たしい気持ちです。

森田理論学習では、腹立たしい気持ちは、そのまま持ちこたえて、目の前の仕事に取り組んでいれば、自然に解消してくると言いますが、私にはとてもそのようには思えません。どうしたらよいでしょうか。
今日はこの問題を考えてみたいと思います。

森田理論では、怒りの感情は自然現象なので、どうすることもできない。

その怒りの感情をそのまま放置して、行き着くところまで行かせる。
怒りの感情をそのままに放置していれば、あとは時間の経過とともに次第に収まっていく。
スピードアップするためには、目の前の仕事やなすべきことに取り組んでいくことを勧めています。

でもこの人の場合は、ストレスが溜まるような理不尽な仕打ちを継続して受けています。
怒りの感情を一旦抑圧しても、その同僚は、あなたのことをなめてかかって、どんどんエスカレートしていくと思われます。
そうすると、ストレスが蓄積し、ある時、ダムの決壊のように感情が爆発するかもしれません。
あるいは、その人から逃れるために、退職するようなことを考えるようになるかもしれません。

こういう場合は、怒りの感情を、我慢して耐えるということだけでは解決できません。
そもそも怒りの感情がわき起こってくるのは、相手の自分に対する期待と自分の相手に対する期待のズレが生じています。
相手は、自分に対して自由自在にコントロールしたいと思っています。
他の同僚に比べて扱いやすい人間だと思っているのです。

自分の仕事ぶりを見て、忙しそうだと思えば、自分から進んでお茶碗を洗ったり、コピーをとってほしいと思っています。

2人の間でその溝を埋めなければ、今後も同じような状況で自分だけが苦しむことになるでしょう。
この場合は、忙しくて手が離せない時は、「今はちょっと手が離せないの。ごめんなさい」などと、自己主張をする必要があると思います。
そうはいっても対人恐怖症で、八方美人的な対応が習い性になっていますので、自分1人ではどんな自己主張が良いのか思いつかないかもしれません。

そういう時は、集談会という自助組織の仲間に相談することです。

それ以外にも、カウンセラー、精神科医、信頼できる友達などに相談することもよいでしょう。
その中から自分が実行に移すことが可能なものを選んで、相手に伝えることが大切です。
森田先生も、 3日考えてまだ腹が立つようであれば、論点を整理して相手と交渉を行った方が良いと言われています。
ストレスを感じているのに、自分の殻だけで何とかしようとすることは悪循環にはまるでしょう。





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Last updated  2024.06.02 08:01:53
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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