森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.12.13
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会社の中での人間関係がぎくしゃくしている人は、夫婦の間でも、親子の間でも、近隣住民との間でも、友人との間でもぎくしゃくしていることが多い。
みんな寄ってたかって、自分のやることなすことを批判していると思っている。
それに対して、いつも好戦的な態度で神経をピリピリさせている。
相手を対等かあるいは力が劣っているとみなすとすぐに、買い言葉に売り言葉で怒りを爆発させてしまう。そして二度と修復が出来ないほど人間関係を破壊してしまう。
それは周囲の人にも波及し、 「あの人はいつ切れるか分からないから、近寄らないほうが安全だ」と思われてしまう。
そのうち会社の中では、自分の味方になってくれる人がいなくなり、ついに孤立してしまう。
昼ご飯のお誘いもかからなくなる。夜の飲み会も自分だけのけ者にされていることも起きる。
こうなると毎日雨降りや土砂降りの天気が続いているようなものだ。
精神的には抑うつ状態に陥る。身体的にも胃潰瘍などの症状が出てくる。


耐えている。不快な感情を抑圧している人が多い。
表面的には波風が立たなくて問題がないように思われる。
しかし心の中では、依然として相手を責め続けているのだ。
それが精神交互作用でどんどん増悪している。
頭の中で考えていることと行動がちぐはぐになっている。
そういうことが繰り返されるとストレスがどんどん蓄積されていく。
こうなると人間関係はとても辛いものになる。
そして人間関係で疲れ果ててしまい、自ら人との接触を極力避けるようになる。
人との接触がない人生は本当に辛いものである。針の筵に座っているようで、生きた心地はしない。

これは相手が「かくあるべし」を自分に押し付けてきた時の対応方法が間違っているから、大きな問題に発展したのである。相手の「かくあるべし」に対して、自分も「かくあるべし」で対応しているのだ。
そこに気づいてほしいものだと思う。

心の中で相手を責め続けているということはそういうことだ。その結果どうなるのか。
 2人の人間関係はいつも平行線をたどり、折り合いをつけたり、妥協点を探るという事はないのだ。
理不尽なことを言ってくる相手に対して、絶対に許せない。仕返しをしてやりたい。この不快な感情は相手にぶつけることでしか収まらない。などと、いつも戦いモードで構えているのだ。
すぐにスクランブル発車して戦える準備ができているようなものだ。
戦いに明け暮れて、自分を守ることばかりに神経をすり減らしているので、生きていくことが辛くなる。


どういうことかというと、相手の理不尽な言動に敏感に反応して、自分の「かくあるべし」を持ち出して好戦的な態度に出ることを少しずつ減少させていくのだ。
 「かくあるべし」でがんじがらめになっている人は、茨の道ではあるが、その方向でしか明るい光は見えてこないと思う。

では、具体的にはどうしたらよいのか。
まず、相手の自分に対する理不尽な言動を、正確に見つめることだ。
見つめるだけにして、それが良いとか悪いとか、価値判断に結びつけないことが肝心である。
そして、不愉快極まる不快な感情をそのまま味わうことだ。
感情は時間の経過とともに薄まったり変化する。そのままに感じておくことが大切だ。
感情は否定したり抑圧していると、火に油を注いだように燃え盛る。
怒りや腹立たしい感情もそのまま行き着くところまで行きつかせば、収束する運命にあるのだ。

次に、「純な心」の応用だ。
感情には、第一に感じる感情と「かくあるべし」を含んだ第二の感情がある。
第一に感じる感情は、ともすると見失いがちである。これをきちんと捕まえる必要がある。
また「かくあるべし」を含む第二の感情は、自然に発生するものであるから、そういう時は第一の感情にすぐに立ち戻るという能力を身につけていく必要がある。

そしてその第一の感情を、私メッセージで言葉にして発することが自分を楽にする方法になる。
感情は、どこかに解放させていかないと、どんどん蓄積されてしまうのだ。
小さな感情のうちに、小川の流れのようにどんどん流していく必要がある。

つぎに自分はどういう気持ちなのか。自分はどう考えているのか。
自分はどうしたいのか。自分の意志はどうなのか。
これらに焦点を当ててみることだ。他人のことではない。自分に焦点を当てることが肝心なのだ。
これらは相手の言動に、対症療法的に「かくあるべし」で反応するやり方ではない。
それでは自分は楽になるどころか、ますます葛藤をや苦悩を抱えてしまう事は、森田理論学習で何度も学習したことである。
相手の言動に対して、自分にどのような感情がわき起こっているのか、自分の身体感覚はどうなっているのかというところに注意や意識を向けて、自分の今の状況から出発するという視点に立っている。
不快な状況に陥っている自分をいたわってやるというやり方なのだ。
相手の「かくあるべし」を修正させようとしても、多くのエネルギーを使うばかりで、ほとんど効果はないのだ。
それよりは自分の感情や身体感覚に重点を置いて、自分をどこまでも大切にして、癒していくのだという方向が楽な生き方につながっていくのだと思う。





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Last updated  2018.12.13 06:30:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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