森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.07.01
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カテゴリ: 行動のポイント
​​ 人間の脳は二つのことを同時に考えることはできない仕組みになっている。

これは、楽器の演奏会やスポーツの本番でいつもプレッシャに押しつぶされてしまう人に考えてみてもらいたいことだ。さらに不安に振り回されるという人にも参考になる。

前提として、本番前の練習では100%の出来に仕上げなければ話にならない。
練習を積み重ねて、本番を想定して10回予行演習を行えばほぼ完璧にこなせるように仕上げる必要がある。
練習で50%、60%、70%、80%、90%しかできないのに、本番でうまくやろうとするのは虫がよすぎると思う。予期不安も普段以上に強まるだろう。
第一不完全なものを観客の前で披露するということは失礼なことだ。
プロの演奏家、プロのスポーツ選手は、時間をかけて徹底的に不安を取り除く練習を繰り返している。
そして手足や身体が意識しなくても、間違うことなく正確に演奏や演技ができる状態に仕上げている。

練習の成果がそのまま本番で出せれば、成功はほぼ間違いないだろう。

上手に演奏して観客を感動させたい。一番良い成績を出して優勝したい。
などの欲望が強ければ強いほど、「もし失敗したらどうしよう」という予期不安が大きくなるのだ。
この不安のために、手足や身体が金縛りにあったような状態になるのだ。
これは森田理論でいう「精神拮抗作用」です。人間に元々備わっているものです。
なくしてしまうことはできない。また大切な機能ですので、上手に活用していく必要があります。
神経症に陥る人は、その不安に振り回されてばかりで、欲望の発揮が蚊帳の外になっているのです。

プロの演奏家やプロスポーツの選手はどうしているのか。
「人間は同時に2つのことを考えることはできない」 という人間の特徴を活用しているのです。
具体的には、目の前の行動に没頭するようにしているのです。
身体運動に没頭することによって、不安を生じさせる前頭前野の働きを弱めようとしているのです。
これはプリショット・ルーティンと呼ばれています。

バッターボックスの土を足でならす。同時に右手でグルッと1回転させる。
その後、バットをピッチャに向けながら、左手でユニフォームの右肩をつまんで構えに入る。
それ以外にも、試合に臨む前の準備や行動は寸分の違いのないようなルーティンが貫徹されています。
これはフィギアスケートの羽生結弦選手も同じです。
私たちもこれに倣って、不安やプレッシャに押しつぶされそうになったとき、目の前の日常茶飯事を淡々とこなすという姿勢を堅持したいものです。





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Last updated  2019.07.01 06:30:07 コメントを書く
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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