森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.07.02
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今日は「境遇に柔順なれ」について考えてみたい。

野球選手でも、「私は先発しかやりません」「100球以上は投げません」「中6日はあけないと投げません」という選手がいます。
ましてや、「中継ぎをやってくれ」「抑えをやってくれ」といわれると、監督に反発して受け入れない人もいます。どこまでも我が道を行くという感じです。
それでも成績を残せる選手はプロ野球の世界で生きていけるでしょう。
でもほとんどは辞めていくことになるでしょう。また一般的には煙たがられます。
そういうスタイルを押し通されると監督やコーチは、その選手を使いにくくなります。
個々の選手の性格や長所を見極めて、今の戦力の中でいかに適材適所で成果を出してもらおうかと考えているのに、融通が利かなくなってしまうからです。他の選手との関係も悪くなります。
ですから、選手は自分の与えられた状況を素直に受け入れて、その中で精いっぱいの努力をすることしか道はないのだと思います。
その状況を受け入れないで、反発や反抗にエネルギーを投入していると、練習への情熱が失われ、パフォーマンスはどんどん落ちてしまいます。


みじめな現実が待っているのです。
この場合も理不尽な仕打ちに反発して、すっかり仕事に対する意欲をなくしてしまう人がいます。
現実を受け入れられない人です。以前とは人間性そのものが変化して、昔の面影がなくなります。

ところが反対に、左遷や出向先で組織を立て直し、業績を伸ばしていく人もいます。
仕事にも積極的、他の社員や取引先との関係も良好で、水を得た魚のようです。
そして数年後、その手腕が認められて、本社に呼び戻されて、重要ポストを与えられ、中には取締役に抜擢されるような人もいます。
この人たちは、左遷や出向の現実を一旦は受け入れることができた人だろうと思います。
境遇に反発しないで、与えられた環境、境遇の中で精いっぱい生きていこうとした人です。
これが森田理論でいう事実を受け入れ、「自然に服従して、境遇に柔順に生きる」を実践した人だと思います。

私たち人間は、生まれた家、経済環境、身体的欠陥、精神的欠陥、両親や家族、神経質性格、生まれた国、生きている時代は、どうあがいてもコントロールすることはできません。
火山の噴火、地震、津波、台風、土砂災害などと同じ自然現象です。

そのほうがよほど意味のある生き方をすることができます。
森田理論では、「自然に服従し境遇に柔順」な生き方を強くお勧めしているのです。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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