森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.12.26
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森田先生のところの入院は4期に分かれていた。
このなかの第4期というのは、結局は複雑な実際生活に対する訓練の時期でありますが、この第4期に入りますと、外出したり読書をするなどということもやらせる。
読書につきましては、、すべて娯楽的なものをやめ、また哲学や文芸ものなど、思想的もしくは観念的なものはしばらく読まないことにいたします。
なぜかといえば、神経質の人のつねとして、とくに観念的な傾向が強くて、考えていることが、現実や具体的なことから遊離しがちな傾向があるからであります。
そして動物学、天文学、あるいは心理学、歴史、伝記、そういうやさしくて実際的な本を選んで読むようにする。

読書の方法は自分の部屋にもどって読むようなことはさせない。
たとえば二宮尊徳が山にたき木をとりにいきながら、自分が道々本を読んだというように、仕事のあいまあいまとか、気が向いたときとか、そういうときにいつでも手軽に本に目を通すと、そしてどういうときでも読みたいときに読み、そしてどこからでも2行でも3行でもいいだけ読んで、それにあきたらまたやめて、書物を読むときでもとらわれないような読み方をするというふうに、自然に読むことなんですね。
これが森田式の読書法でありまして、なんとかこれを読んで覚えてしまわなくてはいけないという完全欲が強いのが神経質ですから、本を読むときにもこれだけ読んだらこれだけ覚えてしまわなくてはいけない。どうも頭に入らない、困ったもんだというふうにとらわれた読み方ではなく、わかろうとわかるまいと、まず手軽に読んでいくという読書法を繰り返す。

そうすると自分の読んでいることにも興味を覚えて、いつのまにか時間を忘れて読むようなこともある。

そういうような書物の読み方をするというのが、森田式の読書法であります。
(生活の発見誌 1990年11月号 森田博士の生活道 多田茂 42ページより引用)

これはなにも読書だけに限らない。
生活の中で気のついたこと、興味や関心のあることに、最初はおくっくうだ、面倒だと思っても構わない。イヤイヤしかたなしに手を出していくということが肝心です。
つまり森田先生のところでは、気分本位の態度を戒めていたのです。
気分本位の態度は、少し油断していると、誰でもすぐにその方向に流されてしまいます。
それを断ち切ることで事態は動いていくのです。弾みがついていくのです。
次第に自発的活動が盛んになって、外界の変化に順応して心は活発に動いていくようになるのです。
つまりとらわれの対象が自然に次々と変化していくようになるのです。
そして最初の煩悶とか苦痛、そういう物はいつとれたか分からないように忘れている。
薄らいでいって、ときとして感じることもあるけれど、しょっちゅうそういうことで悩まされなくなるという経過をだどっていくのです。

さらに自分の生活自体が目に見えて変化し、活動的になってくるのです。





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Last updated  2019.12.26 06:20:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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