森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.14
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2月号の生活の発見誌に考えさせられる記事があった。


森田理論学習を始めて日の浅い人に、知らず知らずのうちに「支援」というより「指導」というか、「指示的」になっていませんかという指摘だった。

確かにそういう傾向がありますね。
神経症でのたうち回っている人に、その苦しい気持ちには手をつけないで、目の前のなすべきことに取り組んでみましょう。
森田理論では、それに取り組むことをお勧めしています。などなど。
相手の話をよく聞かないで、「いきなり森田」です。

相談する人は、そうすればよいのは分かっています。
頭では分かっているのに行動に移せない。

すぐに嫌なことから逃げだしてしまう自分を自己嫌悪している。
そういう人に「いきなり森田」の考え方を勧めては、二度と集談会に参加したいとは思わなくなる。それが自然な流れだと思います。
「いきなり森田」はアドバイスする人の自己満足に終わり、相手には届かないことのほうが多い。

初心者に対して先輩会員は、傾聴と受容と共感の気持ちで接することが大事です。
話やすい雰囲気をつくり、相手に心地よい居場所を提供してあげる。
相手の話を価値批判しないでよく聞く。
私たちも以前は神経症でのたうち回っていました。
その時に先輩が、「私もそうでしたよ。苦しい気持ちはよく分かります。
一緒に森田の学習をしていきましょう。きっと楽になりますよ」と寄り添ってくれました。
そのとき、「この会には私と同じ体験をした人がいる。自分もよくなるかもしれない」とかすかな希望を見つけだしたことを思い出します。

悩んでいる人たちは、自分はどんなことに不安を感じていて、「本当はどんな生活を期待していたのか」など自分の感情を自覚できていない人も多いと思うのです。

いろんな思いがあっても「それはそれでいいんじゃない。みんなそうだよ」と受け止めてもらえるような体験が大切だと思います。
「いきなり行動」を強要するよりは、不安を含めて様々な感情をそのまま受け止めてもらえることが先にこないといけない。
初心者に対しては、「いきなり森田」ではなく、深く包み込むような、一緒に悩んでくれる人がいるアットホームな居場所を提供してあげるだけでよいのだと思います。
そして次には、その人の神経症体験や森田を活かした生活実践の話が参考になる。
それがないと、森田は食わず嫌いの一品になってしまいます。

集談会の進行でまず心がけることは、包容力のあるアットホームな集談会を目指すことであると考えます。
森田の先生がいるような集談会は、心強いのは確かだが、かえって弊害も多いことを忘れてはならない。





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Last updated  2020.03.14 06:37:16
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