森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.09.08
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私たちの自助組織では1993年会員数がピークに達して、以後ずっと右肩下がりである。
組織が衰退していくことは寂しいものである。
何とか会員を増加させようといろいろと手を打っているが、効果が上がっていない。
このブログの開設も、森田理論を知らない人にその魅力を伝えたいと思って始めた。
アクセス数は毎日800人から1000人ぐらいはある。
しかし自助組織の会員増にはほとんど結びついていない。
その原因を考えてみた。3つあると思う。

1、現役世代が貧困層に陥っている。年収が200万円以下という人たちが1000万もいる。
そういう状態は、食べていくことが第一の目的になる。

心の問題を考えるゆとりはないのである。
戦時中は神経症になる人はいなかったという。
ガンなどの命に係わる病気を抱えた場合なども、神経症の悩みは無くなる。
現代社会は貧困化が神経症という心の問題から遠ざけているのである。
これは政治や経済の問題である。私たちが現役の時のように1億総中流社会のようになれば、自然と森田療法は活性化する。私の所属している自助組織もその追い風を受けて会員が増加してくるとみている。そのためには私たちは、どうしても政治経済の在り方に関心を持たざるを得ない。

2、神経症の治療法が多角化した。まず薬物療法がある。この方が手っ取り早い。
精神療法が多様化した。その中でも精神分析は落ち目だが、認知行動療法が主力となっている。
そのほかカウンセリングを受ける人も増えてきた。
森田先生の頃は、神経症治療にとって、森田療法が大きな役割を果たしていた。
現在はその比重が相対的にどんどん減少してきた。
森田療法を第一優先順位として選択されることは少ない。ほとんどないといってもよい。


3、森田理論は神経質性格の特徴の一つである「生の欲望」が強い人が適応対象者である。
ところが「生の欲望」が感じられない人が増えている。
誰でも赤ちゃんの頃は、好奇心いっぱいである。
そしてなんでも意欲的に取り組んでいたのである。
成長するにつれて、やる気がどんどん失われてきた。

過保護、過干渉、無関心な親のしつけや教育が、子供の独立心や生命力をむしばんできた。
これは親の教育だけではない。日本という国体もそうだ。
日本という国は、国防という面ではアメリカに依存している。
経済という面では、中国に依存している。
依存すれば楽ができるが、自立して生きるという人間本来の生き方はできなくなる。
暇を持て余し、砂を噛んで暮らすような空虚な生活を強いられる。
森田理論学習の隆盛は、ひとえに子育て、国の自立の問題と結びついている。

これらの3つの問題点が複雑に絡み合って、会員減少を招いていると考えている。
この流れを阻止することは、大変難しい。波でいえば現在大底に入る。
私たちの役目は、100年以上も続いている、森田理論を過去の遺物としないことだと思う。
細々とでもよいので継続させる。捨て去ることは何としても避けたい。
そのためには、私たちは大いに森田理論を生活に活用して有意義な生活を送る。
理論的には分かりやすい理論として整備する。実践ための具体的な筋道を作っておく。
そしていつか大底を抜けて、波が上昇してきたときには、即座に対応できるようにする。





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Last updated  2020.09.08 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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