森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.09
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2日間にわたって優越感と劣等感について投稿しました。

これは他人と比較して、是非善悪の価値判断をすることで生み出されるものだということがお分かりになったと思います。自己肯定感、自己否定感で葛藤している人も同じからくりによるものです。

ここでは森田理論が目指している3つの方向性についてまとめてみたいと思います。
1、不安の裏には欲望がある。人間の力でどうすることもできない不安に対しては、不安そのものをなくする対症療法はとらないようにする。生の欲望の発揮に目を向けて、生活を前進させる。
不安を抱えたまま、なすべきをなすということです。気分本位に流されてはいけません。

2、「かくあるべし」で凝り固まっていることで、神経症的な葛藤や苦悩が発生していることを自覚する。そしてどんなに理不尽なことでも、事実を事実として認める。事実をイヤイヤ仕方なしにでも受け入れる。事実を目の敵にするのではなく、常に事実に寄り添う態度を身につける。
そこを出発点として、達成可能な課題に取り組みながら生活していく。

3、2の段階では、事実に対して是非善悪の価値判断をしています。
第3の段階では、事実に対しては、これは良いとか悪いとかの価値判断をしないという段階です。

自然現象に対して反抗的な態度にならない。自然と一体化する。
寒いときには寒さになり切り、暑い夏には暑さになりきるような態度です。
こういう態度になると、自然の変化に対して、自分の方から合わせていくことになります。
流れに沿って自然調和を目指していくことになります。

人間には理性的に物事を判断する前頭前野が発達していますので、大変難しい段階です。
今まで生きてきた人生の中で、確固たる自分独自のものさしを作り上げてきました。
それで目の前の出来事を的確に判断しないと、次の行動を選択できなくなると思っています。
優柔不断な行動は、自分の存在基盤をなくするようなものだと考えています。
今更犬や猫のような動物には戻れない。
すぐに是非善悪の決断ができる人が優秀な人だと思いがちです。
これは一理ありますが、それがすべてではないと思います。


ここで森田理論が目指しているのは、繰り返しのようですが、事実にこだわる態度を堅持するということです。事実こそが神様である。
事実を大切に取り扱うのだという覚悟を決めることです。
「かくあるべし」がでたとき、是非善悪の価値判断をしたとき、「ちょっと待て、今事実軽視に陥っていませんか」と自己内省する必要があるのです。
事実に寄り添っていないと自覚できれば、事実本位に引き返すことができます。
その繰り返しによって、事実唯真への道が開けてくるものと思います。


とりあえず1か月間、今まで説明してきた3項目に従って、果たして自分の場合はどうだったのだろうかと振り返ってみる事をお勧めします。
実行できている人は、相当高いレベルに達している人だと思われます。
森田の達人の域に到達されている方です。





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Last updated  2020.10.09 13:17:44
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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