森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.12.22
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私たちは実践や行動するときに、確実に成果が上がると見込まれるものにだけに取り組もうとする傾向があります。成功するかどうかわからないものには手をださない。
自信がないものは取り組む気になれない。
仮に手を出しても、及び腰で取り組むので、失敗することの方が多い。
失敗するとやはり自分考えていた通りのことが現実になった。
やはり手をださない事のほうが正解だったと納得してしまう。
こうしてますます行動に抑制がかかります。
他人からはやる気のない、ただ生きているだけの人とみなされるようになります。

そういう人の心理はどうなっているのか。
失敗するとエネルギーの無駄遣いになると考えている。

自分のエネルギーはできるだけ効率よく使う必要がある。
そのためには、成功するか失敗するかをあらかじめ見極めなければならない。
そして、100%成果が上がる事だけに、エネルギーを投入しよう。
頭の中が効率優先、成果優先の考え方で凝り固まっているのである。
一見効率的で合理的な考え方のように見えます。

ミスや失敗が高い確率で予想されること、損失が予想されること、危険な目に合うことは最初から回避するという態度が強いのです。
この生き方のプラスの面は、ミスや失敗を招くことが少なくなるということです。
その結果、精神的にイライラすることがありません。
身体を危険な目に合わせることもありません。
解決の困難な問題を抱えることがありませんので、無難な人生を送る事ができるかもしれません。

しかし効率優先、危険回避の考え方は、マイナス面が大きすぎます。

幼児のまま大人になるようなものです。社会に適応できなくなります。
ミスや失敗は誰でも嫌なものですが、人間が生きていく上において大きな役割を果たしています。エジソンも言っていますが、失敗は成功するための糧になるという側面があります。
失敗に学ぶ態度を持っていると、失敗するたびに成功するためのコツを積み重ねていることになります。単なる失敗ではなく、将来成功するための基礎固めを積み重ねているということです。失敗して試行錯誤を繰り返して、絶対に手抜きをしてはならない事、面倒でも丁寧に取り組まないとダメなことが分かってきます。また、絶対に手を出してはならない事も分かってきます。
この数多いほど、またそれらを乗り越えた人ほど、大きな成功と自信を獲得しているのです。
その地点を出発点にして、さらに大きく飛躍できる基礎固めが完了したということです。


森田理論の中に、「努力即幸福」という言葉があります。
課題や目標を持って努力精進している生活の中に生きる意義は存在しているという考え方です。
成果や成功を期待して行動しているわけですが、幸福というのはその目標を達成するかどうかにあるわけではない。ミスや失敗を繰り返しながら試行錯誤している過程。プロセスにあるという考え方です。こういう考え方になりますと、成功するためにはどんな手段を使ってもよいということにはなりません。不正を働き、他人を不幸に陥れるようなやり方は、プロセスという面から見ると問題だらけということになります。不正を働かないで、他人に役に立つようなプロセスを重視した行動が、大きな幸福をもたらすということだと思います。





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Last updated  2020.12.22 06:30:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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