森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.01.26
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西郷隆盛の言葉です。

間違ったときに改めるにあたっては、自分が誤ったと思いついたらそれでいい。
そのことをさっぱり思い捨てて、ただちに一歩前進することだ。
間違ったことを悔しく思って取り繕うとして心配するのは、例えば茶碗を割って、そのかけらを集めているのと同じことでどうしようもないことである。
(南洲翁遺訓を読む 渡部昇一 致知出版社 176ページ)

これは森田先生の「純な心」のことを説明されている。
西郷さんは、間違った考え方や行動に気づくことが大切だといわれています。
これは、ミスや失敗という事実をそのまま認めることですから、たやすいことにように思われます。ところが現実は難しいというのが実情です。

ミスや失敗、能力や力のなさが白日の下にさらされると、自分の存在価値なくなるようで心もとない。周りの人たちから非難されることはどうしても受け入れることができない。

不都合な事実がばれなければ、それらを今まで通り守ることができるはずだ。
なんとかして不都合な事実が公に広がらないように努力しようと考える。

事実はごまかすしかない。見つからないうちに隠した方が身のためだ。
取り繕うしかない。事実を捻じ曲げて自己防衛するのである。
事実を捻じ曲げることに成功する場合も確かにある。
でもほとんどは失敗する。またエネルギーの消耗が激しくて心身ともに疲れ果てる。
そしていくら本人が事実を上手に隠したと思っていても、周りの人はきっとうそをついているなと感じてしまう。直観的に信頼できない人だと判定されてしまう。

事実は隠せば隠すほど、周囲の視線が集まってくる。
政治家や芸能人などの事実隠蔽が大きく報道されるようになると逃げようがない。
いかに上手に事実をごまかしていても、ほころびが出てくることがある。
そのほころびをごまかすために、また別のうそついて整合性を保とうとする。


第3者の証言や監視カメラなどで事実が明らかになると形勢はにわかに逆転する。
そして最後には、「こうするしか方法がなかった」と白旗を上げざるを得なくなる。
その時点で今まで築いてきた数々のものを失ってしまう。

最初はちょっとしたボタンの掛け違いのような状態だった。
それが最終的に当初自分が考えていた方向とは真逆の方法に向かうことになった。

最初のこの事実は受け入れたくないなと思った時が肝心なのです。
事実は事実のままに認めて受け入れる習慣を身に着けことが大切になります。
そうなると、次回から不本意な事実を招かないように手を打つことができるようになります。
同じようなミスや失敗を防ぐことができるようになるのです。
事実を認めないで、事実を捻じ曲げることが習慣化してくると、次にまた同じようなミスや失敗引き起こします。それは反省やフィールドバックが行われていないからです。
森田理論は事実を事実のままに認める態度を身につけましょうという理論だと思います。





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Last updated  2021.01.26 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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