森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.06.25
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カテゴリ: 感情の法則
スティーブン・R・コヴィー氏の言葉を紹介します。

人は、物事をあるがままに、つまり客観的に見ていると思い込んでいるのが常である。
しかし私たちは世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままに(条件づけされたままに)世界を見ているのだ。
物事を説明しようとすると、それは結果的に自分自身、自分の知覚、自分のパラダイムを説明しているに過ぎない。
そして自分の意見に相手が賛成しないとなれば、すぐにその人が間違っていると思ってしまう。
しかし、この演習から学べるように、誠意がありかつ知力に恵まれた人たちでも、それぞれの経験というレンズ(パラダイム)を通じて、同じ事実について異なる見方をするのである。

これは、事実が存在しないということを意味するのではない。
演習の中で違う条件づけを受けた二人が合成した絵を一緒に見る場合、その二人ともが同じ事実を見ているのだ。すなわち、黒い線と白いスペースである。
二人ともこの事実は認めるが、 その事実をどう解釈するかは過去の経験によって決まるということなのだ。そして、事実そのものは、この解釈を抜きにすれば何の意味もなさない。

つまり、自分のパラダイムを現実に擦り合わせ、ほかの人の意見やパラダイムに耳を傾け、より客観的で完成されたものの見方ができるようになるのだ。
(7つの習慣 キングベア出版 23ページより引用)

ここでパラダイムという言葉は「価値観」に置き換えて読んでみてください。

目の前の事象を見た場合、人それぞれ異なった過去の経験や習慣、見方や考え方のパターンに強く影響されて見ているのだと指摘されています。
事実を事実のままに見ると言っても、頭で事実を解釈しようとしなければ事実は見えてこない。
事実を見つめて主体的に解釈することで、初めてその事実は意味のあるものになる。
解釈することで、新たな感情が生まれてくると言われているのです。
その感情に基づいて、対応策を考えて、実践するようになるというのです。
問題は事実観察を怠り、解釈に重きを置くと、事実とは違うものを事実として信じ込むようになるということです。

これは基本的に森田理論の考え方と同じです。
森田では目の前の事象をよく観察することで、気づきや発見が生まれてくるといいます。


しかし、人それぞれ一つの事実に対して独自の解釈をしているということは、人が10人いれば10通りの解釈が発生する。その解釈の違いが人間関係に影響を及ぼします。
場合によっては、他人の解釈を否定、非難、無視することになる、
それを前面に出すと、人間関係はすぐに悪化してきます。
事実の解釈や評価の違いによって、生きづらさを抱えてしまう事になるのです。
自分の解釈が絶対的なものだと思う事は、大きな間違いだということです。


では事実に対してどう対応すればよいのか。
まず人間は、事実に対して、解釈や是非善悪の価値評価をする生き物だと認めることが大切になります。次に、それは人それぞれで全く同じであることはあり得ないと認めることです。

問題ある事実に対しては、事実をより深く観察する。できるだけ事実に近づく。
そのうえで、人それぞれ価値観が違うという前提に立ち、すべての人が、自分の解釈や是非善悪の価値判断を述べあう。
この段階では喧々諤々議論になるかもしれない。そうなった方がよいのです。
その中から、最終的にはみんなで最善の方法を選ぶ。
いったん決定したことは、少々不満であっても、みんなの意見に従って行動する。
つまり妥協や協調性が欠かせないということです。





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Last updated  2021.06.25 06:32:28
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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