森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.09.12
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生活の発見誌の6月号に行動と症状の関係について分かりやすく説明してありました。

車には前輪と後輪がありますが、後輪の方はコントロールできないんですね。
前輪の方はハンドルを右に回せば右へ行く、左に回せば左に行く。
だから、前輪はコントロールできる行動と心構え、後輪は症状とか感情とかコントロールできないもの。前輪をコントロールすれば、後輪は前輪についていくんですね。
だから、間接的にですけれども、いずれ後輪は前輪についていくということです。
そういうふうにして、前輪は「行動と心構え」、後輪は「症状とか感情」、こういう風にすれば分かりやすくなるかなと思います。

感情は台風のような自然現象の一つですから、意のままにコントロールすることはできません。
人間は天候などの自然現象は、素直に受け入れています。
ところが、どういうわけか不安や恐怖などは取り除いてしまおうとします。

これは不安や恐怖の中身を、十把一からげに取り扱っているからではないでしょうか。

これに対して、ラインハート・ニーバンは、不安や恐怖には変えることができるものとできないものがあると言っています。
1、変えることができないものについては、それを「受け入れる冷静さ」を持ちなさい。
2、変えるべきものについては、それを「変える勇気」を持ちなさい。
3、そして、変えることのできないものと変えることができるものを「区別する智恵」を持ちなさい。

生活の発見会が出している「森田理論学習の要点」の中に、感情は、人間の内なる自然現象のひとつであって、意志によってコントロールできるものではありませんと書いてあります。
たしかに、人前での緊張感、憂うつな感じ、不安感など、湧いてくる感情は人間性の自然であって、変えようと思っても変えられるものではありません。
それをあえて変えようとして、悪戦苦闘した結果が神経症で苦しむことになるのです。
この手の不安や恐怖には手を出さない。つつきまわさない。これが前提です。
神経症は不安や恐怖との格闘を中断した途端、その日から治ると聞きましたがまさにその通りだと思います。

さて、森田理論によると、不安や恐怖の裏には欲望が隠れていると言います。

そして、欲望が暴走しないように、不安や恐怖を活用して、欲望を制御すれば万事うまく収まりますよと教えてくれています。理にかなった理論だと思います。

ただし、すべての不安や恐怖をそのまま放置していればよいと理解してしまうことは早計です。
不安や恐怖を察知したら、改善策や打開策を考えて、早めに行動に移すことが必要な場合があります。例えば、日本は災害が多い。地震、台風、土砂災害、火山の噴火などです。
これらは不安を感じたら、ただちに身の安全を確保する対策を講じる必要があります。
自動車保険、生命保険、火災保険、医療保険、地震保険などに入るのは、不安や恐怖があるからこそ手が打てるのです。万が一の災難を想定した対策です。





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Last updated  2024.06.04 10:09:58
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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