森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.02.23
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カテゴリ: 最新の脳科学
脳の神経系は、ドパミン系、ノルアドレナリン系、セロトニン系の3つがあると言われています。それぞれの神経系がどのような作用を及ぼしているのかを見てみたいと思います。

ドパミン系・・・これが活性化すると、やる気が出てきて、行動が積極的になる。
快楽神経系、報酬系神経回路と言われています。
我々神経質者は、ともするとドパミン神経系の活動が停滞する傾向がある。

ノルアドレナリン系・・・不快、嫌いという感情が湧き上がった時作動している。
リスクを回避して、不安やストレスから心身を守っている。
行動は防衛的、消極的、回避的、自己内省的となる。
ただ精神が緊張して集中力が出てくるのもこの神経系のおかげである。
気になる1点に焦点を絞るので、集中力が出てくるのです。

ただ、神経質者は、この回路が強大で、葛藤や苦悩を抱えている状態である。
一般的に防衛系神経回路と言われている。

ドパミン系が主導で、ノルアドレナリン系が制御機能を果たすとバランスがとれる。その他、神経系にはセロトニン系が大きな役割を果たしている。
特に次の2点に注目したい。

①大脳に人の気持ちを思いやるという機能がある。
共感力、受容力、包容力、許容力 をもたらしているという。
決して自己中心ばかりではないのだ。
これは前頭前野の「腹内側部」にあると言われている。

②神経症的な不安や恐怖が湧き上がった時、また意図したことが予想外の展開を見せたとき、いつまでもそれらにとらわれないようにスパッと切り替える役割を果たしている部所がある。
切り替え脳の仕組み が前頭前野に備わっているのである。
一つのことにとらわれ続けるよりも、刻々と変化する状況に次々と対応し、そちらに飛び乗るという機能が人間には備わっているのだ。

これは前頭前野の「腹外側部」に存在している。

さて、本日注目したいのは、セロトニン系のこの2つの働きです。
共感力、受容力、包容力、許容力は人間関係を良好に保つために必要です。
でも現実は、いつも自己中心的な面が前面に出てきてしまう。
他人に役に立つことよりも、自分をよく見せようとし、自分の都合を優先してしまう。森田理論との関係でいえば、理想や完全欲が強く、観念優先で「かくあるべし」を自分、他人、自然に押し付けてしまう。


また神経症的な不安にいつまでもとらわれて、精神交互作用で神経症として固着させている。不安を抱えたまま、目の前の仕事や課題に取り組みなさいと言われても、どうしても不安やストレスを目の敵にして格闘してしまう。

せっかく人間の大脳に「共感力、受容力、包容力、許容力」や「切り替え脳」の機能が搭載されているにもかかわらず、残念なことに宝の持ち腐れとなっている。
大脳の機能はほんの数パーセントしか活用されていないというから、その通りなのかもしれない、

これは今まで、セロトニンが優れた役割を果しているという知識もなければ、学習することもなかった。
その結果、元々脳の機能としては備わっていたにもかかわらず、活用することができなかったのではないか。

でも、最近の脳科学がその疑問を解決してくれました。
今では森田理論の学習に、最新の脳科学を取り入れることが可能な時代に入ってきました。これらを融合して神経質者の人生観の確立を目指していきたいと考えています。
その中心はセロトニン神経系をいかに活性化させるかということになります。
(ストレスに強い脳、弱い脳 有田秀穂 青春出版)





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Last updated  2024.06.04 09:00:24
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森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
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