森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.09.11
XML
「荘子」「知北遊」篇には、「人間の肉体は誰のものでもない、ひととき預けられたものである」とある。
人間の身体も皆、自然界からの借り物であって、いずれは返さなければならないものである。
(菜根譚 ナツメ社 156ページ)

これは人間の身体は、市民菜園、レンターカー、事務機器、コンサートホールなどと同じように、レンタルしているようなものだという考え方です。
借りているものは、期限がくれば返却しなければなりません。
棄損したものを返すことになると、損害を弁償しなければなりません。
人様のものですから、返却日まで細心の注意を払って大切に取り扱うことが欠かせません。

はたして人間は自分の身体をそのように取り扱っているでしょうか。
自分の身体は紛れもなく自分の所有物だと思っていることが多いのではないでしょうか。そう考えていると、不平不満が生まれてきます。


たとえば、もっとイケメンや美人に生まれてくればよかった。
スポーツ万能、頭脳明晰、能力が高く、リーダーシップのある人間に生まれてきたかった。家柄も立派で、戦争とは無縁な時代や国に生まれてきたかった。
絶えず理想と現実が言い争いをするようになります。

山崎房一さんは、「自分の最大の敵は自分」であると指摘されています。

自分にとって、一番恐ろしいことは
自分が他人の目で
自分の欠点を責めたてて
自分の存在を否定すること

自分にとって、一番心強いことは
どんなことがあっても
自分が自分の味方になって

(心がやすらぐ本 PHP 70ページ)

森田理論の学習の中で、「かくあるべし」という観念的、理想主義的な態度で、現実や現状を否定している態度が葛藤や苦悩を招き寄せていると学びました。

私は、現状に不平や不満、グチ、自己嫌悪、自己否定の感情が湧き上がった時、次のように考えるようにしています。

まずいい、上から下目線で「かくあるべし」を押し付けているぞ。
自分の悪い癖が出て来たよ。自分に寄り添うことが一番大切だ。

事実に寄り添って、下から上を見上げるようになりたいね。
最悪な事態を想定してそれをあるがままに受け入れてみよう。
キーワードは一休禅師の 「大丈夫。心配するな。なんとかなる」 です。

次にマイナス感情にばかり浸っていると、未来に希望が持てなくなってしまう。
バランスが崩れると、存在基盤が崩れて、空中分解してしまうのが宇宙の法則だ。森田の両面観や精神拮抗作用を思い出そう。
マイナス感情が湧き上がったとき、ポジティブな感情を考えてバランスをとる必要がある。
キーワードは 「サーカスの綱渡りのイメージで生活しよう」 です。

集談会では、お寺の住職さんから「ほどほど道」という生き方を教えてもらいました。私たちはイヤのことが発生すると、それを大きく膨らませて、自分の人生に致命的なダメージを与えてしまうと考えてしまいます。
それを周りから見ると、「悲観上手な天才」に見えてしまうのだそうです。
実に滑稽で精神的に幼いピエロを演じているかということです。
中庸の考え方、見方を身に付けるためには、集談会などで切磋琢磨する必要があると思います。ここでのキーワードは、 「白と黒の間には無限の灰色の世界がある」 ということです。
灰色の部分に注目できるようになった人は、包容力を持った心の広い人に見えます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022.09.11 06:35:00
コメント(0) | コメントを書く
[観念重視から事実重視への転換] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: