森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.11.21
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カテゴリ: 認識の誤り
アインシュタインは次のような言葉を残している。

常識とは18歳までに培った偏見のコレクションである。

ハッとする言葉である。なかなか鋭いことを言っている。
この言葉は森田理論に関係する話だと思う。

日本でいえば18歳は選挙権を与えられて、大人の仲間入りをする年齢である。18歳になると、責任ある大人として行動することが求められるということです。

生まれてから18歳までのさまざまな学習や体験を通して、自分の行動パターン、思考パターン、信条、一般常識、普遍的で役に立つ知識、社会でのマナーやルール、人間関係のコツなどを身に付けていく。
目の前に起きてくる問題や課題に対して、これらを活用して対応していく。
過去の膨大なデータ記憶に基づいて、自動的に行動方針を打ち出している。

アインシュタインはこの行動や思考パターンに疑問を投げかけているのである。
そもそも個人体験に基づく行動パターン、思考パターンは、人によって大きく違う。ある人は右と言っているのに、別の人は左というようなことは日常茶飯事である。


同じようなパターンというけれども、以前と全く同じケースということはあり得ない。それなのに、人間は事実確認を怠り、長期記憶を信頼して行動方針を立てている。

常識、先入観、決めつけ、早合点で意思決定し、事実誤認が発生した場合、そこに投入した資金や労力は無駄になるのではないか。
また、否定的、ネガティブ、マイナスに判断して逃避した場合、チャンスをみすみす取り逃してしまうということが発生するのではないか。
人間関係も悪化してきますし、メリットよりはデメリットが多くなります。

このアインシュタインの考え方は、森田理論と同じです。
森田理論の基本的考え方は、人間は大脳が高度に発達して、観念優先で事実を無視ないし軽視する傾向があるという。
「・・・であるべきである」「・・・であってはいけない」という「かくあるべし」を自分、他人、自然に押し付けている。
その結果、観念と事実の間には大きな溝が生まれている。

その溝を埋めるために、観念を事実に合わせるという人は少ない。
反対に事実を観念の世界に無理やり引き上げようとしている人は多い。
そして葛藤や苦悩を抱えて苦しんでいる。


森田先生の唱えられた「事実唯真」という言葉は、観念優先の態度から事実優先の態度に180度転換することを目指しています。
そこでは人の話を鵜呑みにしたり、世間の常識や世論をそのまま信用したりすることはなくなります。
また常識、先入観、決めつけ、早合点で将来の行動を選択することもなくなります。
ある程度予想できることでも、今一度自ら足を運び、自分の目で確かめる。
観察を徹底し、よく分からなければ、実験をして真相を確かめることになります。





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Last updated  2022.11.21 06:20:07
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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