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漢字文化圏のなかで漢字かな交じり文を廃止した国としては、朝鮮とベトナムがあるわけで・・・朝鮮はハングル専用、ベトナムはローマ字表記に落ち着いたのです。ベトナムでは複雑な音素を書き表すのにローマ字表記やチュノムが考案されたがいずれもこの本の著者が「悲哀」と呼ぶ状況に陥ったようです。*********************************************************漢字がつくった東アジア4を書いていて、クオック・グーというベトナム語のローマ字表記化に関するwikipediaのサイトに巡りあたったわけです。言語学的なややディープなサイトなんですが、辺境、言語といえば・・・大使のツボでんがな♪wikipediaクオック・グーよりベトナム語のローマ字表記の辞書 クオック・グー(國語)とは、ラテン文字を使用してベトナム語を表記する方法。アクセント符号を併用することにより、ベトナム語の6声調を表記し分ける。「クオック・グー」とは、「国語」のベトナム語読みである。 1651年フランス人宣教師アレクサンドル・ドゥ・ロードが作成した『ベトナム語-ラテン語-ポルトガル語辞典』において、ベトナム語をラテン・アルファベットで表記したものに起源をもつ。ベトナムのフランス植民地化後、公文書などで使用されるようになったことから普及し、1945年のベトナム独立時に漢字に代わりベトナム語を表記する文字として正式に採択され現在に至る。 ベトナムでは、公式な書き言葉として、20世紀に至るまで漢文が用いられてきた。また、漢字語彙以外のベトナム固有の語を表記するための文字としてチュノムも、13世紀に発明されて以降知識人の間などで長年使用されてきたが、習得が難しく統一した規範も整備されなかったため、18世紀の西山朝などの一時期を除き、公文書では採用されなかった。 1651年に、フランス人宣教師アレクサンドル・ドゥ・ロードが、現在のクオック・グーの原型となるベトナム語のローマ字表記を発明したが、主にヨーロッパ宣教師のベトナム語習得用、教会内での布教用に使用されるのが主であり、一般のベトナム人に普及することはなかった。<問題点> クオック・グーは起源からしてフランスの植民地権力に近い側の知識人に由来するため、その綴りにはフランス語中心的な視点にたち、必ずしもベトナム語に適していないものもある。ベトナム語で同じ音素であっても、フランス語で書き分けるものやフランス人が聞いて違う音と判断したものは書き分ける。例として音素kは、フランス語の規範にのっとりc、k、quを使い分ける。また、音素ngも場合によってngやnghと書きわけられる。 またクオック・グーは中国のピンインや注音字母と違い、正式な文字として採用されたため、それまで多くの著作を著すのに使用されてきたチュノム表記ベトナム語や漢文を破滅に追いやったという側面もある。これも、クオック・グーはキリスト教徒や植民地権力が、ベトナムの儒教や仏教、そしてベトナムの文明を、フランス文明、キリスト教、西ヨーロッパ文明へと置き換えるために、漢字漢文の素養を破壊する道具として利用したことに起因する。1945年独立を期に、チェノムよりクオック・グーに切り替えたのは中華のしがらみを絶ったのでしょうか?ベトナム人にとっては、フランスの植民地化より中華との桎梏がより深く誇りを傷つけていたのかも知れませんね。でも、中華のしがらみを絶ったが、フランスのしがらみが残っているという・・・・ベトナム語の悲哀というしかないのかも。一方、朝鮮半島のハングルである。これは朝鮮人の独創的発明であり、宗主国日本とのしがらみを絶つということでは・・・ヴェトナムよりは幸せな、言語上の変革でしたね。*********************************************************■2013.06.24XMLベトナム語の悲哀 https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201306240000/
2024.07.31
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図書館に予約していた『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』という本を、待つこと10ヶ月ほどでゲットしたのです。坂本さんはツイッターやSNSと距離をおくというか、時代の流れに逆らうように「非同期」を意識してきたとのこと・・・アナログな私はしびれるのです♪【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>坂本さんはツイッターやSNSと距離をおくというか、時代の流れに逆らうように「非同期」を意識してきたとのこと・・・アナログな私はしびれるのです♪<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろうまず冒頭の1章から、見てみましょう。p7~10<1 ガンと生きる>■ベルトルッチとボウルズ「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」70歳の古希を迎えてから、よくそんなことを思います。こんな台詞が映画『シェルタリング・スカイ』(1987年)に出てきたことを憶えている方もいるかもしれません。『ラスト・エンペラー』(1987年)に続いてぼくが音楽を手掛けた、ベルナルド・ベルトルッチ監督の作品ですね。 映画の最後に、原作者のポール・ボウルズが登場し、枯れ葉ぼそっとこう語ります。「人は自分の死を予知できず/人生を尽きぬ泉だと思う/だがすべて物事は数回 起こるか起こらないか/自分の人生を左右したと思えるほど/大切な子供の頃の思い出も/あと何回 心に浮かべるか/4~5回 思い出すのがせいぜいだ/あと何回 満月をながめるか/せいぜい20回/だが人は 無限の機会があると思う」 実際、ボウルズは映画の完成から10年も経たずにこの世を去るわけですが、『シェルタリング・スカイ』に関わっていた頃、ぼくはまだ38歳でした。ボウルズのこの言葉は鮮烈な印象を残しましたが、必ずしも我がこととして捉えていたわけではなかった。 でも、2014年に中咽頭ガンが発覚してから、自らのモータリニティ・・・死についても、自然と考えざるを得なくなりました。 そんな経緯もあって、2017年に発表したアルバム『async』では、『fullmoon』(満月)という曲を作りました。映画の中からボウルズの先ほどの一節をサンプリングし、同じ文章を中国語やドイツ語、ペルシャ語などさまざまな言語に翻訳して、それぞれのネイティブのアーティストに読み上げてもらいました。 一番最後がイタリア語で、実はその朗読をしているのがベルトルッチなんです。「もしイタリア語を入れるなら、あなたしか考えられないんだけど、やってくれるかな?」と軽い気持ちで頼んだら、彼からすぐに「ああ、いいよ」とメールの返信が届き、しばらくして録音した音声データが送られてきました。 ボウルズの声は、戦前のニューヨークで前衛作曲家としても活躍しただけあって枯れた味わいがあり、声質からも並のアメリカ人とは違う教養の深さを感じさせます。対して、ベルトルッチの声は実にドラマティックで、さすがはオペラの国のひとだなと思わせる、こちらも素晴らしいものでした。 しかし、そのベルトルッチも曲の完成から1年後には亡くなります。録音という形ではあるものの、『fullmoon』での声の出演が、彼の生前のアピアランスとなってしまいました。
2024.07.30
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図書館に予約していた『続 失踪願望』という本を、待つこと1ヶ月半ほどでゲットしたのです。この本は日記(続 失踪願望)と、エッセイ(さらば友よ!)の二本立て構成となっているが・・・いずれもややマッチョなシーナが見られて・・・ええでぇ♪【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>この本は日記(続 失踪願望)と、エッセイ(さらば友よ!)の二本立て構成となっているが・・・いずれもややマッチョなシーナが見られて・・・ええでぇ♪<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望「どぶろく、島酒、アイスバイン:2022年10月」から八丈島キャンプあたりを、見てみましょう。p61~64<どぶろく、島酒、アイスバイン:2022年10月>■10月13日(木)「kotoba」の著者インタビューで集英社へ。聞き手は目黒(考二)。ひさしぶりだ。コロナ以降なかなか会えなくなっていた。何してたんだ? と聞くと、家で本を読んでいる毎日と言っていた。文芸評論家そのものじゃないか。 11月に発売となる『失踪願望。』を中心にしばし文章世界の話をする。目黒はやや太っていたが早口に迫力があり、あいかわらずかなわなかった。■10月14日(金) 八丈島は雨だった。 週刊ポストの連載「わしらは怪しい雑魚釣り隊」の取材だ。雑魚釣り隊は第三次怪しい探検隊の位置づけであり、現在は休刊してしまった沖釣り雑誌「つり丸」の連載として2005年にはじまった。2012年からは「週刊ポスト」に移籍して、月に一度どこかの浜辺に出かけては自堕落キャンプを続けてきた。 それが今回の取材で一応、最終回を迎える。担当のケンタロウに「17年のケジメとしてどこか行きたい海はありますか?」と聞かれたので八丈島と答えた。ちなみに第一回は伊豆大島だった。 雨で堤防釣りは中止となり、今夜の肴は出船するメンバーの釣果次第だ。居残り組はキャンプ場で怠惰にビールを飲んだ。ツマミは島寿司だ。文句ない。 夕方に無事、釣り班が豪華絢爛の島魚を仕留めてきて宴会のメドがたった。山下カズも金目鯛を差し入れてくれ、これをしゃぶしゃぶにした。島焼酎がうまい。 夜になっても雨は止まらなかったが、タープに当たる雨音が心地よい。ぼく自身の釣りはちっとも上達しなかったが、こうして釣って食って飲んでの贅沢な17年間だったなあ、と感傷にひたっていたら、どっかで聞いたことのあるメロディーが聞こえてきた。ザコという友人がぼろんぼろんとギターを奏でて歌っていたのだ。 俺がいたんじゃお嫁にゃ行けぬ、という寅さんの「男はつらいよ」の主題歌だ。 長く飲食業界での勤務経験があるザコは隊のコックでもあるけれど、スカバンドのミュージシャンでもある。彼が歌う寅さんはぐっとモダンな印象になるが、これはこれで良さがある。 いつの間にか大合唱となった。二番の歌詞に「目方で男が売れるなら」というフレーズがある。これまでも聞いていたはずなのだが、深く考えたことはなかった。いま歌っている酒好きで旅好きな友人はみんな目方でなんか測れない、いいやつらだなと深く頷き、島酒をおかわり。何時に寝たかは覚えていない。■10月15日(土) 今日も八丈島は雨だ。みんなはキャンプをしていたが、トクヤとシーナのために、ケンタロウはコテージを予約してくれた。そのコテージでトクヤが淹れてくれるコーヒーを飲んで、キャンプ場へ行くと、ヅケ丼の朝飯が用意されていた。トシをとるのもいいもんじゃのう。 午後から藍ヶ江へ移動。今夜はカズが漁師仲間らと野外宴会をしてくれるという。昨日、出船したメンバーが仕留めた10キロ超えカンパチの巨大なカマ焼きメインに、茹でたて島ダコの刺身、蒸かした里芋などがゴーカに並んでいる。島の人気居酒屋「むらた」の店主が焼きそば、スパゲッティまで作ってくれ、ほとんど暴飲暴食だ。途中、追加で酒の買い出し隊が出た。 21時くらいまで続いた続いただろうか、風も強くなったので宴会はお開き。コテージに戻ったが、なんだか眠れないので竹田に「寝酒に島酒を頼めるか」と連絡すると、一升瓶とたっぷりの氷を太陽と共に持ってきてくれた。■10月16日(日) 最終日まで雨だったが、それも八丈島らしくていい。 あまった刺身はヅケにしておいたのでそれを使って童夢が島寿司を握ってくれた。ざっと300カン。30人の男たちのためだ。あっという間にもっともっと!のサワギになった。童夢の島寿司はうまい! 残りの野菜をすべて投入した味噌汁も作る。運転手以外はビールを飲んだ。 夕方の便で東京に戻る。まあ八丈島も東京なのだが。 雑魚釣り隊の遠征も2022年で17年になった。テントかついで全国をマタにかけ、海だ岬だ泥洲だ島だとうろついてきた。途中コロナによる遠征の中断があったが初期隊員の8人から年ごとにどんどん増えていき現在はなんと30人になっていた。八丈島遠征の獲物は1メートル級のカンパチをはじめ10種類、100尾あまり。全部で20キロ以上になっていた。『続 失踪願望』1:『あひるのうたがきこえてくるよ』の舞台となった奥会津
2024.07.29
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・堤未果のショック・ドクトリン・ぼくはあと何回、満月を見るだろう・墜落・漢字のなりたち 日英対訳<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【堤未果のショック・ドクトリン】堤未果著、幻冬舎、2023年刊<「BOOK」データベース>より「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>rakuten堤未果のショック・ドクトリン【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろう【墜落】真山仁著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より2022年6月金城華が夫の一を刺殺。DVに耐えかねた妻が夫を殺した単純な事件として解決するはずだった。しかし、担当検事の冨永真一は不審を感じ、自ら捜査に乗り出す。ほぼ時を同じくして糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡したことで軍事基地が集中する沖縄では、抗議デモが巻き起こる…。かつてない臨場感で沖縄の姿を炙りだす、冨永検事シリーズ第三弾にして最高傑作!<読む前の大使寸評>追って記入rakuten墜落【漢字のなりたち 日英対訳】 白川静, アラン・スウェイツ著、平凡社、2016年刊<「BOOK」データベース>より今も使われる漢字一つ一つに秘められた古代人の信仰や風俗ー豊かで奥深い漢字の世界を歌舞・刑罰・医術など14系列100字でめぐる対訳入門書。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten漢字のなりたち 日英対訳
2024.07.28
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、副本?、予約504)現在49位・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、副本17、予約402)現在26位・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、副本?、予約?)現在1位・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、副本3、予約86)現在19位・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在39位・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、副本?、予約106)現在49位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在31位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在5位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在15位・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、副本?、予約?)現在6位・内田樹『勇気論』(7/07予約、副本?、予約?)現在28位・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』(7/27予約、副本?、予約?)現在13位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』・原爆裁判:延滞資料があり予約不可<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・地球の歩き方 日本・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・消費者金融ずるずる日記・ヤマザキマリ『水木しげる厳選集 異』:図書館未収蔵・猫社会学、はじめます:図書館未収蔵<予約分受取:4/28以降> ・Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 (4/16予約、4/28受取)・本川達雄『ウマは走るヒトはコケる』(3/31予約、5/10受取)・南海トラフ地震の真実(10/20予約、5/15受取)・斎藤幸平『マルクス解体』(11/28予約、6/05受取)・李琴峰『彼岸花が咲く島』(6/19予約、6/25受取)・大学教授 こそこそ日記(1/12予約、6/29受取)・三浦しおん『墨のゆらめき』(8/9予約、7/07受取)・米番記者が見た大谷翔平(5/16予約、7/07受取)・椎名誠『続 失踪願望』(5/31予約、7/18受取)・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、7/27受取)・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、7/27受取)**********************************************************************【黄色い家】川上未映子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本?、予約504)>rakuten黄色い家【図書館のお夜食】原田ひ香著、ポプラ社、2023年刊<「BOOK」データベース>より東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、亡くなった作家の蔵書が集められた、“本の博物館”のような図書館だった。開館時間は夜7時から12時まで、まかないとして“実在の本に登場する料理”が出てくる「夜の図書館」で、本好きの同僚に囲まれながら働き始める乙葉だったがー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本17、予約402)>rakuten図書館のお夜食【鉄道と愛国】吉岡桂子著、岩波書店、2023年刊<「BOOK」データベース>より戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(12/04予約、副本?、予約?)>rakuten鉄道と愛国【イラク水滸伝】高野秀行著、文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>よりアフワールーそこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録ー“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本3、予約86)>rakutenイラク水滸伝【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【ノイエ・ハイマート】池澤夏樹著、新潮社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりある日、難民になる。「新しい故郷」を求めて、歩きだす。そんなに遠い世界の話ではないのです。シリアで、クロアチアで、アフガニスタンで、満洲で、生きのびるために難民となった、ふつうの人たち。その姿と心を、てのひらで触れるようにして描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/29予約、副本?、予約?)>rakutenノイエ・ハイマート【勇気論】内田樹著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりモヤモヤを抱えた編集者との“カウンセリング”往復書簡。ジョブズ、フロイト、孔子、伊丹万作、河竹黙阿弥、大瀧詠一、パルメニデス、富永仲基…話頭は転々として奇を極めー。いまの日本人に一番足りないものは何だろうか?読めば心が軽くなるーウチダが綴る9通のメッセージ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/07予約、副本?、予約?)>rakuten勇気論【誰も書かなかった統一教会】有田芳正著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2022年7月の安倍元首相銃撃事件後、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政界の癒着を中心に多くの報道があった。だが、メディアが報じたのは全体像のごく一部だった。教団をめぐる多くの問題が残されたまま事件の風化を憂慮したジャーナリストが、教団の政治への浸食の実態、霊感商法の問題はもちろん、「勝共=反共」にもかかわらず北朝鮮に接近していた事実、教団の実態を早くから認識していたアメリカのフレイザー委員会報告書、教団関係者による銃砲店経営、原理研究会の武装組織、「世界日報」編集局長襲撃事件、公安が教団関係者を調査していた事実等、その全貌を公開する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(7/27予約、副本?、予約?)>rakuten誰も書かなかった統一教会【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.07.28
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「シー・シェパード」創設者・ワトソン容疑者がグリーンランドで拘束されたそうだ。これで同容疑者がデンマークから日本に送還されることが期待できそうやでぇ♪拘束の「シー・シェパード」創設者、テキサス親父「自分を法執行人と勘違い」と批判 過去に逃亡も「保釈はないだろう」より 東京海上保安部は10年、シー・シェパードのメンバーが調査捕鯨船団に酪酸入りの瓶を投げ、船員にけがをさせた事件の共犯として、傷害と威力業務妨害の疑いでワトソン容疑者の逮捕状を取得した。 ワトソン容疑者が設立した別の反捕鯨団体によると、ワトソン容疑者は今回、日本の捕鯨母船「関鯨丸」の操業を妨害するためグリーンランドの中心都市ヌークへ船の給油などで立ち寄ったところ、拘束された。 マラーノ氏は「ICPOのサイトから(ワトソン容疑者の)手配書が消えていて、一般の人が見られないようになっていた。ワトソン容疑者は『逮捕されない』と思って出ていったのだろう」と拘束の背景を推測する。■「保釈はないだろう」 ワトソン容疑者は12年5月、ドイツで身柄拘束されたが、保釈中に当局の監視の目をかいくぐって逃亡した。ワトソン容疑者が設立した団体は今回、「政治的な目的」で行われたとしてデンマーク政府に釈放を要請している。 ワトソン容疑者は今後、どうなりそうか。 マラーノ氏は「部下がキャンペーンを行って、保釈金のために資金を集めているようだが、⒓年のときも保釈金を払って逃亡しているため、今回は保釈はないだろう」と語った。グリーンランドという土地は先住民族の食環境の保全、日本というのは食文化という伝統の保持ということで関連があるわけで・・・ワトソン容疑者の今後は厳しいものが待っているのだろう。(保釈はないだろう)
2024.07.27
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図書館に予約していた『彼岸花が咲く島』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。この李琴峰という日本で生まれた台湾人作家の使う日本語が興味深いのです。【彼岸花が咲く島】李琴峰著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より【第165回 芥川賞受賞作!】記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だったーー。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。<読む前の大使寸評>この李琴峰という日本で生まれた台湾人作家の使う日本語が興味深いのです。<図書館予約:(6/19予約、副本?、予約0)>rakuten彼岸花が咲く島1章の続きあたりを、見てみましょう。p9~11<1> 島の視点を持っているならば、大海原にぽつんと浮かぶ〈島〉は東西に長く、南北に狭く、ガジュマルの葉のような形をしていることがわかる。偶然にも〈島〉は気候が高温多湿で樹木の生育に適しており、全体的にガジュマルやビロウに覆われて鬱蒼としている。〈島〉の海岸はほとんどが岸壁で、特に最東端の東崎と最西端の西崎ともなると百メートル強の断崖絶壁になる。これらの岩石海岸も植生に覆われており牧場としては最適で、牛や豚、山羊、馬などが飼育されている。砂浜海岸は何ヵ所かしかないが、少女が倒れていた北方の〈北月浜〉がそのうちの一つである。 〈島〉の周囲は風が強く、特に秋から冬にかけては北向きの卓越風で北方の海が大荒れするので、〈島〉への出入りは主に南西にある〈グソー港〉を使う。空港はもちろんない。曾て空港だったと思われる跡地は、今や赤一面の彼岸花の絨毯に覆われている。 海岸以外にも、〈島〉は丘陵や山岳が多い。人々は普段山岳地帯には立ち入らないが、山間の平地へ流れる川は灌漑用水として使われ、米、芋、砂糖黍などが植えられる。平地にある田んぼと畑の周りに人々が集まって、三つの集落ができた。一番規模が大きい〈東集落〉、二番目に大きい〈西集落〉と最も小さい〈南集落〉である。千数百万人の島民はこの三つの集落に分散し居住している。 游娜(ヨナ)が住んでいるのは〈東集落〉である。〈東集落〉は島の北東部に位置し、彼岸花を採りに〈北月浜〉へ出向くのに便利である。少女を発見すると游娜は急いで集落に戻ってオヤを呼び、オヤは車を出して少女を家に運び込んだ。 布団の中で寝込んだ少女は相変わらず顔色が悪く、弱々しく見えた。オヤは游娜が採ってきた彼岸花の花弁を磨り潰し、水を加えて掻き混ぜてから少女の傷口に塗布した。游娜のオヤは旗魚(かじき)捕りを生業としている女性であり、游娜と一緒に生活している。 夜中になると少女は大汗を搔きながら、苦しそうに目を覚ました。まだ身体が重く、頭の内側で啄木鳥(きつつき)が頭蓋を突いているような鋭い痛みが走っているが、傷の痛みはだいぶ治まった。次に襲ってくるのは圧倒的な飢えと渇きだった。渇きのせいで少女は声を発することも叶わないまま、もがきながら上体を起こした。暗闇に目が慣れると、隣の布団で寝ている游娜とオヤの姿に気付いた。 少女は彼女たちを起こさないように気をつけながら、ゆっくり立ち上がろうとした。が、足が思うように動かなくて思わずよろめいてしまい、床に尻餅をついた。 少女が立てた音で游娜も目が覚めた。少女の姿を認めると慌ててオヤを起こし、少女を再び布団の中に寝かせた。「動くは駄目ら! ビアンバナー、薬効発揮したロー」と游娜が言った。 オヤが電気をつけると、少女は眩しそうに目を細めた。ビアンバナーとは何なのかということも気になるが、それより大事なことがあった。「みず」 と少女は言おうとしたが、喉が嗄れていて声にならなかった。「ハ?」と游娜は訊いた。「声を大きいに!」 少女は口の中で唾液が溜まるのを待ってから、それらの唾液を飲み込んで僅かに喉を潤した。そしてもう一度力を振り絞って言った「み、ず」 ここの言葉では、彼岸花は「ビアンバナー」と言うのだそうです。『彼岸花が咲く島』1:冒頭から語り口p2~7
2024.07.27
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リドリー・スコット監督『オデッセイ』で火星探検が描かれていたが、こんなハードSF映画が私のツボでもあるわけで・・・『マーズ 火星移住計画』という本を読み直してみようと思い立ったのです。*********************************************************図書館で『マーズ 火星移住計画』という大型本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、2ページぶち抜きのカラー画像も多く、とにかく大迫力が・・・ええでぇ♪【マーズ 火星移住計画】 レオナード・デイヴィッド著、日経ナショナルジオグラフィック社、2016年刊<「BOOK」データベース>より20××年、人類はついに火星の地に降り立つー。そんな近未来への道程を、科学面、技術面、精神面から考察。NASAやESAといった世界の宇宙開発機関をはじめ、スペースX社などの民間の取り組みを徹底取材。火星を“第2のふるさと”にするために必要なこと、解決すべき課題を多角的に分析。探査機がもたらした赤い惑星の姿、開発中のロケットや居住施設など、迫力満点のビジュアルを約200点収録。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、2ページぶち抜きのカラー画像も多く、とにかく大迫力が・・・ええでぇ♪rakutenマーズ 火星移住計画第6章で火星移住後の光景について・・・見てみましょう。p245<マーズランド> 人類が移住してから半世紀後の火星を想像できるだろうか。火星の移住地と聞けば、ゲートで囲われた居住区域にエアロック付きのドーム型住宅が並ぶ光景が思い浮かぶかもしれないが、実現までには探査を重ね、様々な準備をする必要がある。 探査の最前線は常に危険と隣り合わせだ。しかし、人類はこれまで危険を目の前にしても足を止めることはなかったし、火星でもその歩みを止めることはなかったし、火星でもその歩みが止まることはないだろう。T・S・エリオットの言葉を借りれば、「あえて遠くまで行こうとしなければ、どこまで行けるかは分からない」ということだ。 わずかな重力、長時間におよぶ移動、放射線に宇宙線といった問題は解決されるだろうか。予想だにしなかった新たな火星の支配者が現れることはないだろうか。私たちは来るべき重大なターニングポイントに備えて心の準備をしておかなければならない・・・と多くの専門家が警鐘を鳴らす。 火星での人類の未来について考えてみるように勧める人物の一人が、カリフォルニア州立大学のB・J・ブルース名誉教授だ。かつてヨーロッパから新大陸に渡った人々は、次には西部を目指し、移動するにつれて人も文化も変わっていった。「ものの考え方や価値観、生き方は大きく変化しました。同じことが火星移住を選んだ人々の身にも起こるでしょう」。その影響は精神面にとどまらないと彼女は言う。宇宙の開拓者たちは、身体も、免疫機能も、文化や社会も、地球で暮らしていた祖先とは違ってくるだろう。 有人火星着陸を目指すだけでなく、火星で人間社会を築くという前提に立つなら、長期的に生活を送ることによる生物学的影響を考えなければならない。突き詰めていけば、太陽系第4惑星で誕生する子どもたちについても考慮する必要がある。 まっさきに検討しなければならないのは、放射線の影響だ。火星で暮らす人間の健康に関する最大の問題は、放射線被ばくだと考えられている。火星に滞在する宇宙飛行士は常に宇宙線にさらされる。特に、定期的に発生する太陽嵐の時期は放射線も強くなる。 バージニア州フォールズチャーチにある研究機関ANSERに所属する宇宙放射線の専門家、ロン・ターナー氏は、「放射線で最も恐ろしいのは、放射線被ばくに起因するがんです。無事に地球に帰還した後でも、時間をおいて発症する恐れがあります」と話す。リドリー・スコット監督『オデッセイ』が良かったので、紹介します。【オデッセイ】リドリー・スコット監督、2015年米制作、2016.2.19鑑賞<movie.walker作品情報>よりマット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じる、リドリー・スコット監督によるサバイバル・ドラマ。残り少ない酸素や食料をよそに、科学の力を武器に生き残ろうとする主人公ワトニーと、彼を火星に置き去りにしてしまった事を悔やみ、救出しようとする人々の葛藤や友情を描く。原作はアンディ・ウィアーのベストセラー小説。<大使寸評>宇宙のロビンソン・クルーソーのような原作が、まず良かったのではないか♪それから・・・もちろん、リドリー・スコット&脚本家の映画作りも良かった。火星探査といえば、今や夢物語ではなくて、アメリカが国威発揚を目指して臨むわりと現実的なミッションになったが・・・ハードSF映画としては、恰好の題材なんだろう♪女性艦長みずから宇宙遊泳という危険な任務に出るところが、クライマックスシーンであったが・・・『ゼロ・グラビティ』にも、このような遊泳シーンがありましたね。ハードなSF映画には、相対速度差約10m/sというような場面作りは欠かせないのでしょうね。気に入らないところと言えば、中国からの補給ミッションが描かれているところであるが・・・映画の興行的成功を目指すなら、(日本を無視し)中国人を外すわけにはいかないのでしょうね。movie.walkerオデッセイオデッセイ公式HP『マーズ 火星移住計画』3:火星移住後の光景『マーズ 火星移住計画』2:生命の痕跡『マーズ 火星移住計画』1:移住者の身体面や医学的問題
2024.07.26
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図書館に予約していた『墨のゆらめき』という本を、待つこと11ヶ月ほどでゲットしたのです。飛ばし飛ばしにめくってみると、この遠田氏は書道教室を経営するほど中国や漢字の素養が並外れているが、暴力団にも知己をもつという変人であることが知れるのです。【墨のゆらめき】三浦しおん著、 新潮社、2023年刊<出版社>より実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。<読む前の大使寸評>飛ばし飛ばしにめくってみると、この遠田氏は書道教室を経営するほど中国や漢字の素養が並外れているが、暴力団にも知己をもつという変人であることが知れるのです。<図書館予約:(8/9予約、副本12、予約373)>rakuten墨のゆらめきまず冒頭の語り口を、見てみましょう。p3~5<一> 京王線下高井戸駅に降り立つのははじめてだった。 俺は電車内で読んでいた文庫を鞄にしまい、かわりにスマホを取りだした。社用のパソコンで遠田薫氏とやりとりしたメールは、スマホのほうにも共有されている。昨日、最後に受信した遠田氏からのメールの文面は極めて素っ気なく、「玉電の線路を右手に、線路沿いの道を三軒茶屋方向へ5分ほど進む。それまでのあいだで一番ボロいと思われる家が見えたら、そこがたぶんうちです。」とだけ書いてあった。 漠然としている。 しかし俺もホテルマンの端くれ。万全の下準備をして、気むずかしいお客さまにもなるべくご満足いただけるよう努めるのが習性だ。遠田氏は客ではないがそれでも、「玉電」とは東急世田谷線の通称だと、ちゃんと調べはすんでいる。 スマホを夏物の背広の尻ポケットに収め、鞄と手土産の紙袋を手に、京王線のホームからあたりを見まわした。柵を隔てて簡素なホームがすぐ隣にあり、二両編成の電車が停まっていた。バスのように小さくて愛らしい。これが世田谷線だろう。インターネットの情報によると、道路とははっきり分離した形で線路が通っているが、もともとは路面電車の支線だったとのことだから、こじんまりした車体なのもうなずける。 ホーム同士は隣りあっているのに、柵に切れ間はない。どうやら一度京王線の改札を通らなければ、玉電がわへは行けないつくりらしい。近くにあるようでいて遠い。京王線と東急線のあいだにはやはり微妙なライバル心が働いているのだろうか。 とりあえず京王線のホームの階段を上り、橋上駅舎に設置された改札を出た。地上へ下りる階段は方角的に、駅前の商店街に向かっているように見受けられる。そうではなく玉電の線路脇の道のほうへ行きたいのだが、あの階段で制海なのかと改札まえでまごついていたら、食材の詰まったエコバックを掲げた老婦人が、「なにかお困りですか」と親切にも声をかけてくれた。 俺は町でよくひとに話しかけられる。子どものころからだ。帰宅しようとただ通学路を歩いていただけなのに、「坊や、迷子か」と見知らぬおじさんに言われた。大人になっても、老若男女国籍を問わず道を聞かれるのはしょっちゅうだし、待ち合わせをしていたら宗教に勧誘された。渋谷ハチ公まえで、あたりにはごまんとひとが立っていたというのに、なぜか俺だけ。ちなみに学生時代はチンピラに因縁をつけられカツアゲされかけることもしばしばだったし、いまも散歩中の犬に出くわせば吠えかかられる。 つまり俺は、よく言えば柔和そう、悪く言えばあらゆる生命体からナメられがちなんだろう。でも、「話しかけやすい」という体質は仕事のうえでは得になる。近寄るのも憚られるほどの強面では、お客さまのために尽くすホテルマンとしては失格だ。おかげさまで三日月ホテルに勤務して15年、、お客さまに問われて5万回ぐらいトイレや喫煙所の場所をお答えしてきた。あるとき気になって同僚に尋ねてみたら、「え、まじで。そこまでしょっちゅうは聞かれないよ。だってトイレも喫煙所も案内表示あるだろ」とのことだった。話しかけやすい顔面と雰囲気を保持していたがゆえに、、お客さまのお役に立てて本望だ。
2024.07.25
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可愛い顔をしているが、恐竜にいちばん似ていると言われるダチョウに、私のツボが疼くのです♪・・・ということで、以下のとおり復刻してみたのです。*********************************************************図書館で『ダチョウはアホだが役に立つ』という本を、手にしたのです。この本の著者は神戸のダチョウ牧場で、ダチョウの主治医だったそうで、ダチョウ好きなところが、ええでぇ♪【ダチョウはアホだが役に立つ】塚本康浩著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より新型コロナと闘うダチョウ抗体で経済効果700億円!?ハーバード大学やアメリカ陸軍も注目!鳥を愛しすぎる博士のドタバタ研究記。<読む前の大使寸評>この本の著者は神戸のダチョウ牧場で、ダチョウの主治医だったそうで、ダチョウ好きなところが、ええでぇ♪rakutenダチョウはアホだが役に立つ次に、ダチョウの恐竜らしさについて・・・見てみましょう。p45~48<第1章 ダチョウってどんな鳥? そのすごさとアホさ>■恐竜からあまり進化していない面白さ 哺乳類や鳥類は、生物の進化の過程で爬虫類から分かれていったとされています。なかでも鳥類は、恐竜から進化した説が最近では一般的です。 ダチョウは、恐竜が鳥類に進化していった直後くらいに枝分かれして地球上に登場し、そこで進化が止まっているんです。言ってみれば、出世街道から外れた鳥というわけです。 鳥は二本脚の生物で、手のかわりに羽があります。ところがダチョウは、羽をペロッとめくると指があり、指先には爪まで残っているんです。たまに走っているダチョウの羽が僕の体にパシッと当たることがありますが、そんなときこの指が動いたりもします。 指の痕跡らしきものが何かの役に立っているかと言えば、そういうわけでもなさそうです。原始的なものがそのまま残っている、ということでしょう。 臓器の組織を調べても、ほかの鳥類とは違います。たとえば腎臓。鳥類や哺乳類は、腎臓内にあるネフロンという管状の組織で尿が造られます。ところがダチョウの腎臓は、鳥類が他と爬虫類型の混合形です。つまり、まだ鳥になりきれていない感じです。 ちなみに舌は退化していて、ほとんどないです。正確には、舌が進化していないと言ったほうがいいかもしれません。 鳥の祖先とされる恐竜には舌骨がありますが、その形状から考えて、舌を自由自在に動かしていたわけではないようです。鳥に進化する過程で舌も進化し、エサを効率的に食べられるようになったんでしょう。何を食べるかによって、より食べやすいように進化していったので、鳥の種類ごとにしたの形状は違います。 ところがダチョウはあんまり真価が進んでませんから、舌骨はあっても舌がほとんどありません。個体差があって、舌らしきものがちょこっとあるダチョウもいてますけど、それほど役に立っている様子はないですね。じゃあどうやって食べ物を食べているかというと、丸飲みです。(中略) そんな雑な食事の仕方だから、石を呑み込んでしまったり、ときには針金などの異物を飲み込んでしまうこともあります。食べなくなると弱ってしまうので、消化管を動かす薬を投与すると、たいてい糞と一緒に石が出てきます。針金の場合は手術して取ってやるしかありません。■なまけものの進化論 恐竜の中には翼竜と呼ばれる、空を飛ぶタイプのものがいます。身長2メートル半もあるダチョウの姿と、あのゴツイ足を見ていると、確かに恐竜に似てるんちゃうかと感じます。でも、それならなんで翼竜のように飛べへんのか。 というか、一応は鳥なんだから、飛べるのがふつうでしょう。それやのになぜダチョウは飛べへんのか。素朴な疑問が湧いてきます。 現在、飛べない鳥は40種ほどいます。ダチョウやエミュー、ヒクイドリ、キーウィ、ペンギンの仲間、クイナの仲間などが飛べない鳥の代表格です。ダチョウは俊足、ペンギンは泳ぐ能力、ヒクイドリは攻撃力で、飛翔力がないことをカバーしています。 残念ながら飛べないために絶滅してしまった鳥もいます。有名なのがドードーです。大航海時代にポルトガル人がモーリシャス沖の島で発見して以来、船員たちの食糧にされたり、人間が持ち込んだ犬や豚によってヒナや卵が食べられたりして、ドードーは地球上から姿を消しました。飛べないし逃げ足も遅かったため、簡単に捕まえられてしまったんですね。そもそもトロそうな名前をつけられたんが運の尽きやったかもわかりません。『ダチョウはアホだが役に立つ』2:ダチョウの恐竜らしさ『ダチョウはアホだが役に立つ』1:そんなアホな
2024.07.24
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図書館に予約していた『続 失踪願望』という本を、待つこと1ヶ月半ほどでゲットしたのです。この本は日記(続 失踪願望)と、エッセイ(さらば友よ!)の二本立て構成となっているが・・・いずれもややマッチョなシーナが見られて・・・ええでぇ♪【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>この本は日記(続 失踪願望)と、エッセイ(さらば友よ!)の二本立て構成となっているが・・・いずれもややマッチョなシーナが見られて・・・ええでぇ♪<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望『続 失踪願望』から2022年のとある1日を、見てみましょう。長編映画『あひるのうたがきこえてくるよ』の舞台となった奥会津が語られています。p52~54<どぶろく、島酒、アイスバイン>■10月1日(土) JR只見線復旧イベント出席のために前泊地の福島県須賀川市から奥会津に向けて移動する。ぼくはずっと寝ていた。 道中、早朝の「再会一番列車」でトラブルがあったと連絡が入る。ダイヤが乱れたので「会津川口-只見」間で乗る予定だった記念列車の運行は取りやめになり、只見駅に直接、行くことになった。 なんでも再会一番列車に鉄道ファンが押しかけ、予想していた以上の負荷がかかりブレーキが故障したようだ。いろんなことが起こるもんだ。 無事に只見駅に着いたので時間までスキー場のレストハウスで昼飯を食った。ぼくは昔懐かしい感じのカレーライスを食べた。孫の風太はもりそばをすすっていた。「なんだか孫とじいちゃんの食うものが逆な気がする」と指摘してきた77歳のトクヤはソフトクリームを二つ食べていた。 式典は、只見線の全面運転再開を祝っての大々的なものだった。(中略) 式典の後は、本日の宿、金山町・玉梨温泉の恵比寿屋へ。ここへ来るのは5~6年ぶりだろうか。初めて来たのはぼくにとって二本目の長編映画『あひるのうたがきこえてくるよ』のロケハンの時だった(改めてキャストをみると柄本明さん、高橋惠子さん、余貴美子さん、黒田福美さん、竹下景子さんなど、かなり豪華な演者が揃っている。駆け出しのぼくなんかの映画によく出てくれたものだ。「どうして出てくれたんですか?」と聞いてみたい気すらする)。 それから金山町には30年以上、通っていることになるのだが、本当に変わらない。何もかもが素朴で、余計なものが一切ないのだ。 いまの宿の主人、ユズル君は早くに先代経営者である父親をなくし母子でやってきた。最初来たときぼうやのように見えたユズルもいろいろ迷いつつ困惑しつつ、よくこれまえやってきたなあ、と宿のみんなの顔をみるとつくづく感心します。旅館のかたわらを流れる野尻川の激しい瀬音も変わらない。奥会津の山や草原で百人規模で遊べる映画作りや三角ベース野球の試合なんかを思いついてはここに全国から沢山の人々を集めたもんだなあ。 到着してすぐ只見川の支流にあたる野尻川を望む露天風呂に入った。もちろん風呂上りは生ビールだ。あまりのうまさに「おおう」と自分でもよく分からぬ声がでた。 夕方からは宴会がはじまる。肴はきのこや野菜、山菜やイナゴあたりが中心だ。やまあいの巨大旅館でよく出る変色したマグロの刺身なんかを一切、排除しているところが潔い。瓶ビールを少しやってから地酒とどぶろくに移行していく。
2024.07.23
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?このところ宇宙や占星術の記事を見たり、書いたりしているが『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。しかしまあ、今年の夏は晴れたら熱中症が心配されるほど暑く、降れば河川の氾濫、土砂崩れが心配されるほどであり・・・海水温度が上昇しているためともいわれるが、たまらんでー。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は七十二候でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、大暑のあたりを見てみましょう。和暦p19<大暑>暑い日々、雨乞いの神事が行われた水枯れの候「大暑」は、現行の暦で7月23日ころに初日を迎え、立秋の前日までがその期間である。 快晴がつづくなか気温は上がり続ける。『暦便覧』では「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されている。「小暑」の期間から始まっている「土用」は、立秋の前日までがその期間となっている。 旧暦で暮らした時代は、田植えが終わり梅雨も明けると、「大暑」の期間は快晴が続くため、「水路の涸れ」が最大の関心事だった。そのため、かつては「雨乞い」の神事が産土神の鎮座する神社でおこなわれていたようだ。雨乞いの神事では、古式豊かな作法が厳格に守られ、雨乞いだけでなく、安産や家族の幸福などが祈られたという。 さらに失われつつある風物詩は、「打ち水」。かつては夕方になると一斉に、道路や庭に水を撒き、埃を鎮めたり涼を求めたりしたものだが、空調の導入や住環境の変化で、やはり少しずつ廃れていった習慣のひとつである。 大暑の期間の七十二候は以下の通り。 初候「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)桐の実が成り始める。 次候「土潤辱暑」(つちうるおいてむしあつし)土が湿ってむし暑くなる。 末候「大雨時行」(たいうときどきおこなう)時として大雨が降る。 水を求め、水に悩ませるということだろうか。 また西洋占星術では、大暑の初日が獅子宮(しし座)の始まりとなっている。また、土用の丑の日も年4回あるが、ウナギを賞味する風習は夏に限定されている。なお、夏の土用の丑の日は、2024年は7月24日となります。二十四節季の小暑に注目(復刻)二十四節季の夏至に注目(復刻)
2024.07.22
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図書館で『室町は今日もハードボイルド』という本を、手にしたのです。室町時代といえば、荒ぶる中世の戦国時代であり、徳目とは無縁のアナーキーな時代であり、興味深いのです。【室町は今日もハードボイルド】清水克行著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より僧侶は武士を呪い殺し、農民は合戦を繰り広げ、浮気された妻は相手の女を襲撃するー。あなたたち、本当にご先祖様ですか?数々の仰天エピソードから浮かび上がる中世の日本人像は実は凶暴でアナーキーだった!想像の斜め上を行く驚愕の日本史エッセイ。<読む前の大使寸評>室町時代といえば、荒ぶる中世の戦国時代であり、徳目とは無縁のアナーキーな時代であり、興味深いのです。rakuten室町は今日もハードボイルド第一部「僧侶も農民も!荒ぶる中世人」の冒頭あたりを、見てみましょう。p13~16<第一話 悪口のはなし:おまえのカアちゃん、でべそ>■戦国なぞなぞ のっけから、楽しい「なぞなぞ」を一つ。 母とは二度会うけど、父とは一度も会わないもの、な~んだ? これは戦国時代に書かれた『後奈良院御撰何曾』という、なぞなぞ本に書かれている問題である。原文は「母には二たびあひたれども、父には一度もあはず」である。わかるかな? 正解は、「くちびる」。なぜなら、「母」と発声するときは唇は二度触れ合うけど、「父」と発声するときは唇は一度も触れ合わせることがないから。どうです? ・・・え? 腑に落ちない? そう。自分で発声してみるとわかるが、残念ながら「ハハ」も「チチ」も、どちらも発生する際に唇は一度も触れ合わないのである。これでは、まったく「なぞなぞ」にならない。いったいどういうことなのだろうか。 では、本当の答え合わせをしよう。じつは、戦国時代以前と以後では、「はは」という言葉の発声の仕方は異なっていたのである。現代では「はひふへほ」は、そのまま「ハ(ha)・ヒ(hi)・フ(hu)・ヘ(he)・ホ(ho)」と読むが、戦国時代以前の日本語では「ファ(fa)・フィ(fi)・フ(fu)・フェ(fe)・フォ(fo)」と読んでいたらしいのである。だから、「母」は「ハハ」ではなく、当時は「ファファ」。そう読めば、「母」と発声しようとすれば、いやでも唇が二回触れ合うことになる。信じられない人は、あたりに他人がいないこと確認したうえで、自分で声に出してみてください。ね? ちゃんと口が閉じるでしょ? ちなみに、江戸後期の国学者、本居内遠(本居宣長家の三代目)も、このなぞなぞの意味がわからなかった。苦心して、母は「歯々」、父は「乳」の意で、「くちびるで自分の歯に上唇・下唇で合計二回触れることはできるけど、自分で自分の乳首を一回も吸うことはできないから」という、トンチンカンな解答を書き残している(『本居内遠全集』所収)。残念! 本居先生、ちょっと考えすぎ! ここからもわかるように、江戸後期になると、「はひふへほ」は現代と同じ「ハヒフヘホ」と発音するようになってしまっていたため、かの本居家の家督を継ぐ大国学者でも、このなぞなぞの意味が理解できなくなってしまっていたのである(それにしても、江戸時代の大学者が必至で自分の乳首を吸おうとしているさまを想像すると、ちょっと笑える)。 以前、轢死ドラマの時代考証の仕事をやったとき、徹底的に史実に忠実なドラマを、という制作側の要望に応えて、この「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」の発音の完全再現を真面目に提案したことがあるが、さすがにイヤな顔をされた。「本能寺(ふぉんのうじ)に火(ふぃ)の手が!」「なに、謀(ふぁか)られたか!」では、やはり緊迫感がなさ過ぎるか・・・。
2024.07.22
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図書館で『日本の合戦 解剖図鑑』という本を、手にしたのです。書名に図鑑と触れているように、全編にわたって説明図が載っているので分かりやすくて、ええでぇ♪*********************************************************【日本の合戦 解剖図鑑】本郷和人著、エクスナレッジ、2022年刊<「BOOK」データベース>より合戦は日本をどう変えてきたのか?白村江の戦い、壬申の乱、壇ノ浦の戦い、元寇、応仁の乱、本能寺の変、関ヶ原の戦い、西南戦争。古代から幕末まで時代の転換点となった戦を豊富なイラストで徹底図解。<読む前の大使寸評>書名に図鑑と触れているように、全編にわたって説明図が載っているので分かりやすくて、ええでぇ♪rakuten日本の合戦 解剖図鑑「4章 戦国時代と群雄割拠」で長篠の戦いあたりを、見てみましょう。P98~99<鉄砲3段打ちは本当にあったのか?:長篠の戦い> 武田信玄の死後、後継の勝頼は父の遺志を継ぎ、織田・徳川と戦いながら武田氏最大の版図を築き上げた。しかし、奥平信昌が徳川に寝返ったことをきっかけに、勝頼は信昌が城主を務める長篠城へ出陣。家康は信長に協力を求め、両軍は設樂ヶ原で激突した。 戦国最強とも謳われる武田騎馬隊に対し、織田・徳川連合軍は夜襲をしかけて背後を取り、退却路を断つことに成功。勝頼は武田騎馬隊を率いて正面突破を試みるも、信長が騎馬隊対策として準備した馬防柵や大量の鉄砲に歯が立たずに総崩れし、武田軍の大敗北という結果に終わった。【敗軍の将】武田勝頼(武田最大版図を築くも信長に敗れる) 信玄の四男として生まれ、震源の死後に家督を継いだ。武田家最大の版図を広げたものの、長篠の戦いで敗北したあとは勢力を縮小。北条氏や上杉氏と婚姻を結んで勢力の回復を模索したが、織田・徳川連合軍が甲斐へ侵攻した際、家臣の裏切りにあい天目山で自害に追い込まれてしまった。勝頼の死をもって名門武田氏も滅亡したのである。【合戦の影響】鉄砲の大量導入が戦いを様相を一変させる 長篠の戦いの数十年前に鉄砲は伝来していたが、実戦で大量導入されたのは長篠・設樂ヶ原の戦いが初めてだった。 この戦いで武田騎馬隊に対し、馬防柵で守りを固めその内側から火縄銃で狙撃する方法が画期的、かつ効果的であることが証明された。鉄砲の普及に従い、戦闘方法は鉄砲隊による集団戦に重点を移し、防衛拠点である城も、鉄砲や大砲に耐えうる構造へと変化していくことになる。『日本の合戦 解剖図鑑』1:応仁の乱
2024.07.21
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図書館で『日本の合戦 解剖図鑑』という本を、手にしたのです。書名に図鑑と触れているように、全編にわたって説明図が載っているので分かりやすくて、ええでぇ♪*********************************************************【日本の合戦 解剖図鑑】本郷和人著、エクスナレッジ、2022年刊<「BOOK」データベース>より合戦は日本をどう変えてきたのか?白村江の戦い、壬申の乱、壇ノ浦の戦い、元寇、応仁の乱、本能寺の変、関ヶ原の戦い、西南戦争。古代から幕末まで時代の転換点となった戦を豊富なイラストで徹底図解。<読む前の大使寸評>書名に図鑑と触れているように、全編にわたって説明図が載っているので分かりやすくて、ええでぇ♪rakuten日本の合戦 解剖図鑑合戦マップ「4章 戦国時代と群雄割拠」で応仁の乱あたりを、見てみましょう。P78~79<戦国時代の幕開けとなった日本史における転換点:応仁の乱> 8代将軍・足利義政の頃、幕府内では守護大名同士が政治の主導権をめぐり争っていた。そんな中、義政と妻の日野富子の間の男子(義尚)が誕生。義政はすでに弟の義視を後継に指名していたため、義視には細川勝元、義尚には山名宗全が後見人となり、両者は激しく対立。守護大名たちも二派にわかれ、争いとなった。 両軍の勢力は拮抗。寝返りが横行し、戦局は混迷を極めた。長引く戦火で京都は焦土と化し、各地で一揆も頻発した。そして開戦から10年後、勝敗がつかないまま、両軍は京から撤退。大乱は幕を閉じた。【敗軍の将】細川勝元(東軍総大将を務めた幕府のナンバー2) 室町幕府の管領。管領とは将軍と守護をつなぐポストで、勝元はのべ23年間管領職を務めた。山名氏とは縁戚関係を結ぶなど融和策をとっていたが、かつて山名氏が赤松氏討伐の功で得た、播磨・備前・美作の旧主・赤松氏を復興させるなど、山名氏を警戒して勢力をそぎ落そうとした。両者の対立は将軍家の跡継ぎ問題をきっかけに表面化し、11年の大乱の一因となった。【合戦の影響】幕府の権威は著しく低下し実力でのし上がる時代に 敵味方の区別もつかなくなるほどの厭戦状態が続くと、途中で任国に帰る守護たちも続出した。しかし留守を預かっていた守護代や国人たちが現地で支配力を強め、守護の多くが彼らに隊場を取って代わられた。これにより力ある者がのし上がる「下剋上」の風潮が強まることとなる。
2024.07.21
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図書館に予約していた『米番記者が見た大谷翔平』という本を、待つこと50日ほどでゲットしたのです。米国のジャーナリストが大谷の「二刀流」のすごさを語るとのこと・・・興味深いではないか♪【米番記者が見た大谷翔平】 ディラン・へルナンデス著、朝日新聞出版、2024年刊<出版社>より本塁打王、2度目のMVPを獲得し、プロスポーツ史上最高額でロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平。渡米以来、その進化の過程を見続けた米国のジャーナリストが語る「二刀流」のすごさとは。データ分析や取材を通して浮かび上がってきた独自の野球哲学、移籍後の展望など徹底解説する。<読む前の大使寸評>米国のジャーナリストが大谷の「二刀流」のすごさを語るとのこと・・・興味深いではないか♪<図書館予約:(5/16予約、副本1、予約8)>rakuten米番記者が見た大谷翔平・志村朋哉:英語と日本語で記事を書くジャーナリスト、米メディアで唯一の大谷担当だった。・ディラン・ヘルナンデス:スポーツコラムニスト、スペイン語と日本語を話す。・サム・プラン:スポーツ記者、AP通信スポーツ編集者賞など受賞まず冒頭の『「世界一の選手」までの道のり』から、見てみましょう。p15~19<日本時代から注目株>トモヤ: 大谷翔平のことを初めて知ったのはいつだったか覚えてる?ディラン: 彼が高校生の時。(2012年7月19日の岩手大会準決勝で)投手として99マイル(160キロ)を記録した時だったと思う。僕は自分のツイッター(現X)アカウントに日本の新聞を登録しているんだ。だから、そういう選手の情報はいつも入ってくる。その時、ロサンゼルスの地元球団のドジャースも獲得しようと狙っていた。それで大谷について取材するようになった。 その冬に行われたウィンターミーティングでの出来事を今でも覚えているよ。メディアルームの外で、ドジャース関係者たちと話していたら「(大谷を)獲れると思う」と自信ありげに言っていたんだ。でも結局、大谷は日本でプレーすることを決めた。 なぜ、そうなったのか噂が出回ったよ。日本社会でこれだけ大きな動きがあるのは、不正行為や見返りが絡んでいる場合も多いという見方もあるから。ドジャース関係者の中には、「(大谷の家族が)日本ハムの工場でのデータ関係の仕事をもらった」なんていう憶測を立てて、獲得できなかった言い訳をする人もいた。真実ではなかったけど。 当時から、大谷の身長の高さや投げる球の速さをみて、「ちょっとこいつは違う」という印象だった。日本人選手は、スキルの高さに比べて肉体的強さで劣るというのが一般的なイメージだからね。大谷は正反対に見えた。投球コントロールは良くなくて、どちらかというとアメリカの若い選手のようだった。後になって、結構、野球経験が長いことに驚いたくらい。少なくとも投手としては、まだ素質と才能だけでやってるようにすら見えた。 当時、ドジャースは大谷を投手としてしか見ていなかった。プロでは打者はやらないだろうって。それに対して、日本の球団は、逆に打者として評価していた。打撃の方が投球よりも洗練されていたから。速い球は投げられても、それをコントロールできないというのは、日本的には良い組み合わせとは見られないんだろうね。サム: 大谷が高校生の時は、bokuhaまだ野球取材はしていなかった。大谷が渡米を決めた2017年もニューヨークの小さな町で高校スポーツを取材していた。大谷についての最初の思い出は、メジャー球団による争奪戦だね。ほぼすべてのチームが参加しての。(あまりスター選手とは縁のない)ピッツバーグ・パイレーツでさえ、大谷にアピールしようと、熱のこもったプレゼンをしたくらいだから。(中略)<二刀流への反応>トモヤ: サムがエンゼルスの担当になったのは、ちょうど大谷がブレークしてMVPを受賞した21年だったよね。サム: そう、6月半ばだった。大谷は5月に打撃で絶好調になり始めて、ブラディー・ジュニアと本塁打数で競っていた。投手としては、球団が(無理させないために課していた)制約を外した時だった。投球数制限や休養日が取り払われて、今に続く大活躍が始まったんだ。トモヤ: 大谷がメジャー挑戦を発表した時、アメリカのスポーツメディアは、これまでの日本人選手以上に大きく取り上げた。その理由はやはり二刀流だから。メジャーという舞台で、それが可能なのか。誰も興味津々だったと思う。ディラン: 彼ならできるとは思ったけど、でもそれ以上に、単にメジャーで二刀流をやる選手というのを見てみたい気持ちが大きかった。当時、二刀流が可能だなんて思っていた球団は、そんなになかったと思う。
2024.07.20
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トラブルは世界各地に影響 Windows異常停止デジタル朝日の「トラブルは世界各地に影響 Windows異常停止」という記事が要注意なので、紹介します。 *********************************************************トラブルは世界各地に影響 Windows異常停止より 米マイクロソフトのウィンドウズを搭載したパソコンが19日昼過ぎから相次いで異常停止した。国内各地でもこの影響とみられるトラブルが起きており、企業が対応に追われた。 格安航空会社ジェットスター・ジャパンによると、システム障害によって国内線約20便が欠航となった。 福岡空港(福岡市)ではこの日夕方、ジェットスターのカウンターに30人ほどが行列をつくっていた。成田空港行きの便について「システムトラブルのため、職員が手作業で搭乗手続きをします。身分証などをご準備ください」というアナウンスが流れると、少しずつ列は短くなった。 窓口のスタッフは、搭乗者の名前や行き先などをペンで書きこんだ航空券を作成するなど、慌ただしく対応していた。千葉県から観光で訪れていた男性(32)は、飛行機が飛ぶのかまだわからないと窓口で言われたといい、「明日から仕事なので必ず帰りたいが、他の航空会社の便は満席だらけ。困りました」と話した。 影響はほかの航空会社にも及んだ。 日本航空では予約管理システムに不具合が生じ、ホームページ上で国際線の予約の新規申し込みや変更・取り消しができなくなった。国内線についてもマイルを使った予約が同様にできなくなったという。担当者は「復旧のめどは立っていない。原因を調査中」とした。 JR西日本(大阪市)によると、午後2時22分ごろから、ホームページやアプリ上で列車の走行位置がわかるシステムに障害が生じ、「近畿エリア」の一部で列車が表示されなくなった。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)では19日午後2時ごろから、レジの販売記録を管理するPOSシステムに障害が発生。パーク内のほぼ全てのレストランやショップで会計ができない状況で、営業を一時停止しているという。アトラクションへの影響は確認されていない。 USJ担当者は、「レストランはある程度混み合っている時間帯。今まさに食事をしよう、買い物をしようとしているお客様に影響が出た」と話す。園内では熱中症対策のため、無料で水を配布しているという。(小川聡仁、黒田早織)■海外では日本を上回る影響も 米マイクロソフトのウィンドウズを搭載したパソコンが異常停止する問題は、世界各地の経済活動に影響を及ぼした。 米連邦航空局(FAA)は、米国の主要航空各社が運航する全ての航空便が、「情報伝達上の問題」により19日未明に運航停止となったと明かした。米CNNが同日報じた。デルタ航空やユナイテッド航空、アメリカン航空など各社の全便が、目的地に関わらず地上で待機しているという。 デルタ航空は同日未明(日本時間19日夕)に声明で、「すべての航空便の運航を停止している」と公表。アメリカン航空も「技術的な問題」の影響を受けているとして、「出来るだけ早く問題を解決するよう取り組んでいる」と明かした。 英国では、民放のスカイニュースが同日朝、テレビの放送ができない異例の事態に。同グループの代表はX(旧ツイッター)で謝罪し、ウェブ上でニュースを確認するよう促した。 交通インフラにも被害が及び、複数の鉄道会社が「運転士用の運行表にアクセスできない」(テムズリンク社)などと発表。遅延や運休が発生している。ロンドン近郊にあるガトウィックやルートンなど各空港でも、チェックイン端末などに影響が出ている。 インドの格安航空大手インディゴも同日、「我々のシステムは、マイクロソフトの障害の影響を受けている」と発表。航空券の予約や搭乗手続きのほか、一部のフライトに影響が出る可能性があると説明した。同国の他の格安航空会社も、搭乗手続きを手動に切り替えるなどして対応した。 シンガポールの現地紙ストレーツ・タイムズによると、東南アジア有数のハブ空港・チャンギ国際空港で、一部の航空会社で自動チェックイン機に障害が出た。同国では郵便局でも「技術的な問題」が起きたという。 豪紙オーストラリアンによると、シドニーの空港で航空会社のシステムがダウン。数百人が足止め状態になったという。 豪ABCは、今回の騒動は「歴史上、前例のないことだ」とし、「重要なサービスをほんの一握りのハイテク企業に依存しすぎている、世界経済のリスクが浮き彫りになった」などと報じた。(真海喬生=ニューヨーク、藤原学思=ロンドン、大部俊哉=バンコク、半田尚子=ジャカルタ、伊藤弘毅)
2024.07.20
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今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「日本史」でしょうか♪<市立図書館>・続 失踪願望・日本の合戦 解剖図鑑・室町は今日もハードボイルド<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望【日本の合戦 解剖図鑑】本郷和人著、エクスナレッジ、2022年刊<「BOOK」データベース>より合戦は日本をどう変えてきたのか?白村江の戦い、壬申の乱、壇ノ浦の戦い、元寇、応仁の乱、本能寺の変、関ヶ原の戦い、西南戦争。古代から幕末まで時代の転換点となった戦を豊富なイラストで徹底図解。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本の合戦 解剖図鑑【室町は今日もハードボイルド】清水克行著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より僧侶は武士を呪い殺し、農民は合戦を繰り広げ、浮気された妻は相手の女を襲撃するー。あなたたち、本当にご先祖様ですか?数々の仰天エピソードから浮かび上がる中世の日本人像は実は凶暴でアナーキーだった!想像の斜め上を行く驚愕の日本史エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten室町は今日もハードボイルド
2024.07.19
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、副本?、予約504)現在67位・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、副本7、予約177)現在3位・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、副本5、予約126)現在3位・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、副本17、予約402)現在41位・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、副本?、予約?)現在1位・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、副本3、予約86)現在24位・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在39位・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、副本?、予約106)現在52位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在32位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在6位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在16位・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、副本?、予約?)現在7位・内田樹『勇気論』(7/07予約、副本?、予約?)現在30位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・地球の歩き方 日本・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』・文字の大図鑑<予約分受取:2/27以降> ・村上春樹×柴田元幸『翻訳夜話』(2/15予約、2/27受取)・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(6/23予約、2/27受取)・川添愛『世にもあいまいなことばの秘密』(1/26予約、2/27受取)・呉叡人『フォルモサ・イデオロギー』(2/03予約、3/11受取) ・森見登美彦『太陽と乙女』(3/23予約、3/31受取)・Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 (4/16予約、4/28受取)・本川達雄『ウマは走るヒトはコケる』(3/31予約、5/10受取)・南海トラフ地震の真実(10/20予約、5/15受取)・斎藤幸平『マルクス解体』(11/28予約、6/05受取)・李琴峰『彼岸花が咲く島』(6/19予約、6/25受取)・大学教授 こそこそ日記(1/12予約、6/29受取)・三浦しおん『墨のゆらめき』(8/9予約、7/07受取)・米番記者が見た大谷翔平(5/16予約、7/07受取)・椎名誠『続 失踪願望』(5/31予約、7/18受取)**********************************************************************【黄色い家】川上未映子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本?、予約504)>rakuten黄色い家【堤未果のショック・ドクトリン】堤未果著、幻冬舎、2023年刊<「BOOK」データベース>より「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>rakuten堤未果のショック・ドクトリン【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろう【図書館のお夜食】原田ひ香著、ポプラ社、2023年刊<「BOOK」データベース>より東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、亡くなった作家の蔵書が集められた、“本の博物館”のような図書館だった。開館時間は夜7時から12時まで、まかないとして“実在の本に登場する料理”が出てくる「夜の図書館」で、本好きの同僚に囲まれながら働き始める乙葉だったがー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本17、予約402)>rakuten図書館のお夜食【鉄道と愛国】吉岡桂子著、岩波書店、2023年刊<「BOOK」データベース>より戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(12/04予約、副本?、予約?)>rakuten鉄道と愛国【イラク水滸伝】高野秀行著、文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>よりアフワールーそこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録ー“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本3、予約86)>rakutenイラク水滸伝【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【ノイエ・ハイマート】池澤夏樹著、新潮社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりある日、難民になる。「新しい故郷」を求めて、歩きだす。そんなに遠い世界の話ではないのです。シリアで、クロアチアで、アフガニスタンで、満洲で、生きのびるために難民となった、ふつうの人たち。その姿と心を、てのひらで触れるようにして描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/29予約、副本?、予約?)>rakutenノイエ・ハイマート【勇気論】内田樹著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりモヤモヤを抱えた編集者との“カウンセリング”往復書簡。ジョブズ、フロイト、孔子、伊丹万作、河竹黙阿弥、大瀧詠一、パルメニデス、富永仲基…話頭は転々として奇を極めー。いまの日本人に一番足りないものは何だろうか?読めば心が軽くなるーウチダが綴る9通のメッセージ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/07予約、副本?、予約?)>rakuten勇気論【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.07.19
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ツチヤ教授初の自伝的エッセイというふれこみの『哲学者にならない方法』という本である。この本で、アラン・レネ監督の『去年マリエンバートで』という映画を解説していたので・・・以下のとおり復刻してみます。*********************************************************図書館で『哲学者にならない方法』という本を手にしたのです。著者は週刊文春などメディアにたくさんのユーモアエッセイを連載している著名な学者なので、期待できそうである。【哲学者にならない方法】土屋賢二著、東京書籍、2013年刊<「BOOK」データベース>より寄天烈な寮生たち、麻雀、ジャズ、ドストエフスキー、『存在と時間』…。ツチヤ教授のバカバカしくもどこかせつない青春の1ページ。初の自伝的エッセイ!<読む前の大使寸評>著者は週刊文春などメディアにたくさんのユーモアエッセイを連載している著名な学者なので、期待できそうである。rakuten哲学者にならない方法「第3章 読書」で読書や映画が出てくるので、見てみましょう。p98~100<理解できない> 大学に入って最初に夢中になったのは読書だった。小学校を出てからロクに本も読まなかったの、どんなことを人類は書き、どんなことを感じ、考えてきたのかを知ろうと、片っ端から読んだ。 当時、大学生の必読書とされていたのは、阿部次郎の『三太郎の日記』と倉田百三の『出家とその弟子』だった。大学生になったらどんなレベルを要求されるのかを知ろうとして読んでみたが、どちらの本でも主人公がしきりに悩んでおり、なぜそんなに悩むのかわたしにはどうしても理解できなかった。大学生の必読書が理解できないわたしは、大学生の資格がないのだ。それが入学試験でなくてよかったと思った。 当時は悩みが流行っていたのかもしれない。そのころ評判だったベイルマン監督の映画を見たときも、主人公が深刻に悩んでいりのは分かったが、何に悩んでいるのか皆目分からず、当然ながらなぜ名作とされているのか、理解できなかった。テレビがなかったので、映画はたくさん見たが、わたしには難解すぎる映画が多かった。当時は実験的映画が数多く作られ、大半は理解できなかった。ゴダール監督の映画が大好きだったのが不思議なほどだ。 ベイルマンの映画やフェリーニの映画も難解だったが、難解さにかけては、アラン・レネ監督の映画『去年マリエンバートで』にかなう映画はなかった。現在と過去、現実と夢が混在している映画で、どんなに強引にこじつけようとしても、どんなストーリーで何を言おうとしているのかまったく分からなかった。 映画オンチのわたしも、これほど不可解な思いをしたことはない。それから30年ほどたったころ、深夜にテレビでこの映画をやっているのを見た。もう大人になったのだから分かるだろうと思ったが、結局、当時と同じくらい不可解な思いをしただけだった。最近、この映画の脚本家が気に入っていたというジョークを発見した。それはこうだ。 警官「怪しい男だな。この辺りで窃盗事件が多発しているんだが、お前がやったんじゃないのか?」 男「違いますよ」 警官「本当か?昨日の夜も事件があったんだが、昨日の夜は何をしていた?」 男「昨日の夜は、映画を見ていました。『去年マリエンバートで』って映画です」 警官「嘘じゃないだろうな?本当に見たというなら、どんな話だったか説明してみろ!」 こういうわけの分からない映画がヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞したという事実を知ると、自分には人並みの理解力もないという劣等感がわたしの中でふくらんだ。フェリーニやベイルマンが高く評価されていたのも不可解だった。大学生の必読書といい、評判の映画といい、高く評価されているものはあたしの理解を超えるものばかりだったから、自分には、当たり前の理解力もないことをいやというほど思い知らされた。 その後も理解できない映画を色々見た結果、わたしは「実験的」と銘打った映画は見なくなった。もし薬の場合なら、だれが「実験的」を飲もうとするだろうか。映画でも十分に実験して検証してから見せてほしいものだ。『哲学者にならない方法』3:理解できない読書や映画『哲学者にならない方法』2:東大駒場寮にて『哲学者にならない方法』1:土屋家の教育
2024.07.18
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図書館で『地形と地理でわかる大江戸の謎』という本を、手にしたのです。目次に58項目の「大江戸」の謎が出ているのだが・・・歴史的な蘊蓄に溢れていて興味深いのです。【地形と地理でわかる大江戸の謎】 大石学(監修)、宝島社、2021年刊<「BOOK」データベース>より歴史は「舞台」でこそ具体的な姿を見せる!なぜ、徳川幕府は江戸で開かれたのか?なぜ、参勤交代は大名ごとに時期が決まっていたのか?なぜ、大坂は「天下の台所」となったのか?なぜ、長崎に出島がつくられたのか?なぜ、江戸の罪人は八丈島に流されたのか?なぜ、晒し首の刑場は街道の入り口にあったのか?江戸時代の謎が地形と地理に注目することで解ける!そこで歴史は動いた‼ 全58項目の「大江戸」の謎に歴史の舞台へといざなうツール<読む前の大使寸評>目次に58項目の「大江戸」の謎が出ているのだが・・・歴史的な蘊蓄に溢れていて興味深いのです。rakuten地形と地理でわかる大江戸の謎まず「箱根の関所」について、見てみましょう。p32~35<Q04 なぜ、箱根に関所が設けられたのか>■支配体制強化のために徳川幕府が関所を復活させる 奈良時代、通行人や通信の検問を目的に、各街道の要所に関所が設けられた。中世に入ると関所は通行税(関銭)を徴収するための役所となり、幕府や朝廷、大寺社にとっての重要な収入源となった。16世紀前半頃、幕府や朝廷の権威は凋落したが、関所は存続した。しかし、幕府から独立した戦国大名が鎖国を支配する時代になると、関所はむしろ不要なものとなった。 関所があると商人の通行が妨げられ、領国内の経済発展を阻害するとともに、物資の流通が円滑に進まなかったためだ。また、各国を移動していた当時の商人は、他国の情報をもたらす重要な情報源でもあり、戦国大名は積極的に関所を撤廃していった。 しかし、江戸時代になると関所は復活する。徳川家康は全国支配のために、全国の大名の妻子や重臣の子弟を人質として江戸に集めた。また、幕府への反乱を防ぐためにも、武器の流通を制限しなければならない。「入鉄砲と出女」という言葉があるが、幕府は無許可で江戸に武器が流入することを防ぎ、大名の妻女が江戸から逃亡することを防止するために関所を復活させたのである。 幕府が設けた関所は、全国で53ヵ所に及んだ。なかでも重要だったのが、五街道に設けられた関所である。中山道の碓氷関(群馬県)と木曽福島関(長野県)、甲州道中の小仏関(東京都)、日光・奥州道中の栗橋関(埼玉県)、東海道の新居関(静岡県)と箱根関(神奈川県)である。それぞれ、地方と江戸をつなぐ交通の要衝であり、とくに中山道と東海道は関所を二つ置くことで検閲の二重体制をとった。■東海道一の難所・箱根に関所が置かれた理由 箱根関は元和5年(1619)、相模(神奈川県)と伊豆(静岡県)の国境の箱根山の山頂にある芦ノ湖のほとりに設置された東海道の関所である。 箱根は西国と関東地方をつなぐ交通の要衝である一方、東海道一の難所として知られていた。平安時代から鎌倉時代には、箱根越えがあまりに厳しかったため、迂回して碓氷峠や足柄峠を越えていたほどだ。 それでは、なぜそんな難所に関所をつくったのだろうか。地図を見るとわかるが、相模と伊豆の国境付近にそびえ立つ標高700メートルの箱根山は海岸線近くまでせり出しており、小田原宿から三島宿までの陸路は山と海に挟まれた状態だった。海岸を往来するのは困難なため、人びとは山を越えざるをえなかった。したがって、ここに関門をつくれば確実に交通をチェックできたのである。なお、幕府は箱根に関所を設ける際、山の中腹から芦ノ湖の湖畔まで柵を立て、関所以外を通行できないようにしたという。 現在、箱根を通る旧東海道沿いは杉並木がつらなっている。これは幕府が街道を整備する際、街道沿いに並木を植えるように指示したためという。一本道にすることで交通の便をよくするとともに、取り締まりをしやすくしたわけである。
2024.07.17
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「映画でみる移民/ 難民/ レイシズム」という本で、映画『ライフ・イズ・ビューティフル』が紹介されているのだが、ええでぇ♪・・・ということで、以下のとおり復刻してみます。*********************************************************図書館で「映画でみる移民/ 難民/ レイシズム」という本を手にしたのです。この本が取り上げた作品は、ほとんど観ていないのだが・・・まあなんと、観るのも辛いような問題作が並んでいます。【映画でみる移民/ 難民/ レイシズム】中村一成著、影書房、2019年刊<「BOOK」データベース>より戦争、虐殺、差別、貧困・格差、植民地主義…現代世界が直面する課題を眼前にしながら、奮闘する映画人たちがいる。日本社会の課題をも照射する映画評論集。<読む前の大使寸評>この本が取り上げた作品は、ほとんど観ていないのだが・・・まあなんと、観るのも辛いような問題作が並んでいます。rakuten映画でみる移民/ 難民/ レイシズム「第3章 ホロコーストからナクバへ」でかつて観た映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を、見てみましょう。p119~122<1『ライフ・イズ・ビューティフル』> レイシズムは究極的に、「なにをしてもかまわない存在」をつくり出す。その発想は具体的な暴力となってあらわれ、果てはジェノサイドに至る。そのひとつの極がナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺だった。2度の大戦後に制定された国際人権条約「自由権規約」の第20条と「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」の第4条に、差別扇動の禁止が盛り込まれた大きな要因は、アフリカを震源地とする脱植民地運動の高揚、そして「終戦」からわずか十数年で顕在化してきた反ユダヤ主義とナチス肯定論への警戒と、南アフリカなどで続いていた人種隔離政策への否がある。 西欧諸国が軒並み差別の扇動を法的に禁じているのもナチスの経験ゆえだ。換言すれば「差別扇動の禁止」とは、負の歴史に向きあい、愚行をくり返すまいとする人びとの思いの轍なのだ。 初めて公表されたアウシュヴィッツの記録映像と、廃墟となった現在の映像をモンタージュさせ、ジェノサイドの「表象不可能性」をも描いてみせた歴史的1本『夜と霧』(アラン・レネ監督、1954年)以降、ナチス時代を描いた映画が制作され続けるのも、ひとつは「たとえ描くのが不可能でも、忘却とは闘わねばならない」という制作者たちの志である。作れば一定の客がはいる商業的「安定性」もあるだろう。たしかに志の欠落した駄作も少なくないが、まがりなりにも「記憶の文化」が浸透してきたからこそ、あの時代を描いた作品が興行としても成り立つのだと思う。 ロベルト・ベニーニが監督、脚本、主演の3役をこなした『ライフ・イズ・ビューティフル』は、これらの先人の系譜に連なりながらも、特異な存在感をもつ1本だ。なにが特異か? まずはタイトルである。あの出来事を描いた映画の題がよりによって「人生は美しい」なのだ。V・E・フランクルの著書『それでも人生にイエスという』へのオマージュなのかもしれないが、「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」(アドルノ)を逆撫でするようなネーミングである。 映画は「夜と霧」の光景ではじまる。子どもを抱いた男性が、視野不良の闇をさまよう、まるで夢のような映像に男性のモノローグがかぶさる。「これは素朴な物語。だが語るのは難しい。童話のように悲しみがあり、童話のように驚きと幸せに満ちている」。これが悪夢のような風景であることがわかるのは最終盤に至ってからだが、不穏な空気は伝わってくる描写である。 だがシリアスな空気は一転、場面は1939年の北イタリアに切り替わる。美しい田園地帯をオープンカーが疾走している。平和な光景だが、すでにムッソリーニが首相になって17年目、第2次世界大戦に参戦し、日独伊3国同盟が結ばれる前年である。『映画でみる移民/ 難民/ レイシズム』1:第9地区■2024.02.05XML「映画でみる移民 難民 レイシズム」2https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202402050001/
2024.07.16
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1年以上前のNHK放映「半導体 大競争時代 第1回」にインパクトを受けたので・・・以下のとおり復刻してみます。*********************************************************<NHK「半導体 大競争時代 第1回」>1月29日に観たNHK「半導体 大競争時代 第1回」に強いインパクトを受けたので、ネットで以下のアーカイブを探してみたのです。NHK 半導体 大競争時代 第1回より半導体 大競争時代 第1回「国家の“命運”をかけた闘い」初回放送日: 2023年1月22日スマホや家電のほか、AIや自動運転など次世代産業に不可欠で今後100兆円市場とされる半導体。世界的な大競争を伝えるシリーズ第1回は、米中の熾烈な争いと日本の戦略。凋落著しい日本は、残された強み素材・製造装置で生き残りを模索。日本政府はアメリカの設計技術をもとに最先端半導体を製造する新会社を支援。アメリカを補完する存在になることで、活路を見出そうとしている。日本の未来を左右する国家間の大競争に迫る。<大使寸評>この番組を観ながら、以下のとおりメモしたのです。・GPU(Graphics Processing Unit):日本で設計し、台湾で製造するもので、新型スーパーコンピューター搭載の可能性あり、30年前の基盤技術がAIに向いていることが判明した。・パワー半導体:電気自動車にも装着して直交変換している。炊飯器にもパワー半導体が装着されている。 ローム社がSic半導体で巻き返しを図っているが、世界の客先ニーズに合わせた素早い設計が必要とのこと。・3D半導体:半導体の洗浄工程の開発が重要であるが、ベルギーのimecと共同研究中とのこと。・とにかく日本の半導体技術開発のラストチャンスであり、これを逃すと二度と再起できないだろう。なお「半導体規制、米日オランダ合意」というネット記事も気になるので、紹介します。半導体といえば戦略的物資であるので、対中輸出規制についても考慮しておく必要があるのですね。<「半導体規制、米日オランダ合意」> 半導体規制、米日オランダ合意=中国包囲網の「一里塚」より【ワシントン時事】米国、日本、オランダの3カ国は27日、中国による先端技術の軍事転用を阻止するため、半導体製造装置の販売に一定の制限を設けることで合意した。ブルームバーグ通信など複数の米欧メディアが報じた。バイデン米政権が目指す対中包囲網の形成に向けた「重要な一里塚」となるが、中国の強い反発は必至。関係する日本の企業も厳しい対応を迫られる。中国の半導体受託製造大手「中芯国際集成電路製造(SMIC) 米政権は昨年10月、台湾有事といった地政学リスクも念頭に、大量破壊兵器に転用できる半導体および製造装置の対中輸出規制を大幅に強化した。バイデン大統領は今月中旬、先端技術に強みのある日本の岸田文雄首相、オランダのルッテ首相と相次ぎ会談し、中国の問題を直接提起。台湾や韓国にも共同歩調を求めている。 半導体製造装置市場に占める米日オランダのシェアは約7割に達する。オランダ大手紙フォルクスクラントは、3カ国の合意を東西冷戦時代になぞらえ「中国を取り巻く鉄のカーテン」と表した。ただ、英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国の報復に対する「懸念」を理由に、合意した事実や詳細は公表されていない。 BYD(中国製EV)のテレビコマーシャルが始まって、すこぶる機嫌が悪いのだ。そのEVの主要な部品がバッテリーであるのだが・・・バッテリーメタルの製造競争で中国、チリ、カナダなどの間で始まっているようです。資源ナショナリズムが亢進しているわけだが、サプライチェーンのバランス(政治的、経済的)が肝要なのかも。。【AI基礎講座】AIの進化支える「GPU」、CPUと何が違う?もお薦めです。■2023.01.31XMLNHK「半導体 大競争時代 第1回」https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202301310000/
2024.07.15
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テロと聞けば、イスラエルのガザ地区攻撃とか、安倍首相狙撃の山上徹也被告の公判のゆくえなどが気になるのです。・・・ということで、『日本でテロが起きる日』という本を読み返してみようと思うのです。*********************************************************図書館で『日本でテロが起きる日』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると…元外務省官僚である佐藤さんが素晴らしいインテリジェンスを披露しています♪【日本でテロが起きる日】佐藤優著、時事通信社、2015年刊<「BOOK」データベース>より国際情勢が分からないのは、読み解くために必要な文化・歴史・宗教の「見えない膜」がニュースの裏側にあるからだ。「あれはイスラムだからしょうがない」「ロシアだからよく分からない」…分かるものしか理解しようとしないのでは重要なことを見失う。すべて話した!会員制講演を集大成。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると…元外務省官僚である佐藤さんが素晴らしいインテリジェンスを披露しています♪amazon日本でテロが起きる日第3章『沖縄が日本の将来を握る』を、見てみましょう。p67~72■中国「境界線の引き直し」に巻き込まれる沖縄 国際秩序は大きく変わっています。 何が起きているのか…。 19世紀の終りから20世紀初めの古典的な帝国主義的な国家間対立に近いものが生じています。 私はそれを「新帝国主義」と言っています。なぜ旧帝国主義と区別するかといえば、植民地を必用としないからです。それから、帝国主義国家間の前面戦争は避ける傾向があるからです。 ですから、ニュートンの古典力学のような、「力の均衡」モデルで国際関係を考えることができます。尖閣諸島や竹島の情勢がなぜ近年厳しくなってきているのか。これは力の均衡が変わってきているからですね。 日本や米国の国力がかつてより相対的に弱くなり、逆に中国がぐっと強くなって台頭してきた、こういうことが背景にあります。 帝国主義的な力の均衡が変動する時には必ず、「境界線の引き直し」が起きます。沖縄が今、その渦に巻き込まれているわけですね。 近年、「国民国家」の在り方が問題になり始めています。 例えば、今、世界を一番にぎわしている問題の一つは、イラクとシリアの一部を支配している「イスラム国」です。この「イスラム国」の影響は、実は、この前まで大変だったイスラエルとハマスの問題に関わっています。ハマスも「イスラム国」のもともとの仲間です。現在、互いに殺し合いを始めていますが、これは内ゲバのようなものです。 日本にいると分からないのが中東情勢です。専門書を読んでもなかなか分からない。それには理由があるんです。日本のほとんどの中東専門家はシリアかエジプトで勉強していたから、アラブ世界にどうしても共感してしまい、突き放して客観的に見えないということがある。 ■尖閣をめぐる日中衝突の可能性 私は、尖閣をめぐる日中衝突は、現実問題としては今後ほとんど起きないと見ています。 ただ一つ可能性があるのは、中国の武装漁船が、日本との関係を挑発しようとして、尖閣諸島のどこかに上陸する。それを海上保安庁が排除しようとするのに対して、中国の公船が出てきて、阻止しようとした結果、公務員同士の戦いで死者が出る。こうなった場合、紛争がどこまでエスカレートするか。 その際、気をつけないといけないのは沖縄の反応です。 沖縄は、沖縄以外の日本と全然別の「情報空間」になっていますから、もしそういう戦闘が起きた場合には、それに巻き込まれないように、相当強いかたちで日本からの分離志向が働くと思います。そこで、「日本の尖閣ではなくて、沖縄の尖閣だ。だから、そこで紛争を起こさないでくれ」という議論になった場合、国際情勢の組み立てはがらっと変わってくると思います。 その場合、米国も尖閣で紛争を起こさないようにという方向で介入してくる可能性が十分あると思います。 尖閣に関しては、米国が日米安保条約の適用範囲だと明言していることと、実際に米国が動くこととは全然違いますから、その点についても注意深く見る必要があります。 ただ、衝突の可能性では、非合理なものはどうしても残りますから、そこは警戒しないといけません。■中国の近代化 さて、中国について少し考えます。これには「国民国家」の問題が密接に絡んできます。 「国民国家」は、19世紀から20世紀の産物で、もはやなくなった。そう思っていたら、そうではなくなってきている。例えば今、中国で起きていることの中で一番の問題は「国民国家化」です。 近代的な民族の誕生期には必ず「敵のイメージ」が必用です。 この問題を考えるには英国の社会人類学者のアーネスト・ゲルナーの『民族とナショナリズム』という本がとても参考になります。 チェコ人が生れる時はドイツが敵に見える、ポーランド人やフィンランド人が生れる時はロシア人が敵に見える。アイルランド人が生れる時はイギリス人が敵に見える。ドイツとフランスは互いに敵に見えるといったように、必ず、自民族をまとめあげるために「敵のイメージ」が要請されます。 過去の戦争もそうでしょう。戦争に負けた時に、「こんなひどい目にあわされた。よくもひどい目にあわせやがったな」という、マイナスの記憶から「民族」のまとまりが出てくるんです。 中国は、近代的な中国人をつくる際に、日本に「敵のイメージ」を据えてしまったんです。 そうすると、仮に尖閣諸島を日本が中国に全部渡したとしても、歴史認識問題で靖国の問題がまた出てくる、南京大虐殺の問題が出るといったように、順番に「歴史カード」が出てきます。 これはいつまで続くか…。 中国の近代化が完成するまでです。 これは、この先50年は最低かかる話です。ですから50年間、中国は日本と真の友好国になることは難しいという、こういう冷徹な認識の下でわれわれは対中戦略を構築しなくてはいけない。 だからこそ一方で、決定的な対立にしていかないために、観光や貿易などで、中国人と日本人が個人的に付き合うことが重要になってくるわけです。ウーム この本の2015年発刊時あたりから南沙諸島海域での軍事拠点化が露骨になり、また北朝鮮の核武装への制裁にも抜け穴を残すわけで…佐藤さんの見立ては正しかったというか、まだ手緩いぐらいかも。『日本でテロが起きる日』1:第4章『むき出しの「新帝国主義」』p98~101『日本でテロが起きる日』2:第5章『世界をゆるがす「イスラム国」』p145~156『日本でテロが起きる日』3:第6章『ロシア・プーチンは何を狙っているか』p179~182『日本でテロが起きる日』4:第3章『沖縄が日本の将来を握る』p67~72
2024.07.14
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著名な絵本作家といえば、私の場合ショーン・タンが筆頭になるわけで・・・『ショーン・タンの世界』という本を復刻して読み直そうと思ったのです。油彩画や彫刻まで手掛けているようだが、モノクロの線描画が一押しでおます♪*********************************************************図書館で『ショーン・タンの世界』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、油彩画や彫刻まで載っていてショーン・タンのすべてが見られるわけで・・・ええでぇ♪【ショーン・タンの世界】ショーン・タン著、求龍堂、2019年刊<出版社>よりオーストラリアの作家ショーン・タン(1974年~)は、1999年に刊行した初めての絵本『ロスト・シング』を元に、2010年に短編アニメーション映画を発表し、同年の第83回アカデミー賞の短編アニメ賞を受賞しました。2006年に発表した文字なし絵本『アライバル』は大きな反響を呼び、各国で刊行されています。本書は、2019年5月に開催される日本初の展覧会『ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ』展の図録兼書籍として刊行。 <読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、油彩画や彫刻まで載っていてショーン・タンのすべてが見られるわけで・・・ええでぇ♪rakutenショーン・タンの世界『ロスト・シング』原島恵さん(ちひろ美術館主任学芸員)の解説を、見てみましょう。p178~179<ショーン・タンのまだ語られていない物語をもとめて:原島恵> 2019年1月、私はショーン・タンに会いにメルボルンへ行った。案内されたアトリエは、コロニアル風の建物が建ち並ぶ静かな住宅街の一角にあった。うっそうとした緑に囲まれた小さな平屋建ての家は、100年以上前にたてられたものだという。終始穏やかな彼は、幼い子供たちの世話のために度々中座しては、私たちの要求や質問に根気よく応えてくれた。 笑うと少年のような表情になるこの作家の内側に、創作への妥協のない情熱が持続していることがはっきりと感じられた。そして常に公正に意見を受け止め、面白いことを共有しようとする態度は、彼の作品から感じられるものと同じだった。(中略) 彼が初めて原稿料を手にしたのは1990年16歳のとき、SF雑誌の表紙絵である。公表されていない作品であれば、さらに時を遡る。幼いことからアニメーションやSF映画に親しんでいたタンは、11歳のときに絵入りのSF長編物語を自作している。大学では美術と英文学を学ぶ傍ら、SF雑誌にイラストレーションを描き、同人誌に短編小説も発表している。 タンにとって、物語をつくることと、それを視覚的にとらえることは、当初から分かちがたき結びついているのだろう。その後、ヤングアダルト向けのホラー小説シリーズに絵を描き、本格的にイラストレーターとしてデヴューする。 彼が初めて取り組んだ絵本は、ゲアリー・クルーと組んだ『ヴューワー』(1998年)だ。物語は、少年がゴミ捨て場で見つけたのぞき眼鏡のような道具を通して、戦争や災害の歴史を目の当たりにするという内容である。(中略) 絵を中心に場面が展開し、文章も画面のなかの視覚的効果を考えて配置している。翌年、ふたりは、第一次世界大戦に従軍したオーストラリアの男を描いた絵本『思い出』で再び共同する。男の人生に沿って、1本の樹の変遷が見開きページで挿入され、過去の出来事を表す場面では、ひとつの場面にいくつかのコマを配置して、そこに写真を元にシタモノクロームの絵を描いている。コマや写真を使い、時空間を移動する表現は後の『アライバル』へつながっていく。(中略) タンが初めて絵と文を共に手がけた絵本は『ロスト・シング』(2000年)だ。彼は、絵とことば、それぞれが語るものと欠落部分を読者に意識させるように場面を構成している。 文で「そいつ」または「迷子」と呼ばれる生き物は、絵では、異形の生き物として描かれている。「迷子」には顔がないため、煙突のような部分から吐き出される煙や、ストーブのような体から出ている触手から感情を推測するしかない。 背景には、威圧的な建物や規格品のような家や電車に乗る無表情な人々が描かれ、そこは管理主義的な社会であることが読み取れる。絵本そのものに貼られた「国家書籍管理局」による検閲済みのラベルがその推測7を確かなものにする。「迷子」はこの社会からはみだした存在だ。語り手である少年は紆余曲折の末、「迷子」に適していそうな場所を見つけるが、「この話の教訓はなにかなんて、聞かないでほしい。」と書かれている通り、結末をどうとらえるかは私たちに委ねられている。 物語の筋立てとことばは単純だが、絵にはいくつもの視覚的要素が織り交ぜられ、多くのことW語りかけてくる。例えば、表紙はオーストラリアの画家、ジェフリー・スマートの絵を下敷きにしている。他にも、エドワード・ホッパーやヒエロニスム・ボスの絵、物理の教科書、1930年代の機械、メルボルンのトラム、チャールズ・シーラーの写真など多岐にわたる。視覚的要素が参照や引用されている。 だが、「迷子」は何者で、どこに帰属するのか、その正解は描かれていない。目には見えているけれど、感嘆に名前をつけたり、置き場所を決めたりできないものを前に、私たちは途方に暮れ、自分の記憶を探る。タンはその意味をこう語る。「最終的に物語は意味を持ち、私たちが広い心を持って日常の中にある曖昧さを積極的に受け入れることの大切さを思い出させます。こうして私たちは、閉ざされた意味の忘れられた状態、息詰まったリテラシーから救われるのです」『ショーン・タンの世界』4:夏のルール『ショーン・タンの世界』3:ロスト・シング『ショーン・タンの世界』2:インタビューQ3『ショーン・タンの世界』1:インタビューQ1、Q2
2024.07.13
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図書館で『日本の「世界化」と世界の「中国化」』という本を、手にしたのです。漢字文明圏に属する日中ではあるが、感覚や考え方がこれほど違うのはなぜか?・・・ということでチョイスしたのです。【日本の「世界化」と世界の「中国化」】 小倉和夫著、藤原書店、2018年刊<出版社>より日本を映す“鏡”としての中国を、2000年の歴史を通して俯瞰する。明治以降の日本にとって中国は、近代化に乗り遅れた混乱と混迷の国であると同時に、文化的伝統には親近感を覚える国だった。しかし、古代にまで遡れば、中国は政治的権威の源であり、学ぶべき故事来歴の豊かな国であり、模範であった。断絶し、矛盾した中国観が共存している中で、中国が急成長し、大国化した今、“新しい中国観”の確立が急務である。2000年前から続く関係史を見渡し、これからの日中関係のため、“日本にとって中国とは何であったのか”を探る。<読む前の大使寸評>漢字文明圏に属する日中ではあるが、感覚や考え方がこれほど違うのはなぜか?・・・ということでチョイスしたのです。rakuten日本の「世界化」と世界の「中国化」「第Ⅲ部 近代日本の画家、文人の描いた中国と中国人像」から火野葦平の中国観を、見てみましょう。p275~279<6 火野葦平『赤い国の旅人』に見る中国> 第二次大戦中、従軍作家なみに扱われ、戦後批判をあびた火野葦平は、1950年代に、中國へ旅行し、『赤い国の旅人』という作品を残した。この書の題名が示唆するように、火野が、共産主義に反感をもっていたことは否定できない。それだけに、この作品には、中国に対する冷静な観察が見て取れるともいえるが、同時に、共産中国というイメージに一見そぐわないような側面には敏感に反応している所がある。 そこへ、中国側の人が打ちあわせに来ているからという知らせがあって、また、全体会議をした部屋に行った。平和委員会事務局の唐明処さんを紹介される。例の工人服装だが、ものやわらかな痩せ型の紳士である。広東以来、ずっと私たちが会ったちゅうごくじんはいずれも共産主義者であり、闘士でもあるわけだろうが、例外なく温厚で人あたりがよく、どぎつさやものすごさなどは感じさせなかった。けっしてわざとしているわけでなく、自然に人柄が出ているだけで、中国人が大人(たいじん)の風格を持っていることを認めないでは居られなかった。唐明処さんもそんな中国人の一人である。■大人の風格 火野が中国人に対して「大人の風格」という表現を使っていることは、共産主義中国においても、伝統的な中国の国民性が残っているというイメージを抱いたからにほかならない。いいかえれば、些細なことや表面的な違いに拘らない性格を表現したものといえる。 もとより火野は、共産中国が、元来共産主義に同情的ではない火野を受け入れた意味に鈍感であったはずはない。それだけに、火野が、心にもないお世辞をのべたはずもない。むしろ、自然に印象を述べたものであろう。 細事に拘らない中国人というイメージは、火野にかぎらず、多くの日本人作家の中国描写に見られる。例えば、芥川は、その中国旅行記のなかで、昔の死刑場所として知られ、旅行案内にものっているような草原で、中国のお婆さんたちが、昔のことなど全くかまわぬといわんばかりに、静かに草を摘んでいる姿をみて、「頗る悠々とした眺め」と描写しているが、ここにも、やや似た感覚が滲み出ている。さらに、上海の便所での日本人の体験を描いた金子光春の次の文章は、より鮮明な形で中国人の「こだわりのなさ」を浮き彫りにしている。 老人はやがて、唐紙を取り出し、ゆるゆると二つに折っては、折り目から裂き、またそれを折って、四枚にした。何気なくそれを眺めていると、四枚のうちの二枚を、静かに手をのばして僕のほうに差し出す。僕も、うなづいてそれを受け取ったが、僕は、まだその老人の姿と、難しく説明するほどの行為ではないが、知る知らぬを越えた淡々とした交換の現れに、中国人の心の広く大きいものを感じた。(金子光春『絶望の精神史』) ここには、日中関係を考える上で、留意せねばならないある種の落とし穴が潜んでいる。それは、こうした「心の広さ」とか、「悠々とした」態度、細部にこだわらぬ「大人の」姿勢といった特徴づけが、その裏面に、中国人の、無表情、無感動、ふてぶてしさといったイメージを内蔵しているとみられるからである。いいかえれば、時として、中国人の大人びた態度の裏面として、ある種の無感動、無表情、そして、ふてぶてしさともいえる態度が現れるのである。(中略)■無感動な中国人 同じように、林房雄は小説『上海戦線』のなかで、赤いちゃんちゃんこを着て、町の掃除をしている中国人を見た日本人は、その奇妙な風体に驚き、気味悪く感じるのだが、中国人の方は「ぜんぜん無感覚な表情です」と表現する。 こうした、無感動な中国人といったイメージを日本人の観察者が感じ取った理由の一つは、これらの体験が、なんらかの形で戦争や戦乱と結びついていた、あるいは、そういう時期のものであったためでもあろう。 長い混乱、内戦、対外戦争に慣れてきた中国の人々が、そうした混乱や戦乱に対して緊張感、緊迫感をもたなかったとしても不思議ではない。石川達三の『生きている兵隊』のなかで、日本の兵士が中国の兵士を見て「表情のない顔」「痩せた、どこか呆けた顔つき」を見出したのも、また、上田広の『黄塵』において、中国の兵隊を見た日本人の表現として、「戦争をやっているのは自分の国じゃないという風じゃありませんか」と述べているのも、戦乱に対して、日本人と中国人の間に感覚の違いがあったことを暗示している。
2024.07.13
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ロアルド ダールが語る飛行士たちの話ってか・・・・私のツボが疼くわけで、以下のとおり復刻してみます。*********************************************************図書館で『飛行士たちの話(新訳版)』という文庫本を、手にしたのです。おお この本は旧訳版で見た覚えがあるで・・・ということで、再度借りたのです。【飛行士たちの話(新訳版)】ロアルド ダール著、早川書房、2016年刊<「BOOK」データベース>より偵察飛行に向かってから二日後に帰投したパイロットは、その間の記憶を失っていた。だがある戦闘中、仲間が撃墜されたのを見た彼は不可解なことをつぶやき、何もかも思い出したと叫び出す。彼が見たこの世のものとは思えない光景とは?後世の作品に多大な影響を与えた幻想譚「彼らに歳は取らせまい」をはじめ、従軍経験をもとにしたデビュー作など、著者のストーリーテラーぶりを存分に味わえる10篇収録の処女短篇集!<読む前の大使寸評>おお この本は旧訳版で見た覚えがあるで・・・ということで、再度借りたのです。amazon飛行士たちの話(新訳版)ハリケーン「カティーナ」の続きを、見てみましょう。p173~176<カティーナ> 夕食後、われわれ三人はモンキーと一緒に格納庫に行った。モンキーが言った。「機銃掃射が気にはなるけれど、ドイツ軍は絶対に格納庫を攻撃してこない。なぜなら、格納庫の中には何もないってことを知ってるからだ。で、今からわれわれ4人で4機運んで、第二格納庫に隠しておこうと思うんだが」 いいアイデアだった。通常、ハリケーンは飛行場の周囲のあちこちに分散して駐機させる。ずっと飛ばしておければいいのだが、そういうわけにもいかない。その結果、一機ずつ敵に狙い撃ちされていた。われわれ4人はそれぞれハリケーンに乗り込み、タキシングして第二格納庫に入れた。全機格納すると、4人で力を合わせて巨大なスライドドアを閉めて鍵をかけた。 翌朝、太陽が山の背後から姿を見せるまえにユンカース87の一群が襲来し、第二格納庫は吹き飛ばされ、あっさりと地表から消え去った。彼らの爆撃は正確で、両脇の格納庫は被弾すらしなかった。 その日の午後、ピーターがやられた。ハルキスという村がユンカース88に爆撃されているという知らせを受けて彼が出撃したのだが、そのあと二度と彼の姿を見ることはなかった。陽気で笑顔を絶やさない男だった。ケント州の農場にいる母親が送ってくる淡いブルーの細長い封筒をポケットにしまい、それを肌身離さず持っているような男だった。 この中隊に配属されて以来、私はいつもピーターとふたりで同じテントを使っていたのだが、その夜も私がベッドにはいったあと、ピーターがテントに戻ってきた。信じてくれなくてもいい。そもそも信じてもらえるとは思っていない。それでもこれはほんとうの話だ。 いつも私のほうが彼よりさきにベッドにはいっていた。というのも、われわれが使っていたのは、ふたりの人間がすれちがうこともできないほど狭いテントだったからだ。ピーターは毎晩2分か3分ぐらい遅れてテントに戻ってきた。その夜、私はベッドに横になって考えた。(中略) まったくいつもと変わらなかった。どさっという音、簡易ベッドの木製の脚が軋む音。フライングブーツを片方ずつ脱いで地面に放る音。いつも片方を脱ぐのにもう一方を脱ぐ三倍の時間がかかる。そのあと毛布をめくるかすかな音と、ちゃちな造りのベッドが男ひとりの体重を支えて軋む音。 毎晩そういう音を聞いていた。同じ音を同じ順番で。その夜はベッドの上で上体を起こして声をかけた、「ピーター」暗いテントの中、私のその声はやけに大きく響いた。「やあ、ピーター。今日はついてなかったな」返事はなかった。 私は気味悪くも怖くもなかったが、指で自分の鼻に触れて、ちゃんと自分がそこにいるのを確かめたのを覚えている。そのあとは疲れていたので眠りに落ちた。 翌朝、隣りのベッドを見ると、人が寝た跡が残っていた。しかし、私はそのベッドをフィンにも見せなかった。ただ毛布をもとの位置に戻して、枕をふくらませた。 われわれがアテネ防空戦を戦ったのはその日、1941年4月20日のことだ。今後あれほど激しい格闘が繰り広げられることはないだろう。最近では、飛行機は航空団や飛行中隊といった編隊を組んで飛び、攻撃も指揮官の指令どおりに整然と系統だっておこなわれるからだ。戦闘機乗りがひとりで激しい空中戦を繰り広げるなど、今日ではまずありえない。しかし、アテネ攻防戦では、15機のハリケーンが30分にわたり、150機から200機のドイツ軍爆撃機と戦闘機を相手に美しくて長い空中戦を繰り広げた。『飛行士たちの話(新訳版)』1:カティーナ『飛行士たちの話(新訳版)』2:カティーナ続きこの本もロアルド・ダールがつなぐ輪R2に収めておきます。
2024.07.12
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図書館で『あのころの日本映画101』という本を、手にしたのです。101本の日本映画といえばかなりの本数になるので、観ていない映画や感動した映画もあるだろう・・・ということでチョイスしたのです。*********************************************************【あのころの日本映画101】 立花珠樹著、言視舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より50年代の古典から“ちょい前”の問題作まで先がみえない時代だからこそ、生きるヒントや心の潤いになる101本を厳選。1本ずつ「心に残る名せりふ」を解説する。<読む前の大使寸評>101本の日本映画といえばかなりの本数になるので、観ていない映画や感動した映画もあるだろう・・・ということでチョイスしたのです。rakutenあのころの日本映画101『Shall We ダンス?』を、見てみましょう。上質な娯楽映画との評価を得ています♪P32~33<1996年『Shall We ダンス?』質の高さ、リメークが証明> 周防正行監督『Shall We ダンス?』は、老若男女を問わず幅広い人々が楽しむことができる上質な娯楽映画だ。『ファンシイダンス』(1989年)で僧侶の修行、『シコふんじゃった』(92年)で弱小な大学相撲部の奮闘を描いた周防監督が、今回取り上げたのは社交ダンスだ。 前2作と同じように、一般的にはそれほど知られていない世界の魅力と、そこで情熱を燃やす人々の姿を、コミカルな描写を交えつつ、心温まるドラマに仕上げている。 杉山正平(役所広司)は、東京都内の会社に勤める40代前半の平凡なサラリーマンだ。郊外に購入した一軒家で、妻(原日出子)と中学生の娘(仲村綾乃)と3人暮らし。会社では経理課長に順調に昇進し、家庭は円満。何一つ不満はないはずなのに、心の中で、説明できない何かがざわざわと動き始めている。 そんなある日、彼は、通勤電車の途中駅のそばにある社交ダンス教室を訪れる。電車の中から何度か見た、教室の窓のそばに立つ美女(草刈民代)に惹かれたのだ。 杉山は、家庭にも会社にも内緒で、教室通いを始める。最初は不純な動機だったが、個性的なダンス仲間たち(竹中直人、渡辺えり子、徳井優、田口浩正)と一緒に練習に励むうち、次第にのめり込んでいく。 一方、急に夫の帰宅が遅くなったことをあやしんだ妻は、浮気を疑い、探偵事務所を訪れる・・・。 真面目に生きてきた男が、それなりの安定をつかんだ瞬間、自分の人生はこれでいいのか、と迷い始める。どんな人の人生にも、そんな一瞬があるのかもしれない。もちろん、この映画の杉山の迷いはそんなに深刻なことではないのだが。 役所が、覇気のない中年男から、目を輝かして踊る美男子へと変貌する。周防作品の常連、竹中、田口は今回も笑わせてくれるし、ダンス教室のベテラン教師、たま子先生(草村礼子)など脇役陣も好演している。 海外各国で公開され、2004年には米国でリチャード・ギア主演の『Shall We Dance?』がリメイクされた。世界が、素晴らしさを認めたのだ。『Shall We ダンス?』のリメイク行脚を周防監督が綴った本がいいので、紹介します。『Shall Weダンス?』アメリカを行く1『Shall Weダンス?』アメリカを行く2『Shall Weダンス?』アメリカを行く3『Shall Weダンス?』アメリカを行く4『Shall Weダンス?』アメリカを行く5『Shall Weダンス?』アメリカを行く6『Shall Weダンス?』アメリカを行く7『Shall Weダンス?』アメリカを行く8『Shall Weダンス?』アメリカを行く9
2024.07.11
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先日、村田沙耶香の「生命式」という短編小説集を読んだところであるが、SFとも、ファンタジーとも取れる著者独特の怖さを堪能したわけです。・・・ということで「地球星人」を復刻してみようと思い立ったのです。*********************************************************図書館で『地球星人』という本を、手にしたのです。村田沙耶香といえば『コンビニ人間』を読んで以来であるが・・・『地球星人』というタイトルがSF的なので、チョイスしたのです。【地球星人】村田沙耶香著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>より私はいつまで生き延びればいいのだろう。いつか、生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか。地球では、若い女は恋愛をしてセックスをするべきで、恋ができない人間は、恋に近い行為をやらされるシステムになっている。地球星人が、繁殖するためにこの仕組みを作りあげたのだろうー。常識を破壊する衝撃のラスト。村田沙耶香ワールド炸裂!<読む前の大使寸評>村田沙耶香といえば『コンビニ人間』を読んで以来であるが・・・『地球星人』というタイトルがSF的なので、チョイスしたのです。rakuten地球星人ネタバラシというか、かなり中抜きとなるけど、最後の部分を見てみましょう。p243~246<6> 夫は、「暗いとき」に作った、腕の入ったスープを食べながら眠ってしまったようだった。貴重な食糧を溢さないよう、私はスープの入った器をそっとテレビ台の上へ置き、夫の向こう側に寝そべっていたもう一匹に呼びかけた。「由宇」 由宇の腹は、夫よりももっと膨らんでいた。由宇の薄い皮膚はぴんと張っていて、皮膚の中の骨と膨らんだ腹の形がくっきりと浮かび上がっていた。「ポハピピンポボピア」 私の呼びかけに気が付いたらしい由宇が瞼を擦りながら、私たちの言葉を呟いた。 その時、急に床の軋みが大きくなって、足音と振動と共に、地球星人の匂いが一気に強まった。 由宇も夫も起き上がり、私たちは身体を寄せ合った。夫と由宇は膨らんだ自分の腹を守るように腕で庇って蹲り、私はピュートを胸元で握りしめた。「キアアアアアアアアアアアアア」 何かと思ったが、それは地球星人の鳴き声だった。 障子の向こうから現れたのは、姉だった。私たちの姿を見た姉は、もう一度大きく鳴いた。「キアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」 姉の向こうには母もいた。二匹の甲高い鳴き声が反響した。 大きな鳴き声に慌てたように、他の地球星人の足音が集まってきた。 母の背後から、何匹かのオレンジ色の服に身を包んだ地球星人が姿を現した。救助隊という仕事をしている地球星人なのではないかと、その服装から見てとれた。「地球星人だ」 私は呟いた。 救助隊の地球星人は、身体を寄せ合っている私たちを一瞥し、うっと呻いて口元を押さえた。「あなたたちは・・・人間か・・・?」 私たちの姿を凝視しながら、地球星人のオスが言葉を絞り出した。 私たち三匹は顔を見合わせた。「ポハピピンポボピア?」「ポハピピンポボピア」 由宇が膨らんだ腹を守るようにそっと右手で撫でながら、地球星人の言葉で流暢に彼に話しかけた。「僕たちは、ポハピピンポボピア星人ですよ。あなたもそうなのではないですか?」 男性は驚き過ぎて唾液を噴き出したのか、それとも立ったまま胃液をもどしているのか、鼻からも口からも何かの液体を流していた。「その腹はなんだ・・・?」 隣にいた別の地球星人のオスが、しわがれた声で言った。「僕たち、三匹とも妊娠しているんです」 膨れたお腹を両手で持ち上げるようにして見せながら、夫が言った。 地球星人たちは震えているようだった。青ざめて後ずさりしている。「大丈夫ですよ。今はそうでなくても、あなたにも、きっとこの形のあなたが眠っている。きっと、すぐに伝染しますよ」 安心させるように由宇が地球星人たちに微笑みかけた。「僕たちは明日、もっと増える。明後日は、それよりもまたもっと増える」 由宇が丁寧に説明しているのに、地球星人たちはまったく聞いていないようだった。奥にいた一匹が激しく嘔吐している。「外に行こうか。僕たちの未来が待っている」 由宇の言葉に、私も夫も頷いた。 私たち三匹のポハピピンポボピア星人は、そっと手や足を絡めて繋ぎ、立ち上がった。「明るいとき」の光が、雪の反射と共に、外の世界から私たちの宇宙船へと柔らかく差し込んでいた。 私たちは手をとりあい、肩を寄せ合って、地球星人の住む星へと、ゆっくりと踏み出した。光に包まれた私たちに呼応するように、地球星人たちの鳴き声が、この星の遠くまで響き渡り、森を揺さぶりながら広がっていった。 ウーム、主人公たちはポハピピンポボピア星人だったのか。この作品をSFとして読んでみると、かなりファンタスティックというか怖い感じのSFではある。これが著者の筆力なんでしょうね。『地球星人』1:1『地球星人』2:6
2024.07.11
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ヘミングウェイの作品を原書で読んで英語力が上がるなら、すごくためになるわけで・・・以下のように復刻してみます。*********************************************************図書館で『ヘミングウェイで学ぶ英文法』という本を、手にしたのです。ヘミングウェイの作品を原書で読んで英語力が上がるなら、すっごくためになるなあ。【ヘミングウェイで学ぶ英文法】倉林秀男著、アスク出版、2019年刊<商品レビュー>よりヘミングウェイは、いつか原書で読んでみたいと思っていました。が、実際に読んでみると、英語自体はそんなに難しくないように見えるのに、なぜかよく意味が取れないということがありました。本書には、ヘミングウェイの短編がまるごと6つ入っています。それぞれに、ものすごく丁寧な「文法解説」がついているんです。文法上のどんなところに気をつけながら読めば、ちゃんと作品を理解できるのかがわかるので、すっごくためになります。<読む前の大使寸評>ヘミングウェイの作品を原書で読んで英語力が上がるなら、すっごくためになるなあ。<図書館予約:(10/11予約、副本3、予約0)>rakutenヘミングウェイで学ぶ英文法「Cat in the Rain」の作品解説を、見てみましょう。p51<“Cat in the Rain”の文脈を表現から読む> この短編小説はシンプルな英語で、しかもミニマルに描かれながらも多様な解釈を成立させる、ヘミングウェイ小説の中でも最高評価を獲得してきた作品です。 夫婦の会話に注目して読めば、これが「婚姻関係の危機あるいは崩壊」の物語であることは明らかです。しかし会話のみならず、ストーリーに度々登場する子猫を「子供」の象徴として読めば、これは妻の繁殖の願望を示す「妊娠願望」の物語として読むこともできます。 また、妻の「髪を伸ばしてみるのはどうかしら」というセリフを重視すれば、これが彼女自身の「大人に成長したい願望」を示す物語となるでしょう。何を重視して読むかで、解釈が異なってくるのです。 他方で、登場人物らの振る舞いに注目して解釈することもできます。うわべだけ紳士的に振る舞う頼り甲斐のない夫と、それにもかかわらず逃げだせない無力な妻の関係性に注目すれば、この小説を、女性を隷属させる「男性中心主義」への批判としての、「性の政治」的な物語として読むことも可能でしょう。 この作品の解釈をめぐる最大の学説的論争は、「何かがとても小さく、締め付けられて感じた(Something felt very small and tight inside the girl.)」という一節が妻の妊娠の「事実」あるいは「願望」のどちらを示すのかというものです。妻は妊娠をしたのか、それとも妊娠への願望があるだけなんでしょうか。このことは、彼女がその後すぐに感じた「至高の重要存在であるかのような感覚(a momentary feeling of being of supreme importance)」がどこに起因するのかを考えてみればはっきりするでしょう。 彼女は母となり喜んだのか、あるいは宿主に恋をして特別な存在になったと感じたのか、自分なりに是非考えてみて下さい。ウーム この作品で、ここまで深く読み込まなくてはいけないのか・・・難しいがな。『ヘミングウェイで学ぶ英文法』1:Cat in the Rain『ヘミングウェイで学ぶ英文法』2:「Cat in the Rain」の作品解説
2024.07.10
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初代ゴジラ以降に数多くのゴジラ映画が作られ公開されたが、それだけこの題材のインパクトが大きかったのだろう。・・・ということで、ゴジラ映画に関するあれこれをフォローしているのです。*********************************************************ゴジラ映画あれこれR4 山崎監督は初代ゴジラにインパクトを受けていたようですが・・・かつての特撮、現在のVFXに入れ込むところが、いかにも映画作りの職人なんでしょうね。それからハリウッド映画に及ばない低予算にもくじけず、ポジティブにトライするところがええでぇ♪今までに観たゴジラ映画は以下のとおりです。・ゴジラ-1.0(2023年)・ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年)・モンスターシリーズ ゴジラ 2019(BANDAI)・「シン・ゴジラ」の見どころ(2016年)・シン・ゴジラ(2016年)・GODZILLA ゴジラ(2014年)・ゴジラ (1954年)・あのころの日本映画101(2018年)R5:『あのころの日本映画101』を追加**********************************************************************去年の11月にこの映画を観ていたので、日記を付けておきます。【ゴジラ-1.0】山崎貴監督、2023年制作、2023.11.09鑑賞<Movie Walker press >よりゴジラ70周年記念作品として制作されたゴジラ作品30作目。山崎貴が監督・脚本・VFXを手掛け、『君の名は。』の神木隆之介が主人公の敷島浩一、『君の膵臓をたべたい』の浜辺美波がヒロインの大石典子をそれぞれ演じる。「東京リベンジャーズ」の山田裕貴をはじめ、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介らが脇を固める。【ストーリー】戦争によってなにもかもを失った日本は、焦土と化していた。戦争から生還するも、両親を失った敷島浩一は、焼け野原の日本を一人強く生きる女性、大石典子に出会う。戦争を生き延びた人々が日本復興を目指すなか、追い打ちをかけるかのように、謎の巨大怪獣ゴジラが出現。圧倒的な力を持つゴジラに、人々は抗うすべを模索する。<観る前の大使寸評>ゴジラ70周年記念として制作されたゴジラ映画とのことで、PRサイトの意気込みがすごいわけで・・・久々に劇場まで繰り出したのです。Movie Walkerゴジラ-1.0『ゴジラ-1.0』を観た***********************************************************************<ゴジラ キング・オブ・モンスターズ>ハリウッド版のゴジラ映画が公開されていて、ハリウッド映画嫌いの大使は観に行くかどうか、迷っていたのだが・・・どでかいモンスターの破壊力を観たいということで、結局観にいくことにしたのです。【ゴジラ キング・オブ・モンスターズ】マイケル・ドハティ監督、2019年、米制作、2019.6.03鑑賞<Movie Walker作品情報>より 日本が世界に誇る怪獣映画シリーズ『ゴジラ』。そのハリウッド版となる『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界を描くSFアクション。 復活した神話時代の怪獣モスラ、ラドン、キングギドラとゴジラが激突。世界の破滅を阻止せんとする未確認生物特務機関モナークの活躍を描く。前作に引き続き、渡辺謙がモナークの生物学者役で出演する。<観る前の大使寸評>どでかいモンスターの破壊力を観たいということで、結局観にいくことにしたのです。<観た後の大使寸評>『GODZILLA ゴジラ』の続編ということで、未確認生物特務機関「モナーク」の秘密基地が世界中に作られていて、やや子供だましではあるが目をつぶっておこう。だいたい太子にしても、アンギラス、ラドン、モスラと見続けてきたが、キングギドラあたりで、もうこんな子供だましは卒業だと思ったわけで・・・可愛げのない子供であった(汗)。おっと、ケチをつけるわけではない。この続編は全篇にわたって怪獣バトルが繰り広げられていて、けっこう騒がしいというか面白いのです。キングギドラが地球外生命体、ゴジラが地球生まれの怪獣として、この2体の覇権争いがメインテーマとしてあるわけで・・・その脇を古代生物学者の家族や、シーシェパードのような環境テロ集団や、ゴジラを愛する芹沢猪四郎博士(渡辺謙)たちがかためております。それから、エンドロールには、アンコール画面が観られるので、お見逃しなく。(かなりネタバレになったかな)Movie Walkerゴジラ キング・オブ・モンスターズ『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式サイト***********************************************************************【ムービーモンスターシリーズ ゴジラ 2019 】バンダイ BANDAI ムービーモンスターシリーズ <レビュー>より背びれ等、塗装がしっかりされていて、2014年のものよりも、足が太く、全体的にどっしりしています。<大使寸評>このフィギュアは、よく映画の雰囲気を再現しているなあ♪つまりは、ディズニー映画スタッフたちの初代ゴジラに対する敬意が感じられるのでおます。初代ゴジラといえば・・・生物学的知識とは無縁であり、ひたすら着ぐるみ体形なんですけどね。そのあたりが、このBANDAIのフィギュアに表れています。なお、このBANDAIシリーズにはラドン、モスラ、キングギドラも発売されているが、いまいちの感があります。yodobashiムービーモンスターシリーズ ゴジラ 2019***********************************************************************<「シン・ゴジラ」の見どころ>メディアでは、ちょっとした「シン・ゴジラ」論評ブームをよんでいるようです。あの日経ビジネスまでが「シン・ゴジラ」を取り上げています。2016-09-14シン・ゴジラに漂う「別世界感」の正体より 1954年の第1作から数えると、「シン・ゴジラ」は日本で制作される29番目のゴジラ映画だ。ただし、前作の公開は2004年。同作のタイトル「ゴジラFINAL WARS」からもわかる通り、ゴジラシリーズは50年を区切りに制作が打ち切られていたはずだった。それではなぜ、ゴジラは再び日本にやってきたのか。『さようなら、ゴジラたち―戦後から遠く離れて』(岩波書店)の著者で、文芸評論家の加藤典洋氏に聞いた。 まずは率直な感想を教えてください。 おもしろかった。まず公開3日後くらいに見ました。その後、文芸誌に評論を書くことになったのでお盆の近くにもう1度、映画館に足を運びましたね。どんなところに注目しましたか? 初代ゴジラに戻る、ということを最初から最後まで徹底したところです。ゴジラという作品を、ゼロからこの現代に作り直すとすればどうなるか。これを全身全霊で追求する、という姿勢が独創的だったと思いますね。 この映画のなかの世界では、誰もゴジラのことを知りません。最初に「ゴジラ」と聞いて、みんな「何だそれは」といいます。ふつう、こういう映画に出てくる「現代の日本」というのは、「いま私たちが暮らしている日本」がモデルですよね。ところが『シン・ゴジラ』ではこれまでのゴジラはなかったことになっている。さらに、むろんそこには「ゴジラ映画」も存在していない、そういう設定です。「ゴジラもゴジラ映画も存在しない架空の日本社会」。そういうありえない新しい虚構を作って、リニアモーターカーのように宙に浮かせている。 ただ、その虚構であるはずの日本社会、たとえば東京の街並みや自衛隊の出動の様子、官僚機構の動き方などはかなり精緻に取材し、リアルに描かれています。それが余計に、私たちに一種の浮遊感を抱かせるのです。■アニメ映画を実写で見ているような世界どんな効果があるのですか? 私たちに、一種アニメ映画を実写で見ているような、超平面的(スーパー・フラット)な世界を作り上げるうえで効果を発揮したと思います。 超平面的な世界というのは、簡単にいうと、出生率ゼロの世界です。つまり、内面がない、だから恋愛もない。家庭がないから、出産もない。ですから、あれだけの大事件が起きながら、主要人物たちが官僚世界の公的な場面だけで動きます。主要人物はほとんどの場面で公的な人間(官僚)としてしか行動しないし、主人公の長谷川博己もいっさい家庭的な場面を描かれません。独身なのか妻帯なのかもわからない。 また、一対の男女が出てきても恋愛関係には発展しません。たとえば同じ国難映画でも、2015年の原田眞人監督の「日本のいちばん長い日」だと、例によって主人公格の陸軍大臣阿南惟幾の家族との話が出てくる。夫婦愛などの挿話がちょこっとアリバイのようにさしはさまれるわけだけど、『シン・ゴジラ』はそういう凡庸さからは、ほど遠い。ね、徹底しているでしょう? 彼らの抑揚のない早口言葉が、その別世界感にフィットしていました。 人間なので、本来ならいろいろな喜怒哀楽を抱くはず。だけれど、そこからあえて深みを取り去ることで、別の新しいリアリティーを取り出すことに成功しているのです。街も人間も空も雲も同じ線で描かれる、という意味で、実にアニメ的な手法で私たちを引き込んでいると感じました。***********************************************************************【シン・ゴジラ】庵野秀明総監督、2016年、<Movie Walker作品情報>より日本の怪獣映画史に名を残す“ゴジラ”が、「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明が総監督、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の樋口真嗣が監督を務め、シリーズ初のフルCGで復活。巨大怪獣の出現で未曽有の危機にさらされた人々の物語が描かれる。長谷川博己、竹野内豊、石原さとみをはじめ、総勢328名のキャストが出演。<観る前の大使寸評>制作方針が初代ゴジラを踏襲しているそうで、わりとハードな即物感を重視しているようです。・・・かなり恐そうやで♪聞くところによると、庵野総監督はゴジラ登場シーンの割合を意識して六分の一に抑えているとか・・・恐いかもね。<観た後の大使寸評>国家の危機管理がメインテーマにもなっていて・・・いい悪い別にして、わりと大人向けの映画になっています。もちろん、子供が見てもゴジラの迫力はじゅうぶんに伝わるでしょうね♪核反応が有機体の中に組み込まれた、まさに「想定外の」生き物が出現したわけで、ある意味、昨今のニッポンの危機管理能力を皮肉っているわけでおます♪このゴジラは、自衛隊の通常ミサイルなどは跳ね返し、米軍の放ったバンカーバスターにやっと傷つくというスーパー生物なのだが・・・怒らせると口と尻尾から例の光線を放つわけで、このシーンでは思わず手を叩きたくなるアホな大使でおました。一時は米軍が核ミサイルをスタンバイさせる危機となったが、結局、なんちゃら凝固材の注入で事なきを得るわけです。とにかく、大田区、東京駅、永田町、虎ノ門など都心のかなりの部分を壊した破壊力が凄い!それから、大使のようなへそ曲りの観客の冷めた鑑賞にも言い訳ができる作りとなっていました。ところで、ゴジラ映画といえば、これまでは着ぐるみ特撮であったが・・・・『シン・ゴジラ』を観るかぎり、それはなかったのではないか?、それだけCG技術が素晴らしいといえるのだが。Movie Walkerシン・ゴジラ***********************************************************************【GODZILLA ゴジラ】ギャレス・エドワーズ監督、2014年、米制作、H26.9.6観賞<Movie Walker映画解説>より日本が世界に誇る怪獣映画のビッグネーム、ゴジラの『ゴジラ FINAL WARS』以来10年ぶりの復活作で、巨大怪獣ゴジラの出現に翻弄される人々の姿を描くパニック・アクション。地球に飛来した未知の生命体の恐怖を描いた『モンスターズ 地球外生命体』のギャレス・エドワーズが監督を、アーロン・テイラー=ジョンソンが主演を務める。<観る前の大使寸評>子供心に、恐怖と哀しみを与えた初代ゴジラであったが、果たして今度のハリウッドGODZILLAはどうなんだろう。Movie WalkerGODZILLA ゴジラ『GODZILLA ゴジラ』公式サイト***********************************************************************【ゴジラ(1954)】本多猪四郎監督、1954年制作、<allcinema映画解説>より 19XX年、南太平洋で行なわれた核実験によって、ジュラ紀の肉食恐竜が甦った。ゴジラと名付けられたその怪物は、大戸島を襲った後、東京へと歩を進めていく。放射能をまき散らすゴジラの前に、帝都は為す術もなく蹂躙されるかのように思われた。だがその時、防衛軍に一つの朗報がもたらされた。それは若き天才科学者、芹沢の発明した“オキシジェン・デストロイヤー”という、核を凌ぐ超兵器の存在である。しかし芹沢は、核の二の舞を怖れ、その超兵器の使用を認めようとはしなかった……。この作品によって本邦の特撮映画は始まった、と言っても過言ではない程の大傑作。<大使寸評>この映画でゴジラが登場するのは、劇中かなり遅くなってからだったが・・・だんだんと現れてくるところが恐いわけで、心憎い演出とも言えるわけです。allcinemaゴジラ(1954)wikipediaゴジラ (1954年の映画)我々、団塊の世代は、初代ゴジラにインスパイヤされた世代であるが・・・その後、引き続いて作られた怪獣映画を飽きもせづ観続けたアホも多くいるわけです。大使の場合、怪獣映画でゴジラ以外で覚えているのはアンギラス、ラドン、モスラぐらいだから、怪獣フリークというよりも、初代ゴジラのファンなんでしょうね。*******************************************************************【あのころの日本映画101】 立花珠樹著、言視舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より50年代の古典から“ちょい前”の問題作まで先がみえない時代だからこそ、生きるヒントや心の潤いになる101本を厳選。1本ずつ「心に残る名せりふ」を解説する。<読む前の大使寸評>101本の日本映画といえばかなりの本数になるので、観ていない映画や感動した映画もあるだろう・・・ということでチョイスしたのです。rakutenあのころの日本映画101まず「初代ゴジラ」を、見てみましょう。もちろん私は、この映画を映画館で観た世代であり、圧倒的な影響を受けたのです♪P70~71<1954年『ゴジラ』全編貫く水爆への恐怖>『ゴジラ』という映画を、巨大怪獣の迫力を売り物にした子ども向けの娯楽シリーズと思っている人には、ぜひ第1作を観てほしい。本田猪四郎が監督した1954年の『ゴジラ』は、今の大人が観てもわくわくするような、質の高い映画であることが分かるはずだ。 この年の3月1日、太平洋のビキニ環礁近海で米国が行った水爆実験によって、遠洋マグロ漁船第五福竜丸が被ばく。9月には久保山愛吉・無線長が「放射能症」で亡くなった。この事件をきっかけに急速に広がっていた水爆への恐怖が、11月公開の『ゴジラ』全編を貫いている。 冒頭の場面は、第五福竜丸事件そのものを思わせるし、評論家の川本三郎が「ゴジラはなぜ『暗い』のか」という示唆に富んだ論考で指摘したように、逃げ惑う群衆や病院に収容されたけが人の姿は、東京大空襲や広島、長崎の原爆の犠牲者を思わせる。 もちろん、映画がヒットしたのはそうした理屈とは関係なく、大人も子供もも夢中になるほど、怖くて面白かったからだ。本多をはじめ、特撮担当の円谷英二、音楽の伊福部昭ら日本映画に大きな足跡を残したスタッフが結集。真剣に重ねた努力や創意と情熱が、至る所で実を結んでいる。 ゴジラの叫び声は、「タタタン、タタタン・・・」というおなじみのテーマ曲を作曲した伊福部が「コントラバスの弦を皮手袋で縦に引っ張って」出した音を基に作り上げた。CGを見慣れた目には、船や飛行機の特撮はたしかにちゃちだが、ゴジラそのものは見せ方に工夫があり迫力十分、共感を呼ぶ哀愁も感じさせる。 主な登場人物は、古生物学者、山根博士(志村喬)。博士の娘、恵美子(河内桃子)。その恋人の尾形(宝田明)。恵美子の元婚約者、芹沢博士(平田昭彦)の4人。 映画のラストで山根博士が「もし水爆実験が続けて行われるとしたら」と、警鐘を鳴らす。続編を計算したせりふでもあるだろうが、ここに日本映画が生んだ「ゴジラ」の原点の反核メッセージがある。*******************************************************************■2024年03月16日ゴジラ映画あれこれR4https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202403160000/
2024.07.10
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図書館で『あのころの日本映画101』という本を、手にしたのです。101本の日本映画といえばかなりの本数になるので、観ていない映画や感動した映画もあるだろう・・・ということでチョイスしたのです。*********************************************************【あのころの日本映画101】 立花珠樹著、言視舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より50年代の古典から“ちょい前”の問題作まで先がみえない時代だからこそ、生きるヒントや心の潤いになる101本を厳選。1本ずつ「心に残る名せりふ」を解説する。<読む前の大使寸評>101本の日本映画といえばかなりの本数になるので、観ていない映画や感動した映画もあるだろう・・・ということでチョイスしたのです。rakutenあのころの日本映画101まず「初代ゴジラ」を、見てみましょう。もちろん私は、この映画を映画館で観た世代であり、圧倒的な影響を受けたのです♪P70~71<1954年『ゴジラ』全編貫く水爆への恐怖>『ゴジラ』という映画を、巨大怪獣の迫力を売り物にした子ども向けの娯楽シリーズと思っている人には、ぜひ第1作を観てほしい。本田猪四郎が監督した1954年の『ゴジラ』は、今の大人が観てもわくわくするような、質の高い映画であることが分かるはずだ。 この年の3月1日、太平洋のビキニ環礁近海で米国が行った水爆実験によって、遠洋マグロ漁船第五福竜丸が被ばく。9月には久保山愛吉・無線長が「放射能症」で亡くなった。この事件をきっかけに急速に広がっていた水爆への恐怖が、11月公開の『ゴジラ』全編を貫いている。 冒頭の場面は、第五福竜丸事件そのものを思わせるし、評論家の川本三郎が「ゴジラはなぜ『暗い』のか」という示唆に富んだ論考で指摘したように、逃げ惑う群衆や病院に収容されたけが人の姿は、東京大空襲や広島、長崎の原爆の犠牲者を思わせる。 もちろん、映画がヒットしたのはそうした理屈とは関係なく、大人も子供もも夢中になるほど、怖くて面白かったからだ。本多をはじめ、特撮担当の円谷英二、音楽の伊福部昭ら日本映画に大きな足跡を残したスタッフが結集。真剣に重ねた努力や創意と情熱が、至る所で実を結んでいる。 ゴジラの叫び声は、「タタタン、タタタン・・・」というおなじみのテーマ曲を作曲した伊福部が「コントラバスの弦を皮手袋で縦に引っ張って」出した音を基に作り上げた。CGを見慣れた目には、船や飛行機の特撮はたしかにちゃちだが、ゴジラそのものは見せ方に工夫があり迫力十分、共感を呼ぶ哀愁も感じさせる。 主な登場人物は、古生物学者、山根博士(志村喬)。博士の娘、恵美子(河内桃子)。その恋人の尾形(宝田明)。恵美子の元婚約者、芹沢博士(平田昭彦)の4人。 映画のラストで山根博士が「もし水爆実験が続けて行われるとしたら」と、警鐘を鳴らす。続編を計算したせりふでもあるだろうが、ここに日本映画が生んだ「ゴジラ」の原点の反核メッセージがある。
2024.07.09
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おっちゃん音楽館の『懐かしい!1960年~1970年代に流行ったフレンチ・ポップスやカンツォーネを楽しむ!』というサイトがええわけで・・・他人のサイトではあるが、以下のとおり復刻、そして加筆させていただきました。(チョット、厚かましかったか)*********************************************************いつもご視聴いただきありがとうございます。今回は1960年代中頃から1970年代始めにかけて大ヒットした懐かしいフレンチ・ポップス、カンツォーネを特集してみました。00:00 アイドルを探せ(シルヴィ・バルタン)01:21 そよ風にのって(マージョエリー・ノエル)03:03 夢見るシャンソン人形(フランス・ギャル)04:22 オー・シャンゼリーゼ(ダニエル・ビダル)05:43 シェリーに口づけ(ミッシェル・ポルナレフ)07:15 ほほにかかる涙(ボビー・ソロ)09:06 花のささやき(ウィルマ・ゴイク)10:38 雨(ジリオラ・チンクェッティ)11:57 夢みる想い(ジリオラ・チンクェッティ)今想えば、これらの曲はなぜか1960年代中頃から1970年代始めまで大ヒットして、その後はさっぱりという状況ですが、時代の流れだったんでしょうかねえ。いい曲が多く、ラジオ番組などでもしょっちゅう取り上げられてよく聴いた記憶があります。また、日本の歌手がカバーして、それもヒットすることも多く、楽しませてくれましたねえ。イタリアのサンレモ音楽祭は有名で、日本からも布施明や伊東ゆかりなども参加していました。この音楽祭からヒットした曲が多く、やはり聴かせてくれます。全体的にやっぱり時代がのんびりしていたというかある意味のどかやったんやなあと感じさせられますな。今の世の中はやかましい(笑)フレンチ・ポップスは、従来のフランスの曲というとシャンソンになるわけですが、それと区別するように名付けられたそうです。本当は欧州系の音楽ということでイギリスの曲も入れようと思ったのですが、さすがに時間的に無理なのでイギリス系はまた改めて。ペトゥラ・クラークの「恋のダウンタウン」とか、ザ・シーカーズの「ジョージー・ガール」とか取り上げたい曲があるんですけどねえ。まあ、おいおいということで。***********************************************************************ウン 私の好きな以下をとりあげている(&言及している)のが、ええでぇ♪・シルヴィーバルタン「アイドルを探せ」・雨(ジリオラ・チンクェッティ)・The Seekers - Georgy Girlそれから『1960年代のアメリカン・フォークソングもたまには聴いてみよう』、『今夜は懐かしい映画音楽ピックアップをどうぞ』に見られるようにおっちゃんの渋い選曲には痺れるのでおます♪■2020.03.02XML懐かしい!1960年~1970年代に流行ったフレンチ・ポップスやカンツォーネを楽しむ!https://www.youtube.com/watch?v=6Uc97cirp9Q
2024.07.09
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・墨のゆらめき・米番記者が見た大谷翔平・地形と地理でわかる大江戸の謎・日本の「世界化」と世界の「中国化」<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【墨のゆらめき】三浦しおん著、 新潮社、2023年刊<出版社>より実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/9予約、副本12、予約373)>rakuten墨のゆらめき【米番記者が見た大谷翔平】 ディラン・へルナンデス著、朝日新聞出版、2024年刊<出版社>より本塁打王、2度目のMVPを獲得し、プロスポーツ史上最高額でロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平。渡米以来、その進化の過程を見続けた米国のジャーナリストが語る「二刀流」のすごさとは。データ分析や取材を通して浮かび上がってきた独自の野球哲学、移籍後の展望など徹底解説する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/16予約、副本1、予約8)>rakuten米番記者が見た大谷翔平【地形と地理でわかる大江戸の謎】 大石学(監修)、宝島社、2021年刊<「BOOK」データベース>より歴史は「舞台」でこそ具体的な姿を見せる!なぜ、徳川幕府は江戸で開かれたのか?なぜ、参勤交代は大名ごとに時期が決まっていたのか?なぜ、大坂は「天下の台所」となったのか?なぜ、長崎に出島がつくられたのか?なぜ、江戸の罪人は八丈島に流されたのか?なぜ、晒し首の刑場は街道の入り口にあったのか?江戸時代の謎が地形と地理に注目することで解ける!そこで歴史は動いた‼ 全58項目の「大江戸」の謎に歴史の舞台へといざなうツール<読む前の大使寸評>追って記入rakuten地形と地理でわかる大江戸の謎【日本の「世界化」と世界の「中国化」】 小倉和夫著、藤原書店、2018年刊<出版社>より日本を映す“鏡”としての中国を、2000年の歴史を通して俯瞰する。明治以降の日本にとって中国は、近代化に乗り遅れた混乱と混迷の国であると同時に、文化的伝統には親近感を覚える国だった。しかし、古代にまで遡れば、中国は政治的権威の源であり、学ぶべき故事来歴の豊かな国であり、模範であった。断絶し、矛盾した中国観が共存している中で、中国が急成長し、大国化した今、“新しい中国観”の確立が急務である。2000年前から続く関係史を見渡し、これからの日中関係のため、“日本にとって中国とは何であったのか”を探る。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本の「世界化」と世界の「中国化」
2024.07.08
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、副本?、予約504)現在88位・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、副本7、予約177)現在11位・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、副本5、予約126)現在11位・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、副本17、予約402)現在65位・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、副本?、予約?)現在2位・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、副本3、予約86)現在32位・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在44位・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、副本?、予約106)現在67位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在38位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在7位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在18位・椎名誠『続 失踪願望』(5/31予約、副本?、予約8)現在2位・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、副本?、予約?)・内田樹『勇気論』(7/07予約、副本?、予約?)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・地球の歩き方 日本・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』・文字の大図鑑<予約分受取:2/27以降> ・村上春樹×柴田元幸『翻訳夜話』(2/15予約、2/27受取)・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(6/23予約、2/27受取)・川添愛『世にもあいまいなことばの秘密』(1/26予約、2/27受取)・呉叡人『フォルモサ・イデオロギー』(2/03予約、3/11受取) ・森見登美彦『太陽と乙女』(3/23予約、3/31受取)・Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 (4/16予約、4/28受取)・本川達雄『ウマは走るヒトはコケる』(3/31予約、5/10受取)・南海トラフ地震の真実(10/20予約、5/15受取)・斎藤幸平『マルクス解体』(11/28予約、6/05受取)・李琴峰『彼岸花が咲く島』(6/19予約、6/25受取)・大学教授 こそこそ日記(1/12予約、6/29受取)・三浦しおん『墨のゆらめき』(8/9予約、7/07受取)・米番記者が見た大谷翔平(5/16予約、7/07受取)**********************************************************************【黄色い家】川上未映子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本?、予約504)>rakuten黄色い家【堤未果のショック・ドクトリン】堤未果著、幻冬舎、2023年刊<「BOOK」データベース>より「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>rakuten堤未果のショック・ドクトリン【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろう【図書館のお夜食】原田ひ香著、ポプラ社、2023年刊<「BOOK」データベース>より東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、亡くなった作家の蔵書が集められた、“本の博物館”のような図書館だった。開館時間は夜7時から12時まで、まかないとして“実在の本に登場する料理”が出てくる「夜の図書館」で、本好きの同僚に囲まれながら働き始める乙葉だったがー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本17、予約402)>rakuten図書館のお夜食【鉄道と愛国】吉岡桂子著、岩波書店、2023年刊<「BOOK」データベース>より戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(12/04予約、副本?、予約?)>rakuten鉄道と愛国【イラク水滸伝】高野秀行著、文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>よりアフワールーそこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録ー“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本3、予約86)>rakutenイラク水滸伝【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望【ノイエ・ハイマート】池澤夏樹著、新潮社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりある日、難民になる。「新しい故郷」を求めて、歩きだす。そんなに遠い世界の話ではないのです。シリアで、クロアチアで、アフガニスタンで、満洲で、生きのびるために難民となった、ふつうの人たち。その姿と心を、てのひらで触れるようにして描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/29予約、副本?、予約?)>rakutenノイエ・ハイマート【勇気論】内田樹著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりモヤモヤを抱えた編集者との“カウンセリング”往復書簡。ジョブズ、フロイト、孔子、伊丹万作、河竹黙阿弥、大瀧詠一、パルメニデス、富永仲基…話頭は転々として奇を極めー。いまの日本人に一番足りないものは何だろうか?読めば心が軽くなるーウチダが綴る9通のメッセージ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/07予約、副本?、予約?)>rakuten勇気論【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.07.08
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図書館で『日本移民日記』という本を、手にしたのです。韓国出身のラッパーが、移民、日本語について語るというエッセイ集ってか・・・私のツボが疼くのです。【日本移民日記】 MOMENT JOON著、岩波書店、2021年刊<「BOOK」データベース>より移民として生きる経験に根ざし、日本語表現の新たな地平を切り開くラッパーMOMENT JOON、待望にして初の著作!<読む前の大使寸評>韓国出身のラッパーが、移民、日本語について語るというエッセイ集ってか・・・私のツボが疼くのです。rakuten日本移民日記まず「まえがき」から、見てみましょう。pⅰ~ⅲ<まえがき> 留学生、外人、ラッパー、韓国人・・・以前まで私を飾っていた他の言葉を置いておいて、あえて「移民」というタイトルでエッセイを書き始めた2020年の10月。10年間の日本での経験から「ネタはいくらでもある」と、甘い考えで始めたこの連載が、ここまで大きな課題と試練になるとは思いませんでした。 岩波書店の月刊誌『図書』に寄稿したエッセイがきっかけで連載のお話を享けた時は、たしかに「「外人あるある」ぐらいの話ならいくらでも出来るだろう」と、本当に安易に思っていましたね。しかし、連載を終わらせて単行本の出版を目の前にしている今になって振り返ってみると、この「日本移民日記」が自分の心と魂をどれほど変えたのか、恐ろしいぐらいです。 韓国生まれ育ちで、2010年に大阪大学に入学したことから留学生として日本に住み始めた私。2010年の若くて弱かった自分を覚えている私は、自分が「お金も力もない留学生」以外の何かとして人々に見られることに、未だに馴染めません。きっと世の中も自分も2010年からは大きく変わっているはずなのに、いざ何かあった時にはつい19歳の時の目で世の中を眺めてしまう自分がいます。 19歳のキム・ボムジュンの目で見た日本は、彼の声が無視されるのが当たり前のところで、「留学生だから」「外人だから」という言葉が全ての答えになりうる、そういうところでした。 もちろん、今は2010年ではなく2021年。私も19歳の貧しい留学生から、30歳のアーティストMoment Joonに変わりました。日本で生活する者として、大学院生として、あるいはアーティストとして自分が手に入れたものがあって、それに伴う責任も影響もあるのが、今の私の現実です。この「日本移民日記」は、ある意味で19歳のキム・ボムジュンが「Moment Joon」の現実に気づくプロセスの記録かもしれません。「いわゆる普通の日本人には分からない我らの話をしてやる」から始まった文章が、単純なはけ口を超えて今の自分と日本を見つめるものへと次々に変わっていくような、その成長と変化の記録がこの「日本移民日記」ではないかと思います。(以降略)
2024.07.07
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韓国トロットには昔の一時期にどっぷりと押していた時期があるわけで・・・以下のとおり復刻してみました。*********************************************************昔、スナックのカラオケで歌っていた韓国演歌を思い出すために・・・以下のとおり「韓国トロットを巡ってみます」を復刻してみます。*********************************************************金曜の晩だからyou tubuで心おきなく演歌を巡っていたが・・・・韓国演歌を韓国トロット(Korean Trot)と言うんだそうですね。 そういえば、プレーヤーが壊れて以来レコードをかけていないが、李成愛のLPを1枚持っていたんだった♪韓流ブームのはるか以前に大使は李成愛にはまったが、李成愛は日本での韓国演歌のはしりだったな~。ということで、李成愛から韓国トロットを巡ってみます。カスマプゲ 李成愛 本人歌唱カスマプゲ 宴 八代亜紀大田ブルース 『Daejeon Blues』大田ブルース (青江三奈) 釜山港へ帰れ (海雲台へ帰れ)「密陽アリラン」lee sun hee's "j"Tears in Mokpo 木浦の泪伝統的なパンソリをyou tubeで探したが、正調すぎて?とっつきがよくないので・・・元気なパンソリテーストということでキム・ヨンジャ・オナラをあげてきます。韓国つながりでyou tubuを巡っていたら、茨木のり子のわたしが一番きれいだったときがヒットしました。詩をyou tubuで見られるんですね♪・・・・さすが玉石混交のyou tubuだ。おまけです。・・・・日本初のラップミュージックといわれる? おらこんな村いやだ!です。(大使 遅れていますよ)しかし、このアホな娘っ子達は、どの村の子なんでしょうね?*********************************************************「韓国トロットを巡ってみます」2:「韓国トロットを巡ってみます」1:
2024.07.07
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おお シーナのエッセイ集ではないか、マッチョな味が期待できそうである♪・・・ということで、以下のとおり復刻してみます。*********************************************************図書館で『単細胞にも意地がある』という本を手にしたのです。副題が「なまこのからえばり10」となっているように、シーナが書きまくっているエッセイ集のひとつであるが・・・「外れ」がないところが渋い3割打者のようでもある♪【単細胞にも意地がある】椎名誠著、毎日新聞出版、2015年刊<「BOOK」データベース>よりよく考えるけど、考えすぎない。ナマコ流単細胞思考の逆襲。【目次】1 祭りはなるべくナゾがいい(謎のドロメ祭/爪切りハイジャッカー ほか)/2 手のひら探検隊(単細胞の研究/フィヨルドの北極海を行く ほか)/3 くたびれの時代(六月の疲労とカタルシス/拡声器国家、日本 ほか)/4 あらしの夜もいいもんだ(蚊のフリカケも悪くない/夏の盛りの暑い日に ほか)/5 飲んではいけないモノ(胃カメラを飲んできた/火星のロビンソン ほか)<読む前の大使寸評>副題が「なまこのからえばり10」となっているように、シーナが書きまくっているエッセイ集のひとつであるが・・・「外れ」がないところが渋い3割打者のようでもある♪rakuten単細胞にも意地があるシーナのサヴァイバル感覚を、見てみましょう。p143~146<危機意識、危機管理> 数年前に川の中州でキャンプしていた親子グループが増水した川によって流される事故にあった。かなりの人数だった。 今年はその近くのやはり中州を利用して「アドベンチャー気分を味わえる」というのを“売り”にしたキャンプ場で痛ましい事故があった。 あの事件の内容を新聞などで読むと、キャンプ場を作った人も、その管理人も、そして気の毒ながら事故にあった家族も、みんな川のキャンプについて何も理解していなかったんだろうな、ということがわかる。 それから日本にめったにない「アドベンチャー」気分になれる道具や装置を、売らんかな主義で売りまくる多くの関連メーカーも、みんな共同責任のような気がする。 まず、四輪駆動のオフロード車が走るのに適した道が日本にあまりない。道はくまなく山の奥まで整備されてしまったからだ。だからオフロード車の愛好家たちはわざわざ用もないのに日本の奥地に行って、川原を走り、行く必用のない渡河などを盛大に水しぶき散らしてやっているらしい。 外国の奥地でダートなルートをいっぱい行ったけれど、現地運転手はみんなかなり慎重だった。そういう現場に比べると日本のアドベンチャーはバーチャル、もしくは遊園地レベルのような気がする。 だから、本当の危機感や、それに対する自己防衛の意識は、住民レベルでは殆どない。そういうことが、かえって怖い。 そのあと起きた長く居座っていた低気圧による主に西日本各地の崖崩れや土石流による驚くほど沢山の人々が被災した事故も専門家が事前に現地を見ていたら、豪雨が長引くことによってあのような危機を予測できたのかもしれない。 ぼくはかなり日本の海岸べりや山奥の川沿い、孤島といっていいような島などでキャンプをしてきたが、四万十川の山奥に住む人が「わたしの人生で知るかぎり一度も川水にかぶさったのを見たことないけん」という保証つきのところ以外、川の中州にキャンプを張ったことはない。(中略) 川はどこでも怖い。日本のように急峻な山肌を流れ落ちる小さな川はとくに危険だ。日本には三万五千本の川があるという。その多くは細くて短い川だが、源流は山奥になるので短い時間でも集中豪雨となると水かさが急増し、そのイキオイが加速度的だ。それが怖い。 電車やクルマで山沿いを行くとき、こんなところまでよくまあ、と思うくらい山の上のほうまで人家が建てられているのに驚く。日本独特の風景だ。 夏野菜の葉や蔓みたいに山肌をどんどん這いのぼるようにして人家がぐんぐん“登山”している。これも風景として怖い。 日本という国に人が多すぎる、ということと、それらの人々に向けてずんずん山肌をのぼるような宅地開発をする業者がいっぱいいる、ということだろうか。 その集団宅地造成地の真ん中に川が流れていたりしたら、宅地造成販売業者としては絶好の“売り物”になる。山の奥地に行けば行くほど川はきれいだ。でもそれはとてつもないゲリラ豪雨などが来ないとき、にかぎるけど。 だからこれからそういう宅地造成地を買おうと思っている人は決める前に豪雨のときに現地に見に行くべきだろう。雨中登山みたいになるからあまりの凄さに現地に到達できない、ということもあり得るだろうけれど、それはそれで参考になる。ウーム 西日本豪雨があった後だけに、シーナのサヴァイバル感覚は注目にあたいするのではないか。中国地方の被害には、真砂土壌を甘く見ていた宅地造成やハザードマップに問題があったのかもしれませんね。気候変動が想定を超えるものであったのは確かだけど・・・お役所の言い訳になってしまうのだ。『単細胞にも意地がある』3:シーナのサヴァイバル感覚『単細胞にも意地がある』2:単細胞の研究『単細胞にも意地がある』1:謎のドロメ祭
2024.07.06
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梅雨明け前で39.7℃が記録される暑さである。例年、クーラーをかけずにやり過ごしてきたが今年はどうなるやら?・・・ということで以下のとおり復刻してみます。*********************************************************早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?このところ宇宙や占星術の記事を見たり、書いたりしているが『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。しかしまあ、今年の夏は晴れたら熱中症が心配されるほど暑く、降れば土砂崩れが心配されるほどであり・・・偏西風が蛇行しているためともいわれるが、たまらんでー。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は七十二候でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、大暑のあたりを見てみましょう。和暦p19<大暑>暑い日々、雨乞いの神事が行われた水枯れの候「大暑」は、現行の暦で7月23日ころに初日を迎え、立秋の前日までがその期間である。 快晴がつづくなか気温は上がり続ける。『暦便覧』では「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されている。「小暑」の期間から始まっている「土用」は、立秋の前日までがその期間となっている。 旧暦で暮らした時代は、田植えが終わり梅雨も明けると、「大暑」の期間は快晴が続くため、「水路の涸れ」が最大の関心事だった。そのため、かつては「雨乞い」の神事が産土神の鎮座する神社でおこなわれていたようだ。雨乞いの神事では、古式豊かな作法が厳格に守られ、雨乞いだけでなく、安産や家族の幸福などが祈られたという。 さらに失われつつある風物詩は、「打ち水」。かつては夕方になると一斉に、道路や庭に水を撒き、埃を鎮めたり涼を求めたりしたものだが、空調の導入や住環境の変化で、やはり少しずつ廃れていった習慣のひとつである。 大暑の期間の七十二候は以下の通り。 初候「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)桐の実が成り始める。 次候「土潤辱暑」(つちうるおいてむしあつし)土が湿ってむし暑くなる。 末候「大雨時行」(たいうときどきおこなう)時として大雨が降る。 水を求め、水に悩ませるということだろうか。 また西洋占星術では、大暑の初日が獅子宮(しし座)の始まりとなっている。また、土用の丑の日も年4回あるが、ウナギを賞味する風習は夏に限定されている。なお、夏の土用の丑の日は、2024年は7月24日となります。*********************************************************二十四節季の小暑に注目(復刻)二十四節季の夏至に注目(復刻)
2024.07.06
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図書館に予約していた『大学教授 こそこそ日記』という本を、待つこと5カ月ほどでゲットしたのです。この出版社の「汗と涙のドキュメント日記シリーズ」には関心があるわけで、以前出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記を読んでいます。【大学教授 こそこそ日記】 多井学著、三五館シンシャ、2023年刊<「BOOK」データベース>より「いくらでも手抜きのできる仕事」。現役教授が打ち明ける、ちっとも優雅じゃない生活。<読む前の大使寸評>この出版社の「汗と涙のドキュメント日記シリーズ」には関心があるわけで、以前出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記を読んでいます。<図書館予約:(1/12予約、入荷待ち、予約?)>rakuten大学教授 こそこそ日記まず「第一章 大学教授の優雅じゃない日常」の冒頭から、見てみましょう。p11~15<雨ニモ負ケズ、風邪ニハ勝テズ> 朝7時に目覚ましが鳴る。カーテンを開け外をのぞくとシトシトと雨が降っている。ママチャリでの通勤を思うと気が重い。リビングの愛猫・ジジがニャオニャオと大声で鳴く。エサをくれという要求だ。キッチンの棚からカリカリのエサを取り出して皿に盛る。私のほうの朝食は野菜ジュースとブラックの缶コーヒー。肥満防止を兼ね、もう何年も朝に固形物はとっていない。 雨合羽を着込み、ママチャリにまたがり大学へ。数日前から風邪気味で、鼻が詰まり、喉が痛い。少々体調が良くないのだが、休んでもいられない。 KG大では、授業を休講とする場合、メールで理由付きの休講願いの提出が必須だ。休講数は大学当局によりカウントされている。 じつはある年度に、休講のコマ数が急増したことで理事長が激怒、各学部長宛てに「休講が多すぎるので極力減らすように」という指示が出た。わが学部の教授会でも理事長の要請文が配布され、学部長からも、「今後、休講を減らすようにしてください。やむをえず休講の場合もできるだけ補講を行うようにお願いします」 と要請があった。ウン十年前のように、体調不良や学会参加を理由にして、頻繁に休講することが許されるような牧歌的時代はとっくに終わってしまったのだ。 大学までの通勤時間は20分。途中から予想外に雨足が強まり、大学に到着するころには、上着とズボンどころかパンツや靴下までびしょ濡れである。 大学に着き、事務室に向かうと、事務職員の坂上さんに声をかけられる。40代の女性で生真面目な仕事ぶりは信頼が置けるのだが、自分にも厳しい分、他人にも厳しい。「多井先生、欧州公共政策の非常勤講師の件ですが、来年度のカリキュラムに間に合うように、そろそろ担当者の情報をいただけませんか?」「今、D大の佐藤教授に打診している最中です。ご連絡いただけたら、メールしますね」「できるだけ早く、1週間以内にお願いします」「了解しました」 非常勤講師探しも大学教授の大事な職務である。D大の佐藤教授とは面識がないものの、欧州関係の著書を出しており、この科目にはピッタリだと見込んで、D大のホームページに記載されていたアドレス宛にメールを送信したところだ。報酬は月額3万円プラス交通費のみと決して良くはない。研究者には「非常勤講師」をやりたがる人とそうでない人がいる。 報酬が少ないため、遠方だとつうきんじかんがかかり、「割に合わない」と断られることもある。逆に関西ではそれなりに知名度のあるKG大の「非常勤講師」という肩書きに魅力を感じたり、KG大の図書館やデータベースが使えるため、喜ばれることもある。佐藤教授が後者だといいのだが・・・。
2024.07.05
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ちょっと古くなるが、小松左京の「日本アパッチ族」という本についてあれこれ書いてきたわけで、これも私のツボなんでしょう。・・・ということで、以下のとおり復刻して読んでみましょう。*********************************************************まだ日本の文壇に、日本人SFというジャンルが形成される前だったけど・・・小松左京の「日本アパッチ族」を読んだが、その荒唐無稽な面白さは衝撃的であった。・・・ということで、アパッチ族絡みの小説や映画を集めてみました。・日本三文オペラ・さよなら小松左京・地中の廃墟から・SF魂・血と骨・夜を賭けて・日本アパッチ族(復刻版)R1:『日本三文オペラ』を追加、全面見直し*********************************************************************** <『日本三文オペラ』>図書館に予約していた『日本三文オペラ』という文庫本を、待つこと20日ほどでゲットしたのです。泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。(山本太郎議員の若き日の姿が、カッコイイのである)…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。【日本三文オペラ】開高健著、新潮社、1971年刊<「BOOK」データベース>より大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族”はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。<読む前の大使寸評>泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。<図書館予約:(4/30予約、5/18受取)>amazon日本三文オペラ『日本三文オペラ』3:川太郎(がたろ)の実態『日本三文オペラ』2:アパッチ部落への侵入『日本三文オペラ』1:冒頭の語り口***********************************************************************【さよなら小松左京】小松左京著、徳間書店、2011年刊<「BOOK」データベースより>新発見の短篇小説やラジオ台本や創作ノートに鼎談・インタビュー、多種多様な友人・関係者の証言などで構成する永久保存版パーフェクトガイド。手塚治虫との貴重な対談CD付。 <大使寸評>小松左京といえば、処女長編作品の「日本アパッチ族」の面白さが衝撃的であった。「日本沈没」などの大作もあるが、大使にとってのベストは「日本アパッチ族」になるのです。大阪在住の小松さんだから書けたSFだったかも知れないですね。漫才の原稿や漫画も書いた小松さんであるが・・・・多芸、多彩な関西人だったと思うのです。大阪万博のプランナーとして、梅棹忠夫や岡本太郎と親交があったようだが・・・SF作家の枠に収まりきらなかった人である。さよなら小松左京♪amazonさよなら小松左京この本から「日本アパッチ族」の個所を紹介します。<「日本アパッチ族」>p52~54 「日本アパッチ族」は1964年に光文社より刊行された、書き下ろしの処女長編作品。 物語誕生の経緯は『小松左京自伝』(日本経済新聞出版社)に詳しい。 小松さんは1958年に下山克美さんと結婚する。が、当時は貧乏暮らしなのに超多忙で帰りは午前様という日々。克美さんは毎晩、ラジオを聴きながら独り寂しく小松さんの帰りを待っていた。ある日、部屋から大切なラジオが消えていた。「とうとう質屋に行ったか」と思った小松さんは(実は修理に出していた)、不憫な奥さんを喜ばそうと「ラジオドラマのような面白い物語を妻のために書こう」と決意する。そして「大阪新聞」に掲載された「大阪にアパッチ族現る」という記事をヒントに、200字詰め原稿用紙に毎日15枚ずつ書いて克美さんに見せるようになった。 半分くらいまで書いたところで、そのまま放ったらかしにしていた。やがて友人のつてで光文社に持ち込んだところ、面白いから完成させろということになった。 舞台は大阪。大阪城のふもとの陸軍砲兵工廠跡地に「追放地」があった。そこには鉄を食べるアパッチと呼ばれる集団がいた。というストーリー。 幾枚かにわたる構想ノートは1960年頃に書かれたものと思われる。(中略) ノートを見ると小松さんは鉄を食べることのメカニズムを重要視していたことがわかる。『小松左京自伝』では「鉄の代謝プロセスもだいぶ考えられましたか」の質問に対し、「いろいろね。うちは男兄弟5人、女1人なんだけど、兄弟のうち3人が京大工学部の冶金なんだ。過酸化鉄がどうの、鉄分がどうのという知識は弟たちから聞いた」と語っている。***********************************************************************【地中の廃墟から】河村直哉著、作品社、1999年刊<「BOOK」データベースより>大阪城公園の地下には、アジア最大の兵器工場の廃墟がいまも眠っている。45人の記憶の中の歴史―どのような意識で膨大な死者を生み出し、そして忘却したのか。 <読む前の大使寸評>大阪城公園から何を連想するかといえば、大使の場合は「日本アパッチ族」を通じて知った大阪砲兵工廠になるわけです。今では、広大な公園の中に工廠を示す構造物はほぼ消滅していて・・・・この本などでよすがを偲ぶしかないようです。Amazon地中の廃墟からこの本の一部を紹介します。<工廠跡の闇―アパッチ族>p208~210 「戦後」は加速する。 1955年、自由民主党が結成され55年体制が成立した。神武景気といわれる大型景気の時代に入り、56年の経済白書には有名な「もはや戦後ではない」という言葉が登場する。日本は高度成長の明るい坂道をかけのぼっていく。 ぼくは今日も、大阪城公園、大阪ビジネスパーク、森之宮、そして京橋を歩いている。それは、ぼくの一部になっている。忘れられた地、ごまかされた地、欲望の発熱するような地。この日本で、前々からそれはぼくの一部だった。 東京タワーが完成し、長嶋茂雄がデビューした58年。この明るい日本の夜な夜な、公園整備が本格化していた大阪砲兵工廠の跡地の闇に、男たちがあらわれるようになる。男たちは組を作り、立ち入り禁止の一帯から金属類を掘り出した。新聞は、当時人気のあった西部劇にちなんで、彼らを「アパッチ族」と名づけた。 ほとんどは在日韓国・朝鮮の人たちだった。日本の復興から繁栄の正史の裏で、在日の人たちの戦いが工廠の跡地に刻まれていくことになる。在日二世の作家、梁石日さんもアパッチとして跡地に忍び込んだ。 こわいですよ、夜の工廠の跡は。あっこはね、ふつうの人は入らないからね、あんなとこ。あれはもうほんとに、昼、あの横通っていくでしょ、環状線かなんかで。昼見ても気持ち悪い。広大だしね。もう瓦礫の山ですからね。夜なんかは、もう。 戦後13年ですか。(市内には)もう焼け跡とかなかったです。廃墟っていうのはあそこぐらいのもんじゃないかな。当時ね、第二寝屋川をはさんだ工廠の対岸にアパッチ部落があってね。朝鮮人集落ですけどね。バラックですよ。貧しい。朝鮮料理の香辛料のにおいとか、それから共同便所だから、そんなにおいとかね。夜、そこに集まって、弁天橋のあたりから忍び込むんです。***********************************************************************【SF魂】小松左京著、新潮社、2006年刊<「BOOK」データベースより>『復活の日』『果てしなき流れの果に』『継ぐのは誰か?』―三十一歳でデビューするや、矢継ぎ早に大作を発表し、『日本沈没』でベストセラー作家となった日本SF界の草分け的存在。高橋和巳と酒を酌み交わした文学青年が、SFに見た「大いなる可能性」とは何か。今なお輝きを失わない作品群は、どのような着想で生まれたのか。そして、意外に知られていない放送作家やルポライター、批評家としての顔―。日本にSFを根付かせた“巨匠”が語る、波瀾万丈のSF半生記。 <大使寸評> 「アパッチ族」アンソロジーとして、小松左京を再発見したのであるが・・・・その余勢を借りて、この本を手にしたわけです。学生時代から高橋和巳と友人だったそうだが・・・・奇遇というか、多彩な小松が見えます。amazonSF魂***********************************************************************「日本アパッチ族」を読んだ後で、そのアパッチ族として生きてきた作家の梁石日さんを知ったわけですが・・・・梁石日さんの自伝をもとにした映画が2本、作られていています。「夜を賭けて」のほうはまだ観ていないが、大阪砲兵工廠跡地の攻防が描かれているようです。【血と骨】崔洋一監督、 2004年制作、H24.4.24観賞<goo映画解説より>1923年。成功を夢見て祖国から大阪へ渡った少年・金俊平。朝鮮人集落での裸一貫の船出から、持ち前の腕力と上昇志向で自分の蒲鉾工場を構えるまでにのし上がった俊平だが、並外れた凶暴さと強欲さで悪名も高く、家族までがその存在を怖れていた。俊平の息子・正雄は、父を「頭のおかしいオッサン」と軽蔑しつつ、その巨大さに憧憬とも畏怖ともつかない感情を抱く。そんな折、俊平の息子を名乗る武という青年が現れ、金家に転がり込んで好き勝手に暮らし始める。俊平の存在にびくともしない武の姿に、正雄は羨望の眼差しを注ぐが…。<大使寸評>タケシならではの凶暴な父親役が圧巻であり、これほど欲望のおもむくままの人生もあったのかという感じですね。怒りにまかせて家を壊すような、破壊力がすごーい♪また、チョイ役ではあったが、若き日の(今でも若いが)オダギリジョーが息子役を好演しています。goo映画血と骨CinemaTopics血と骨***********************************************************************【夜を賭けて】金守珍監督、 2002年制作、日韓合作映画<goo映画解説より>1958年、大阪。かつて兵器工場だった広大な敷地は、戦時中に空襲に遭い、今は廃墟と化していた。そこは立ち入り禁止になっていたが、そんなのおかまいなしに鉄を掘り出し売る連中がいた。義夫をはじめとする“アパッチ”と呼ばれる彼らは川沿いに集落を構えて貧しい生活をしており、大金に換わる鉄は彼らにとっては重要な生活資金だったのだ。だが残骸とはいえ兵器の鉄は国有財産であるため、彼らは警察の目を盗み、夜の闇に紛れて作業していた。ますます強固になる警察の警備の間を縫い、今日も義夫たちは体を張って生きてゆく。<観る前の大使寸評>日韓合作映画のなかで、山本太郎が主演した異色の映画であるが、大学図書館でDVDを探してみよう。 助演の樹木希林、李麗仙、唐十郎、風吹ジュン、奥田英二もすごいメンバーである。goo映画夜を賭けて***********************************************************************「日本アパッチ族」の復刻版が出ているようですね。【日本アパッチ族(復刻版)】小松左京著、角川春樹事務所 、2012年刊<「BOOK」データベースより>終戦直後の大阪で、鉄を食べる人間が出現した。名は「アパッチ」。一日に平均六キロの鉄と0.2~0.6リットルのガソリンを摂取し、その肉体の強靭さとスピードは、人類をはるかに凌駕する。彼らはやがて全国へと拡がり、日本の政治、生産機構までも揺さぶるようになっていった…。小松左京の処女長篇にして、SFの枠を超えた永遠の名作が、ここに復活。<大使寸評>48年ぶりの復刻というのも凄いではないか♪表紙の絵もそれなりにいいのだが・・・・1964年に読んだときのイメージと何だか違うのだ。ま いいけどね。rakuten日本アパッチ族(復刻版)どんなSFも“科学的嘘っぱち”という側面があるのだが…小松さんのSFには、それに加えて大阪という地域性(奔放さというか、ごっついというか)が見えていて、たまらないのでおます。*********************************************************■2019.05.25XML「アパッチ族」アンソロジーR1https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201905250001/
2024.07.04
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図書館で『生命式』という本を、手にしたのです。この本は⒓篇の短編小説で構成されているが、悲喜こもごもの構成になっているようです。【生命式】 村田沙耶香著、河出書房新社、2019年刊<「BOOK」データベース>より文学史上、最も危険な短編集。自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる⒓篇。<読む前の大使寸評>この本は⒓篇の短編小説で構成されているが、悲喜こもごもの構成になっているようです。rakuten生命式この本は⒓篇の短編小説で構成されているが、まず冒頭の「生命式」から、見てみましょう。p7~11<生命式> 会議室でご飯を食べていると、ふいに後輩の女の子が箸を止めて顔を上げた。「そういえば、総務にいた中尾さん、亡くなったみたいですね」「えっ、ほんと?」 会議室に集まっていた5人ほどの同じ部署の女の子たちが、一斉に後輩を見た。「脳梗塞だったみたいですよ」 私は中尾さんの人のよさそうな笑顔を思い浮かべた。ロマンスグレーの上品な男性で、よく私たちに取引先からもらったお菓子を分けてくれた。物腰の柔らかい、礼儀正しい人だった。定年で退職してからまだ数年しかたっていない。「まだ若いのにね」「ほんとよね。それって、いつだったの?」「おととい亡くなったみたいです。今朝、会社に電話あったみたいですよ。今夜、式をやるからなるべく皆に来てほしいいって、故人もそれを願ってたからって」「そっかあ。じゃあ、今日はお昼、控えめにしとこう。デザートはやめとこっかな」 私と同期の女性が、プリンを開けないままコンビニの袋に戻した。一つ上の先輩が、肉じゃがを口に運びながら言う。「中尾さん、美味しいかなあ」「ちょっと固そうじゃない? 細いし、筋肉質だし」「私、前に中尾さんくらいの体型の男の人食べたことあるけど、けっこう美味しかったよ。少し筋張ってるけど、舌触りはまろやかっていうか」「そっかあ。男の人のほうが、いい出汁が出るっていうしね」 プリンの入った袋を片付けていた同期の子が振り向いた。「池谷さんも行くでしょ? 生命式」「あーうん、どうしようかなあ」 近所のコンビニで買った海苔弁当をつつきながら、私は曖昧に言って首をかしげた。「えー、なんでですかあ。あ、ひょっとして、池谷先輩って人肉あんまり食べない人なんでしたっけ」「違う違う。ただちょっと、最近胃もたれしてて。それに生理だし」「整理なんですかあ。それは確かに」 納得したように、後輩の女の子が頷いた。「でも、生理でも妊娠できるかもですよお。行ったほうがいいですよ、生命式。受精できるかもしれないじゃないですかあ」 私は誤魔化すように笑いながら、ソースをかけすぎた白身フライをペットボトルのお茶で流し込んだ。 私が小さいころは、人肉は食べてはいけないものだった。確かに、そうだったと思う。
2024.07.03
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中国は伝統的に「やらずぶったくり」を貫き、安全保障にも留意し、したたかである。そういう中国の資源外交と対峙している昨今では、以下の記事を復刻して読み込むことが肝要かと思うのです。*********************************************************中国のレアアース統制(復刻) ゼロコロナ政策が破綻しつつある習政権であるが・・・私が中国嫌いになった発端がレアアース統制とか、尖閣列島問題などなので、以下復刻してみます。2012.08.19中国のレアアース統制6より*********************************************************** <中国のレアアース統制6> H24.6.7~~ 中国のレアアース統制に中華の特質が見えるのではないかということで、フォローしてみます。なお「原発とレアアース」という時宜を得た本を図書館で借りて読んだので、そのエッセンスをレアアース禁輸措置がもたらしたこととしてメモしました。焼結磁石の最大エネルギ積と保磁力の関係・レアアース関連ニュース4********************************************************************<中国のレアアース統制5 >目次・レアアース関連ニュース3・資源保護関連ニュース・急変するレアアース市場********************************************************************<中国のレアアース統制4 >目次・レアアース関連ニュース2・資源戦略について・海底資源争奪戦で中国を甘く見てはあかんで!・レアメタル専門商社社長より********************************************************************<中国のレアアース統制3>目次・レアアース関連ニュース1・原発とレアアース・チャイナフリーの正念場・脱・レアメタルのお勉強********************************************************************<中国のレアアース統制2>目次・WTOがやっと認めた・海底のレアアース争奪戦・しつこくテクノ・ナショナリズム・中華の「やらずぶったくり」・電気自動車の覇権争い・中国製電気自動車ってどんなかな?********************************************************************<中国のレアアース統制1>目次・チャイナフリーを目指すのがベスト・中国のレアアース輸出停止・チャイナフリーの物作り・環境を収奪する中国の経済成長・レアアースとシェールガス・中国のレアアース囲い込みに対して、どうすればいいの?レアメタル・レアアース/Yahoo!レアアース問題/サーチナレアアース関連/ロイター内モンゴル自治区/サーチナ・トピック中国ビジネス/BPnet希少金属代替材料開発プロジェクト「NeoMag通信」バックナンバー中国のレアメタルに関する貿易・投資制限的な措置について(2008年1月)中国のレアメタルに関する貿易・投資制限的な措置について<レアアース関連ニュース4>中国は2001年のWTO加盟後も国際ルールを守る姿勢に欠け、貿易紛争が絶えない。自国は自由貿易の恩恵によって高い経済成長を続けながら、国際ルールを顧みない独善的対応が国際的にも批判されてきた・・・・・世界はレアアースの輸出制限という露骨な暴挙に驚き、中国リスクをヘッジする覚悟を固めたたが・・・・・このところ日本の着実な対抗策が実現しつつあります。ということで、レアアース関連ニュースを集めています。レアメタル・レアアース8/16<東芝、レアアースのジスプロシウムを使用しないモーター用磁石を開発より東芝は、レアアースの中でも特に希少な、ジスプロシウムを一切使用しないモーター用の高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石を開発したと発表した。 耐熱性が要求される自動車・鉄道車両の駆動モーターや産業用モーターは、磁力の高いネオジムの一部をジスプロシウムで置き換えた耐熱型ネオジム磁石が一般的に使用されている。しかし、ジスプロシウムの鉱山が地球上の一部地域に集中しているため、昨今、価格高騰や輸出規制が課題となっており、ジスプロシウムを使用しなくても実使用温度域(100度以上)で高い磁力をもつ高性能磁石の開発が望まれていた。 今回同社は、ネオジム磁石に比べ磁力が劣るサマリウム・コバルト磁石に、独自の熱処理技術を適用し、100度以上のモーターの実使用温度域では耐熱型ネオジム磁石と同等以上の磁力をもつ高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石を開発。磁力を増大させるために鉄の配合量を従来の15%から20~25%(重量比)に増やした後に、焼結時の温度、時間、圧力の最適化などの熱処理条件を工夫することで、磁力の阻害要因となっていた酸化物や高銅濃度異相を低減させた。 また、開発品を搭載したモーターは、耐熱型ネオジム磁石を搭載したモーターと同じサイズで、同等の性能があることも確認しており、自動車・鉄道車両・工作機械・エレベータなどで使用される耐熱性が高く、高性能かつ小型であることが求められるモーターに適している。 今回開発したジスプロシウムを一切使用しない高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石について、同社は2012年度末の市場投入を目指すとしている。触媒の解明・開発もレアアース・フリーにつながると思うので、以下ニュースも取り上げました。8/13<東北大、ナノポーラス金属の触媒機能の仕組み解明より東北大学原子分子材料科学高等研究機構の藤田武志准教授は、ナノサイズ(ナノは10億分の1)の穴が無数に空いた金属「ナノポーラス金属」が示す触媒機能のメカニズムを解明した。より触媒機能の高いナノポーラス金属触媒の材料設計が可能になるという。成果は英科学誌ネイチャー・マテリアルズに掲載された。 金のナノポーラス触媒を高性能な電子顕微鏡で観察したところ、穴に沿って原子が積み重なってできる段差が多くあることが分かった。原子の段差が多いところは以前から、触媒の機能が現れる場所であることが知られているという。 さらに、金のナノポーラス触媒を使った一酸化炭素の酸化反応の過程を、高性能な電子顕微鏡で観察したところ、反応前は原子の段差が多く滑らかだった表面が、反応中にギザギザになって段差の数が減ることが分かった。7/25中国は今後もレアアースセクターの管理を強化=工業情報省より 中国工業情報省の報道官は25日、世界貿易機関(WTO)による同国のレアアース(希土類)政策に対する調査の結果には従うとしつつも、引き続き同セクターの管理を強化する意向を示した。 WTOは今月23日、日・米・欧が提訴していた中国のレアアース輸出規制を調査するため、紛争処理小委員会を設置する方針を確認していた。Zhu Hongren報道官は記者会見で「(WTOが)何と言おうと、中国政府は自国のレアアース資源を適度に保護することができるはずだ」とコメント。さらに、同国当局は今後も違法な生産や旧式技術の使用の取り締まりを継続する、との方針を明らかにした。7/11中国、WTOのパネル設置を拒否よりハイテク製品の生産に欠かせないレアアースの輸出を中国が規制している問題で、日本などはWTO=世界貿易機関に提訴し、紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請していますが、10日、中国は設置を拒否しました。 レアアースをめぐっては、日本、アメリカ、EUが中国の輸出規制撤廃を求めWTOに提訴し、紛争処理小委員会の設置を要請していますが、10日の会合で、中国側は「輸出規制は天然資源の保護と持続可能な経済発展のため」などとして、設置を拒否しました。 これに対し日本は「中国の輸出規制で国際市場は供給不足に陥っている」としたほか、EUも「規制で市場にゆがみが生じ、中国の製造業が有利になっている」と指摘しました。 WTOによりますと、被告の立場にある国は一度はパネルの設置を拒否できますが、2度目の会合では拒否できないということで、次回23日の会合で紛争処理小委員会の設置が決まる見通しです。6/30.日本がEEZ内で大量のレアアース発見、回収は可能か=中国より 東京大学などの研究チームが、小笠原諸島や南鳥島周辺の海底から高濃度のレアアースを含む泥を発見した。同チームは2011年、公海においてレアアースの海底鉱床を発見していたが、日本の排他的経済水域(EEZ)においては初めての発見となる。中国メディアの和訊網が29日付で報じた。 研究チームは国際的な規模で海底の泥を集め、綿密な調査を行ってきた。その結果、南鳥島から300キロ離れた深さ5600メートルの海底から採取した泥に高濃度のレアアースが含まれていることが分かった。 この海域の鉱床は1000平方キロ以上にもわたり、およそ680万トンのレアアースが埋蔵されている可能性がある。埋蔵量は日本の国内需要の200年分以上と推定される。 深海からレアアースを効率よく回収できるかなどの技術的問題はあるものの、12年3月に独立行政法人・海洋研究開発機構の研究グループは沖縄県沖の水深1000メートルの海底に人工的に開けた熱水の噴出孔から希少金属(レアメタル)を豊富に含んだ鉱物資源の採取に成功しており、今回発見された海底鉱床からのレアアースも回収に一定の目処が立つことが期待される。先日読んだ『資源争奪の世界史』という本にも、中国のレアアース統制に触れているので関心のある方は参照してください。『資源争奪の世界史』1***********************************************************************■2022.11.21XML中国のレアアース統制(復刻)https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202211210001/
2024.07.02
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図書館で『幽囚回顧録』という本を、手にしたのです。日本陸軍の軍人と言えば、あまり評判が芳しくないが・・・この今村均という大将はリベラルで、かなり異質な人だったようです。【幽囚回顧録】 今村均著、中央公論新社、2019年刊<「BOOK」データベース>よりインドネシアの軍政下で自治を認め、ラバウルでは自給自足を実現し、リベラル派で知られる軍人が理不尽な戦争裁判に立ち向かう。オランダ法廷では無罪になったが、オーストラリアの法廷では禁固十年が宣告されていたため、東京に送還されるも、部下と命運をともにしたいとマヌス島の刑務所に残留した。巻末に伊藤正徳のエッセイを収録。<読む前の大使寸評>日本陸軍の軍人と言えば、あまり評判が芳しくないが・・・この今村均という大将はリベラルで、かなり異質な人だったようです。rakuten幽囚回顧録回顧録概観から第一部第一章あたりを、見てみましょう。p8~11<幽囚回顧録概観>・昭和20年8月15日終戦後、ラバウル豪陸軍刑務所にはいり、昭和22年5月、10年の刑に処せられる。・昭和23年5月、ジャワのオランダ軍事裁判に移され、ひとたび死刑を求刑されたが、のち無罪を判決され、昭和25年1月、米・豪・蘭の各軍当局の合議により、巣鴨拘置所にて服役を申しわたされ、東京に送還された。・昭和25年2月、マヌス島服役を申しでて、同島の豪海軍刑務所に移された。・昭和28年、マヌス島の豪海軍刑務所の廃止にともない、他の戦犯とともに東京巣鴨拘置所に移管された。・昭和29年10月、刑期満了のため出所し、東京世田谷豪徳寺の自宅において、戦争犠牲者の援護につくした。<第一部 ラバウル幽囚録><第一章 戦い終わる> 昭和20年8月14日の夜、ラバウル方面軍将兵一同(約7万)は、陸軍大臣から、次の電報を受けとった。「明8月15日正午、天皇陛下御自ら、詔勅を放送あらせられる。同時これを謹聴すべし」 私は、日本本土に、敵の上陸を迎えての決戦態勢確立の要などにつき、ご激励の聖旨をくだされるのであろうと拝察した。数日前、阿南陸相から、「・・・ソ連遂に皇国に寇(あだ)す。事ジに至る。また何おか言わん。断乎神州護持の聖戦を戦い抜かんのみ。断じて戦うところ、死中自ずから活あるを信ず。是即ち七生報国“われ一人生きてありせば”の楠公救国の精神なると共に、時宗の“莫妄想、直進前”以て醜敵を撃滅せる闘魂なり・・・」の訓電に接しているので、直感的にそう思考したのである。 15日正午、服装をととのえ、防空壕内の無線電信所にはいり、数人の幕僚とともに、謹んで詔勅を拝聴しようとした。が、天候のためか、受信機能の不整によるものか、何らの玉音も伝わらずに終わった。 午後三時ごろ、軍参謀の一人が、私の部屋にはいって来、黙って一通の文書を机の上にさしだした。方面艦隊司令部の受けた海軍大臣からの、詔勅伝達電報を浄書したものである。前年2月以来、敵の制空制海により、全く祖国との交通を断たれ、無線による公電のほか、なんら国内の事情を知り得ないでいた私としては、思いもかけぬことであり、驚きとともに、かような詔勅をくださなければならないようになられた陛下のご心慮をいたみ奉り、瞑目すると参謀の小さなすすり泣きが聞こえる。“戦陣での武将は、決して涙など見せるものではない”と深くいましめていたのに、不覚にも涙はあふれ出てしまった。 やがて陸軍大臣からの、終戦に関する詔書の伝達電報が受信された。私は、ラバウル付近の全直轄部隊長約60人を、方面軍司令部内に集め、詔書の伝達式を行うことに決し、翌16日午前11時に参集すべきことを指令した。 15日の夜は、どうしても眠れず起きて防空壕外に出た。終戦となったためか、雨天のときでも、欠かさずやって来た敵機は、一つもやってこない。仰ぐと星は、ヤシのこずえにまたたいている。陸軍大将・今村均は、敵中に孤立したラバウルで、10万将兵の命を守るために何をしたかが興味深いのです。
2024.07.01
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