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三代にわたる母娘の確執。聖子の母は「違うでしょ」という言葉で娘の思い通りにさせず、母の言うなりの人と結婚して娘を産んだ聖子は母の死をきっかけにこれからの人生を考え、娘の千鶴が小1の夏休みに二人で旅行へ行く。この思い出がきっかけで捨てた娘と再会することになるのだが、聖子は認知症になっていた。母に縛られて育った自分のようにならないように、という思いは娘には伝わらない。少子化の時代、一卵性母娘と呼ばれる人たちは多いのではないだろうか。田房 永子「しんどい母から逃げる!!」を思い出した。星を掬う (単行本) [ 町田 そのこ ]
2022.01.30
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新幹線より料金が安く、夜出発して寝ている間に到着するので朝から活動できるメリットもある。新宿を中心に全国に高速バス路線が広がっている。各章の登場人物が、新宿ターミナルで同じ小学生男子に出会うので、最終章のオチを楽しみに読みました。「袖振り合うも他生の縁」という言葉がまだ日本にも生きているんだな、と思わせるお話でした。※袖振り合うも他生の縁バスクル新宿 [ 大崎 梢 ]
2022.01.26
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普通って何?自分を中心とした物の考え方なので、普通の基準はみんな違う。父親の全は不器用ながらも離婚で別れた子供たちを心配し、友人で雇い主の黒田が代わりに養育費を渡しに行く、自分は独身なのに全のことを理解しているからできることかも。手芸が好きで高校生になって初めて友達ができた清澄。祖母は幼少期から清澄に刺繍を教える。働くしか能がないからと、具合が悪くても休まずに体を壊してしまう母。小学生の時にスカートを切り付けられる被害に遭った姉の美青。姉弟の名付けの意味を知り父の想いを知る。ガーゼ素材のウエディングドレスは父親の全でなければ作れなかっただろう。それに白い糸で刺繍をする清澄。じんわりしみこむ文章が好きです。水を縫う [ 寺地 はるな ]
2022.01.19
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猫目線の表現が面白い。7編のうち1と2が「旅猫リポート」の外伝。3猫の島は読んだことがあるな、と思ったらアンソロジー「ニャンニャンにゃんそろじー」の中の一編でした。「アンマーとぼくら」の登場人物が猫で繋がっていて懐かしく感じました。5シュレーディンガーの猫はシュレーディンガーって何?と気になってウィキペディアで調べたけどよく分からず、内容は素敵な夫婦のお話だったのでほっこり。7みとりねこは「看取り猫」のことかな?まあ、人間生活の中に猫が関わってくることで、心が豊かになりますね。言葉が通じないから。みとりねこ [ 有川 ひろ ]
2022.01.17
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初めての作家さんです。読んでいくうちに、岩手県山田町でNPO法人の代表が震災復興事業を請け負い、国の補助金を騙し取った、というニュースを思い出した。検索してみると、山田町復興記録誌「NPO法人大雪りばぁねっと事件」その背景と教訓、という冊子が作られており内容が殆ど同じだった。違うのは最後にNPO代表が逮捕されず行方不明になっていること。気の毒なのは小説にも描かれている地元住民。当時の行政や残された住民にとって彼は救世主だったはず。騙された方も悪いとは決して言えない。この冊子を読んで裁判の刑の軽さに驚いた。刑事裁判で、代表は懲役8年の求刑に対して懲役6年の判決。被告の控訴も上告も棄却されたので懲役6年が確定。求刑より軽くした理由は、「震災直後の被災地で、行方不明者の捜索や、 浴場施設運営の業務に当たり、地域に貢献 したことを考慮した」民事裁判では、6億7千万円のそんがい賠償請求に対し、一割にも満たない、5681万円の支払い命令が出た。その理由は、「違法性を裏付ける主張、立証が十分ではない」その後、町の人たちは、善意のボランティアに対しても不信を抱くようになってしまったということです。本の感想ではなくなってしまいましたが、震災について、改めて考えさせられました。海神 [ 染井為人 ]
2022.01.12
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初めての作家さんです。久しぶりに泣けました。実母から虐待される例は意外とたくさんあるようで、その陰には日本人の母性神話があると思います。女性にはみんな母性があると信じて疑わない老政治家がいる限り虐待の連鎖は断ち切れない。アンさんに助けられたキナコは20歳過ぎても自分が虐待されている事実を理解できていなかった。そして母からムシと呼ばれている少年と出会った。同じ周波数で理解しあえる人たちは必ずどこかにいると信じたい。読書メーター に登録してから、知らなかった作家さんを見つけて読みたい本に入れて借りて読んでます。52ヘルツのクジラたち (単行本) [ 町田 そのこ ]
2022.01.10
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地元の地方新聞に連載されていたものを読んでいたので単行本は読まないつもりでいたが、約2年の長い連載だったので記憶が曖昧で借りて読むことにしたら、ページ数が多くてビックリ。白いワンピースの女の子が解体現場で目撃されること、古道具屋の散多が古いタイルに触れると過去が見えること、など途切れ途切れに記憶していたことが繋がってすっきりした。恩田さんらしいストーリー展開だが、新聞連載には合わない内容だったのではないかと思う。スキマワラシ [ 恩田 陸 ]
2022.01.05
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