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ずっしり重かったけど、語り手がかわっていくので読みやすかった。田舎の図書館にしては予約者が多くてやっと順番が来ました。話題作なのか問題作なのか人気があるようです。三島由紀夫の『仮面の告白』を思い出しました。だいぶ前に読んだので詳細は覚えてませんが、確か、“人を殺すなら13歳までだよ”みたいな台詞があったようなわが子を亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。
2009.01.31
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短編集だけど、それぞれが微妙につながっている感じ。ストーリーよりも風景が頭に映し出されるような筆致ですね。父が去ったあとの母と子の暮らし、プリンを焼きながら思い出すやさしかった義父のこと、あずけられた祖母の家で、あたりを薄く照らしていた小さな電球、子ども時代から三十数年、兄妹のように年を重ねてきた男女の、近いとも遠いとも計りかねる距離。惑いと諦観にゆれる人々の心を静謐な筆致で描き出す、名手による九の短篇。
2009.01.24
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うちでは観劇も旅行です。なんてったって田舎から東京へ出て行くんだから。でも日帰りの範囲です。長年の念願が叶って、やっとチケットとって行ってきました。素晴らしさは言葉では言い表せません。子役がよかった。あと、音楽が生演奏だとは知りませんでした。(田舎者なので)高いチケット代払っても十分価値があります。癖になりそう
2009.01.18
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絵にひかれて読みました。でも、内容もよかった。その昔。少女は、病室できいろいゾウと出会った。青年は、飛ばない鳥を背中に刻んだ。月日は流れ、都会に住む一組の若い夫婦が、田舎の村にやってきた。妻の名前は、妻利愛子。夫の名前は武辜歩。ツマ、ムコさんと呼び合う、仲のよいふたりだった。物語が、いま、はじまる。 絵本もありますね。きいろいゾウひとりぽっちは、さみしくない?きいろいゾウと、ひとりのおんなのこに訪れた、せつなくてやわらかい、奇跡のような一夜。
2009.01.16
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直木賞候補になっているとは知らずに借りてきました。 本の厚さにビックリ。478ページもある。 でも、章ごとに語り手が変わるので面白く読めました。塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。一年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか?誰も予想できない結末が待っている!!人とは違う能力を持った男の苦悩。先祖が造り上げてきた町の歴史に無関心な人たちへの警鐘。 恩田ワールド全開
2009.01.13
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偶然、図書館で見つけた本。 マンガ 名作オペラ(全8巻)それぞれのオペラの見所が詳しく解説されていて、読んだ後はほんもののオペラを見たくなります。1.ニーベルングの指環(上) 2.ニーベルングの指環(下) 3.椿姫 4.カルメン 5.蝶々夫人 6.フィガロの結婚 7.サロメ 8.マノンレスコー こんな本があるとは知りませんでした。『蝶々夫人』と『サロメ』は読みました。全部読破したいと思います。
2009.01.12
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残虐なことに喜びを見出すような・・・ふと、三島由紀夫を思い出しました。緻密な文章の中に見え隠れする死をもにおわせる残酷さ。秋のある日、二組のカップルが山の温泉へ向かう。一緒にいるのに遠い四人にまとわりつく、猫の鳴き声と不穏な影。裸になっても笑いあっていても、決して交わらない想い。男の子のようなナツ、つるりとした肌のアキオ。明るく派手なハルナ、ぶっきらぼうなトウヤマ。大人になりきれない恋人たちの旅の一夜を美しく残酷に描いた長編。 今までは表紙の絵も自分で描いていたようですが、今回は違いますね。画家としてもやっていけるかも、と思ってます。知らない作家でも図書館で表紙だけ見て借りてきてしまうこともあります。でも、読んで外れたことなし。新しい魅力が発揮された作品でした。
2009.01.07
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川端康成の世界へ入り込んだみたいでした。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。トンネルを掘っていくいちばん先を切羽(きりは)と言う。トンネルが繋がってしまえば、切羽はなくなってしまうから、掘り続けている間は、いつも、いちばん先が、切羽。最近の作家さんにしては古風な感じでした。お父さんも作家だそうで・・・全然知らなかった。小さな離島(昔は炭鉱で栄えていた)を舞台にした、叙情的な物語。最後まで読んで、やっと切羽の意味するところが解りました。ひどい感じー父・井上光晴
2009.01.03
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一組の男女が迎えた最後の夜。読者の期待を裏切らない作家さんですね。恋人同士の別れ話かな?と思うじゃないですか。さにあらず、思わぬ展開に・・・いままでに読んだなかではまひるの月を追いかけてに似た感じかな。夜のピクニックを書いた人とは思えません。ましてや光の帝国を書いた人なんて。
2009.01.01
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