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俺たちの旅 0
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大晦日だというのになぜこんなに忙しいのか。。。怪奇大作戦 第26話「ゆきおんな」さおりちゃんの親友・秋子に那須ロイヤルホテルの招待状が入った謎の手紙が届く。さらに死んだ父親のことを尋ねる電話もかかってきた。秋子はさおりちゃんに相談し、指定された那須ロイヤルホテルへ向かうことにする。そこにはホテルのスタッフに変装したSRIのメンバーと町田警部が待っていた。さおりちゃんと秋子が泊る部屋の絵が盗まれ、雪女の絵にすり替えられる、スケートの最中に見知らぬ男から「あの絵は父親からのプレゼントだ」と謎のメッセージが伝えられるなど怪しい出来事が続く。そして父親の消息を聞きだそうとする男も現れ、秋子の身辺に危険が迫りつつあった。実は秋子の父親は15年前に起こった時価4千万円のダイヤ盗難事件の首謀者であり、現在も指名手配中である。生き別れのままになった一人娘の秋子を潜伏先に呼び寄せて、自分が一人占めをしたダイヤを秋子に渡そうとする。一方、かつての仲間たちが秋子の行動を監視することで、ダイヤを手に入れようとする。そんなこんなでダイヤは秋子の元に渡るが、父親は拳銃で自分の頭を撃ち抜く。そして父親のかつての仲間から追われる秋子。ダイヤを投げつけながら逃げるが、とうとう追いつかれてしまう。その瞬間、大空に巨大な雪女が現れ、男を翻弄させる。夢か、現実か。男は恐ろしさの余り半狂乱状態となり、滝壷へ身を投げる。秋子は死んだ母親が雪女になって自分を守ってくれたのだと語る。的矢所長もその話を肯定し、秋子を温かく見守る。しかし牧は「ある時の気象条件によって、自分自身の影が雪のスクリーンに映し出されたものに過ぎない」と解説する。そして「それより今我々にとって大変なのはばら撒かれたダイヤを拾い集めることだ」と話し、それを聞いてげんなりする助さんとノム。大草原にばら撒かれたダイヤを拾い集めるSRIのメンバーと警察スタッフたち。お・わ・り今回を持って最終回。当時としては高視聴率を保っていたが、前番組の「ウルトラセブン」よりも低かったことで予定通り26本で終了となる。1クール延長がギリギリまで検討されていたらしく実にもったいない。特に今回のお話はリアルな犯罪と科学捜査を主軸としてきた「怪奇大作戦」にとって禁断のファンタジーもの。でも違和感なし。もし延長が決定していたら作品の幅が広がっていたのは間違いなかったでしょう。京都編にて予算を使い尽くしたため円谷プロの金庫はカラ。なんとかタイアップを取りつけて完成に至ったとのこと。そして「怪奇大作戦」の終了と同時に円谷プロは番組製作の受注が途絶え、大幅なリストラを敢行。TBS局内でも組織改革がなされ映画部が廃止。円谷一は退職し、円谷プロへ。実相寺昭雄もフリーの演出家の道を選ぶ。また飯島敏宏は木下恵介プロダクションへ出向、とテレビ映画の頂点を極めたスタッフたちは散り散りとなってしまう。冬の時代です。
2013年12月31日
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昨夜は飲み過ぎた。。。怪奇大作戦 第25話「京都買います」国宝級の仏像が消失する事件が続発。SRIと警視庁の町田警部は京都府警の捜査に協力することになる。牧は考古学の権威・藤森教授の研究室を訪ね、そこで助手の美弥子と知り合う。藤森教授も美弥子も仏像の魅力に取りつかれた人間だった。場所は変わってゴーゴー喫茶。「なにも京都に来てまでこんな騒々しい場所で遊ばなくても」と呆れる牧とは対象的に踊りまくるさおりちゃん。たまらず店を出ようとした牧は美弥子とすれ違う。美弥子は踊り狂う若者たちに「京都を売らないか?」とチラシを渡し回る。「いらんいらん」「こんな街売ってまお」とチラシに署名する若者たち。「買ってしまいたいんです。仏像の美しさを分からない人たちから、京の都を」。そんな美弥子に牧は興味を抱き、美弥子も牧に対して仏像以外の生身の男性と一緒に過ごすのも悪くはないと話す。一方、仏像消失事件が続く中、事件と美弥子の関係が疑われる。そして牧は美弥子がカドニウム光線を利用した物質転送器の小型発信器を取りつけるところを目撃してしまう。アジトで転送される仏像を見守る藤森教授、美弥子、雲水たち。「見て御覧。京の街を売ってもええという市民たちのサインや。いくら冗談やゆうてもこんだけぎょうさんの人たちがこの街の文化に関心がない」と語る藤森教授。そこへ町田警部率いる京都府警の警察官がなだれ込み、事件の首謀者として藤森教授が逮捕される。「かわいそうに。仏像たちはまた騒音とスモッグの街で観光客に晒される。運命や。運命かもしれんな。それが」。そして警察官たちの中に牧の姿を見つける美弥子。「仏像以外のものを信じようとした私が間違っていた…それだけのことです」と牧に告げ、立ち去ってしまう。牧はひとり京都に残り、街の中をさすらう。知恩院、銀閣寺、仏野念仏寺、二尊院、光悦寺などなど。そして祇王寺で尼僧となった美弥子と再会する。「須藤美弥子は一生仏像と共に暮らすとのことでした。きっとその方が幸せだと思います。どうぞ貴方様もお忘れになって下さいませ」。牧は何も語らず美弥子に背を向けるが、ふと振り返った瞬間、目の前にいた美弥子は仏像に姿を変えてしまう。驚愕する牧。お・わ・り日本のテレビドラマ史上最高傑作とどこかで書かれていたのを読んだことがある。まさにその通りだと思う。既に予算が底をついてしまったため、主要スタッフだけが京都に乗り込み、それ以外は現地・京都映画に下請けに出して製作にこぎつけたという。「呪いの壺」同様、京都の美しい街並みが劇中ふんだんに描かれるが、エンディングでは対象的に当時問題になった京都タワー、九条大宮団地、東九条、鴨川沿いのバラック、工場などちょっとヤバい現代の京都が次々に映し出される。もう言葉出ません。
2013年12月31日
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いよいよ年の瀬ですなあ。いいことも悪いこともあったような、なかったような、そんな一年だった。怪奇大作戦 第24話「狂鬼人間」刑法第39条を真正面から扱った問題作。すごく面白かったが、現在地上波はおろかCS等でも放送が見送られ、ソフト化もされていない。その理由ははっきりしていないが「きちがい」といったセリフが連発しているからというような事情ではなく、精神疾患や精神保健施策を完全に誤ったセリフが出てくるからではないかと思われる。そもそも人工的に精神異常者を作り出し、人殺しをさせてしまうお話自体がかなりヤバいのではありますが。女がカップルの男を刺殺。女は逮捕されるが心神喪失状態だったため、刑法第39条が適用され無罪。精神病院へ収容されるが、2カ月後には完治して退院となっていた。その後も同じような事件が頻発する。女を取り調べる的矢所長と牧。女は機械によって一時的にきちがいにされたと言う。そこでSRIは犯人を誘き出すためひと芝居打つことになる。牧はさおりちゃんとラブラブ。デートの最中、ノムの運転する車にさおりちゃんは轢き殺されてしまう。失意の牧の元に真犯人・美川冴子が現れる。美川冴子の夫は脳科学者であり、美川冴子は夫の研究を支えながら、息子と家族三人で平和に暮らしていた。そんなある日、自宅へ精神異常者が乱入し、夫と息子を殺害。しかし、心神喪失状態だったため罪を問うことができなかった。美川冴子は夫が研究していた脳波変調器を完成させ、社会に対して復讐することを誓う。以上の長い自己紹介&カミングアウトをしたうえで、合法的に復讐を遂げるため牧に精神異常者となって復讐することを勧める。脳波変調器を頭に取り付ける牧。しかし、美川冴子はSRIの捜査に勘づいていた。精神異常者となった牧はピストルを乱射しながらノムを追いかける。間一髪にところで牧は警察に取り押さえられ、ことなきを得る。一方、的矢所長らに追い詰められた美川冴子は目盛りを最大にして自らの頭に脳波変調器を取り付け、警察の捜査が及ばない世界へ行ってしまう。鉄格子のある部屋に収容される美川冴子。「かーらーすーなぜなくのー・・・ぎゃー!」お・わ・り狙いはいいし、問題提起に値するテーマだとは思うが、とにかく描写が古い。当時としてはそんなものなのかもしれないが、精神異常者=半笑い、入院=鉄格子(蔦が絡まっている)、笑いながら人殺しなどちょっとそれはないんじゃない?と首をかしげたくなる描写の連続。確かに放送はできない。中学生時分の再放送でも深夜枠とはいえ見送られたのも尤もだと思う。演出は「戦え!マイティジャック」の終了により「怪奇大作戦」へ合流した満田かずほ。本作に関する一切のコメントを控えているところからすると、やはり問題が大きいのでしょう。でも某動画サイトではふつうに視聴可能。円谷プロは当然非公認(のはず)。
2013年12月30日
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明日はいよいよザ・タイガースの全国ツアーファイナル。会場は東京ドーム。もちろん参戦します。1塁側一階席。つうことで今から出発。ただし帰りは夜行バス。そのまま出勤。。。怪奇大作戦 第23話「呪いの壺」言葉を失うぐらいの傑作。監督は実相寺昭雄。これまでウルトラシリーズの演出を通じて大衆性の中に芸術性を盛り込んできたが、本作を契機にそれが逆転。この年にTBSを退社し、映画監督として芸術性を追求する道を歩む。舞台は京都。古美術商・市井商会を通じて壺を買った人物が次々に謎の死を遂げる事件が発生。共通していたのはいずれも視神経がやられていること。京都府警は警視庁とSRIに捜査協力を依頼。さおりちゃん以外、全員京都へ。市井商会に勤める青年・日野統三は祖父の代から市井商会の世話になっている。その市井商会は日野家に代々贋作の壺を作らせ生計を立てていた。いわば日野家は市井商会にとってだけでなく、世間からも日蔭者として甘んじていた。祖父も父親も本来なら一流の壺作りとして世間から評価されるはずである。その証拠に贋作でありながらも「売れる」だけの実力を持っている。そのことに統三は忸怩たる思いを持ちつづけていた。さらに自分も三代目として跡を継ぐはずが、肺病によりその道が断たれ市井商会に雇われの身となることを選ぶ。捜査の結果、リュート物質が使用されていることが判明。リュート物質は太陽に当てると殺傷力を持つ放射線を発し、視神経を中心に生物を死に至らしめる。統三はリュート物質を壺の内側に塗布し、市井商会の顧客を殺害していたのだ。目的は市井商会の信用を失墜させること。統三の思惑通り、市井商会は摘発される。そして捜査がいよいよ自分の身に及ぶ。黒い紙に包んだリュート物質を抱えながら街中を走る統三。追いかける助さん、ノム、町田警部。寺の境内に逃げ込むと「この寺が本物か偽物か、わしの道連れやで!」と叫ぶ。咳込んだ勢いでリュート物質が拡散、大炎上する寺と共に統三は壮絶な最期を遂げる。そして統三の父親は狂ったように叫びながら壺を割り続ける。お・わ・りリュート物質は殺人を目的に旧陸軍が開発したという設定。ふだんは太陽光に当らないよう保管されているが、ひとたび表に出した途端、おそるべき破壊力を発揮する。それはまさに日野家を象徴している。物語のスケールはものすごく小さくて狭い。今回のお話は市井家と日野家だけの世界に過ぎない。社会や一般の人たちへ殺意が向けられることもない。ただし、家制度や家父長制といった観念的なテーマが盛り込まれているため、実はとてつもなくスケールのデカイお話だったりする。しかも京都という保守的で閉鎖的なコミュニティーを舞台にしていることで余計にそのことが際立つ。それをたった23分のテレビドラマに凝縮してゴールデンタイムに放送。言葉失います。さらに特撮がすごい。寺の炎上シーンは実物と区別がつかないぐらいの出来。特撮とドラマ、大衆性と芸術性の融合を堂々と提示。円谷プロは行くとこまで行ってしまった。
2013年12月26日
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例年になく何も無いクリスマスだった。だかと言って別にどうという訳でもない。働いてお金稼げて、健康でいられることがまずありがたいと思う。思えるようになった。怪奇大作戦 第22話「果てしなき暴走」初見時とても怖かった。今見ても怖い。最後まで犯人は登場しない。それどころか分からないまま終わる。影も形も表わさない。助さんの乗ったトータス号がヒッピーたちに盗まれる。牧からの通信を無視して暴走を続けるヒッピーたち。その途中、運転していた男が酩酊状態に陥る。そして女子大生を轢き殺す。意識を戻したヒッピーは取り調べに対してケロッとしている。悪びれた様子も一切なし。それから数日後、ノムは念願のマイカーを購入。中古車だが気に入っている。早速、助さんを誘ってドライブへ。ところが先日のヒッピーたちと同様に酩酊状態に陥るノム。苦しそうに表情を硬くさせていく。「おい、気持ちが悪いのか?運転変わろうか?」と言う助さんに対して「うるさい!」と怒りだすノム。前を走っているダンプカーを追い抜こうとする。そのことに何の意味も無いはずなのに必死にハンドルを切る。助さんはノムを制止しようとするが言うことを聞こうとしない。何とか車を止めることができたが、その間ノムは自分が何をしていたが覚えていない。謎の暴走事件に共通していたのが、目の前を走っていた赤いスポーツカー。しかもやたらと排気ガスを放出し続けながら。調査の結果、車の持ち主は新人アイドル・眉村ユミの車だと判明。運転しているのは眉村ユミのマネージャー。助さんは二人の後を追い、マネージャーと直接接触を図るが、とても事件の犯人とは思えなかった。むしろ何者かが眉村ユミの車に特殊な装置を仕掛け、催眠ガスを放出させたとみたほうが現実的だった。そしてある夜。新宿のとある駐車場に張り込むSRIのメンバー。怪しげな男を発見し、身柄を確保しようとする。しかし、突然現れた車に男は轢き殺されてしまう。救急車の中、的矢所長と三沢が真犯人を聞きだそうとするが「頼まれた…」「く…車」とだけ言って息を引き取る。東京だけでも200万台の車がある。「それじゃ、これから一体何を目標に犯人を探せばいいんだ…」と呆然とする助さん。お・わ・りSRI初の迷宮入り事件。脚本は市川森一。後味の悪さは「かまいたち」と双璧。ある意味「怪奇大作戦」という番組がどこまで暴走を続けるのか。残り4話はまさに暴走とも言うべき展開を見せる。
2013年12月25日
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仕事帰りに「宇宙刑事シャイダー」のCDを購入。コレ欲しかったんだよね~。30年前。怪奇大作戦 第21話「美女と花粉」「酒飲みてぇー」と牧は皆を誘うが、的矢所長とノムは将棋センターへ、助さんはSRIが開発した新製品のセールス活動と予定みっちり。仕方なくさおりちゃんとお汁粉を食べに喫茶店へ。しかし、その喫茶店で客の女性が瞬時にして真っ黒な死体となる事件が発生。女性が唯一触ったものはおしぼりだけ。ということでバケツ一杯分のおしぼりを持って帰る牧とさおりちゃん。おしぼりに何らかの成分が含まれていないか、助さんとノムが徹夜で分析。一方、今度は会員制クラブでまたしても同じ事件が発生。町田警部からの連絡を受け、今度は的矢所長とまたしてもさおりちゃんが現場へ。さおりちゃんはその場にいた男性が全員マニキュアをつけていることに気がつく。ホモクラブ?そこで本部で早速モルモットを使って実験。モルモットの爪にマニキュアを塗り、さらにおしぼりから検出された成分を塗ると・・・モルモットは真っ黒になり、皮膚呼吸できなくなり死んでしまう。そんなこんなで先日、会員制クラブでおしぼりを使わなかった3人の女性が捜査線上に浮かぶ。ノム、助さん、さおりちゃんが手分けして担当。さおりちゃんは「私はこの人にする。こんなに美人だし、世間に何の恨みもなさそうな顔をしているけど、私、この人の目が気になるの。じっと冷たくて、蛇のように人を見ている感じ」と。女の勘である。その勘は当たる。女は大山伸子25歳。おそらく親が実業家なのかトルコを経営している(子ども番組にトルコ、今で言うソープランドを出していいのか!?)。伸子はトルコが年中使う蒸気を利用して、屋上で熱帯植物を育てている。さおりちゃんはばれない様に尾行していたつもりがまんまと伸子に見つかってしまう。なぜ伸子は今回の犯行を行ったのか?伸子はかつて海水浴場で彼女の美貌を妬んだ女から硫酸を掛けられ、胸に大きな火傷を負った。そのため自分は恋人を作ることも、結婚をすることもできないと語る。そしてこの世の美しい女性を今度は伸子が妬むようになる。さらにアルコールと混ぜると猛毒を発生する熱帯植物の花を見つけ、犯行に至ったと。伸子はマニキュアと花粉を使ってさおりちゃんを殺そうとするが、的矢所長と牧により救出。追い詰められた伸子は熱帯植物の花にマニキュアを垂らし、その花弁に抱きつく。みるみる真っ黒になる伸子。お・わ・りさおりちゃん大活躍編。しかも前回、前々回と活躍が続いている。一方、初期ではヒーロー然とした描かれ方をされていた助さんが一歩引いたポジションへシフト(スケジュールの関係もありか?)、ニヒルで二番手くらいだった牧が中盤ではほぼ主役化、でも最近は助さん同様出番は少なく(こちらもスケジュールだと思う)、おかげで的矢所長とさおりちゃんにスポットが当てられるようになったのは怪我の功名。それにしても今回は久々に見応えがあった。怖いな。。。
2013年12月24日
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一日かけてたまった記録を整理し続けたが、一日かけても終わらなかった。。。そりゃ電話や訪問の合間を縫ってまとめられるはずがないわな。怪奇大作戦 第20話「殺人回路」会社の社長が息子に殺される。それも社長室に飾っていた絵画から抜け出た美女の放った矢によって。正確にはそれを見てビックリして心臓マヒを起こして死亡。すべては息子の仕業。会社のコンピュータを使って、殺したい相手を入力するとホログラフィで美女が現れて弓矢で殺してくれる。結構凝ってるね。でも弓矢で撃たれたらなぜ死んでしまうのか?その原理は特に触れない。解説もしてくれない。とにかくビジュアル重視のお話。そんなこんなでトップ交替、社長の息子が二代目社長に就任。一方、先代の社長派だった次期重役候補の伊藤大助は電子計算室の課長に降格。大助は会社に何か起こっていると感じ、学生時代の友人・SRIの的矢所長に相談。営業畑一本だった大助は事実上、左遷され「コンピュータはよくわかんねーよ」と困っているはずなのに「ガハハハ」と笑い飛ばしてしまう豪放磊落オヤジ系キャラ。二代目社長はそういうのも気に入らなかったのか、降格人事にとどまらずコンピュータを使って大助を殺そうと画策する。そんなこんなで的矢所長らの活躍で事件は解決。大助と的矢所長は会社の屋上で「ガハハハ」と笑い飛ばす。お・わ・り3話連続で的矢所長が主役。チームの隊長格がこんなに主役を張るのも珍しい。脚本は市川森一と福田純の共作。となっているが、実際には市川の脚本を福田が大幅に改稿。後に市川は「非常に不本意だった」とコメントしている。元々は父親と息子の近親憎悪がテーマだったらしいが、福田がそれを企業サスペンスものへ原型をとどめないぐらいまで改稿。そりゃ怒るわ。しかも東宝で何本も映画を撮っているベテラン監督に舐められたわけだから。これはこれで面白かったけど市川版も観たかった。現在、市川森一が執筆した脚本のデジタルアーカイブ化が進められ、無料公開されている。そのうち読めるようになるかなあ。
2013年12月23日
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驚異的なまでに部屋が片付いた。怪奇大作戦 第19話「こうもり男」的矢所長が徹底的に狙われる話。かつて三鷹警察署に勤務していた頃に殺人罪で逮捕した男・岩井。その岩井が刑務所を脱獄し、行方不明であることが判明。岩井は自分が刑務所に収監されている間に妻が死亡したことを逆恨みして、的矢所長を殺そうと企む。しかも妻の命日である1月19日に的矢所長殺害の決行日と定める。そんなこんなで的矢所長は自動車工場にて車ごとスクラップにされそうになるが、とっさの機転でこうもり男を感電死させることで事件は幕を下ろす。お・わ・り脚本は上原正三。傑作を連発したにもかかわらず、本作を最後に事実上降板してしまう。というのも盟友・金城哲夫が諸般の理由により円谷プロを退社。沖縄へ帰郷することを決意。「金城がいなければ円谷にいる意味が無い」と金城に続いて上原も退社。フリーの道を選ぶ。本作の後、一本も執筆していないのは恐らくそういう背景があったと考えられる。そのせいか今回は以前の作品群よりもややトーンダウンでおとなしい仕上がり。とはいえ自分のことを棚上げして逆恨みするキワキワな人物を登場させるあたりは流石。
2013年12月22日
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俺もお前も名も無い花を踏みつけられない男になるのさ。怪奇大作戦 第18話「死者がささやく」必死こいてupしたのにまたエラーで全部データが消えた。楽天ムカつく。脚本は悪くないが、演出に問題あり。担当は前回と同じく仲木繁夫。とにかく演出が古臭い。加えて予算を押さえているせいか貧乏臭さが。舞台は伊豆。現地入りはまたしても的矢所長と助さん。観光スポットをめぐりながら捜査。旅館の一室にて浴衣姿で作戦会議。ホモデート?一方、牧とさおりちゃんは留守番。ノムは欠場。観光地や旅館の看板などが意味なくインサート。しかも微妙に長い。間延び感がなんとも。警察に誤認逮捕された男がSRIに究明を依頼。真犯人は男の妻であり、バックに地下銀行が存在していた。それほど悪い話とは思わないが、とにかく演出が。。。大映や東映出身の映画監督(小林・仲木など)の出来がこの程度なのに対して、テレビ局のディレクター(飯島・円谷・実相寺)は映像・内容共に斬新な作品を連発。当時の映画界の衰退とは対象的にテレビ局の勢い、新しいメディアの台頭を物語っているようですな。
2013年12月22日
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フルパワーで働いている。怪奇大作戦 第17話「幻の死神」これは・・・ちょっと酷いんじゃね?瀬戸内海に巨大な死神が出現。しかし、その正体は密輸団によるトリックであり、警察に全員逮捕されてめでたしめでたし。というお話。確かに毎回「かまいたち」みたいなのが連発するのもつらいが、それにしても落差が激し過ぎる。今回は岡山ロケだが、金は掛かってなってなさそう。現地入りするのは的矢所長と助さん。最後の方にノムが応援に駆けつける。牧は最近、主役を張るお話が続いていたのでロケには不参加。同じく町田警部も。SRIの事務所のシーンだけ何故か同時録音。普段はアフレコだが、予算削減か、時間短縮か。船から会場に出現する死神を目撃するシーンが微妙につながっていない。もっと目線は上を見ないといけないのにやや下を向いている。ウルトラシリーズと違って本編と特撮は一班体制のはずなのに。ラストの密輸団(何を密輸しているのか最後まで不明)と警察との乱闘シーンとか何から何まで演出が古い。監督は仲木繁夫。大映から東映に移った人らしいが、悪いけど聞いたことない。たぶん安く、早く仕上げてくれる、ある意味職人なんだろうが。全体的にレベルが高すぎるので凡作ぶりが際立っている。ホントにこの話は酷いよ。
2013年12月20日
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大阪王将で590円のあんかけチャーハンを食べた。「お会計690円でーす」。こら、590円ちゃうんけ!とわざわざ指摘してあげると「こないだから値上げしたんでーす」と。だったらなぜメニューにそう書かない?王将も最低だが、ゲスな商売ぶりは大阪王将もいい勝負。二度と行かない。怪奇大作戦 第16話「かまいたち」シリーズ中最大の問題作(だと思う)。夜、帰りを急ぐ女性が一瞬にしてバラバラに。それをワンカットで見せる演出に度肝を抜かれました。翌日、警視庁の町田警部とSRIの牧が現場検証に立ち会う。町田警部はどこか別の場所で殺害、死体をバラバラにして現場に遺棄したと推理。それに対して牧はあくまで現場で殺害されたと主張する。しかし、人の目につきやすい場所で、しかも短時間で死体をバラバラにすることが可能なのか?さらに遺体の断面は鋭い刃物のようなもので切断されている。「今回ばかりはSRIの力を借りなくても済みそうだな」といつになく強気の町田警部。それを裏付けるように現場には犯行に関連する遺留品等も見つからなかった。一方、牧は蛍光灯の破片を発見、散らばっていた白い粉を採取する。さらに面白半分で現場検証の様子を見ている野次馬たちが気になる。そうこうしている間にまたしても事件発生。今回も被害者は女性、遺体はバラバラ。そして蛍光灯の破片。牧は遺体の状況から何らかの方法で現場に真空状態を作り、一瞬にして人間をバラバラにさせたと考える。電柱に付属した蛍光灯が毎回割れているのはそのせいだという。さらに先日採取した白い粉は被害者が持っていたファンデーションであることが判明し、やはり現場で殺害された可能性が示された。さて、問題は真犯人。牧はSRIのお茶くみ・さおりちゃんに現場検証に集まる野次馬を片っ端から写真に撮るよう指示。300枚にも及ぶ膨大な写真とにらめっこ。直感でなんとなくこの男が怪しい。。。いや、直感ではなく毎回現場に来ている野次馬の一人・小野松夫を疑う。しかし、真犯人とするにはあまりにも根拠に乏しい。「確信がある訳じゃないさ。ただ彼を見ていると、何となくそうじゃないかと思えてくるんだ。真面目で、大人しくて、イタチのようなおどおどした目をしてて、いつも孤独で。つまり何て言うのかな・・・」と言葉に詰まる牧。「あ~松夫ですか。彼は真面目ですよー。仕事はちゃんとしてくれるし、最近通信教育も始めたみたいですよー」と勤務先である町工場の社長は松夫の人柄を絶賛。朴訥フェイスの松夫。仕事が終わった後はまっすぐアパートへ帰宅。テレビをつけるが音量は消したまま、タバコを吸いながらパラパラと教科書をめくる。ある日、田舎の友人たちと集まり、喫茶店でプチ同窓会。「久しぶりだべー」「まっちゃん変わんね―なー」ときゃっきゃっ盛り上がるが、松夫はニコニコとはにかんでいるだけ。しかし、喫茶店の余興でアロワナに餌付けした時に見せた松夫の表情の変化を牧は逃さなかった。そんなこんなでさおりちゃんを囮した作戦にまんまと引っ掛かってしまい、松夫は逮捕される。その後、町田警部たちから厳しい取り調べを受ける。「理由はなんだ?言ってみろ。残忍な殺しを考えた理由は何だ?他人に恨みでもあるのか?社会に不満でもあるのか?言うんだ!なぜそんなに平気な顔をしていられるんだ!答えろ!」。真面目で、大人しくて、イタチのようなおどおどした目をして、どうして・・・?お・わ・り脚本はまたしても上原正三。怖すぎ。昭和43年に放送されたドラマなのに昨今の犯罪を予見するような設定にゾッとする。しかも、犯行に使われた真空切断装置を誰が作ったのか、松夫の犯行動機などは一切不明のまま。松夫のセリフ自体一言も無い。こんなのを日曜日の夜7時に放送してたのか。。。こちらにもゾッとする。
2013年12月19日
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若さ!若さって何だ!?怪奇大作戦 第15話「24年目の復讐」横須賀。水商売の女の子・千恵子とアメリカ兵が飲んで騒いでいい塩梅。そこへ水中から天本英世演じる変なおじさん登場。おじさんはアメリカ兵を水中へ引きずり込む。翌日取調べを受ける千恵子。水中から現れたおじさんのことを誰も信用しようとしない。水死体で発見されたアメリカ兵は水泳が得意で、戦争(たぶんベトナム戦争のこと)が無ければオリンピックに出場するぐらいだったという。「だからおかしいんだ!」と言う警察の言い分も納得できるが。その頃、またしてもアメリカ兵が謎の男に水中へ引きずり込まれて死亡する事件が発生。SRIの牧は千恵子が見たと言う変なおじさんのことが気になる。そして千恵子という名前も。牧は戦時中、疎開先で4つの上の姉を米軍機の機銃掃射により亡くしている。亡くなった姉の名前が千恵子だった。千恵子が働いているスナックに現れては店員たちからボコボコにされる牧。それでも千恵子に捜査への協力を求める。千恵子は牧が捜査のために自分を利用しているだけだと思っていたが、牧の思いを知り、捜査に協力するようになる。そしてある夜。バカ騒ぎをすれば変なおじさんは現れる、そう見込んでアメリカ兵の格好をした牧と千恵子のカップル登場。缶ビールをガバ飲みしながら「ハッピーバースディトゥーユー」「イェーイ」ってホントにバカみたいな二人。そこに変なおじさん登場。牧と乱闘。変なおじさんは水中へ逃げる。牧の手に握られた変なおじさんが来ていた服の一部。調べた結果、その布は旧日本軍の制服と同じものだったことが判明。それにしてもなぜ変なおじさんは水中で活動できるのか?なぜアメリカ兵ばかり狙うのか?そんなこんなで牧は変なおじさんの跡を追って横須賀港沖に浮かぶ猿島へ渡る。そこで川口浩探検隊ばりに謎の洞窟を発見。そこは人が住んで生活している跡があり、さらに日記も発見。「あの日より5405日。無人島に食料を探しに出かける。沖に米空母発見。頭上、敵機襲来。戦闘ますます激化せる模様なり」と書かれていた。変なおじさんこと木村二等水兵は旧日本海軍の生き残りであり、まだ戦争が続いていると思いつづけ、たった一人で今もアメリカ軍と戦っていたのだった。しかも日記によると乗っていた潜水艦が撃沈したが、たまたま自分のいた区画だけ水没を免れ、僅かな酸素でも生きられるよう体質構造が変化したという。もちろんそこにはアメリカへの恨みパワーが込められていたと思われる。そんなこんなで牧は木村二等水兵へとっくに戦争は終わり、日本はアメリカに負けたと説明するが「うそだ!」と言って信用しない。そして全身にダイナマイトを撒きつけたままモーターボートに乗り、横須賀港に浮かぶアメリカの巡洋艦へ体当たり。しかし大爆発したのは木村二等水兵が乗ったモーターボートだけで、巡洋艦はびくともしなかった。お・わ・り脚本は上原正三。今回の横須賀は自分の体験も踏まえて、沖縄をイメージして執筆したと思われる。横井さんや小野田さんが発見されるよりも前に放送されたこともショッキングだが、戦争をストレートに突きつける過激さに言葉を失う。何が善で、何が悪か分からなくなります。
2013年12月17日
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忌野清志郎は自分の歌がコンビニのコマーシャルに使われまくっていることを知っているのだろうか。清志郎が生きていたら「♪コンビニ弁当はブタのエサ~」とか唄っていそうなんだが。怪奇大作戦 第14話「オヤスミナサイ」2クール目突入。またしてもトップバッターは飯島敏宏。今回は科学犯罪ではなくミステリー。佐々木功とサッチンは恋人同士。アメリカへ留学が決まった佐々木功とユキはとある高原のヒュッテを貸し切ってイチャイチャ。じゃれ合っている間はいいが、なんと勢い余って佐々木功を殺してしまう。ふざけたつもりが殺傷事件。電気グループにそんな歌がありました。そこへチャイムがピンポーン。ユキは慌てて佐々木功の死体を隠してしまう。チャイムの主はSRIの牧史郎。狩りに来ていたが道に迷ってしまい、一泊だけ泊めてほしいとの言うのだ。了解するユキ。さっそくベッドで横になって眠りに着く牧だが、なんだか寝苦しいヨ。枕からハナテン中古車センターのCMを思い出させるような艶めかしい音楽が流れる。こりゃ寝苦しいわ。そして牧は夢とも現実ともつかない世界へ。牧は佐々木功と乱闘。殺される前に殺せとアメリカナイズのマッチョな戦後教育を受けた世代第一号だったせいかどうかは知りませんが、牧は佐々木功の首を絞めて殺害。水が張られたバスタブに背中から倒れる。そこで牧は眼を覚ます。えらい生々しい夢だったなあ。。。でもそれは夢ではなく現実だった。バスタブの底に沈んだままの佐々木功。しかしユキは自分が殺したはずと牧に打ち明ける。ではこの死体は?牧は的矢所長にSOS。助さんとノムを現地に派遣、ついでに町田警部にも応援を要請。管轄外なんですがね。そんなこんなで佐々木功の双子の弟登場。兄と違ってこちらはやんちゃな性格。ところがこの弟、実は佐々木功本人であり、東京で殺人事件を起こした弟が転がり込んできたことで、やっかいなことに巻き込まれそうになったため殺害。それをユキの仕業に仕掛けようとしていたのだ。そこへ偶然、牧が飛び込んできたのを幸いとし、枕に睡眠学習機を取りつけ、あたかも牧に人を殺したかのような記憶を刷り込もうとしていたのだ。こうして佐々木功とユキの愛は終わりを告げる。お・わ・り佐々木功からもらった指輪を捨てたところでドラマは終わるが、粋なことにエンドタイトル中もドラマは続く。旅行鞄を抱えて一人歩くユキを追いかける牧。車で送ろうとしている。そんなやり取りが、観る側をホッとさせる。今回は純粋なミステリーで面白かった。飯島敏宏は直球だけでなく、変化球も投げることが出るからすごい。それと合成がものすごい。バスタブで弟の遺体の髭を剃る佐々木功。一人二役を合成を使って見せている訳だが、これが全く合成に見えない。地味だけどミニチュアや火薬を使うのと同じぐらい手間と時間がかかっているはず。ホント何から何までものすごいです。
2013年12月16日
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論文完成。査読者うぜー怪奇大作戦 第13話「氷の死刑台」ちゃんと書いたのに楽天がボケのせいで全部データが消えたのでムカついたので書き直さない。スゲーモーレツにむかつく。怒りで眠れない。でもやっぱ書いた。仕事ウゼーと思ったサラリーマン。駅である男から「今日だけサボってみませんか?」と言われて「そうしますかな」「アハハハ」と意気投合。ところがその一言が命取り。サラリーマンはその男に拉致されて人体実験の材料に。そして何と冷凍人間にされてしまう。男の研究所から逃げ出したサラリーマンは自宅へ帰ります。ところが表札に違う人の名前が。「なんで?ここ俺のウチとちゃうんけ?」。そんなこんなで研究所に火を着ける男。「やめれー」と止める相棒。せっかくの研究材料がおじゃんになっちゃうヨ。「また作ればいい」と男は冷たく言い放つ。そんなこんなで相棒は冷凍人間に首を絞め殺されてしまう。やべーよやべーよ。気が違ってしまう男。この描写が実にステレオタイプというか、エヘヘって笑いながら書類に火を着けまくる。エヘヘってこんな感じの人、実際に見たことありません。つか、おらんでしょ?研究所に姿を現した冷凍人間も引くぐらい。そんなこんなで冷凍人間はまたもや自宅へ。そこに待ち構えていたのが町田警部率いる警官隊とSRI。秘密兵器のサンビーム砲で焼かれてしまう冷凍人間。その燃えカスを何とも言えない苦い表情で見つめる牧。宇宙に向かって飛び立つロケット。人間を冷凍にすることで遠い宇宙への旅行も可能になる。あるいは冷凍状態でいる間にガンの治療法が見つかる可能性もある。しかし、科学を悪用してはならない。そんな会話を交わすSRIのメンバーたち。空を見上げる牧。お・わ・りなかなか怖いお話。満員電車で揉まれるサラリーマンの悲哀から宇宙旅行までお話が広がる展開と設定が素晴らしい。そしてここまで科学を否定する、疑問を提示するのもすごいというか、スポンサー的に大丈夫か?と心配になる。昭和43年の放送だが。
2013年12月15日
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わざわざ図書館へ行かなくても手持ち資料で図書館化していたことを発見。怪奇大作戦 第12話「霧の童話」鬼野村で落ち武者の亡霊騒ぎが続発。落ち武者に襲われて怪我を負う被害者も続出するが、いずれも村の開発に対する推進派ばかりだった。鬼野村は昔から夏は干ばつ、冬は大雪で作物が育たない土地だった。戦国時代、貧しかった鬼野村へ逃げてきた落ち武者を金品を目当てに襲ったことの祟りだと伝えられている。そんな鬼野村に目をつけたのが外国資本のデトロイトモーターズ。土地を買収し、自動車工場を設立。さらに村議会を通じて国へ高速道路の開通を働きかける計画。しかし、このことがきっかけとなり村は反対派と推進派に分断。以来、謎の亡霊騒ぎが起こるようになった。「先祖代々の土地を売ろうとしているから落ち武者の祟りにあったんだ」とする年寄りを中心とした反対派。「んなわけねーっつうの」とハナっから否定する若者中心の推進派。そしてある夜。推進派の会合が開かれた。「人口は今の5000人から2万人に増える。鬼野村から鬼野市になりますよ」「そうなりゃあんたも立派な市会議員だ」「ガハハハハ」。ニコニコでお開きとなった帰り道。全員、濃い霧の中から現れた落ち武者に襲われる。幻覚だったとしても見え過ぎる。あまりにも不自然。地元警察からの要請を受け、SRIと何故か警視庁の町田警部までが鬼野村へ。捜査の結果、反対派の年寄り連中の仕業だと判明。首謀者の一人は第二次大戦中、広島県の大九野島にいたこと、大九野島は当時陸軍の毒ガス製造所だったことから霧に仕込んだ催眠ガスに関する知識を持っていたのだ。その後、鬼野村は鉄砲水に襲われ壊滅的な被害を受ける。そのことが追い風となり、デトロイトモータースの土地買収は進み、堂々たる鬼野市が誕生する。かつての山や川は排気ガスとばい煙に覆われる。お・わ・りこれモロ沖縄の基地問題でしょ?視聴者もバカじゃないヨ。またこの当時、沖縄にアメリカ軍の毒ガスが大量に貯蔵されているのではとの疑惑もあり(のちに疑惑ではなく事実だったことが判明)、そんなことも加味されたお話。重たい。後味悪い。でも考えさせられる。日曜日の夜7時にこんなトンデモナイものをお茶の間に突きつけたTBSは凄すぎる(今は「さんまのからくりテレビ」。あれはあれで面白いが)。脚本は沖縄出身の上原正三。若さの怒りをぶつけた過激なテーマを、過激に見えないよう牧歌的な作風で上手くオブラートに包んだのが東京・下町育ちの飯島敏宏(代表作「金曜日の妻たちへ」)。事件は解決したが「本当」のことは何も解決されていない。そして事件の背景にある戦後を引きずったままの人と社会の存在。今回SRIは何もしていないし、むしろ限界をさらけ出している。こんなテレビドラマ二度と現れないでしょうな。と思いながらリモコンを消すとテレビ画面に「怪奇大作戦」のタイトルバックが。「DVD壊れた?」と思ったらNHK-BSでの再放送が始まった時間でした。これはこれでいい時代ですなあ。
2013年12月07日
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酒を飲みながら英文要旨を修正。怪奇大作戦 第11話「ジャガーの眼は赤い」少年を主人公にした古典的なお話だが、何だか不思議な雰囲気のする一本。誘拐モノ。太郎と健二の兄弟が実質的な主役。プラモデル屋で戦車のおもちゃを欲しがる健二。でも高くて手が出ない。「誕生日にでも買ってもらうんだな」と肩を落とす太郎。そこへニュウっと現れたのがウルトラセブンの姿をしたサンドウィッチマン。なぜウルトラセブンなのかは分からないが、サングラスを渡された二人は喜んでそれを掛ける。すると目の前にグランドキャニオンの光景が広がった。洞窟を進むとジャガーを発見。目を赤く光らせるジャガー。そんなこんなで健二は誘拐されてしまう。誘拐犯の青木は自分が開発したホログラフィを実用化を考え、その研究資金獲得を目的に健二を誘拐した。そのためにわざわざウルトラセブンのスーツを着てまで健二の気を引こうするとは。なんと浅はかな動機&稚拙な計画。しかし、実用化を狙っているだけあってホログラフィを使って太郎・健二兄弟や捜査陣をかく乱させる。冒頭二人が目にした光景なども全て青木の仕組んだフォログラフィだった。しかし、深刻な雰囲気ほとんどなし。健二のナチュラルアクトとこちらの気持ちを不安定させる音楽、チープなホログラフィとが重なりあって何とも不思議な雰囲気。なぜか夕暮れ時を過ごしているような、大相撲の本日の取り組み結果を見て「もうすぐ6時だなあ」と思わせるような気分にさせられる。なぜか???そんなこんなで犯人・青木は逮捕。おっとりした健二は今日も周囲を煙に巻く。お・わ・り東映から出向した小林恒夫の2本目。今回もサクサク。あっさり楽しめて悪くはないが、軽いというか。前回の東宝コンビといい何故か軽い。むしろTBSや円谷プロの演出人のほうが重厚。お話も政治的な題材を扱っているところが対象的。ただし、予算と時間がかかりすぎる傾向があったようなので痛し痒しといったところでしょうか。
2013年12月03日
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四十にして不惑ってアレは嘘だね。四十になってから迷ってばかり。怪奇大作戦 第10話「死を呼ぶ電波」脚本は福田純、演出は長野卓と東宝コンビによる一本。そのためベタベタな東宝ムード。冒頭、古谷敏がテレビのブラウン管から発射されたレーザー光線を浴びて死んでしまう。古谷敏の声が別人のように聞こえたが。アフレコ違う人が担当したんだろな。そんなこんなで復讐譚。なぜんセスナで逃避行する社長に怪しいアナウンス&お経。このセンスがいい。社長発狂。さらにセスナを遠隔操作。きりもみ急降下の連続。これには社長も「許してくれー」って元祖ハングマン状態。そんなこんなで社長にえらい目にあった男の息子が真犯人。親子二代に渡った復讐作戦でした。助さんがそいつのアジトを突き止めてボコボコ。しかし息子は変なカプセルに入って電気でびりびり。エクスタシー?(ジミーちゃん?)。消えちゃった。なんだかよく分からないけど事件解決。コーヒーでカンパーイ。お・わ・り可もなく不可も無いお話。ウルトラシリーズもそうでしたが、脚本の出来によって仕上がりが左右されるなと。今回のお話が悪かったということではありません。ただ、これまでのお話のボルテージがあまりにも高過ぎて、秀作も凡作になってしまう。いかに当時のTBSが優秀な人材を抱えていたか物語ってますな。
2013年12月01日
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パッとしませんなあ。怪奇大作戦 第9話「散歩する首」カップルでツーリング。イェーイ。ところが空中に浮かぶ生首を目撃してビックリ。バイクを横転させてしまい二人とも死亡。今度は怪しい夫婦が登場。山道を車で走る。運転する夫「こいつぶっ殺して離婚してやる」。疑いの眼差しの妻「この男あたしを殺そうとしているわ。そうはいかないから」。冷めた夫婦。最悪ですな。そこへ道に迷ったカップル登場。「もうヘトヘト」「乗せてってー」。邪魔になると思った夫はカップルの申し出を断って車を出す。しかし、カップルを乗せた方が殺される危険は避けられると思った妻は、無理やり車を停めさせてカップルを誘う。夫「余計なことしやがって~」。ところが空中に浮かぶ生首を目撃してビックリ。車は谷底へ真っ逆さま。カップルと妻は死亡。夫は怪我を負ったものの生き残る。あまりにも事故が不自然なことから地元警察はSRIへ協力を要請。現地に牧が派遣される。そんなこんなで真犯人は夫ではなく、最近姿を見せるようになった怪しい研究者だったことが判明。怪しい研究者は強心作用のあるジキタリスから抽出したガスを死体に吸わせることで蘇生させる研究をしていた。そのため夜ごと生首のトリックを仕掛け、交通事故を起こしては新鮮な死体を手に入れていた。しかもそのトリックとは女のゴムマスクをかぶって首から下は全身黒タイツ。その姿で闇夜に立つとあら不思議、空中に浮かぶ生首の登場でござーい、というチープなものだった。でも夫にとってそんなことはどうでも良かった。自分の手を汚さずに妻を殺してくれたから。ウシシ。あ、人が来た!うわーん、妻よ~なんで死んだんだヨ~とこっちの芝居もかなりチープ。ところが死んだはずの妻がむっくり起き上がり夫を指さす。夫はビックリ「ぎゃー」。怪しい研究者は大喜び。これで自分の研究を認めようとしなかった上司を見返すことができる、と。お・わ・り中三の頃、夜中に再放送していたのを観たが怖かった。特撮はチープだし、音楽もミュージカルソー(横山ホットブラザーズが愛用している楽器)を多用してベタベタ感丸出し。でもやっぱり怖かった。あまりの怖さに裏でやってた「浜村淳の映画へようこそ」にチャンネルを替えたくらい。ちなみにその時やってたのは手塚治虫の「千夜一夜物語」。以来、観直すことはあまりなかったが、結構面白かった。町田警部は欠席、SRIのメンバーも牧以外ほとんど登場せず。舞台は山奥にある掘立小屋が中心。スケジュールと予算の関係だと思われるが、それが却って密室サスペンス風でいい感じ。監督は東映出身の小林恒夫。TBSや東宝系の演出家のようなケレンミなし、サクサク魅せていくが今回のお話と妙にマッチ。喰わず嫌いは良くないねと思った。
2013年11月29日
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死ぬんじゃないかと思うぐらい疲れ果てて。本日横になって何もせず。怪奇大作戦 第8話「光る通り魔」今回のヒロイン・陽子をアパートまで送り届ける上司・清水課長。その直後、光る物体に包み込まれて死亡する事件が発生。つづいて恋人の青木係長も殺されそうになる。犯人は陽子に嫉妬した人物として社内の山本が容疑者として浮かび上がる。しかし、山本は3か月前に失踪、陽子へ遺書を送りつけた後、父親の住む実家・阿蘇へ帰っていた。さらに事件現場に残っていた硫黄は阿蘇山のものと判明。光る物体の正体とは?阿蘇へ向かう的矢所長と牧。山本は阿蘇山で投身自殺をしたが、遺体は見つからなかった。真面目で気が弱く、同僚たちにからかわられ、失踪しても誰ひとり心配する者がいないぐらい目立たない。「あまりにも平凡な男なんですよ。皆からバカにされててね。つまり何て言うのかな・・・」「犯罪を犯しそうにない?」「そうなんですよ!」。 ここで牧は一種の推理をする。山本は投身自殺を図ったが、火口へ落ちずに死に切れなかった。地獄のような硫黄の熱と、陽子へ立ち切れぬ思い、自分を死に追いやった者たちへの復讐心が山本を、ただ光ってうごめくだけの物体すなわち燐光人間へと変えさせたのではないかと。理屈はよく分からないが、牧史郎こと岸田森が語ると本当っぽく聞こえてしまう。牧は改めて陽子を訪ねる。山本が何か預けなかったか?手紙でもメモでも。。。しばらく考える陽子。「そういえば本を渡されました。読んでいませんが」と牧にその本を手渡す。めくると一本鍵が挟まれていたが、心当たりはない。町田警部を通じて鑑識課へ回した結果、東京駅のコインロッカーの鍵であることが判明。ロッカーには膨大な伝票が残されていた。このことをきっかけに北斗公団の汚職が明らかとなった。山本は汚職の責任を一人で負わされていたのだ。その後、陽子と青木係長の挙式が行われた。その場にきっと燐光人間と化した山本も現れるに違いない。山本の復讐はまだ終わっていないからだ。睨んだ通り光る物体が会場をうごめく。牧たちは燐光人間こと山本をガソリンごと炎に葬り去る。お・わ・り脚本は上原正三と市川森一が共同執筆。それぞれ前半を上原、後半を市川が担当したらしい。壮絶なお話でした。山本、全然悪くないよ?コレ。興味のない男から好意を持たれて迷惑だったかもしれないけど、陽子って女もあんまりだなあ。「読んでいませんが」って開いてもいなかったその本は遠藤周作の「沈黙」だったりする。クリスチャンの市川森一が脚本で指定したのでしょう。しかし、これは切ない話だ。一貫して子ども番組のみで活躍した上原正三と、対象的に大河ドラマや小説へと活躍の場を広げた市川森一の二人が共通する「恨みパワー」が炸裂。演出は円谷一。ウルトラシリーズでは子ども番組を意識して本来のカラーを押さえていたのでしょか、冷たくて乾いたタッチ。しかし、これを最後に「怪奇大作戦」の演出から離脱。TBS退社を考え始めていた頃ではないかと。そんなこんなで色々な面から興味深い一本でした。
2013年11月28日
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各方面からボロボロ。ボロボロだなあ。怪奇大作戦 第7話「青い血の女」SRIの助さんこと三沢京助は久しぶりに友人宅で水割りグビグビ飲んでます。タバコもスパスパ。友人に「泊ってけよ」と言われてご宿泊。しかしその夜、寝室で何者かに左手を刃物で切られてしまう。さて、その友人。年老いた父親と仲が悪い。「お前は私を裏切った」「裏切った?成長した子供が親から離れていくのをあんたは裏切りだと言うのか?嫉妬だよ、老人の」とこんな感じ。父親は特許をたくさん持っているため、食べることに困っていない。そして少女のような人形を作り、子供のように可愛がっていたが、いつしか人形は人を襲うようになる。この辺りのことは明確には描かれていないが、最初に助さんを襲ったのは父親の息子と誤って認識してしまったからでは。その後も執拗に助さんを狙い続けたのもそのせいではないか?そんなこんなで今度は女性が殺害され、第一発見者の助さんに容疑が掛かる。さらに助さんが襲われた件も自作自演ではないかと疑われる。SRIと町田警部、初めての対立。そんなこんなでいつしか人形のエスカレートする行動を父親はビビるようになる。「お前は私だけのことを考えてくれている。私だってお前だけが。だからもうやめるんだよ。二人だけで静かにここで暮らそう。私だってあいつが憎い。しかし・・・」なぜそこまで息子のことを憎むのか?しかし、皮肉なことに人形自身も父親の元から離れようとする。「老人を捨てた老人の子どもを殺さなきゃ」。そう言い残すとビルの屋上から落下。粉々に砕け散ってしまう。お・わ・り人形はあくまで人口的に作られたものだが、老人の恨みが人格を与え、ついには殺人を犯すようになる。ありえない話ですが、本筋はそちらではなくズバリ高齢者問題。40年以上前のテレビドラマでこんなことをテーマに扱っていたとは驚愕に値します。これまで演出を担当した飯島敏宏、円谷一、実相寺昭雄は全員TBSからの出向。今回7本目にしてやっと円谷プロ生え抜きの監督・鈴木俊継の登板。如何に当時のTBSが色んな意味で凄かったかを物語っているが、三者に全然負けてません。それにもかかわらず、今日に至るまでほとんど評価されていないのが残念。テーマとストーリーがかなり怖かったです。
2013年11月25日
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理不尽なこと3連発。人生ってディフィカルト&怒り沸騰怪奇大作戦 第6話「吸血地獄」白人の小娘と付き合っていた男が交通事故を起こしましたとさ。死んだはずの白人の小娘が、あーら不思議。生き返っちゃいましたよ。藤子・F・不二雄先生曰く少しフシギ(SF)どころかかなりフシギざます。ところがその白人の小娘、なんと吸血鬼だったんですねー。って、なんだかよく分かりません。なぜなら科学的な説明が一切ないから。別にいいんですよ。「ウルトラQ」なら。でもこれは「怪奇大作戦」。科学的な説明が必要なんです。ファンタジーとかじゃだめなんすよ。つうことで男と白人の小娘の逃避行が始まります。フェリーに乗って場所は別府温泉へ。なるほど「吸血地獄」と別府温泉の血の池地獄に掛けてたんですね。だとしたらベタすぎやんけ。。。そんなこんなでひたすら逃避行。逃げられるはずもないのに男は白人の小娘が大好きなあまり無駄な抵抗を続けます。そんなに入れ込んじゃロクなことないヨ。そして舞台は断崖絶壁へ。自分の腕から血を与える男。男の腕を噛みついて血をチュウチュウ吸う白人の小娘。そして二人はそのまま飛び降りて絶命。救いなし。事件の背景も何もかもわからないまま。お・わ・り面白かったです。あのオシャレ映画ばかり撮ってる映画監督・岩井俊二も絶賛のあまり、リメイク的な映画を作ってしまうほどです。でも、やっぱり、「怪奇大作戦」としてはどやさなのです。脚本を担当したのはやはり金城哲夫。これを最後に「怪奇大作戦」つうよりもTBS・円谷提携作品から降板。「マイティジャック」の敗戦処理作品「戦え!マイティジャック」に専念する。そして円谷プロを退社し、故郷・沖縄へ帰郷する。金城哲夫であれば書けたはず。書けなかったのか、書かなかったのか。今となっては謎ですが、たぶん後者のような気がしますな。そんなことより岸田森の頭皮が一瞬だけ思いっきりズルッと見えたことが何よりも衝撃的だった。おそるべしデジタルリマスター。
2013年11月24日
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今日は奇跡的に早く帰ったが病院へ行ったのでいつもとあんまり変わらん。怪奇大作戦 第5話「死神の子守唄」今回も佐々木守&実相寺昭雄コンビ。氷漬けになった女性の死体が発見。現場検証をするSRI。その様子をじっと見ている女がいたことに三沢は気づく。その女は歌手の高木京子であり、彼女の歌う子守唄が事件の状況と一致していたことが判明する。「8人の娘が旅をした、崖から落ちて3人目が死んだー」こんな暗い歌が大ヒット中という不思議な設定を踏まえて物語は進行する。その頃、牧は被害者の死因から捜査に着手。前回と同じ展開です。死体から多量の放射能が検出されたことから東大病院の放射線科を訪れる。さらに死体に残った血液の異常から原爆症による白血病の治療に効果があると言われているスペクトルG線を浴びせられた可能性が高いことが判明。そんなこんなで高木京子は体内被曝による白血病患者であり、兄の吉野こそが日本に二人しかいないスペクトルG線の研究者の一人だった。「世の中平和だ平和だと浮かれているのに、なぜお前だけが戦争のために殺されなきゃならないんだ。そんな不当があるか。俺は必ず…」。夜な夜な一人帰りの女性を追いかける吉野。スペクトルG線を発射。高木京子に近い年齢の女性を襲っては人体実験を行っていたのだ。アジトを突き止めた牧は同じ科学者として吉野と対峙する。「間違っているというのか?いや間違っているのかもしれない。しかしね、俺がやらなかったら一体誰が京子の白血病を治してくれたのか?日本の国がか?それとも原爆を落としたアメリカがか?誰も何もやってくれない」「吉野君、やっぱり君は間違っている。まず話し合えば…」「話し合って京子が治るのか!」。その後、駆けつけてきた町田警部らに包囲、機動隊から滅多打ちに遭い逮捕される。連行される吉野を悲しげに見送る牧、そして三沢と京子。その場を立ち去る京子はスペクトルG線を自分に突きつけて「死にたくない」と三沢に向かって叫ぶ。次の瞬間、京子の全身は氷漬けに。お・わ・る原爆、体内被曝とテレビドラマで扱うにはあまりにも重たいテーマ。しかも、機動隊による一連の描写はあまりにも政治的であり、明らかに一線を超えている。「怪奇大作戦」における「怪奇」とは人間そのものを指すことがこの一本で明確になったと言えるのでは。
2013年11月19日
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仕事もいいけど自分の時間を作らなければ。やばい。怪奇大作戦 第4話「恐怖の電話」脚本は「アイアンキング」でおなじみの佐々木守。監督は実相寺昭雄。プロデューサーの意図を汲んで真っ先に仕上がった脚本がこのお話。しかも撮影も一番最初に始まったが、時間がかかり過ぎたため四番目に登板。でも四番目でよかったのでは?これがトップバッターだったらきついわ。滝口家に電話。電話に出た玲子は父親に替わる。受話器を耳に当てる父親。しばらくすると不快な金属音が響く。そして電話機ごと全身青い炎に包まれてしまう。前回に続きまたしても人間丸焼け事件。早速自宅を捜査するSRI。執拗に捜査する牧に対して三沢は玲子のことが気になる。つうか、牧の被害者の心情を無視した捜査のやり方が気に食わない。そんな三沢を無視してガンガン捜査を続ける牧。その最中、またしても玲子の目の前で電話に出た男が丸焼けに。玲子の父親を含む丸焼け三人の男の共通点とは?それよりも牧は電話機に事件のヒントがあると思い、電話局を通じて近隣の電話回線、電柱、地下ケーブルなどをしらみつぶしに調べる。その結果、電話機、電話回線共にものすごい電圧が掛かっていたことが判明。さらに焼け焦げた跡を追うと大和電機の社員に辿り着いた。一方、三沢は丸焼け三人男たちがかつて小笠原諸島に駐屯していた旧日本陸軍時代の戦友であり、他にも大和電機の中央研究所長の岡島、小川時計店の小川の二人がいることを突き止めた。彼らはかつて財宝を小笠原諸島に隠していたのだ。ここでようやく牧と三沢の捜査が交差した。容疑者は大和電機の岡島であり、次に狙われるのは小川時計店に違いない。電話機に特殊なアダプターを接続、公衆電話から高熱を送ろうとする岡島。電圧の勢いで一瞬、店内が歪んでしまう小川時計店。岡島を追うSRIと町田警部。しかし、岡島はコンクリートの壁に車ごと衝突し炎上。皮肉なことに自らも焼け死んでしまう。事件は解決。玲子は健康を取り戻し、牧と三沢も和解するのだった。お・わ・り何べん観ても面白い。これが正味25分弱のテレビドラマとは思えない濃厚さ。脚本の構成も見事。真犯人の勤務先が「大和」電機って、やっぱり「大和」朝廷つながりなのでしょう。ちなみに小笠原諸島の返還は「怪奇大作戦」が放送された昭和43年。当時の旬な時事ネタと戦争の影、さらに直接的ではないにせよ佐々木流天皇制問題もちらりと含ませている点が番組の狙いをクリア。この一本を金城哲夫は作家としてどう受け止めたのでしょうか?
2013年11月18日
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今「偽装表示」が熱い。面白い。見逃せない。怪奇大作戦 第3話「白い顔」大企業が入ってるっぽいオフィスビル。仕事が終わってお疲れさん。顔がやたらデカくて背が低いチビノリダーみたいな男が今回のヒロイン・水上順子をデートに誘うが断られる。めげずにエレベーター前で待ち伏せ。それでも振られてしまう。がっくり。タバコでも吸いますか、とライターに火をつけた瞬間、全身に発火。あっという間に火だるまになり焼け死んでしまう。このシーンやたらエグイ。チビノリダーが丸焼けになったことも知らず、地下駐車場で車に乗ろうとした順子は白い顔をした男とすれ違う。順子の父親・水上博士はある実験の最中、顔に大やけどを負い以来、顔を白い包帯で覆ったままである。順子は父親の素顔を見たいと言うが、水上博士は「順子がお父さんを嫌いになってしまうからね」と断る。父親への本当の申し出は「会ってほしい人がいる」と恋人の紹介だった。レーサーだそうです。チビノリダーと違ってカッコいいですね。しかし、そのレーサーも謎の交通事故で死んでしまう。その頃、SRIは警視庁の依頼を受け、チビノリダーの死亡原因を調査していた。その結果、ライターに小さな穴が開いていたことを発見する。そんなこんなで一連の事件は水上博士の犯行だったことが判明。白い顔をした男にわざわざ扮装、自ら開発したレーザー砲を使ってチビノリダーのライターに引火&丸焼け、レーサー狙い撃ちなど次々と実行。その動機は一人娘の順子を嫁に行かせたくなかったから。警察に逮捕され、パトカーに乗る寸前に順子は父親の素顔を見る。水上博士の顔の半分は火傷のあとで覆われていた。泣き崩れる順子。お・わ・りリアル特撮を追求しているだけあってチビノリダーの丸焼け、レーサー運転の車がガードレールから崖下へ転落、ラストの水上邸炎上などいずれもすごく丁寧。特に水上邸炎上シーンは夜間だったこともあって違和感なし。さて今回も金城哲夫が脚本を担当。ただし上原正三との連名。おそらく金城が仕上げた脚本を上原がリライトしたのでしょう。これは結構屈辱だったのでは?その指示を出したのはTBSのプロデューサー・橋本洋二であったのは容易に想像がつく。これは実に厳しい采配です。でもおかげで前回と違って橋本が狙いとする人間の持つ怨念が盛り込まれ、作品がピシッと締まっているのも事実。
2013年11月17日
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風邪なおらん。怪奇大作戦 第2話「人喰い蛾」本当は第1話になるはずだったが、特撮のリテイク等の理由により第2話に回され、代わりに「壁ぬけ男」が第1話に差し替えられたいわくつきの一本。溶けた人間の死体が発見。いずれもマルス自動車の社員だった。捜査の結果、チラス菌という生物を溶解される特殊な菌が使われていたこと、それを蛾に付着させて殺害していたことが明らかとなった。そして犯人はマルス自動車の社員であり、バックに外国自動車メーカーによる日本への経済進出が絡んでいた。観た感じ何かが足りない印象を受ける。特撮云々以前にストーリーの面でこりゃ第2話に回されても仕方が無いなあと思った。たんなる産業スパイ物で犯罪の裏にある人間が持つ怨念といったものが全く描写されていないからではないかと勝手に分析。脚本を担当した金城哲夫はこれまで第1話をほぼ担当。それが今回屈辱の第2話への降格。「怪奇大作戦」の世界観が作家の資質に合わなかったのか。とはいえ、今回のお話は外国資本が日本人を操って経済進出を画策するという構図自体、沖縄出身である金城哲夫ならではのアイディアで面白いのですが、やっぱり何かが足りない(ちなみに外国資本を宇宙人に置き換えると「ウルトラセブン」になる)。あともうチョイといった感じなのですが「マイティジャック」の敗戦処理もあり、ぎりぎりのスケジュールの中で執筆したと思われ、実に残念。製作サイドもこれでゴーサインを出さざるを得なかったのでしょう。他方でメインライターの金城に代わって、めきめきと台頭していくのが「壁ぬけ男」を執筆した同じく沖縄出身の上原正三だったりする。バックボーンは同じでも、こうも作風が違ってくるものなのかと作品とは違う部分でそれはそれで面白かったりする。
2013年11月16日
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またまた大きな仕事がやってきた。土曜日午後から図書館へ行こうと思っていたのに、こりゃ休み返上になりそう。風邪も全然治らないし。怪奇大作戦 第1話「壁ぬけ男」本日から気持ちを入れ替えます。現在NHK-BSで絶賛再放送中&リメイク版も放送中。つうことでこれを機会にちゃんと観直します。「ウルトラセブン」の後番組としてスタート。特撮は抑え、その分ドラマパートを重視した傑作。とはいえ、実写と分からないようなリアルな特撮を追求。予算は「ウルトラセブン」とほぼ変わらなかったという。警察の手に余るような特殊な犯罪を捜査する民間組織SRIこと科学捜査研究所と科学を悪用する犯罪者との駆け引きが基本設定。怪獣も宇宙人も登場しない。そして記念すべき第一回目に登場したのが怪盗キングアラジン。夜な夜な出没しては仏像やらを盗みまくり。警視庁の町田警部もお手上げ。そこで警視庁OBで町田警部の友人である的矢忠率いるSRIに協力を依頼。キングアラジンは大勢の目の前で壁や床にのめり込んで姿を消したという。原子人間?とチープな発想をするSRI職員の三沢京助。仮に原子人間だったとしても仏像についてはどう説明するのか?と的矢らから突っ込まれる。この時点で「怪奇大作戦」がリアル志向のドラマであることが視聴者へ何気に伝えられる。でもキングアラジンはホントにズブズブと床に姿を消す描写あり。しかも特撮ではなく本編で。これはスゴイです。そんなこんなで国宝を盗んでセスナで逃亡。ヘリコプターで追いかける町田警部とSRIのメンバーたち。ところがセスナから十数羽の鳩が放たれ、そのまま墜落してしまうが、同時にキングアラジンも脱出していたことが判明。その瞬間を撮影したフィルムからキングアラジンの正体が天才手品師・一鉄斎春光と判明。春光は20年前、箱抜け脱出に失敗して以来、表舞台から姿を消していた。町田警部とSRIのメンバーたちは春光の自宅へ急行するが「さーて何のことですかな?」ととぼける春光。そんなこんなで湖に浮かぶ箱の中に逃げ込む。水中に沈んでいく箱からわざわざマイクを使って「さよーならー。ワハハハ」と嬉しそうな春光。以下、奥さんが解説。春光は再び脚光を浴びたかっただけで盗みなどに関心はなかった。そしていつでも復帰できるように何度も箱抜けにチャレンジしていた、と。どんどん箱を沈めていく春光。「聞こえますよー。お客さんの拍車喝采が」とニコニコの春光。すかさず町田警部が「狂ってる!」と放送禁止用語を口にする。正直な人です。そして春光は水圧で箱ごと押しつぶされて死んでしまう。逮捕は取り逃がしたものの真犯人を突きとめることに成功。ただし、春光に壁ぬけの原理を教えた科学者は謎のままお話は終わる。江戸川乱歩風の展開で実際にその線を狙っていたとか。後味の悪い終わり方だが、観た印象はカラッとしててそう感じさせないところがまたすごい。つうことであと数分で再放送始まります。♪レッツゴー お・わ・り
2013年11月14日
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