「江戸三国志」のころは武士の役柄でも、まだ立回りも演技も見ていてちょっと・・ポーズはちゃんと決まるかな、・・とか心配がありましたが、「ふり袖太平記」では安心して見ることができるまでになっています。
後の橋蔵さまからすれば、まだ完璧ではありませんが、スッとかまえる立姿が決まってきましたし、橋蔵さまらしい表情や話し方の片鱗が見え出した作品です。
いつも思いますが、ひばりさんとの共演の時の橋蔵さまは、とても可愛いうぶな表情の中に色気を見せるのです。ひばりさんも相手を頼り切った甘えを見せてくださいます。
可愛い妹のようなひばりさんをお兄様のような橋蔵さまが見守っている、そしてそこに恋心が生まれハッピーエンドという設定での作品が多くなるのも頷けます。
1956年までの橋蔵さまの目のお化粧は、ちょっと歌舞伎的な切れ長にしていましたが、1957年以降目の切れ長の目が変わりました。アイラインも綺麗に入って、勿論つけまつげも変わり切れ長の目がこれまで以上に素敵になりました。その目が左から右に、右から左へと、動いて流し目になりますから、スクリーンを観ていた女性客はたまったものではありません。カメラワークもそこを分かっていての撮り方をしていきますから、橋蔵さまの作品はアップが多い。
映画の最初の頃、映画でのメークをよく分からなかったのでひばりさんが教えてくれたと、言っていたことがあったと思います。
そのように仲の良い兄妹のようなお二人ですから、息もぴったり。
でも、ひばりさんとの共演映画を橋蔵さまファンの中には嫌う人が多い、ひばりさんのファンは橋蔵さまとの映画は好きで、今でもひばりさんの映画で好きなのはというと橋蔵さまとの共演ものがあがってきています。私はお二人の作品は好きです。お二人はプライベートでも良い仲であったから、ラブシーンもちょっとした仕草も自然体で、お互いに良いところを引出していますもの。
さあ、それではトミイ・マミイコンビ第三作「ふり袖太平記」に入りましょう。
斉藤豊吉さん原作もので、平凡に連載され、ニッポン放送で半年以上連続放送劇として放送、単行本も出たものの映画化です。制作はお二人が所属していた新芸術プロの社長福島通人さんです。
ひばりさんのことも橋蔵さまのこともよく知っている方ですから、良いところが凝縮されている作品だと思います。
第12作品目 1956年10月封切 「ふり袖太平記」


小浪 美空ひばり
露木新太郎 大川橋蔵
旋風の次郎吉 星十郎
濡髪おえん 浦里はるみ
幾江小市郎 片岡栄次郎
菅谷織部正 有馬宏治
源八郎 堺駿二
駒木飛騨 吉田義夫
かね 松浦築
安房館山にある名家里見家の血筋を引く菅谷織部正は、六千石の禄高の旗本で江戸常勤。織部正は一人娘小浪の母とは家老駒木飛騨の策略で離別し、飛騨の妹繁野を正室にしていました。
小浪は乳兄妹で育った露木新太郎と大の仲良しです。
(今回の作品紹介は少し長くなります。私の好きな作品ということもありますが、橋蔵さまとひばりさんがといも良いので。お二人の台詞が・・・)

(雑誌からの画像です。このような柄と色の着物なのですね)
今日も二人は浜辺で棒切れを持って剣術で楽しく遊んでいます。
映画の出だしは、笑みを浮かべた小浪が、「お面」・・入れ替わり新太郎が振り向きざまに 、「参ったか」と優しい声で笑みを浮かべていいます。

小浪「参らぬ。お胴、お付」
と立て続けにやってくる小浪をよけた瞬間、
新太郎「あっ」
小浪が転んでしまいます。 新太郎、大丈夫だろうかと心配そうに近づいていきます
。 (映画では交互に映していますので、小浪の転んだ姿を右下に入れました)

(新太郎の髪型いいでしょう。アップで見ると複雑な髪型になっています。後でよくみてください。この当時から時代劇でもその当時はやっている髪型を何処かに入れていたのですね。慎太郎刈りを意識して作った髪型だったようです。どんな髪型でも似合う橋蔵さまですね)
小浪は何でもないようですが 痛そうに振舞い、新太郎の気を引きます
。
(右下の画像がその時の小浪の様子です)

新太郎はどうしようと困ってしまっています。
小浪 「痛い、痛いわ」
新太郎「お嬢様、お嬢様」
新太郎の駆け寄ってくるのを来るのを見ると、小浪は水際の方へかけていきます
。

新太郎「お嬢様」
小浪 「新太郎、舟」
新太郎「舟?」
小浪が乗りたいというが
新太郎「船はだめです。小さい時、私がわざとお嬢様の舟をひっくり返して・・」
小浪 「肌着までずぶ濡れ、随分水飲まされたわ、あたし」
新太郎「それで私はお袋から大目玉。あくる日一日暗い納戸に閉じ込められて、
飯ももらえなかった」
小浪 「だからそっと、おにぎりを持っててあげたのに、新太郎たら・」
新太郎「 そうでしたかなあ
」
小浪 「そうよ、 それを忘れるなんて、憎らしい、うん
」
着物の袖で新太郎を叩く仕草をします
。


(可愛い二人です。ここの様子は本当に演技?、演技以上のお二人の呼吸の良さが表れています)
水際を子供のように追いかけっこをしていましたが、小浪が渡れないところに来てしまいました。
新太郎が「さぁ」と言って、おぶってあげるからというようにすると「一人で渡れる」と小浪は言います。
新太郎「ずぶ濡れにしては、またお袋に大目玉を」
一刀流の免許皆伝を受けてもまだお母さまが怖いのか、という小浪に、
新太郎「 参った・・・いや、参らぬ、参らぬは
」

小浪が「これでも」と言って濡れて渡ろうとするので、新太郎が抱っこをしてしまいます。
小浪 「いや、いやいや、いやいや、いや」 (とっても甘えるように言うの?・・参ってしまうわ、ひばりさん)
新太郎「そんなに怖いなら落しますよ」
小浪は新太郎にしがみつきます。
新太郎「 こんなに重くなってもこわいの。怖いのなら歌うたってもらいましょう
」
小浪 「まっ、ずるい」
新太郎「じゃ、落すぞ」
小浪 「あぁ、 歌う、歌うわ
」
橋蔵さまに監督から甘~く甘~くやってくださいという注文だったようです。橋蔵さまひばりさんが相手だからバッチリ。相手を見るあのほんのり色気のある目が生きている。見ている私たちが照れてしまうくらいの出来です。
(この後からひばりさんの「かもめ白波」が1コーラス流れます。新太郎は水の中を渡り、小浪を降ろしても濡れないところまで抱っこしていきます。橋蔵さま、抱っこしてあるいた時のひばりさんは重かったそうです。そうですよね、ひばりさんの体重に衣装の重さがプラスされるわけですから・・・リハーサルは??回、二人のことだから大丈夫だったでしょう)
(youtubeに「かもめ白波」が流れるところの「ふり袖太平記」の動画が投稿されていますので二人の雰囲気が分かるのではないかと思いますので載せます。以前は「ふり袖太平記」からのひばりさんが歌っているところがあったのですが、著作権で削除になっちゃいました。そこで、歌は他の人が歌っているので気にせず動画だけ気にして見てください。ここの部分は1番の歌のところになります。2番のところはラストのところです)



花笠若衆・・・(6) 2018年08月28日 コメント(5)
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