2017年01月31日
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「残るのです」 「やだ」

今回は、菅谷家の庭先での、新太郎と小浪の場面から始めるのですが、ちょっとその前に寄り道いたします。雑誌「ふり袖太平記」の特集でこの場面・・菅谷家の庭先・・の撮影現場を取材した「セット訪問」というきじがあります。抜粋になりますが、そこからいきたいと思います。
~仲良しコンビはにっこり笑ってはい・スタート!刀遊びとにらめっこ?橋蔵さんの余興にファンもどっと大喜び~
皆様もスタジオ見学をしている気分で、撮影合間の雰囲気と本番の雰囲気を味わいながら、作品を追って見てください。

まずは・・・
✶セットでにらめっこは、ひばりちゃん
今日は御両人が顔を合わせるセットを訪問しました。セットは武家屋敷の座敷から庭にかけて組まれています。ちょうどライティングの最中です。塀を越えて屋根の上にカメラが据えてあります。俯瞰撮影(高い位置から見下ろして撮影)になるようです。
ずーっと中へ入っていくと、廊下に橋蔵さんが座っています。
グリーンの地に白い鱗模様を浮かせたシックな着物、袴もワインカラーに白の縦縞という(当時の)流行色。髷の型は大変かわっています。ムシリという月代が伸びた浪人の型と前髪の合いの子のような髷で、前髪がちょっと乱れて、江戸時代の慎太郎刈という感じです 。(当時石原新太郎さんの髪型が流行っていたのですよ)
ひばりさんは庭先の椅子に座って、台本片手に熱心に台詞の練習中です。とき色と橙色の中間色に鳥の柄が散らしてあるふり袖、娘島田の髪がよく似合っています。
(この撮影が終了したのは9月ですから、京都はまだ暑さ厳しい時期、そこにスタジオはライトなどでよけいに暑いですね) 記者は半袖で汗をかくほどではなかったようですが、橋蔵さまとひばりさんは、さぞかし暑かった途思います。記者の方がセットに入ってから20分近くも経っていますが、セッティングに時間がかかっているようです。


堅い板の廊下にずっときちんと座りっきりの橋蔵さんは、さすがに退屈したようです。腰に差した小刀を、「エイッ」とばかりにサッと抜いて、鞘に収めたり、国定忠治みたいにライトの光にかざして見得を切ってみたり、お茶目ぶりを発揮して、スタッフや見学のファン達を笑わせています 。(当時は撮影スタジオの中でも近くで見学ができたのですから、京都方面のファンの人はよかったですね、羨ましかったです)
そのうち、それも飽きたようで、今度は庭の方へ向いて、顔をしかめたり、舌を出したり、あかんべえをしたりし百面相をしはじめました。
誰を相手に?と思ってその方を見ると、なんと庭で台詞の稽古中だったひばりちゃんです。
ひばりちゃんも負けずに顎を突き出したり、すました顔をしたり・・奮闘中ですが・・このにらめっこは橋蔵さんが優勢。ひばりちゃんは何度も堪えきれず笑い転げています 。(お二人とも無邪気で可愛い。見学していたファンは見ていて面白く長い準備時間も飽きなかったでしょう)

✶男女七歳にして席を同じくせずの巻
監督の声が響きます。「さあ、テスト行きましょう」
場面は菅谷家の庭先。「ま、こんなに暗くなったのに、新太郎少しは気をつけなさい。・・・二人きりで」橋蔵さんの新太郎くんは、一発お袋さんからお叱りを受け、そこへひばりちゃんの小浪の「新太郎といったら、わたしの言うことを聞かないのよ」と言われ、俄然攻撃の鉾先が橋蔵さんに向けられます。
「新太郎、何故お嬢様の言いつけを聞かないのです」お袋さんから叱られて、新太郎くんは、くさってしまい返事もせずに目を伏せたっきり。
ここで、「カット」の声が入りました。
「叱られ通しで、折角の剣豪も台無しだよ」・・橋蔵さんが、ひばりちゃんを見て、怨めし気な顔をします。
「だってぇ、新太郎さんが強情なんだから、仕方ない」
「いや、強情なのは、あんたの方だょ」
どうも、お仕事を離れても、この仲良しコンビは喧嘩友達です。

次は、十八番のひばりちゃん、橋蔵さんの喧嘩シーンになります。
全く真に迫るということはこのことでしょう。傍で見ていると、今にも掴みかからんばかりの凄まじさ・・ピッタリと息の合ったお二人の喧嘩ぶりに、見学のファンなど手に汗握ってハラハラしていました・・「全く上手いものですねぇ」


ひと汗かいたお二人に、ここでちょっとご挨拶をしました。
(ひばりちゃん) 「あたしこまっちゃうんですょ。いつも勝ち気でおきゃんな役

        ないかと心配なのよ。ほんとはねぇ、とっても内気で、言いたい
        こともいえないくらい気が弱いのに」
(橋蔵さん)       「そうだよ、普通のひばりちゃんは、とってもおとなしい、いい娘
        さんだよ。でもね、時々江戸っ子らしい負けん気を出すこともあ
        るしね。まあ、多少の地はあるんじゃない」
(ひばりちゃん)
        なもんだから、ブツとこでもあったら本当にブッてやるから」
(橋蔵さん)   「ほら、ほら、地が出た」
(ひばりちゃん) 「キライよ」
ちょっと仲良く話していたかと思ったら、あっと思う間に、たちまち口争いです。
そのくせご当人たちは、至極楽しそうに、そうです、まるで喧嘩を楽しんでいるといった感じが、お二人には多分にあります。
(橋蔵さん) 「僕はね、立回りが大好きなんですよ。ところが、この作品の前に
        は、二本とも立回りがなかったんで、大いに腕を撫していたんで
        すが、今度はちょいとした青年剣豪なんですから張り切っていま
        す。大いに、斬り倒すところをご覧にいれますよ」

やさしい顔に似合わぬ物騒なことを言う橋蔵さんです。

「さあ、本番行きましょう」 喧嘩場の再開です。
「じゃ、ひばりちゃん、張り切ってやりましょう」と冗談を飛ばしながら、橋蔵さんが定位置につきます

橋蔵さまが廊下にお座りになったので、私達も、菅谷家の庭先に目を向けましょう。


夕暮れた中、菅谷家の庭先です。
小浪は庭に出ていて、新太郎は廊下に座って、灯りもつけず何となく様子がおかしいのです。
新太郎の母かねが部屋にやってきます。
かね 「ま、こんなに暗くなったのに」
かねは、灯りをつけて、廊下にいる新太郎に気づきます。
かね 「ま、新太郎、少しは気をつけなさい。灯りも点けずにお嬢様と二人きり
    で・・」
そんな、かねの言葉に
小浪 「誰に見られたってかまわないわ。私達は小さい時から一緒にばあやお乳
    で育った乳兄妹ですもの。・・てもねぇ、ばあや、新太郎ったら私の言
    うこと聞かないの」
かね 「新太郎、何故、お嬢様のおっしゃることを聞かないのです」
新太郎は、かねの言うことでも、それはできないと返事もせずにあきれ顔です

(ここからは、トミイとマミイにはなくてはならないお得意?の言い合いシーンになります・・ここは絶対に見逃せないところです。お二人の息はピッタリですし、楽しんでやっているようです・・そこが見ている私たちにはたまらなく良いのです)
小浪 「ばあや、私は江戸へ行って、老中田沼様へお父様のことを嘆願に参ろうと
    決心したんです」
かね 「お江戸へ?」
新太郎「いま言い争っていたのはこのことです。 ここは絶対私がお伴しようという
のに、 一人で行くなんておっしゃるから・・

小浪 「独りじゃありません。源八郎を連れて行きます」
新太郎「この際、 あんな老人を連れて行っても役にたちません

小浪 「いいえ、かまいません。私はもう子供じゃないんですから」
新太郎「いいえ、子供も同然です。ことに、こんな大事な場合の一人歩きは
    まだ無理です」
小浪 「まぁ、悔しい、ひとを子供扱いにして。いいえ、どうしても一人で
    行きます。新太郎は、残ってください」
新太郎「 いいえ、残れと言われても、お嬢様を一人でやるわけにはまいりません

小浪 「残りなさい」
新太郎「残りません」
小浪 「 残るのです
新太郎「 やだ
(二人の表情を合成しました)

新太郎がふくれて立ち上がると、
かね 「これ、何です新太郎、。心安立に、そんな口を聞く人がありますか」
新太郎「 だって、母上・・
かね 「 新太郎
新太郎は、母に言われ拗ねた様子をしています

新太郎の母かねは、新太郎はお伴をさせないからと・・小浪に初めての道中だすから気をつけるように言います。
新太郎が何も言わずさっさと言ってしまうので、寂しく思う小浪です。
(あれだけ心配していた新太郎ですが、このまま知らんふりをして、小浪一人を江戸に行かせるのでしょうか。小浪も、本当は新太郎に付いてきてほしいのに、意地を張って・・「女は女らしく」しましょう)

続きます。





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最終更新日  2017年02月14日 00時05分21秒
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(L)-111)1965年 天保遊侠伝 代官所破り
(R)-111)1966年 旗本やくざ

(L)-109)1965年 主水之介三番勝負
(R)-110)1965年 任侠木曾鴉

(L)-108)1965年 大勝負

100)1964年 風の武士
106)1964年 黒の盗賊

(L)-92)1963年 勢揃い東海道
(R)-99)1964年 人斬り笠

(L)-85)1962年 橋蔵のやくざ判官
(R)-91)1962年 若さま侍捕物帖・お化粧蜘蛛

(L)-84)1962年 恋や恋なすな恋
(R)-88)1962年 お坊主天狗

(L)-71)1961年 右門捕物帖・南蛮鮫
(R)-77)1961年 橋蔵の若様やくざ

(L)-69)1960年 若さま侍捕物帖

(L)-63)1960年 草間の半次郎・霧の中の渡り鳥

(L)-61)1960年 新吾十番勝負・第三部
(R)-62)1960年 新吾十番勝負・完結篇

(L)-59)1960年 丹下左膳・妖刀濡れ燕
(R)-60)1960年 大江戸の侠児

(L)-57)1959年 雪之丞変化
(R)-58)1960年 任侠中仙道

(L)-55)1959年 天下の伊賀越 暁の血戦
(R)-56)1959年 血槍無双


(L)-53)1959年 新吾十番勝負・第一部第二部・総集篇
(R)-54)1959年 恋山彦

(L)-51)1959年 水戸黄門・天下の副将軍
(R)-52)1959年 血斗水滸伝 怒涛の対決

(L)-49)1959年 風流使者 天下無双の剣
(R)-50)1959年 紅顔の密使

(R)-48)1959年 おしどり道中

(L)-45)1959年 丹下左膳 怒涛篇
(R)-46)1959年 忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻

(L)-43)1958年 若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷
(R)-44)1958年 喧嘩笠

(L)-41)1958年 濡れ燕 くれない権八
(R)-42)1958年 修羅八荒

(L)-39)1958年 旗本退屈男
(R)-40)1958年 不知火小僧評判記 鳴門飛脚

(L)-37)1958年 花笠若衆
(R)-38)1958年 若君千両傘

(L)-35)-1958年 旅笠道中
(R)-36)1958年 大江戸七人衆

(L)-33)1958年 緋ざくら大名
(R)-34)1958年 丹下左膳

(L)-31)1957年 花吹雪鉄火纒
(R)-32)1958年 任侠東海道

(L)-29)1957年 若さま侍捕物帖・鮮血の人魚
(R)-30)1957年 はやぶさ奉行

(L)-27)1957年 水戸黄門
(R)-28)1957年 ふり袖太鼓

(L)-25)1957年 ふたり大名
(R)-26)1957年 緋ぼたん肌

(L)-23)1957年 若さま侍捕物帖 深夜の死美人
(R)-24)1957年 喧嘩道中

(L)-21)1957年 修羅時鳥 
(R)-22)1957年 若さま侍捕物帖・鮮血の晴着

(L)-19)1957年 新諸国物語七つの誓い 凱旋歌の巻
(R)-20)1957年 大江戸喧嘩纒

(L)-17)1957年 新諸国物語七つの誓い 奴隷船の巻
(R)-18)1957年 任侠清水港

(L)-15)1956年 朱鞘罷り通る
(R)-16)1956年 新諸国物語七つの誓い 黒水仙の巻

(L)-13)1956年 曽我兄弟
(R)-14)1956年 ふり袖捕物帖・若衆変化

(L)-11)-1956年 海の百万石
(R)-12) 1956年 ふり袖太平記

(L)-9)1956年 若さま侍捕物帖・魔の死美人屋敷
(R)-10)1956年 復讐侠艶録

(L)-5)1956年 おしどり囃子
(R)-6)7)8)1956年 江戸三国志

3)4)1956年 若さま侍捕物手帖・地獄の皿屋敷、べらんめえ活人剣

(L)-1)1955年 笛吹若武者 
(R)-2)1955年 旗本退屈男 謎の決闘状

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