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(ロゴがレインボーカラ~♪)『酒井真右の十八行小説』 酒井真右/著より トキじい はだざむい はるさきのよる、ほらあなぐらしの トキじいは、つちのなかの ハイコゾウのいえへ まねかれ、おいしい くさのねの しるを ごちそうになり、めずらしい はなしを たくさん きかされました。 七ねんも 八ねんも つちのなかで すごし、ちじょうへ でては 二、三にちのいのち、 しかも、おすしか なけないこと、めすは きのかわに タマゴをうみつけて・・・ ・・・ わたしたちは、なんぜんねんものあいだ、ちちははのかおもしらない・・・ ・・・。 たきもとどろになくせみの--- ---と まんようしゅうに うたわれたり、ごしゅういの せみのはごろも、せみまるの のうや ちかまつの--- ---と、いっぱいあるが、 わたしたち せみのこころなど にんげんは、まったくしらないで、もりをきりたおし つちをはじめ、くうきまでよごして・・・ ・・・。 にんげんいがいの わたしたち いきものすべては、うらぎりや ころしをしたり、だいしぜんを やいたり こわしたり けっしてしません。 そのよくをすてないと、にんげんはほろびます。 あなたは、このことを、にんげんみんなにつたえてください--- ---。 つぎのひから、トキじいは、あしを ぼうにして、なかまのにんげんに うったえつづけるのでした。 (一九八六年六月)同じく『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 妹蝉 昔は今、夏の日暮れ、七年めに三匹の蝉の兄妹は、山深い谷川の岸にある柳の大木をはい登っていきました。 一郎蝉も次郎蝉も、末の妹を一番高い所へ押しあげてやりました。 夜明け前、三匹とも殻が背からわれて、青碧のすき透ったやわらかい羽根をひろげ、やがて蝉になりました。 兄弟は声高く鳴き始めましたが、妹蝉は耳がきこえず、口もきけませんでした。 太陽が空高くかがやく頃、飛び出した一郎蝉は、近くのクモの巣にひっかかり、次郎蝉がそのまわりを火のついたようにとび廻りましたが、クモに毒針をさされ、殺されてしまいました。 動けない妹蝉は柳の幹をビショビショにして嘆き哀しみました。 二日め、次郎蝉は子供たちの虫捕り網にかかり、虫カゴに入れられて連れ去られました。 妹蝉はからだ中をよじって悲しみにくれました。 三日め、動けない妹蝉はカマキリの餌食になってしまいました。 西の空に真赤な夕陽が沈むころ--- ---。 (一九八五年十月)
July 20, 2008
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『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 冷殺温生---順次の告白--- 僕にァ朝鮮人の血、大学の助教授をしてる倅も、大学生の娘っコの中にも、日本人と朝鮮人の血が飛沫いて流れているんだ。 六十二年前、あの関東大震災・・・九月の末に、血を吸ったサーベル、日本刀、竹槍を握った警察や自衛団の厳しい眼をくぐり、山越えして野宿して、 東京から百キロ余り、山狭いの戸数七~八戸の部落、ここの地主の酒井源一旦那の所へ僕が両親(李)は片言の日本語で・・・ ・・・。 おふくろは、僕を旦那の物置で産み落として三日め、親爺としょっぴかれ、町の警察署でブチ殺され、旦那夫婦が、僕だけを隠して育ててくれ、 お主婦さんに先立たれた旦那は、自分の一人娘---現在の僕のかかさ。 現在でも“部落”なんて冷殺されてるが、亡くなった旦那や近所の人たちの話によると、 旦那の七代前の金蔵大尽て人は、天明三年七月の浅間山大爆発のとき、部落、非部落を問わず、乞食以下になっちまった十里四万何千人もの人たちに、蔵から米俵をひっぱり出し、 一月近くも炊き出しをして食わせてやったんだってから・・・ ・・・。 飛行機なら一時間足らずっちゅうが、朝鮮と日本は、万里の地獄壁---。 僕の息子や娘の血で、朝鮮はむろん、アジアも地球まるごと噴きこぼれる温生一つの平和に結びつけなけりァ・・・ ・・・。 (一九八四年一月)『水の世界地図』 同じく、『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 野の歴史家 「源・平・藤・橘(げん・ぺい・とう・きつ)よ。 ベーリング寒流で夷島(佐渡)から能登半島へ上陸したのが元(騎馬民族)の源。 平は、ペイルシャ、今のシュメール、昔のスメラ。 七世紀前の隋は『桃(とう)』とも言われたがこれは日本上陸の唐(黒潮系)、つまり藤、 橘は、契丹のきつ、つまり さんか系(黒潮系)。 噂も千人集まれば一人の真実者より本物にうまく化ける! 系図作りの『沢田源内は京の稚児あがりにて江戸に出府せしより、礼金をうけては次々と贋系図を作り・・・ ・・・実在のごとくに礼金高にあわせて記入するは怪しからぬ極みなり』(『史籍編纂』の中の「大系図抄」) ケイズヤとは警察用犯罪隠語で盗品故売業者。 『五万円にて由緒ある系図を作ります』は中学生相手の歴史雑誌広告。 八五八年清和天皇の十八年も前の八四四年に『源の常』の名が残っている! 四方が海の日本列島に単一民族などとは、権力者たちの虚言とその権力に尻尾をふる奴隷御用学者と天婦羅大学教授ら・・・ ・・・。 真実の歴史に改めなければ・・・ ・・・」 無明峠山中の先生は、今日も日本歴史の探求にいとまなし--- ---。 (一九八六年四月)
July 18, 2008
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たま「さよなら人類」『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 人間動物園 その人間動物園は、世界各地からの幅広い生物達の見学が絶えません。 オーストラリア大陸南東三千数百キロの洋上に浮かぶ周囲僅か四キロに足りない洋上のアイ・ジェー島。 陸と海の生物たちが---マクロの象や鯨を始めミクロの微生物たちまでが---力を合わせて作りあげた動物園です。 「これが男女の生殖情況、こちらが出産、こちらが育児、少、青、壮、老・・・ ・・・。 ここにはかつての世界の国々の支配者たちとその従者たち数千人が収容され、つぶさにその生態を観察し、真の平和について考えることができます」。 ガイドの美しいオーム嬢が丁寧に説明してくれます。 ガイド嬢はつづけて、地上の生物中、人間だけが同族を裏切り、殺戮し合うこと、人間動物園を作って以来、人類は無知から脱皮し、世界の国境を取り払い、民族、人種の差別が消失して、地球丸ごとただひとつの平和な共和国となり、地球上の草木や凡ての生物が悠久の平和の中で生命の豊潤な繁栄のパラダイスになったこと、 そして、 「さいごに御来園御見学の皆さまに、さらに地球生活が発展するための忌憚のないアンケートをお願いイタシマス」 とオームガイド嬢--- ---。 (一九八六年四月)
July 15, 2008
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『エネゴリくんの星』より『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 草木の声 人類の皆さん、人間の皆さん、私達草木の声なき声をきいて下さい。 有史以前から何千年来、なぜあなた方だけが、お互いに裏切り合い、殺戮の戦いをやめることができないのですか? あなた方の哲学、あなた方の宗教、あなた方の信仰、あなた方の政治、あなた方の経済、あなた方の倫理、あなた方の道徳、習慣、慣習、教育・・・ ・・・ 一切が、太陽系、銀河系を含む無限の宇宙と永遠の時間のなか深くに生きる私達にとっては凡て有害無益なのです。 あなた方がこのまま無知厚顔を押し通すと私達も人間以外の凡ての生物も、大気も水も地球も取り返しの付かない破滅、つまり、あなた方五十二億凡てが破滅を免れません。 植物園、動物園、水族館、フレーム、人間の国と国との国境など直ちに撤廃してください。 北は風雪の、南は灼熱の自然のなか深くに、その法則のなかに私達も凡ての生物も還して下さい。 人類だけの、人間だけの地獄欲を直ちにやめて下さい。 でないと、ついには、あなた方人類自身、破滅の地獄道を辿ります。 (一九八八年七月)
July 15, 2008
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映画『人間みな兄弟―部落差別の記録』小説 『寒冷前線』 酒井真右/理論社/1959年8月発行 「たとえ、この戦争が、どのような終結を遂げようとも、俺は死なない。俺はぜったいに死なない。」 それは運命とか神とかいう架空な観念的なそら頼みではなく、幼い日から、いわれもなく圧迫されつづけた者のみの持つ、より肉体的な、逞しい不死身な決意に似た力だった。 「ふん!日本のどん底、どん底の日本というこの祖国の苦さを、いやってほどなめさせ、すすらせられて!ち、く、しョッ!これほどの苦しみをなめさせられた俺が、このまま、かんたんに死ねるわけねえじァねえか!ふん!死ぬもんか!死ねるもんかよォ!」 啓一は重子と一緒になるため、心にうけた数々の、この社会に巣喰う隠然たる醜悪な生きているそのしぶとい暗い力を想起した。 それらの暗い力は、日常、まったくあらわには姿をあらわさぬ。それだけに又、しぶとい力であった。・・・ ずず ずーン・・・ ・・・と激しい轟音。 「畜生!ぬかせ!ぬかせ!ほざくだけほざけ!!人間ひとり生まれるんだ!俺にとっちァだいじな新しいいのちがひとつ、この地上に・・・ ・・・、ああ、糞ったれ!!」 「つらい!・・・ ・・・けんど、かんたんに死んでたまるもんか。この重子 このまま・・・ ・・・このまま終らせてなるもんか・・・ ・・・死なない!ぜったい死ぬもんか!参るもんか!俺らァ不死身よ、この位ェのことで、参るもんか!ははははは、そうれ!がんばるんだ、がんばるんだ!!」 圧迫されたもののみの持つ、打たれても蹴られても起き上がろうとするしぶといほど逞しいものが、やつれた啓一のからだ中に漲るのだった。 「新しい人間のいのち、その誕生、俺と重子との間の子に何の罪があるって、冗談云っちァいけねェ、俺を部落民だと侮り軽蔑する---、ふん、どれもゆるしはしない。人間が人間への差別、こんなナンセンスはゆるしはしない。ぜったい。その上、生まれ出た何の罪もありはしない俺の子供にまで、そんないわれのない手枷、足枷かけさせることなど、尚のこと、ぜったいゆるしはしないし、ゆるされてはならない。」 彼は、大きく呼吸をしようと顔を朝空に向けて思いきり空気を吸いこみ始めた。が、いつもの半分も吸い込まぬうちに、右胸のキリキリと、刺されるような痛みを感じた。 「ふふ。ははははは。死ぬもんか。死んでたまるもんか!」 そのような、図太いほどな生への凱歌が、つゆにぬれたぞうり穿きの、彼の足先きから、無精ひげのばさついた顔から、のびた頭髪のてっぺんから体中にふくれて来た。 彼は、少しずつ歩きながら、何回も胸の病まぬ程度に、しきりに空気を吸い、吐き、吸った。あたかも水を欲していた金魚のように。 彼は、生きていた、生きぬいて来た自分のいのちの歓喜に、しみじみとひたった。 「糞ったれが!けいさつだ!重子。・・・よ、泣くな、な?きっと帰ってくる!なァ。まだまだ重子、何もかもお互い、これッからなんだぜ。」 重子は、うすいボロぶとんをすっかり頭から被り、泣いていた。 その彼女のうちに、啓一への思いと、これから将来への不安との交錯する向こう側から、徐々に大きく濃く近づいて来るものがあった。 それは、彼女の、かつての日すごした間住の姿であり、桜田の姿であった。 そのような重子の心情をもしらず、とり囲まれたまま、啓一は、やがて村役場の近くの交番辺り迄やって来る。 「ふん、こいつら、手先たちに屈しられるかって!こいつらチンピラに属するほど、俺たち部落の者への差別がつづくんだ!ふん!俺たちァ人生の最底の その最底で生きてきたんだ!そうかんたんに参るもんか!重子、赤ん坊・・・ ・・・達者でやってろよ、参るもんか、ぜったい!」
July 14, 2008
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『高崎五萬石騒動』 酒井真右/JCA出版/1980発行 より 「女に不自由してないって、それはほんとか?」 「あたりき車力。」 「どうして?・・・ ・・・なぜ?」 「盆や七夕、秋祭りや春祭り、農休み・・・ ・・・いくらでもあらァな。ふふ」 「祭りの日に」 「お祭りで、非穢多の娘っ子らが着飾って出てくべえ。四方、八方の村々から。けえりをねらって、ひとりンときもあるが、仲間同衆でさるぐつわはめて、ひっかついで、畑ン中だろうが、土手だろうが、人ッ気のねえところで、ふんぐるけえし、ジャンケンで、勝ったもンから順番にしちもうんさ。・・・腰ぬかしてこんにゃくみてえになっちまったな、みんなしてかついていって、そいつの家の庭っ先きへ放りだしてくるんよ」 「さかりのついた犬猫の交尾みてェに、非穢多の若ェ衆めらは、おらが仲間の娘っ子を抱いちゃうっちゃったり、バカにしてけっかる。何十年、何百年来、そのくりけえしだもん。こっちが奴らの娘っ子を寄ってたかって抱いて、ボロきれみてェにうっちゃるな、あたりめえだんべ。それでも先生は、おらたちの生き方が、どうのこうのっていえるかい?いげねえな、よ、穢多人間のおらたちかよ、それとも非穢多人間たちかよ」 「ゆっちァわりイけんどもよ、五万石領の百姓衆は、米がとれてもとれなくっても、もともと土地をもってるンだ。おらたちァ、ふんづけられてるこのいのちいげェは、何ひとつもっちァいねえんだ。先生。・・・」 「先生はよ、あっちこっち、国中の百姓一揆がどうのこうの、土一揆がどうのこうの、ぶちこわしがどうの、世界が新しくどうかわってくるのと、いろいろ話してくれるが、早ェ話が、いまおっぱじまったべえな五万石領のこの百姓のこんだの減納ねげえだって、土地がまるっきりねえおらたちにァ、何の関係もねえじゃねェか。 そんな一揆もぶちこわしも、ぜえんぶ失敗するにきまってるじァねえか。だって、てめえの仲間のことべ考えてて、人間のこっちを平気で踏んづけてるんだもの・・・ ・・・。 何をおいても、ひとつに、穢多のおれらも非穢多の五郷五万石領六、七千人もいっしょにまとまって、城もニッポンも、まとめてひっくりけえしてしまっちァいげねえんかよ!!」 「わしは、まちがっていたのかもしれない・・・ ・・・」 「おらたち仲間のことと、五万石領の百姓衆のこたァにっちもさっちも、いかなかったもンな・・・ ・・・。ま、殺すもンと殺されるもンと、地獄はどこまでもつづくだんべが、いつか、何とかして、おらァは、五万石の百姓衆といっしょに人間になるべえと、や、人間以上になるべえと覚悟決めてるんだ・・・ ・・・、先生とも」 「あれっから、足かけ五年めか六年めだもんな・・・ ・・・。いろいろ勉強させてもらった。ふんとうに、一生忘れねえよ。・・・おらァ、しばらく草履履いて、又けえって来て、こんだこそ、百姓衆と、おらたちとが一緒になって、はじめっから、とことんやるべえと思うんだ。土っ掘りしてる百姓と穢多のおらたちがひとつンなってやんなけりゃ、いつまでもつっけなはっけなの 地獄だもンなァ・・・ ・・・」 (タミヤ-先生-は白装束で自害) 梅散りて桜咲けども土の心に いのち届かず炎と燃え果つ タミヤ 望みなき身は今日限りちりぬるも 七度生まれて叶えてやみん ミキゾウ 吾人のためともなれと身をすてて いまいけにえとなりし嬉しさ キサブロウ
July 12, 2008
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→自然農園の写真『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 身土不二---福岡正信 「自分の米作り麦作りは二十年も三十年もかかって来た。一平方米(メートル)当たり十粒蒔きで、一株が二十五本、一穂平均粒数が二五〇粒で、玄米総重量が何んと一 三千(反二十俵どり)。 自然農法の四大原則とは、 第一は、不耕起(無耕転あるいは無中耕)。 第二は、無肥料です。 第三は、無農薬を原則とします。 第四は、無除草ということです。 ・・・ ・・・『農薬及び園芸』という農業雑誌に(米麦連続不耕起直播)を発表しましたとき、養賢堂の金原先生と農林省の農業技術研究所の河田先生が、十年後の日本の稲作の指標になるだろうと絶賛して、激励してくれたのは有難かったですネ」 (西洋から入って来た科学とその技術、それを支える西欧哲学一切を否定し、眼に見えない宇宙、地球の法則、本当の自然の営みに生命も米・麦作りも従う)福岡正信さん。 「百姓が仕事ですという場合、自然につかえてさえあればいいんです。自然農法、つまり人間完成農法ですよ身土不二(しんどふに)ですね。」 (一九八八年十二月) 小鉢に 小コスモス一輪、今朝
July 11, 2008
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High-tech Japanese, running out of engineers ---米ニューヨーク・タイムズ紙2008年5月17日付け「ハイテク日本、技術者枯渇」過去・現在… 汚染列島・西日本編(その1)風化する命の教訓石原産業問題『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 恐ろしいもの 「・・・ ・・・放射能の毒を現代科学で消す方法はない。 次に挙げる放射能が半減するのに クリプトン八五は十年、トリチュウム十二年、ストロンチュウム六〇が二十年、プルトニウム二三九が二万四千年、 こいつらをガラス状の固体化にしてキャ二スターとかいう容器に密閉したところで毒性が無効になるまで六十万年! 生命、アメーバから蛙迄の発生に三十二万五千年、蛙から人間まで三万五千年と比較してみると・・・ ・・・。 これらの放射能は骨髄癌、白血病、胃癌、腎臓癌を起こし現代科学医療は無力、人類五十数億初め凡ゆる生命、地球の生命が死滅する。 日本は世界唯一の放射能被爆国(四十四年前)なのに、“永遠に戦争は放棄”の憲法も無視破棄して、平然と“防衛費増強、核増強”に堂々と狂奔している・・・ ・・・。 僕らや君達の両親、兄弟姉妹、全ての日本人は生命の声を一つにして全アジア全世界の先頭に立って、地球破滅のこの恐ろしい放射能廃棄絶滅に!」 或る日の高校三年生理科の授業。 (一九八八年五月)
July 10, 2008
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カネミ油症BlogTV SP(Aug) 環境問題のウソ 武田邦彦 1of5『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より あるカネミ患者 ・・・ ・・・初めの頃は、目まいがして食い物の味が全くなくなりました。それは一九六八(昭和四三)年の三月頃でした。 手足が痺れ、忘れっぽくあり、腹痛、立ちくらみ。 五月からは五、六米先の人の顔が見えなくなり、妻の顔や娘の顔に吹き出物が出て次々広がり、首、胸、腹、背中と足の裏に迄でっかい魚の目ができて、体中、毛穴という毛穴が何千何万もの吹き出物・・・ ・・・。 夜中の二時三時迄家中鬼のような面で抱き合って・・・ ・・・。 朝起きると眼ヤニで眼が開かず、水で何度も洗って・・・ ・・・ 何十人て医者へあっちこっち診ったが、医者へ行くには、新聞や風呂敷で顔を隠して、「胃」だの「食事療法」のとどの医者も。 足の不自由な人のように這って便所へ。 そんな私達一家を「伝染病」の「梅毒」のと言っていた近所の人達も同じ病気になり・・・ ・・・ カネミの会社へ行くと 「あなた方は顔も汚いが心も汚い!」 と追っ払い、 結局、被爆敗戦国の日本は、四十年過ぎて、組合も会社も、医者、大学、国と全部弱い者差別、上に立ちたい欲、人間を踏んづける欲、裏切り欲、欲地獄。 同じ立場で生命を賭けて手を結び立ち上がらなければ。 (一九八八年九月)
July 8, 2008
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『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 田圃何故「・・・ ・・・こんなこと喋りたくないけど、言ってやろうか。女子学生が殺され、暴力団使った安保に負けピンク映画やえろ雑誌ばかりで、ウーマンリヴ、未婚の母なんて大手をふった頃、 私は中学生だった。 アノネノネが男のアレをしごいてエレクトさせて、その長さをしらせたり、コンクールで女のコにあの時の声を出させたり・・・ ・・・。 私?六年生で生理。 タンポナーゼを、月一回で五、六日、そう一日に四、五回換える。 最初?鏡で映しながら。 あれ使ってからおなにーするようになった。 うん、当時友達も、そう、入れる時いいとか別の人は抜く時がいいって・・・ ・・・。 最初?高一の男子。 その子に貢ぐために四五十の自営業者やサラリーマン・・・ ・・・。 それを暴力団に見られて、学校や家に知らせるっておどかされ、ズルズル。 そう、ヤクの注射。もう丸裸でまるでケモノ・・・ ・・・。 友達たち?何とか這いあがって今、家庭は持っているが・・・。 私はもうダメ。 ダメ」ってのはこの国の『非行、泥棒をするな』ってホザク大人達全員が非行、泥棒ネ。 ふん。田圃何故草だらけで米作らないって? 連綿とそういう国だもン。 ふッ、ケチなお説教なんかするんじゃないョ!」 (一九八七年一月)
July 7, 2008
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銀河鉄道の夜 主題歌『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 婆ちゃんしっかり 今日な婆ちゃん、中二の理科の授業で先生がとってもいい話をしてくれたんだ イギリスの食料研究会議動物生理遺伝研究所って長たらしい名前のジョン・クラーク博士を中心に蛋白質が一杯あるベータ・ラクトグロブリン(BLG)て羊の乳の要素を二十日鼠四匹の子宮に移植したら、四匹とも羊の乳の五倍も栄養のある乳が出たんだって・・・ ・・・。 「これで牛乳を初め家畜を改造して今迄の五~六倍も栄養価の高いミルクが生産できるだけでなく、高度な生理活性のミルクができる」ってクラーク先生が。「・・・ ・・・とてもいいアイデアだ。愈々実現できる段階だ」 と東海大医学部の勝木助教授も話しているんだって・・・ ・・・。 アメリカと自衛隊のあの飛行機墜落でお父さんやお母さん、妹から家迄メタメタに燃やされちまった僕ン家は、お婆ちゃんに永生きして貰わなくっちァ、早く元気になって起きられるように!ね、婆ちゃん、しっかり。 (八七年十一月)銀河鉄道の夜 星めぐりの歌
July 6, 2008
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「地球の温度が何度上昇したら、マラリアが増えるリスクが大きくなるか」『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 奇病 ---フィラリア病--- 一八四九年(嘉永二年)に九十歳で永眠した北斎に、「大睾丸の図」がある。 半畳敷もある大睾丸の男を、二人の男がモッコにのせ、天秤棒で担いでいる。 見る人は哄笑絶倒するが、本人は地獄苦である。 私の友人に仁というのが居た。 「先祖が描いたんだ」 と、陰部が熟した通草(あけび)の数万倍にも赤紫色に膨れあがり、両の乳房が膝までダラリと垂れ下がって満面苦渋の女性図。 この絵とともに仁は、三年前から行方不明--- ---。 北は青森県から、南は沖縄、九州、四国の各県、さらに種子島、屋久島、トカラ列島、八丈小島、青ヶ島・・・ ・・・と離島にまで蔓延。 理由は、バンクロフト系状虫---フィラリアの一種で、成虫は人間の体内のリンパ腺に寄生し、夜、血管中で幼虫を無限に増殖、 「全世界で患者は一億九千万、アジアだけでも、一億五千万」 とストルは言う。 スパトニン化学療法があるが、病原はアカイエ蚊。 核兵器よりも病原菌の絶滅を--- ---。 (八五年一月)
July 6, 2008
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『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 新春新生命座談会6CO2(二酸化炭素)+6H2O(水)+688KCal(エネルギー) →← (呼吸)C6H12O6(ブドウ糖)+6O2(酸素) “光合成” 座談会には右のような鮮やかな横断幕が大きく掲げられていました。 太陽(司会)「お忙しい所を皆さんどうも。地球は四十五億年前に宇宙の塵が集まって出来ました。このままですと地球の生命が滅亡してしまいますので、どうか皆さん、今日は忌憚のない御意見を・・・ ・・・」 植物(生物)「原始生物は三十億年前水中に発生し、司会者(太陽)のおかげで水とCO2から糖ができる光合成のラン藻が栄え、それから十億年以上たって多細胞生物が・・・ ・・・」 熱力(エネルギー)「私や電磁気や本日御出席頂いている時間や空間の皆さんには、人類が言う時間の向きとは異なり、経過も向きも持ちません。人類のこれ迄、そして現在使用している石炭や石油、そして原子力発電のウランなどはあと二百年ほどで終ります・・・ ・・・。 然もこれらの廃棄物が地球を滅亡へと導いております。半導体も又然りです。 エントロピイシンドローム(無駄廃棄症候群)を人類に準静変化させることだけと思います。」 太陽「では皆さん、狂暴我欲集団の人類へ以上の事を決議してツキつけましょう」 万雷の拍手------。 (八八年一月)
July 5, 2008
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『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より この仕事も考えもんだ ---原子力発電所--- 「『---体がだるい、頭が痛い、眼が痛い、この仕事も考えもんだ』そういう遺書をも残し、祭司をのこして発電所裏手の林で又々若い父親が首くくっちまった・・・ ・・・。 脳のねえ子が死産で、若夫婦が自殺したり、こんどで七人め・・・ ・・・。 靴下から作業衣まで三枚も重ねて、手足との間は、一枚一枚ガムテープでしっかり貼って、被ったカプセルと顔や首の間もガムテープ・・・ ・・・。 パイプで送られる人工空気は湿り気の全くないノドも口の中もカラカラ、何人も並んで待っていて、二人宛パイプジャングルの底の膝上迄つかってヘドロ掬い・・・ ・・・、 中では寄りかかることも座ることもダメ。一度体に入った放射能は、胃、肝臓・・・ ・・・内臓をやられて現代医学では不治のガンで次々と死亡。 下請けの下請けのその又下請けの労働者たちが一日四千円。 労基法もなく、怪我をしてもほったらかし。 一ヵ所で四千億円かかる原子力発電所が日本中に二十二ヵ所・・・ ・・・ 次々と建設されていく。 世界中にも。 核基地のほかにこの現実! 放射能へドロを詰めたドラム缶、流水は陸も生みも汚し、汚染された野菜や魚類、肉を毎日たべている日本人お互い・・・ ・・・。 (八六年九月)
July 4, 2008
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『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より人間わくわくランド 司会(ライオン)「第一問は次のビデオを見てください」 腐った川水、海水、陸地、そのすべてに魚類、藻類、陸地の小さな虫類、鳥類、獣類の累々とした死骸、太陽はCO2で隠れ、濛々と腐った空気が立ちこめ、次々とジャングルは、伐り払われ、生物達は死滅していく。 司会「さてこの原因は誰か、お手許のボードにお書きになって下さい」 五種類の生物代表---象、チンパンジィ、燕、蚯蚓(みみず)、イルカたち解答者は涙を拭い、泣きはらした眼で 「人間」「にんげん」「ニンゲン」「NINGEN」と書く。 司会「見事!全員解答は正解です。第二問、次のビデオをどうぞ」 火を道具、機械使用の人間、広島、長崎、ビキニの原子爆弾爆発、何百万人類の屍骸。 チェルノイブリ、ナサの核爆発、宇宙船墜落、逃げ惑う民衆、死の情況活写。 司会「さて、この原因は誰か、お答え下さい」 五種類の生物代表、こぞって「人間ファシスト達」「人間戦争屋」 司会「お見事、全員正解です。次は第三問」 子殺し、親殺し、アフリカの飢餓。 アウシュビッツのガス室、南京、コレヒドール死の行進、尽きないイラク、イラン戦争、南北朝鮮、東西ドイツ、南ア黒人差別、アメリカ黒人差別、裏切り殺戮のビデオ。 司会「どうしたら、この人類の裏切り殺戮の横暴地獄から地球は生命の平和な解放へ、それを」 解答者「人類脳細胞を平和への組替え、世界の人類の国境撤廃」 「人類の信仰、宗教の撤廃と世界人類の国境撤廃」 「世界人類の国境撤廃と凡ゆる生命の平和共存」 司会「やはりお見事、全員正解です。今日は以上三問で終りますが、人間以外の凡ての全世界の生物達から草木に至る迄、大変当番組は好評ですので、来週はもっともっと合理的痛烈な問題を用意させていただきます。では・・・ ・・・」 (八八年三月)
July 3, 2008
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『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より 雑草の諭し K大農学部学生二人は、調査しているセイタカアワダチ草の茂みの中で、人間への声を聞いた。 「私達を調査しても無駄だってこと。 確かに私達もアメリカシロヒトリと同様アメリカ渡来だが、水俣や新潟の亜鉛やカドミュウム汚染地を好む。 つまり、自然破壊された土地だけに私達は繁殖するだけ。 この頃、地方自治体、住民が挙って私達を害草として除草剤を撒布したり駆除運動を行っているが、日本の人達に私達は自然破壊の警鐘を静かに告げている訳。 私達仲間は、自然破壊の激しいファシズムの故国アメリカで、何とか自然と人間、凡ての生物の共存を訴えているが一向に聞き入れない。 スギ花粉やブタ草と異なり、虫媒花の私達は決して人間に花粉症は起こさない。 例えばOとCO2のバランスを保つには、大阪市だけの石油消費に、四国の面積の森林が必要。 橋一つ、墜道(トンネル)一つにも、我欲でなく、森林、野原、湖沼、海---地球丸ごとの有機的無機的な共生関係(シンビオーシス)を復活させないと、生命は絶滅しますよ」 (八八年七月)
July 2, 2008
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『酒井真右の十八行小説』(一九八九年発行)より異常地球を 六ノ二森茂 俺が生まれるとき、ソヴィエトの宇宙飛行士ガガーリンは「地球は青かった」と。 だが現在黄色い地球になってしまっています。 今年は特にひどい。 飢餓と白人侵略の続くアフリカは異常な暑さ。 七月下旬ギリシャでは四十度を越える猛暑に千人近い死者、フランスや西ドイツでは最高気温が十数度、日本は六月中旬に三十度を超え、それからずっと低温で七月半ばから全国的に三十五度以上の高温、八月に入ると梅雨明けもしないまま立秋で、関東や東北は低湿異常低温で南瓜は疣疣、胡瓜は甲虫の幼虫みたいに丸まっています。 世界中が核兵器と排気ガスで、世界の大国の首脳はほんとうに地球の平和を考えているのでしょうか。 日本は世界唯一の被爆国なのに大気科学者がアメリカの二十分の一とか。 WMO(国連世界気象機関)は、大国小国の別なく世界中の国がこぞって、エルニーニョ現象を初め、青い地球の平和の為に直ぐ研究を開始してください。 僕は母子家庭の一人っ子、夏休みはずっと母の看病で、これが夏休みの宿題です。 学校の先生も大人の人達もゼヒ真剣に考えてください。 (八七年十一月)著者紹介●酒井真右 一九一八年埼玉県に生まれる 著書 詩集『日本部落冬物語』・『詩集十年』・『存在』・『二ホンではなくニッポンヲ』 小説『寒冷前線』・『炎の初夜』(上下)・『土の群れ』・『高崎五萬石騒動』 評論『百舌ばっつけの青春』 ・・・このあとがき(一九八八年十二月 東京にて)の後、入院あれこれで、ついに初校など見ることができませんでした。前記の方々にすべて御願の結果となりました 。松田聖子 瑠璃色の地球2001@
July 1, 2008
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