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下田法晴と春野高広から成るダブ・ユニットの 2nd アルバム。前作に引き続き全曲インストゥルメンタル。一聴、サックスが大きくフィーチャーされていて、全体の音処理自体はダブ的ですが、ジャジーな印象がかなり強く感じられます。ちょっと聴く分には非常におしゃれな音楽。次作 "Words And Silence" 以降、より顕著となる、かすかに感じる透き通るような哀しさと表現すれば良いのか、聴き終えた後に引掻き傷のように残るメランコリックな感覚とでも言うべきものが、この段階ではまだ希薄に思えます。音そのものは都会的で洗練されているだけに、聞き流されてしまう危うさも一方で感じてしまうのです。勿論、私個人が勝手に、そう言った(メランコリックな)ところを彼らの美質と感じているから、と言うだけの話なのかもしれません。とりわけ、初めて聴いた Silent Poets の作品が "For Nothing" と言う、ある意味「遅れて来た」ファン故の事情も多分に影響しているでしょう。Little Creatures の青柳拓次を始めとしてゲスト・ミュージッシャンのクレジットは僅かに 4 人だけですが、トランペットやウッド・ベース等控え目ながらも要所要所で耳に残る素敵な音を発しています。個人的には終盤の "Waiting" から "Moment Scale *remix" へと続く流れが大好きです。【Track Listings】01. (There's Always) Meaning In The Tone02. Painter03. Step Out04. Bassman's Talk05. Rough Speaking Dub06. Cool Ground *remix07. Foundation (Equipment From Dubwise)08. Waiting09. Moment Scale *remix
2012.08.29
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1 枚目のアルバムと恐らくほぼ同じ装丁のスリーヴ。黒一色の中に淡く「不失者」の名前が浮かび上がっていますが、前作と同様、それが単にユニット名を表しているだけなのか、或いはこの 2 枚組のライヴ盤の総体を称しているのか皆目不明。更に、これまた黒地に銀色(?)の読みにくい書体で短文が綴られている 20 ページばかりのブックレット。多分、歌詞なのでしょうけれど、曲名らしきものは一切なし。演奏者、プロデューサー、録音場所等の記述もなし。これほどまでに不親切な作品というのも他に類を見ないのではないでしょうか。先入観なしに取り敢えず音を聴いてくれ、話はそれからだ、と言うことなのかもしれませんが。CD 2 枚、全 13 曲で 150 分弱。不失者と言えば「轟音」と言うイメージを覆すが如く、(彼らの作品にしては)比較的静かな音が続きます。そんな中でも、さすがに「リヴァーブ・ジャンキー」を標榜するだけあって様々な「残響」を味わうことが出来ます。とりわけ、1 枚目の 3 曲目(ああ、曲名がないと不便だぁ!)の、思わず居住まいを正したくなるほどに静謐な音の繋がりと消え入りそうなヴォイス、それらを包み込む深い闇のような残響には、なにかしら「聖」的な感覚すら抱いてしまいます。2 枚目の 2 曲目(ああ、曲名がないと(以下省略))辺りから、所謂「轟音」らしきものが現れ始めます。残念ながら私は不失者のライヴを観たことがないので、本作の収録順が実際のライヴの進行と同期を一にしているのどうかは判断出来かねます。フェイド・アウトで終わる曲もありますし、灰野敬二のソロっぽく感じるところもあります。多少の編集はあるのかなぁ。でも、なかなか悪くはない流れなのじゃないか、と思います。そして、やはり圧巻はラスト、2 枚目の 7 曲目(ああ、(以下省略))。永らくロックに親しんできた私としましては正にカタルシス効果絶大です。不失者としては極めて珍しい、オーセンティックと評しても過言ではないほどに真っ当で(?)カッコ良いロック・ナンバーが堪能出来ます。歌詞も灰野氏のヴォーカルも妙に(笑)ロックっぽいです。【Track Listings】- PSFD-15 -01. [untitled]02. [untitled]03. [untitled]04. [untitled]05. [untitled]06. [untitled]- PSFD-16 -01. [untitled]02. [untitled]03. [untitled]04. [untitled]05. [untitled]06. [untitled]07. [untitled]
2012.08.27
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今や押しも押されぬ世界的ロックン・ロール・バンドとなった U2 の 1st アルバム。邪気のない、一心にこちらを見つめる少年の瞳が、歳を経る毎にチクチクと突き刺さるスリーヴは秀逸。当初はかの Martin Hannett がプロデュースする予定だったとか。結果的に Steve Lillywhite に託して正解でしょう。Martin Hannett お得意の(?)意味あり気な SE や屈折した、輪郭の曖昧な音像では、この時点でのケレン味のない、どこまでもど真ん中の直球勝負的な U2 の魅力を生かし切れたとは思えません。思いの丈を余すところなく吐き出すかの如き感情過多な Bono のヴォーカルは、正直当時ですらキツく感じる部分はあったのですが、歌詞とは裏腹に飛び切りポップな "I Will Follow"、ミディアム・テンポの "An Cat Dubh" のエンディングを引き継いで、シームレスに繋がる "Into The Heart" の感情を押し殺したような、焦らすような長いイントロ、それに続いて前曲までの鬱屈(?)を振り払うように弾ける "Out Of Control"、これぞ The Edge の代名詞みたいなディレイを効かせたギターが聴ける "The Electric Co." 等々、こうやって改めて聴きなおすと今でも好きな曲が多いことに気付かされます。って言うか、結構空で歌えたりして(笑)。私にとっての U2 は、やっぱり "War" まで、かなぁ。【Track Listings】01. I Will Follow02. Twilight03. An Cat Dubh04. Into The Heart05. Out Of Control06. Stories For Boys07. The Ocean08. A Day Without Me09. Another Time,Another Place10. The Electric Co.11. Shadows And Tall Trees12. [untitled]
2012.08.23
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Beatles の "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" を筆頭に、その亜流と言われ評価は散々だった Rolling Stones の "Their Satanic Majesties Request"、或いは Jimi Hendrix Experience の "Axis: Bold As Love"、Pink Floyd "The Piper At The Gates Of Dawn"、、、挙げればキリがないですが、要はサイケデリック花盛り、サイケにあらずんばロックにあらず、とまで言われたかどうかは定かではありませんが、そんなお花畑な 1967 年のイギリスでひっそりとリリースされた David Bowie の 1st アルバム。私は随分長い間 "Space Oddity" こそが David Bowie の処女作だと信じていたのですが、多分 20 歳過ぎてからでしょうか、それ以前にも実はアルバムを発表していたことを知りました。それが、本作です。ヴォードヴィル調の "Little Bombardier"、不気味な鐘の音や雷鳴轟く SE のみをバックに芝居気たっぷりに歌う "Please Mr.Gravedigger" (gravedigger は墓堀人の意)、アルバム随一のポップさを持ちながらシングル・ナンバーとしては撃沈したキャッチーな "Love You Till Tuesday" 等々。聴き込めばそれなりに面白味もありますが、正直 David Bowie の作品じゃなかったら買わなかったかも。本作に手を出すのは、取り敢えず彼の 70 年代の黄金期、2nd アルバムの "Space Oddity" から "Low"、"Heroes" 辺りまでを一通り体験してからでも良いんじゃないでしょうか。【Track Listings】01. Uncle Arthur02. Sell Me A Coat03. Rubber Band04. Love You Till Tuesday05. There Is A Happy Land06. We Are Hungry Men07. When I Live My Dream08. Little Bombardier09. Silly Boy Blue10. Come And Buy My Toys11. Join The Gang12. She's Got Medals13. Maid Of Bond Street14. Please Mr.Gravedigger
2012.08.22
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言わずと知れた Velvet Underground (以下、V.U.)の 1st アルバム。以前、King Crimson の "In The Court Of The Crimson King" を取り上げた際に、「ポピュラー音楽史上最も語られた作品のひとつ」と評しましたが、この V.U. の 1st アルバムも負けず劣らず人の口にのぼった作品です。と同時に、語られた(今後も語られ続けるでしょうが)頻度に反比例するが如く、セールスが捗々しくないことでもこれまた人後に落ちないのではないでしょうか。私が V.U. を初めて知ったのは確か高校に入った頃でした。来日中の Lou Reed と当時新進気鋭の作家村上龍との対談が、何故か『ミュージック・ライフ』に掲載されていたのです。『ミュージック・ライフ』と言えば、『明星』、『平凡』と言ったアイドル雑誌の洋楽版のような雑誌で、(アーティストのルックスも含めて)ヴィジュアル重視の紙面作りが特徴であったように記憶しています。その雑誌になんとも奇妙な取り合わせの対談。すでに V.U. は解散していましたが、不思議なバンド名と鉄仮面のような(失礼) Lou Reed の表情は、初心な高校生の脳裏に快とも不快とも知れない引掻き傷を作ったのです。その後しばらくしてレコードは購入したのですが、地方都市の高校生の手に負える代物ではありませんでした。なにしろ恐る恐る針を落とした途端流れてくるのが、まるで聴き手の期待を嘲笑うかのような脱力感満載のフォーク・ソング "Sunday Morning" ですから。但し、この曲、左チャンネルからわずかに聞こえるコーラスがちょっと怖いです。この声は Nico かなぁ。気持ちの良い日曜の朝に散歩してたら、知らぬ間に誰かに手を取られて仄暗い世界に引き摺り込まれそうになった、そんな感じです。あっ、やっぱり書き出すとキリがなくなりそうですね。ノイジーで混沌とした "Heroin" や "European Son" と、ポップなロックン・ロール "I'm Waiting For The Man" や "There She Goes Again" が素知らぬ顔で平然と同居する面白さ。そして一部の方々からは鬼子扱いの、Nico が歌う "Femme Fatale" や "All Tomorrow's Parties" の美しさなくしてこの作品は有り得なかった、と私は思います。【Track Listings】01. Sunday Morning02. I'm Waiting For The Man03. Femme Fatale04. Venus In Furs05. Run Run Run06. All Tomorrow's Parties07. Heroin08. There She Goes Again09. I'll Be Your Mirror10. The Black Angel's Death Song11. European Son
2012.08.17
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1973 年にリリースされた Bryan Ferry の 1st ソロ・アルバム。この年、本作の他に Roxy Music 本体のアルバム、"For Your Pleasure"、"Stranded" とを併せて実に 3 枚ものアルバムをリリース。創作意欲がピークに達していた結果と考えるか、意地悪く Brian Eno との確執が相当ストレスとなっていたが故(気分転換?)のソロ・アルバム・リリースと考えるか。真相は如何に。中味は既にご存知の通りの全曲カヴァー。しかも、Bob Dylan、Rolling Stones、Beatles に Miracles と、大ネタばかり。普通はちょっと躊躇いそうなもんです。止めるヤツは居なかったのか。しかも、楽曲のみならず Dylan を筆頭に、Mick Jagger しかり、Smokey Robinson しかり、Janis Joplin しかり、個性的なシンガーのレパートリーがずらり。ただでさえヘタウマ・ヴォーカルの元祖とまで言われる Ferry さんがカヴァーするんですから、すごいチャレンジ精神です。自爆覚悟ですか?そう言うところも一切合財込みで、私は大好きなアルバムです。派手なホーン・アレンジや女声コーラス。Roxy Music よりもリラックスして聴こえる Ferry のヴォーカル。そして、なにより彼の手によって「時代」と言うコートを脱がされて素の表情を見せる楽曲群。とりわけキューバ危機をモチーフに書かれたという "A Hard Rain's A-Gonna Fall" や、ウッドストック世代のアンセムのひとつと言えるであろう "Piece Of My Heart"、60 年代末期の混沌としたロンドンにおいて Rolling Stones の悪魔的イメージを決定付けた "Sympathy For The Devil" (この曲での Ferry さんはちょっと力入り過ぎですが)と言った作品が、時代性や社会への影響等を度外視して「ポップ・ミュージック」として素晴らしいものであると言う単純な事実を再確認させてくれる、それが意図されたものかどうかは別にしても、そう言う意味合いにおいてもこのアルバムを聴く価値は十分あると思います。【Track Listings】01. A Hard Rain's A-Gonna Fall02. River Of Salt03. Don't Ever Change04. Piece Of My Heart05. Baby I Don't Care06. It's My Party07. Don't Worry Baby08. Sympathy For The Devil09. The Track Of My Tears10. You Won't See Me11. I Love How You Love Me12. Loving You Is Sweeter Than Ever13. These Foolish Things
2012.08.14
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ジャズに留まらず多岐に渡る活動でつとに知られたアルト・サックス奏者 John Zorn の 1989 年の作品。一応ソロ名義のようですが、Fred Frith や Wayne Horvitz、或いはゲストの山塚アイなどお馴染みのメンバーが勢揃いしているので、Naked City の実質的な 1st アルバムと考えて良いのではないでしょうか。深夜の路上に打ち捨てられた射殺死体(或いは、自殺?)を写したスリーヴの殺伐とした薄ら寒さとは裏腹に、オリジナル楽曲と "James Bond Theme" や "A Shot In The Dark"(『ピンク・パンサー』シリーズ)と言った、恐らく 40 代以上の方なら、ああ、あの映画ね、と首肯出来る程に有名な映画音楽のカヴァーを交えた作品は、なかなかにポップで聴き応え十分な内容です。カヴァー物はどちらかと言えばオーソドックスでまっとうな演奏。オリジナルはこれぞ Naked City と言いたくなるほどブッ飛んでます。超多作な John Zorn の活動を把握することは私には到底不可能なのですが、彼の作品の中でも取っ付き易い部類に入るんじゃないでしょうか。特に 10 曲目~ 17 曲目辺りの山塚アイの意味不明の絶叫をフィーチャーした目まぐるしく立ち現れては一瞬で消えていく作品群は、グラインド・コアだのスラッシュ・メタルだのエクストリームなロックが好きな方ならきっと気に入ると思います。26 曲も入ってますが、一番長い曲でも 5 分弱。逆に短いものになると 20 秒程度といったものまであります。ほとんどイントロだけじゃないか、みたいな(笑)。1 曲の中でもころころと曲調が変わるので、あっと言う間に一枚聴き終わってしまいます。【Track Listings】01. Batman02. The Sicilian Clan03. You Will Be Shot04. Latin Quarter05. A Shot In The Dark06. Reanimator07. Snagglepuss08. I Want To Live09. Lonely Woman10. Igneous Ejaculation11. Blood Duster12. Hammerhead13. Demon Sanctuary14. Obeah Man15. Ujaku16. F**k The Facts17. Speedball18. Chinatown19. Punk China Doll20. N.Y.Flat Top Box21. Saigon Pickup22. The James Bond Theme23. Den Of Sins24. Contempt25. Graveyard Shift26. Inside Straight要らない注釈 : 16 曲目のタイトル、"**" の部分には "uc" が入ります(笑)
2012.08.11
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Slits の Ari Up や Pop Group の Bruce Smith などから成るダブ・ユニット New Age Steppers の 1st アルバム。パンク~ニュー・ウェーヴ辺りから音楽に熱中し始めた我々世代においては、New Age Steppers がダブの入口になったという方は結構いるんじゃないでしょうか。12 ~ 13 歳ぐらいだったでしょうか、従姉から教えられた Beatles で初めてロック・ミュージックを知り、それからと言うものロックばかりを聴いていました。Rolling Stones、Led Zeppelin、David Bowie・・・。そんなロック一辺倒の音楽生活から抜け出す切っ掛けは、意外にもパンク・ロックでした。Sex Pistols と並びロンドン・パンクの雄であった Clash はレゲエ/ダブにのめり込み、Jam はソウルやファンクを奏でるようになっていました。私も知らず知らずそれらの音楽に聴き馴染むようになり、いつの間にやらジャンルの垣根を飛び越えてなんでも聴くようになったのです。今更(?)パンクの CD を引っ張り出してきて聴くことも年々少なくなってきていますが、音楽の世界を格段に広げてくれたパンクには感謝多謝です。で、New Age Steppers です。ギター・パートには 3 人、ドラムスにはなんと 5 人ものミュージッシャンの名前がクレジットされており、パーマネントなグループと言うよりはもっとフレキシブルなセッション・グループとでも言った感じだったのかもしれません。そして、そんな中でも、ちょっと素っ頓狂に聴こえないこともありませんが、Ari のチャーミングなこと!ダブ・ユニットと言う性格上全面に渡ってフィーチャーされているわけでもありませんが、やはり彼女の歌声は耳に残ります。【Track Listings】01. Fade Away02. Radial Drill03. State Assembly04. Crazy Dreamsand High Ideals05. Abderhamane's Demise06. Animal Space07. Love Forever08. Private Armies- Bonus Tracks -09. Izalize10. May I11. Avante Gardening12. Singing Love
2012.08.10
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Michel Sordinia 率いるネオ・サイケデリア、Names が唯一残したアルバム "Swimming" にシングル・ナンバーを追加収録して CD 化した作品。私はシングルやアルバムのスリーヴの美しさに惹かれてアナログ盤を買っていました。ややこしいですが、2 曲目から 6 曲目までが 1st アルバムの A 面にあたり、B 面に相当する部分が 9 曲目から 12 曲目。要するにアルバム収録曲がシングル等アルバム未収録の作品にサンドウィッチされた構成です。ちなみに、オリジナルのアナログ盤は曲間(通常は無音の部分)に、タイトルにちなんでかあたかも水中に潜っているかのような SE を挿入しているのですが、本 CD はそれをそっくり引き継いでいる為、なにがなにやらワケのわからないことになっております。80 年代当時、雨後の筍のごとく湧き出た Joy Division フォロワーのひとつ、と評して間違いはないと思いますが、初期の作品 "I Wish I Could Speak Your Language" や "Cat" などは、1st ~ 2nd 辺りの Cure に通低する青白い青春ポップ・ソングでしょうか。ベルギーでひっそりと活動していればそれはそれで彼らにとっても幸せだったような気がしますが、世に好事魔多し。何故か Factory Records の目に留まり、幸か不幸か Martin Hannett 全面プロデュースの基アルバムを製作する破目に陥ります。Martin Hannett プロデュースと言う事は要するに全部 Joy Division の劣化版にされてしまうってことです。靄のかかった森の向こう側から聴こえて来る様な、ネオ・サイケと言ってしまうにはあまりにも淡く、切ないメロディーが続きます。薄く全篇を覆うシンセサイザーの音が儚さを助長しているように思えます。同じような曲調が続く為単調な印象になるきらいはありますが、(極々一部で)名作の誉れ高き "Calcutta" を始めとして個々の作品のグレードは決して低くありません。恥ずかしながら、私の青春の一枚、と信仰告白させて頂きます。余談ですが、"Nightshift" の PV における、かなり特異な風貌な割りに薄い印象、ジャケットのポケットに両手を突っ込み猫背気味にフレームアウトしていく寂し気な姿は、どう見ても吉本新喜劇の「Mr.オクレ」です(笑)。【Track Listings】01. Music For Someone02. Discovery03. Floating World04. The Fire05. Life By The Sea06. White Shadow07. Calcutta08. Postcards09. (This Is)Harmony10. Shanghai Gesture11. Leave Her To Heaven12. Light13. Nightshift14. I Wish I Could Speak Your Language15. The Astronaut16. Cat
2012.08.08
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中国系の DJ、Tim Simenon のソロ・プロジェクト Bomb The Bass の 1st アルバム。天真爛漫なお子様(社会性ゼロのクソガキ)が最終兵器(サンプリング)を手にしたらどうなるかを実証した作品。アッパーなダンス・チューンがこれでもかとばかりに続きます。現行盤はわかりませんが、私の手元にある CD はランニング・タイムが 40 分強。時間的にはちょうど良い具合。と言うか、さすがにこれ以上は無理です(笑)。Bruce Lee の出世作 "Enter The Dragon"(邦題『燃えよドラゴン』)のあからさまなパクリと思しきアルバム・タイトル、意味不明のスリーヴ、何の捻りもない曲名。湾岸戦争勃発時にはユニット名がヤバ過ぎると言う理由で改名を余儀なくされた、と言う間抜けなエピソードも本作の能天気なイメージを助長していると思われます。バカにしているように見えますが、結構愛聴しております。次作以降は、ココロを入れ替えたのか、唐突に現実に目覚めたのか、妙にシリアスな作風が増え、ある意味音楽的には深化したと言えるのかもしれませんが、逆に破天荒な魅力は薄まってしまったように思います。【Track Listings】01. Beat Dis (US 7" Mix)02. Megablast Rap (Version)03. On The Cut04. Don't Make Me Wait05. Dynamite Beats06. Megablast (Hip Hop On Precinct 13)07.Hey You!08. Shake It09. Say A Little Prayer10. Beat Dat (Freestyle Scratch Mix)
2012.08.03
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デビュー・アルバムの "The Scream" も大概暗かったが、それから 1 年も経たずにリリースされた本作 "Join Hands" は、更に輪を掛けてダークでヘヴィーな作品です。不吉な鐘の音から始るオープニングの "Poppy Day" が、より一層不安を掻き立てます。"Join Hands" などと言うある種牧歌的なタイトルに騙されてはいけません。1st アルバムには、暗い中にもさすがにデビューしたての若いバンドらしい弾けるビートが多少なりとも聴きとれましたが、本作を覆う陰鬱なまでの重苦しさは一体どうしたことでしょう。ポップさの欠片もありません。Siouxsie のヴォーカルは「痛々しさ」だの「悲痛」だのと言った形容を施したくなるほどに、「歌」と言うよりはむしろ「悲鳴」と評したくなるような感触を帯びています。ますますノイジーに掻き鳴らされる John McKay のギター、極端にスネアを叩かない為に土俗的、呪術的な意味合いを強く感じさせる Kenny Morris のドラム。モノクロームのスリーヴに呼応するかのように、強張った表情の曲が延々と続きます。褒めているんだか貶しているんだか判り難くなってしまいました。私は大好きな 1 枚です。一聴して楽しめるような作品ではありませんが、じわじわと効いて来る感じが好きです。この作品がリリースされた 1979 年と言えば、パンクから出発した Johnny Rotten が Public Image Limited 名義で "Metal Box" を、Clash が "London Calling" をそれぞれ発表した年でもあります。本作はパンクと言う束の間の夢から醒めた Siouxsie Sioux の独立宣言なのかもしれません。【Track Listings】01. Poppy Day02. Regal Zone03. Placebo Effect04. Icon05. Premature Burial06. Playground Twist07. Mother/Oh Mein Papa08. The Lord Prayer- Bonus Tracks -09. Love In A Void (7" AA-Side)10. Infantry (Unreleased Track)
2012.08.01
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