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然したる理由も無く突然ヒップ・ホップにハマってしまったことがあって、それが 90 年代も半ばにさしかかろうかといった辺りで、特に私の嗜好に合致したアメリカ東海岸のアンダーグラウンド系の CD を漁っていた時に巡り会ったのが、この Smif-N-Wessun を名乗る 2MC のチームだった。くぐもったようなバック・トラックに、お世辞にもスマートとは言い難いラップがぶっきら棒に乗っかる。2MC にも拘らず良い意味で隙間が多いように感じる。また、時折レゲエっぽくなるところもなんだか面白い。よく聴いていないとドラムとベースだけかと勘違いするほどシンプルな "Sound Bwoy Bureill"、水の流れる音のループから始まるイントロやどこかしらメランコリックな響きすら感じさせるピアノのサンプリングが印象的な "Shinin....Next Shit"、アシッド・ジャズっぽいフルートに妖しげな女声コーラスが絡む "Cession At Da Doghillee" 等々、全体的に音数少ないかなりストイックな作りの割りにバラエティーに富んだ作品に仕上がっていて、今でも飽きずに聴き通せます。今世紀に入ったあたりからヒップ・ホップの新しい CD は買わなくなってしまった。始まりと同じで、自分のことながらコレと言った理由が思い当たらないのだけれど、昔買い溜めた(?) CD を思い出したように聴いたりしています。【Track Listings】01. Timz N Hood Chek02. Wrektime03. Wontime04. Wrekonize05. Sound Bwoy Bureill06. K.I.M.07. Bucktown08. Stand Strong09. Shinin....Next Shit10. Cession At Da Doghillee11. Hellucination12. Home Sweet Home13. Wipe Ya Mouf14. Let's Git It On15. P.N.C.Intro16. P.N.C.
2012.02.29
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2011 年、なんと 30 年振りの新作を発表した Magazine。その彼らが 1978 年にリリースした 1st アルバム。なにかしら不安を掻き立てるようなイントロに導かれて始まり、各楽器が入り乱れて混沌とした音の渦を生み出す中間部が印象的な "Definitive Gaze"、なにかにつけてシニカルな面が強調されがちな Howard Devoto の作品の中でも最もウェットな部分が現れているんじゃないかと思える佳曲 "My Tulpa"、有無を言わせぬ疾走感で駆け抜けていくパンク然としたデビュー・シングル "Shot By Both Sides"。取り敢えずこの冒頭の 3 曲でキマり。Dave Formula のカラフルなキーボードや、これぞニュー・ウェーヴと評したい程にソリッドで奔放なギターの John McGeoch らによるポスト・パンク勢のなかでも圧倒的な演奏力と、なんとも粘っこく、ある意味シアトリカルでさえある特異な Howard Devoto のヴォーカル。歪なワルツやファンク・ナンバー、プログレ的アプローチ、はたまた Roxy Music を髣髴とさせるバラッドまでをカヴァーする幅広い音楽性。まだまだパンクの余燼燻る 70 年代後半の音楽シーンにあっては、あまりにもユニーク過ぎたのでしょうか。【Track Listings】01. Definitive Gaze02. My Tulpa03. Shot By Both Sides04. Recoil05. Burst06. Motorcade07. The Great Beautician In The Sky08. The Light Pours Out Of Me09. Parade
2012.02.28
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DJ Mitsuru と Teruo の二人からなる bayaka の 1st アルバム。手法としては Chari Chari と似ているのかもしれませんが、Chari Chari よりもスピリチュアルな印象で、アンピエント色が強いと思います。踊る為の音楽と言うよりはクール・ダウンしたい時に最適な音楽ではないでしょうか。トライバルなサンプリングあり、ブラジル音楽風のヴォーカル・ナンバーもありで、カテゴライズするのは難しいですが、敢えて言うならジャズがベースなのかな、と思います。私が一番好きなのはオープニングを飾る "Salia"。女性ヴォーカルをフィーチャーしたアンビエントな作品。驟雨が上がったばかりの熱帯雨林の、束の間の静寂のなかで聞こえて来る雨だれや木々の梢をかすかに揺らす密やかな風の音や無数の虫や獣たちの吐息を綯い合せ、ひとつの歌声にしてみましたとでも言うような、そんな幻惑的で美しい音楽です、、、って、まどろっこしい説明だ(w【Track Listings】01. Salia02. Floating Rhythm03. Struggles04. A mane ce05. Stream06. Mande Lanme Ya07. En'orbita08. In A City
2012.02.27
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井上薫のソロ・ユニット Chari Chari の 1st アルバムは、ブレイク・ビーツに和物も含めたアジア、アフリカ系民族音楽のサンプリングを融合したダンス・チューン集。もう何回聴いたかわかりません。日本人が「日本」を意識するとき、どうしても三味線だとか琴、尺八なんかを使ってしまう傾向があるみたいですが、冷静に考えて日常的にそんな楽器を使った音楽ってあまり耳にしませんよね。外から見た時にそれが端的に「日本」的なものであっても、実際にそこで生活している我々からすると「?」がつくことが結構あると思います。本作でも "Spring Ocean (Smoker's Delight)" で雅楽がサンプリングされていますが、Chari Chari 大好きな私でも他の楽曲に比べてちょっと浮いてる感じは否めません。ただ、アルバム全体の通奏低音としてボサノヴァ風 "Across The Universe" やサンバ風パーカッションが心地好い "Life In Flow Motion" なんかに代表されるある種の「軽み」とでも言うべきものが流れており、それが故に "Spring Ocean" での雅楽の導入もさほどのマイナス要因にはなっていないようにも思えます。様々な名義で音源を発表している井上氏ですが、Chari Chari 名義は、恐らくこの作品と次の "In Time" の 2 作のみ。氏にとっても Chari Chari への思いは強いものがあるのじゃないかと、勝手に想像しています。【Track Listings】01. Flow Dub Outta Borneo02. Spring Ocean (Smoker's Delight)03. Across The Universe04. The Sun Song05. Udu Spiral Monkey Dance06. Life In Flow Motion07. Solar - Pass08. 仏陀と宝石09. We10. Ti Burung11. Subtropica12. Enter The Metal Circle
2012.02.26
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正に奇跡の一枚。なにがって、いや、ジャケットの話。こんな表情で見つめられたらアナタ、そりゃもう・・・。本国アイスランドでは 10 代ですでにデビューしていたのにも拘らず、敢えて "Debut" と名付けられた Sugarcubes 解散後の最初のソロ・アルバム。確かに Bjork の名前を世界にはっきりと印象付けたのは Sugarcubes での活動があってこそだが、そんなに解放されたかったのか。その性か、"Violently Happy" ではないけれど、彼女のアルバムの中で最も幸福感を感じることの出来る作品だと思います。初期 Soul II Soul の実質的ミュージカル・ディレクター Nellee Hooper を筆頭に、Pop Group や Rip Rig & Panic でお馴染みの Bruce Smith、後にドラムン・ベース・シーンでその名を馳せる UK エイジアンの Talvin Singh 等錚々たるメンバーを付き従え、一歩も引くどころかむしろより自由奔放に歌声を響かせる。ハウス、1940 年代のポピュラー・ソング、はたまたテクノと様々なジャンルの作品が混在するなかで、やはり彼女が歌えばすべて、クセは強いんだけどとてもキュートな Bjork 調になってしまう。次作以降にみられるアグレッシヴな面は抑え気味。その辺り本人が反省してたのどうのと言うのを見掛けた記憶があるのだが、なかなかどうして素敵な作品じゃないですか。Bjork 入門編としてはやはりこの作品を一番に推します。【Track Listings】01. Human Behaviour02. Crying03. Venus As A Boy04. There 's More To Life Than This05. Like Someone In Love06. Big Time Sensuality07. One Day08. Aeroplane09. Come To Me10. Violently Happy11. The Anchor Song
2012.02.25
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ポジティヴ・パンク・バンド(なんとなく気恥ずかしいw)Southern Death Cult のドラマーとしてキャリアをスタートさせた Aki Nawaz が主宰する Nation Records からリリースされた 1st アルバム。Nation Records は主に在英エイジアンのアーティストを紹介するレーベルなのだが、この「反復の導師」を名乗る二人組はクレジットこそ Jamuud と Salman Gita とエイジアンっぽいが、実は生粋のイギリス人だという話もありなんとも胡散臭い。他の所属アーティストが作り出す音には、例えば総帥 Aki Nawaz 率いる Fun-Da-Mental や Asian Dub Foundation に代表されるように、イギリスにおいてマイノリティーであるエイジアンという立場からの、社会や政治に対する異議申し立てが多かれ少なかれ含まれているのだが、Loop Guru はある意味シニカルに彼らとは一線を引いているように見える。その辺りもこの二人組がエイジアンではないということの証左なのかもしれない。肝心の本作だが、正にそのユニット名に恥じない執拗に繰り返される低音の効いたビートの上を、中近東やインド、パキスタン周辺のアジア系民族音楽からのサンプリングが縦横無尽に飛び交うフロア・ライクなダンス・チューンと、同じような趣向ながらややダークな雰囲気のチル・アウトな作品が並ぶ。同時に仰々しいアルバム・タイトルとかブックレットのクレジットなどから横溢する胡散臭さ、いかがわしさがスパイスになって、彼らの音楽にいまひとつの魅力を付け加えていると言えるだろう(とは褒めすぎ)。尚、ラストの "The Third Chamber (Part 4)" は 20 分以上に及ぶチル・アウト系の大曲。これだけはちょっと眠くなる(w。【Track Listings】01. Hymn02. Sussan03. Jungle A04. Through Cinemas05. Bangdad06. The Fine Line Between Passion And Fear07. Senseless08. Freedom From The Known09. Aphrodite's Shoe10. Under Influence11. Tchengo12. The Third Chamber (Part 4)
2012.02.24
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DJ Krush 1994 年リリースの 1st ソロ・アルバム。なんだかんだで彼の CD は 10 枚以上持ってると思う。最初はアシッド・ジャズとかトリップ・ホップの流れで聴き始めたんだと思う。ジャジーなピアノやサックスが印象的な曲も確かにあるのだけれど、クレジットされたゲストの名前を見ると一筋縄ではいかないことは明々白々。アシッド・ジャズ界の歌姫 MONDAY満ちるや今は亡き Gangstarr の Guru は順当として、日本のダブ・シーンの牽引者こだま和文やドクトル梅津バンドでもお馴染みの早川岳晴、私にとってはコクシネルでの活動が印象深い石渡明廣等々ジャンルを越境した面子が並ぶ。ヴォーカル入りの "Big City Lover" や "Keeping The Motion" などはキャッチーと言って差し支えないが、これぞ DJ Krush と思わせるほどビートはひどく重い。またそんな曲の間を埋めるように "Mixed Nuts" や "Another Day" と言ったアブストラクトなインストゥルメンタルの小曲が配置されていて、うまくチェンジ・オブ・ペースの役割を担っている。一番のお気に入りは、こだま和文のトランペットがヤバいぐらいに切ない "On The Dub-ble"。白眉。【Track Listings】01. AM 3:00 TYO 02. B-Boy Mastamind 03. Mixed Nuts 04. Roll & Tumble 05. Murder Of Soul 06. E.A.R.T.H./SOS 07. On The Dub-ble 08. Another Day 09. Underneath The System 10. Edge Of Blue 11. Big City Lover 12. Down The Drain 13. Into The Water 14. Ruff-neck Jam 15. Keeping The Motion
2012.02.23
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ショウヤマチナツとオガワシンイチから成るポップ・ユニットの 1st アルバム。後にはトランス/アンビエント色が強くなるが、これはまだヴェルヴェット・チルドレンと評されていた通りのややサイケデリックでギター・ポップな作品。歌詞は全て英語。シンプルなバック・トラックの隙間を縫う様に聴こえてくる、怪しげな(失礼)発音と相俟ってどこか頼り無げなチナツ嬢の歌声。音程が不安定に聴こえなくもないですが、私は気になりません。好きだから(w。特にお気に入りは、切なさに胸締め付けられる "cakes on the shelf" 、微睡みの中でたゆたうような歌声にノイジーなギターが絡む "slowdown" と言った辺りでしょうか。この時折現れるノイジーなギターが良いアクセントになっているように思います。ミディアム~スローな曲が大半を占めており、幾分単調な印象は拭い切れません。でも、そんな欠点を補って余りあるのは全篇を覆う瑞々しさでしょう。押し付けられた雑用や果たさなければならない約束、そんなものがなにひとつないたまの休日の昼下がりに、ぼんやりと聴いていたい音楽です。最後に。私が所有している彼女(彼)らの数枚の CD のクレジットは、単語が小文字に統一されています。なぜ小文字なのか理由はわかりませんが、敬意を表し(?)私もそれに倣ってみました。【track listings】01. slowdown02. in a way03. orange filter04. fragile05. route 12806. hiding place07. all alone08. wonder wheel09. cakes on the shelf10. summer days11. not so good12. sorry13. venus
2012.02.22
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白い背中に群がる無数の赤い天道虫、その虫たちの隙間から覗くタトゥーは揚羽蝶か?なんともインパクトのあるジャケット。これだけで購買意欲がそそられます(wシンプルな打ち込みテクノ・サウンド。そこに Emilie 嬢のロリータ・・・じゃなくてウィスパー・ヴォイスが被さると言うのが基本的なフォーマットですが、"Lise" における流麗なストリングスや、 "Secret" でのノイジーなギターやハモンド・オルガン、或いは "Il Pleut" で聴かれるエフェクト処理された(?)パーカッションの音等々が実に効果的に挿入されています。私が好きなのは Stooges のカヴァー "I Wanna Be Your Dog"。本作の中では比較的アタックの強い音が使われていますが、それとて Stooges のやけっぱちな攻撃性に比べればあまりにも牧歌的。ある種自虐的で悲痛な響きすらあった原曲が 180 度引っ繰り返って、「アナタのわんこになりたいワン」になっちゃってます。ゴッド・ファーザー・オブ・パンクもこれには形無しです。この "I Wanna Be Your Dog" を除けば、窓際のテーブルに頬杖つきながら雨に煙る町並みを眺めているような(なんと歪んだイメージ!!)メランコリックな作品が大半を占めており、Emilie 嬢の可憐な歌声共々フレンチ・ポップ好きのみなさんの期待を裏切らない作品だと思います。【Track Listings】01. Desert02. Lise03. Secret04. Il Pleut05. I Wanna Be Your Dog06. To The Dancers In The Rain07. Dernier Lit08. Graines D'etoiles09. Flowers10. Vu D'ici11. Blue Light12. Chanson De Toile
2012.02.21
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微に入り細を穿つ、と言えば聞こえは良いが、誰が喜ぶのかわからない、重箱の隅ばかりをつつきまくるような音源発掘作業で Cherry Red と双璧を成す LTM が、またしてもやってくれました。Pop Group や Slits でお馴染みの Dennis Bovell がプロデュースした、Factory Records のレゲエ・ユニット X-O-Dus の恐らくは世界初の CD 化です。と言うことで、今日はレゲエ繋がり、Factory 繋がりで Basement 5 を聴いています。リリース元は Island Records ですが、プロデュースが Joy Division や A Certain Ratio、Durutti Column 等初期 Factory Records の有名どころを手掛けた Martin Hannett。彼はアーティストの意向を無視して好き勝手やっちゃうことでも有名な方ですが、とにかく深いエコーが掛かった陰鬱な音が特徴。あと頻繁に挿入される妙な SE とか。Joy Division のようにハマるととんでもなくスゴいんですが、ファンク系の A Certain Ratio や、レゲエの本作なんかにもさも当たり前のようにそれをやっちゃうので困りものです。単に手持ちのネタが少なかっただけかも。肝心の Basement 5 ですが。基本は確かにレゲエなんでしょうが、"Last White Christmas" なんかは初期 Joy Division 、もしくはそれ以前の Warsaw 期を彷彿とさせるパンク・サウンドで驚かせてくれます。ヴォーカルもどことなく Johnny Rotten と Joe Strummer を足して水で薄めた様な感じ。ギターも相当ノイジーに鳴ってます。「レゲエ」と言う先入観を捨てて聴いたほうが受け容れやすいかもしれませんね。【Track Listings】- 1965-1980 -01. Riot02. No Ball Games03. Hard Work04. Immigration05. Last White Christmas06. Heavy Traffic07. Union Games08. Too Soon09. Omega Man- Basement 5 In Dub -10. Paranoia Claustrophobiat : Dub11. Workt : Dub12. Gamest : Dub13. Immigrationt : Dub14. Holocaust : Dub
2012.02.20
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2011 年 1 月、癌により夭折した元 Japan のベーシスト、Mick Karn の 1st ソロ・アルバム。彼の出身地キプロス、或いはその人生の大半を過ごしたイギリス本土においても平均寿命は 80 歳に届かんとしているわけだから、享年 52 歳と言うのは十分「夭折」と言えるのじゃないかと思う。このアルバムは、アナログの A 面にあたる 1 曲目 ~ 4 曲目がインスト・パート、同じく B 面に相当する 5 曲目 ~ 8 曲目がヴォーカル・パートという構成になっていて、Japan の "Tin Drum" と製作・リリースが相前後している性か、"Tribal Dawn" と言うタイトルに象徴されるが如くエスニック風味、オリエンタリズムが随所に顔を出し、Mick Karn の代名詞とでも言うべき蛇の如く蠢きまわるフレットレス・ベースと相俟って、なんとも不思議な世界を作り上げている。先程名前の出た "Tribal Dawn" や "Trust Me" 辺りのベースは彼の真骨頂だろう。更に "Lost Affections In A Room" ではベースの逆回転を取り入れており、その奇妙な音像に酔いそうにさえなる。それらに比べて、ヴォーカル・パートはさすがに弱い。あれやこれや全部ひっくるめて私は好きなのだが、Japan そのものに興味のない人達にアピールするには無理がある作品かもね。後年になって初めて知った事実なのだが、Mick Karn は Japan で音楽活動を始めた当時楽器に関してズブの素人だったらしい。このアルバムの頃でさえベース・ギターの基礎的知識すら怪しかったと言う。確か、P.I.L. の Jah Wobble もそうだった。【Track Listings】01. Tribal Dawn02. Lost Affections In A Room03. Passion In Moisture04. Weather The Windmill05. Saviour, Are You With Me?06. Trust Me07. Sensitive08. Piper Blue09. The Sound Of Waves
2012.02.19
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ノルウェーのゴシック・メタル・バンドの 1st アルバム。ゴシック・メタル系のバンドって結構大所帯なんですが、このバンドもご他聞に漏れずギター 2 本 にキーボード・プレイヤーまで居ての 7 人編成です。あちら方面(どちら?)では、所謂「美女と野獣」スタイルのプロト・タイプとして認識されているようです。主にデス・ヴォイスを中心とした咆哮型男声(野獣)と、それとは逆の儚げなソプラノの女声(美女)を対比的に配置する形式。"...A Distance There Is..." のようにデス・ヴォイス抜きの曲もありますが、大半はこの形です。オープニングを飾る "A Hamlet For A Slothful Vassal" なんて「美女」担当 Liv Kristine Espenes 嬢の歌声が可憐過ぎるあまり、ぼんやり聴いているとイントロが終わってヴォーカル・パートが始まったことに気付かないぐらいです。他のゴシック・メタル系と同じく、曲調は大仰なほどドラマチックです。悲劇劇場を名乗るだけあって重く暗い曲が続きますが、それを救っているのは当然のことながら Liv Kristine 嬢の存在です。ギターはメタル・バンドらしくザクザク鳴っていますが、バーチュオーソによる神業的ソロ・パートはほとんどありません。一般的な「ヘヴィメタ」のイメージを抱いて聴くと大いに肩透かしを食らう部分だと思います。【Track Listings】01. A Hamlet For A Slothful Vassal02. Cheerful Dirge03. To These Words I Beheld No Tongue04. Hollow-Hearted, Heart-Departed05. ...A Distance There Is...06. Sweet Art Thou07. Mire08. Dying-I Only Feel Apath09. Monotone
2012.02.18
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デビュー当初はロンドン・パンクのひとつとして紹介された Ultravox!。確かに性急なノリの "Saturday Night In The City Of The Dead" や、ジャケットに写る各メンバーのギラついた感じをみると、さもありなんと思う。でも、耳に残るピアノやヴァイオリンの音色、より端的に John Foxx のナルシスティックな歌声など、既にパンクの域を超えていたことも明らかな 1st アルバム。John Foxx と言うとどうしても(?)「テクノ・ポップ」!ってなってしまうんですが、ここではまだ明確に形作られてはいません。ただ、パンク・ムーヴメントの真っ只中で「俺は機械になりたい!」と切なげに歌い上げる "I Want To Be A Machine" や、弾き語り風と言うかモノローグめいた "My Sex" 辺りは、3rd アルバム "Systems Of Romance"、或いは後のソロで展開される音楽のラフ・スケッチと言えるかもしれません。一般的には 3 枚目の "Systems Of Romance" の評価が高いようですが、私はこの 1st と、続く 2nd アルバムの "Ha!Ha!Ha!" の方が好みです。若気の至りと言うか、どちらに転ぶかまだまだわからない危うさ、そんなところに魅力を感じます。ちなみにデビュー・シングルに選ばれたのは何故か "Dangerous Rhythm"。妙にギクシャクしたレゲエ風ナンバー。一体誰が選んだのか。【Track Listings】01. Saturday Night In The City Of The Dead02. Life At Rainbow's End (For All The Tax Exiles On Main Street)03. Slip Away04. I Want To Be A Machine05. Wide Boys06. Dangerous Rhythm07. The Lonely Hunter08. The Wild,The Beautiful & The Damned09. My Sex
2012.02.17
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Public Image Limited (以下、P.I.L.)の 2nd アルバム、"Metal Box" レコーディング時の没トラックだかなんだかを無断で流用したとかで、馘首の原因となったとされる曰く因縁の 1st ソロ・アルバム。Keith Levene と共に P.I.L. を音楽面で支えた Jah Wobble ですが、その辺りを期待して聴くと大いにずっこけます。うねりまくる重低音ベースは紛う方無き Jah Wobble のお家芸的サウンドだが、全体の印象はやたら肩の力が抜けまくったレゲエ/ダブ・ベースの脱力ダンス・チューン。John Lydon の目を逃れて自分の趣味嗜好全開で好き勝手してみました、とでも言うような雰囲気です。確かに、"Metal Box" は衝撃的だったけれど、あまりにも四角四面、堅苦しすぎた。聴く側もきついものがあったが、それは演る側の Jah Wobble も同じだったのかもしれない。尚、9 曲目以降は CD 化された際に追加されたボーナス・トラックです。【Track Listings】01. Betrayal02. Beat The Drum For Me03. Blueberry Hill04. Not Another05. Tales From Outer Space06. Today Is The First Day Of The...?07. Dan Mcarthur08. Pineapple09. Blueberry Hill (Computer Version)10. I Need You By My Side11. Message From Pluto12. Sea-Side Special13. Something Profound14. Dreadlock Don't Deal In Wedlock15. Battle Of Britain
2012.02.16
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"Arnold Layne" と "See Emily Play" と言う 2 枚のヒット・シングルをオミットした、なかなか挑戦的なデビュー・アルバム。文芸評論家の亀井勝一郎と言う方が、「作家は処女作に向かって成熟する」と言ったとか言わなかったとか(どっちだ!?)。こんなとんでもない処女作を置き土産に、あちらへと旅立ってしまった Syd Barrett。残されたメンバー、特に Roger Waters の困惑はいかばかりであったろう。いっそのこと、Ian Curtis を失った Joy Division が New Order として再生したように、まったく別のバンドとして再出発した方が良かったのじゃないだろうか。そうすることで、後の "The Dark Side Of The Moon" や "The Wall" は生まれなかったかもしれないが。本当のことを言えば、私は Pink Floyd のファンでもなんでもない。"Atom Heart Mother" は何度聴いてもその良さが理解出来ず、"If" や "Fat Old Sun" と言った小曲ばかりリピートしてるし、この作品以外で常時手元に置いているのは "Relics" と "Wish You Were Here" だけだ。だから、Pink Floyd を語る資格はないのかもしれない。ちなみに、あちこちで散々叩かれまくっている所謂「邦題」ってやつですが。「恋の聴診器」とか「星空のドライヴ」。結構好きだったりします。なんかほのぼのしてて(w【Track Listings】01. Astronomy Domine 02. Lucifer Sam 03. Matilda Mother 04. Flaming 05. Pow R. Toc. H 06. Take Up Thy Stethoscope And Walk 07. Interstellar Overdrive 08. The Gnome 09. Chapter 24 10. The Scarecrow 11. Bike
2012.02.15
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刺々しさを隠すことなく神経質に掻き鳴らされるギター。時として引っ繰り返り、時としてしゃくり上げながら、過度とも思えるヴァイブレーションを伴い、闇の底から浮かび上がってくる呪文のように発せられる歌声。その単調さをしてなにかを語らしめようとしているのではないかと誤解させるリズム・ボックスの冷たい響き。3rd アルバム以降とはまるで違うバンドのような、むしろそう考えた方が理解し易いのではと思える Cocteau Twins のデビュー・アルバム。ヒリヒリした緊張感がある種心地好いとも思えるけれど、逆にそれは余裕の無さ、切羽詰った悲壮感にも通じ、聴き手を縛り付ける。例えば Love Spirals Downwards や Autumn's Grey Solace と言ったフォロワーから遡って聴くのであれば、この作品はまったく適切さを欠いている。"Treasure" や This Mortal Coil の "It'll End In Tears" などで聴くことの出来る、聴くものを慰撫するような優しさは欠片も無く、Elizabeth Fraser (余談ですが、2nd 以降?は 'Frazer' の表記)の歌声は終始余所余所しく、落ち着き無く彷徨っている。今更なんともしようがないのだけれど、別名義で良いからこの路線を続けてほしかったなぁ、と思ったりする。所謂「イーサリアル」とか「エンジェリック・ヴォイス」の類も勿論良いのだが、このデビュー作に見られる仄暗い情念とでも言うべきものも棄て難く、実は彼女(彼)らの作品のなかでは一番よく聴いた作品なのだった。いや、これからも聴くと思うけど。【Track Listings】01. Blood Bitch02. Wax And Wane03. But I'm Not04. Blind Dumb Deaf05. Shallow Then Halo06. The Hollow Men07. Garlands08. Grail Overfloweth09. Dear Heart10. Hearsay Please11. Hazel12. Blind Dumb Deaf13. Speak No Evil14. Perhaps Some Other Aeon
2012.02.14
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クールを通り越して、最早一滴の水分も搾り出せないほどに渇き切った空気感がすごい。私は英語がわからないので、Nas が何を「歌」っているのか理解できないが、声高になにものかを告発したり、或いは闇雲に所謂社会ってやつを糾弾しようとしているのでもなく、ただ、自分を中心とした小さな世界に対するちょっとした違和感とでもいうべきものを淡々と語っているように聴こえる。Hip Hop と言う概念からイメージされるものとは対照的な、ある意味「静かな」作品だと思います。個人的には 3 曲目の "Life's A Bitch" から "The World Is Yours" への流れが秀逸。ここだけ何度もリピートしてしまう。世間的に極めて高い評価をされている割に、クソがつくほど生真面目でストイックな雰囲気が付き纏う作品で、おまけにキャッチーな部分を意図的に排除したんじゃないかとさえ思えるところもあり、門外漢にはちょっと敷居が高い。ただ、私はリリース直後の、評価の定まっていない時期に偶々出会うことが出来たので、その点は幸運だったと思います。【Track Listings】01. The Genesis02. N.Y. State Of Mind03. Life's A Bitch04. The World Is Yours05. Halftime06. Memory Lane (Sittin' In Da Park)07. One Love08. One Time 4 Your Mind09. Represent10. It Ain't Hard To Tell
2012.02.13
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前日の Lizzy と共に ZE Records の歌姫と賞されたモデル出身の Cristina 嬢のデビュー・アルバム "Cristina" に、ボーナス・トラックを追加して 2004 年にリ・イシューされたアルバム。Kid Creole こと August Darnell が、Cristina と言う素材を使って好き勝手やってると言う印象。そもそも Cristina に歌わせようと考えたところに無理があったんじゃないかとさえ思うほどの棒読みヴォーカルだが、Peggy Lee ? ("Is That All There Is ?") Beatles ? ("Drive My Car") なにそれ、美味しいの?状態で、あちこちで「フー」とか「ホー」とか素っ頓狂な合いの手を入れまくる Cristina 嬢。そんな彼女の無意識過剰振りが周囲の思惑を遥かに上回って、とんでもない、ある意味奇跡の一枚に仕上がってます。同じく ZE Records の有名なコンピレーションのタイトルを援用すれば、正に "Mutant Disco" !!次作は本人や周囲も勘違いしちゃったのか、本作に比べるとやや凡庸な出来。やはり天然さんは天然さんのままが宜しいようで。【Track Listings】01. Jungle Love02. Don't Be Greedy03. Mama Mia04. Interlude05. La Poupee Qui Fait Non06. Temporarily Yours07. Blame It On Disco- Bonus Tracks -08. Is That All There Is ?09. Disco Clone10. Drive My Car (Single Version)11. Ballad Of Immoral Manufacture12. Drive My Car (Long Version)
2012.02.12
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フランス出身の Lizzy Mercier Descloux が、ニュー・ヨークの ZE Records からリリースしたデビュー・アルバム。9 曲目以降は CD 化された際のボーナス・トラック。しかも残る 8 曲のオリジナル・アナログ盤収録曲の内、『スパイ大作戦のテーマ』でお馴染みの "Mission Impossible" を始めとして 3 曲がインストゥルメンタル。私は最初は多分ラジオで聴いたんだろうな。イントロのサンバ風パーカッションがあまりにもカッコ良すぎる "Fire" のシングル( "Mission Impossible" とのカップリングだったはず)を買った記憶があるんだが、その勢いでこのアルバムを聴いて腰が砕けそうになったことを覚えている。スカっぽいリズムの曲もあるけれど、基本はギターを中心にした簡素なファンク・ミュージックと言えそうな音なんですが、主役たる Lizzy の歌声が奔放過ぎてファンクに聴こえないところがスゴい。当時 ZE Records には極めてニュー・ヨーク的な音を得意とするレーベルと言うイメージがありましたが、これはどちらかと言えばイギリスの Slits や Raincoats なんかに近い感じがします。Lizzy はアフリカン・ミュージックに目覚めたり、かと思えばいきなりジャズを演り出したりと、その歌声の奔放さそのままの活動を繰り広げた後、2004 年に亡くなったそうです。なんとも掴みどころの無い音楽性であり、どう評価したら良いのか困惑しますが、少なくともこのデビュー作におけるジャケット・デザインの類稀なるクール・ビューティー振りだけは、今後とも語り継がれるだろうとは思います。【Track Listings】01. Fire 02. Torso Corso 03. Mission Impossible 04. No Golden Throat 05. Jim On The Move 06. Wawa 07. Tumour 08. Aya Mood 09. Mission Impossible 2.0 10. Rosa Vertov 11. Decryptated 12. Herpes Simplex 13. Larousse Baron Bic 14. Tso Xin Yu Xin 15. Nina Con Un Tercer Ojo 16. Birdy Num-Num 17. Hard-Boiled Babe 18. Morning High (duet with Patti Smith)
2012.02.11
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ハンガリーのゴシック・メタル・バンドの(現在のところ) 1st にしてラスト・アルバム。ハンガリーと言われてもなかなかイメージ湧きませんねぇ。首都はブダペスト。中学の地理の時間に必ずアホなこと言うヤツが出てきます。ハンガリー舞曲。ルービック・キューブ発祥の地。あと、Ramones のドラマー、Tommy Ramone がハンガリー出身です。我ながら貧困ですね。ところで、本稿の主人公たる Sunseth Sphere ですが、幾分芝居がかったヴォーカルの Kyrah 嬢の歌声は直截的に Kate Bush を想起させるし、なにやらいわく有り気な眼差しの女性のポートレイトをあしらったジャケット・デザインの耽美性、或いはブックレットのタイポグラフィにイギリスのインデペンデント・レーベル 4AD の影響が窺えるなど、メタルと言うよりはニュー・ウェーヴ寄りな印象を受けます。勿論いかにもメタル!って感じのギターも随所で聴けますが、それとてさほど耳障り(失礼)なものではなく、メタル嫌いの方にも十分希求する作品ではないでしょうか。ランニング・タイムは 40 分弱。しかも(曲名のクレジットはありませんが)ラストはインストゥルメンタル。食い足りなさが残ると言うか、なんとも罪作りな構成です。【Track Listings】01. L.S.D.02. Black03. Life After Light04. Arizona05. Sister Incest06. Gods Of Egypt07. (untitled)
2012.02.10
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イギリスはマンチェスターに存在したインディペンデント・レーベル、Factory Records の最初期を語る上で外す事の出来ない重要バンド。これは彼らの、(真偽の程は不明だが)「墓地」と名付けられたスタジオでの 4 トラック・レコーディングと、エレクトリック・ボールルームでのライヴをカップリングした 1st アルバム。オリジナルはカセット・テープのみで、しかも限定発売だった。確か 2 回目か 3 回目ぐらいのリ・イシューのカセットを手に入れて初めて聴いた。今聴いても悲しくなるぐらいショボい音。ヴォーカル(このシンガー、 Simon Topping が初期のキー・パーソン)はまんま Joy Division の Ian Curtis って感じですが、バックの音がとんでもなくクール。って言うか、単に開き直ってるだけか。いかにもファンクっぽいカッティングのギター。素っ頓狂ではあるけどトランペットも入っている。ベースもブイブイとチョッパー。でも、ファンクやってるつもりで全然ファンクに聴こえない。Gang Of Four とか Au Pairs とか同時代のファンク系ポスト・パンクの連中と比べても余りにも異質。体温低すぎ。「ファンク」と言う言葉から連想されるもの全てを削ったような音、と言えば解り易いかな。それでいて、ぎりぎりダンス・ミュージック。心を入れ替えたのか、3rd アルバムの "Sextet" 辺りから本当にファンクを演り始めてしまった彼ら。反省するとロクなことないのだが。懲りないおやぢ New Order を見習って(?)初期衝動のまま突っ走ってほしかった。【Track Listings】- The Graveyard -01. Do The Du02. Faceless03. Crippled Child04. Choir05. Flight06. I Fail07. Strain- The Ballroom -08. All Night Party09. Oceans10. The Choir11. The Fox12. I Fail13. Flight14. Genotype-Phenotype
2012.02.09
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Dr.Buzzard's Original Savannah Band のベーシスト、August Darnell が Cab Calloway よろしくズート・スーツに身を包んだ伊達男、Kid Creole に扮し、忠実なる助手 Coati Mundi を引き連れて魔都ニュー・ヨークを舞台に繰り広げるラテン大活劇の第 1 幕。スティール・パンの響きが心地好いサンバの "Bogota Affair" や、Savannah Band もしくは後の Elbow Bones & The Racketters を髣髴とさせるスイング・ジャズな "Maladie D'Amour"、なんともユルーい感じが南国風(?)眠気を誘う "Off The Coast Of Me" 等々、お気楽なんちゃってラテン音楽の数々が収められております。私が一番気に入っているのは、なんと言ってもいかがわしさがえも言われぬ The Coconuts のコーラス。時にしっとりと、時にご主人様を鼓舞するように、或いは逆に「これだから男ってヤツは・・・」と言わんばかりにからかうように、奔放な歌声を撒き散らしています。本国アメリカでどの程度売れていたのかは寡聞にして知りませんが、ここ日本では CM に出演してましたよね。確か。【Track Listings】01. Mister Softee02. Maladie D'Amour03. Yolanda04. Off The Coast Of Me05. Darrio06. Lili Marlene07. Bogota Affair08. Calypso Pan American- Bonus Tracks -09. There But For The Grace Of God Go I (12" mix)10. He's Not Such A Bad Guy After All (12" B-side)11. Darrio (12" disco mix)12. Yolanda (12" mix)13. Maladie D'Amour (Mutant Disco version)
2012.02.08
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ありきたりな言い方だが、天才故の孤独、或いは悲劇。余りにも恵まれたデビューであったが故に際立ってしまうのだ。メガロマニアックとでも評したい程にやたら長いアルバム・タイトル。それに反するようにカメラから目を背けたポートレイトの数々。自己顕示的なのか、それとも逆に逃避的、厭世的なのか理解に苦しむところではある。当時やたら Prince と比較されていた記憶があるのだが、冷静に聴いてみると Prince 程ファンク色は強くない。むしろイギリスで根強い人気のあった、所謂ブルー・アイド・ソウルに近いものがある。そしてなにより、誰もが羨望の眼差しを向けるこの声!(ちょっと言い過ぎか)。ややハスキーだが伸びやかな高音、或いはファルセットの美しさ。嫌いではないのだが、かの殿下の(人によっては)癇に障るような高音とは対象的だ。ヒットした "If You Let Me Stay" や "Wishing Well"、ファンキーな "Dance Little Sister"、本作のハイライトたる独りアカペラの "As Yet Untitled"。捨て曲無しとは正に本作のこと。次作以降の凋落振り(いや、私は全部好きだし、「凋落」とは思っていないのだけれど)や、現在の彼の境遇を考えるとなんとも複雑な思いなのだが、ここまで簡単に忘れ去られてしまっていい作品ではない。【Track Listings】01. If You All Get To Heaven02. If You Let Me Stay03. Wishing Well04. I'll Never Turn My Back On You (Father's Words)05. Dance Little Sister06. Seven More Days07. Let's Go Forward08. Rain09. Sign Your Name10. As Yet Untitled11. Who's Lovin' You
2012.02.07
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いかに時代がパンクに追い風だったとは言え、ここまでヘヴィーでサイケデリックな作品が、なんのキャリアもない新人の最初の作品として無事リリースされたことに先ずは驚かざる負えない。デビュー・シングルで、いかにもな東洋趣味が奇矯な "Hong Kong Garden" は、本国イギリス盤では未収録。このポップな作品があるとないとではアルバムのイメージは大きく違ってくる。なにしろ 2 分弱の不穏な雰囲気のインストゥルメンタル・ナンバーから幕を開ける本作、むしろ意図的にポップな部分を拒絶しているとしか思えない造りになっているからだ。Beatles のカヴァーである "Helter Skelter" や、Siouxsie Sioux の独りハーモニーが面白い "Mirage" などそこそこ楽しめるところはあるのだけれど、全体の印象はなんとも重苦しい。第 4 アルバムの "Juju" 辺りまで続く暗く屈折した Banshees サウンドとでも言うべきものの萌芽を感じることが出来る。なかなかレヴューでもお目に掛かる事が少ないので最後に書いときますが、初代ギタリスト John McKay の果たした役割は、初期 Banshees のイメージを決定付けるにあたって結構大きかったように思います。さすがに荒削りではあるけれど、ノイジー且つメタリックな彼のギターは Siouxsie のヴォーカル以上に本作のハイライトです。【Track Listings】01. Pure02. Jigsaw Feeling03. Overground04. Carcass05. Helter Skelter06. Mirage07. Metal Postcard (Mittageisen)08. Nicotine Stain09. Suburban Relapse10. Switch11. Hong Kong Garden (7" A-Side)12. The Staircase (Mystery) (7" A-Side)
2012.02.06
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怒れるティーン・エイジャー、Pop Group を産み落としたイギリスの港町、ブリストル出身のトリップ・ホップ・ユニット。1991 年リリースの 1st アルバム。ファンキーな "Safe From Harm"、レゲエをベースにした "Five Man Army"、ソウルフルなヴォーカルが印象的な "Be Thankful For What You've Got" 等々。自分たちが影響を受けた様々な黒人音楽のエッセンスを放り込みながら、出来上がった作品はストイックでクール。アルバム随一のダンス・ナンバー、"Unfinished Sympathy" ですら踊ることを拒否しているようにさえ思える。それは、贅肉を削ぎ落とせるだけ削ぎ落とし、無駄な音を一切排した性なのかもしれない。全体的にややくぐもったような、重苦しい空気感に支配されているような雰囲気なのだが、Pop Group 以来のブリストルの伝統かな、とも思いもしたりして。ただ暗いばかりではなく、ラストの "Hymn Of The Big Wheel" のなにやら崇高な響を感じさせる余韻に浸る頃には、7 曲目のタイトルではないが、白日夢のごとき危うくも甘美な陶酔感すら感じる程。良薬口に苦しではないが、ハッピーで気分を高揚させる音楽だけじゃなく、こんなダンス・ミュージック(?)もたまにはいかがでしょうか。【Track Listings】01. Safe From Harm02. One Love03. Blue Lines04. Be Thankful For What You've Got05. Five Man Army06. Unfinished Sympathy07. Daydreaming08. Lately09. Hymn Of The Big Wheel
2012.02.05
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女性ヴォーカルをフィーチャーしたポーランドのゴシック・メタル・バンド、2000 年リリースの 4 作目(多分)。かろうじて東西冷戦時代を生きた世代として、東欧のロック・バンドと言うだけでなにやら感慨深いものがあるのは私だけではないのじゃないか、と思います。ゴシック・メタルといってもゴリゴリのメタル一辺倒と言うわけではありません。エスニック風味が若干まぶしてあったり、トリップ・ホップっぽいアプローチがあったりします。「メタル」な部分はやや類型的な印象で、Moonlight ならでは、と言うところが見えにくい。むしろ Maja Konarska 嬢の艶やかな歌声が映えるのは「天国からの手紙」と言う意味らしい "List Z Raju" や、ラストにアカペラで切々と歌い上げる "Nic W Zyciu Nie Zdarza Sie Przypadkowo" などのスローなバラッド。とりわけ素晴らしいのは 5 曲目の、過去のレパートリーの再演らしい "Meren Re (Akt Ostatini)"。情感たっぷりに歌われるこの作品には鳥肌が立ちます。絶品。あと、特筆すべきはこの作品が全篇ポーランド語で歌われている点。なんとなく垢抜けない感じがしますが、それは私が耳馴染んでいない性も多少あるのでしょうが、ポーランド語そのものの語感に起因するところが大ではないかと思います。勿論これはネガティヴな意味合いではなく、むしろそこが美点だと強調したいです。英語版もあるようですが、もし聴くなら絶対ポーランド語版です。ちなみに、7 曲目は歌詞がないので(?)、タイトルもありません。って、ことでしょうか。【Track Listings】01. Tabu02. Lekarstwo Na Sen03. List Z Raju04. Taniec Ze Smiercia05. Meren Re (Akt Ostatini)06. Meren Re (Dobranoc)07.08. Obsesja09. Shadizar10. Kiedy Mysli Mi Oddasz11. Kochanka12. Nic W Zyciu Nie Zdarza Sie Przypadkowo13. List Z Raju (Videocip)
2012.02.04
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流行り廃りは世の常ですが、ことダンス・ミュージックの世界はそのサイクルも早い。クラブへ行くほどの元気も若さもない(自嘲)私としては、今なにが最先端なのか皆目見当もつきません。恐らく Oasis や Blur の人気が出始めた頃、私は所謂ブリット・ポップなるものにいかなる感慨も覚えることが出来ず、ロックそのものからも遠ざかるように、どんどんハウスやヒップ・ホップ、ファンクといったダンス・ミュージックに傾倒して行きました。そんな時に出会ったのが、高速の打ち込みドラムと重低音ベースを強調したダンス・ミュージック、ドラムン・ベースってヤツです。一口にドラムン・ベースと言っても中味は多種多様。それこそジャズ・ロックもプログレもグラムもメタルもなにもかもひっくるめて「ロック」と呼んでしまうのと同じこと。中でも一際ストイックでダウナーな音を作り出していたのが、この Photek でした。なにやら黒澤映画や東洋武術の信奉者らしく、その性かアルバム全体のトーンはジャケットに象徴されるがごとくモノクローム。ちょっと敷居が高そうに感じますが百聞は一聴に如かず。派手さはありませんが、聴く程に同じ白黒でもその中に幽かな濃淡の違いを見出すような、そんな面白さを感じることが出来ると思います。正直このアルバムを聴いても、「あっ、コレがドラムン・ベースだよ」と言える曲はそんなに多くありません。テクノ風であったり、或いはアンビエント風であったり。既に 1st アルバムにして、ドラムン・ベースの枠からはみ出してしまっています。【Track Listings】01. The Hidden Camera 02. Smoke Rings 03. Minotaur 04. Aleph 1 05. 124 06. Axiom 07. Trans 7 08. Modus Operandi 09. Kjz 10. The Fifth Column
2012.02.03
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Jimmy Somerville が Bronski Beat 脱退後にキーボード・プレイヤーの Richard Coles と共に結成したデスコでヒーバー!ユニット(おやぢ)。Bronski Beat より洗練はされているけれど、2nd アルバムの "Red" 程下世話ではない。ゲイでありながらコミュニストであるという Jimmy Somerville。私から見るとすごく矛盾しているように思えるんですよね。ソ連でもユーゴスラヴィアでも北朝鮮でもなんでもいいけど、社会主義国家におけるゲイの存在って、性的倒錯者扱いで粛清リストの上位に入ってそうなイメージないですか?一体彼(ら)は何を夢見ているのだろう。「民主主義」は彼(ら)にとってそれ程にも生き辛い世界なのだろうか。なんだかややこしくなりそうです。難しい話は取り敢えず隣の部屋の棚に上げといて。このアルバムの中に存在するすべての音がキラキラと輝いています。"Don't Leave Me This Way" に代表される哀愁のディスコ・サウンドが目一杯詰め込まれてますが、隅々にまで彼らの美意識が行き渡っている感じがします。この辺り Marc Almond と近いものがありますが、 Marc よりは、安っぽいと言う意味ではなく、お手頃感があります。隣の家のお兄さん的存在とでも言いましょうか。まあ、近所のお兄さんはこんな高音ファルセットで歌いませんが。余談ですが(?)、現行の CD ジャケットはオレンジと赤の余計なフレームが付いていて、お前らええ加減にせえよ!と言うぐらい酷いことになってます。Communards の作品は構成主義って言うんでしょうか、統一されたヴィジュアルですごく好きだったんですが。もうぶち壊しです。コンセプトもなにもあったもんじゃない。【Track Listings】01. Don't Leave Me This Way 02. La Dolarosa 03. Disenchanted 04. Reprise 05. So Cold The Night 06. You Are My World 07. Lover Man 08. Don't Slip Away 09. Heaven's Above 10. Forbidden Love 11. Breadline Britain 12. Don't Leave Me This Way (12" Meag Mixes)
2012.02.02
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Statik と KaRIN の男女 2 人からなるゴシック・インダストリアル・ユニット、Collide の 1st アルバム。1996 年のデビュー以来、既にライヴ盤、リミックス盤含めて 10 枚近い作品をリリースしているので、この方面ではすっかりベテランです。「ゴシック・インダストリアル」なんて言うとなんだか怖そうな感じですが、案ずるより生むが易し。なにしろカリフォルニアはロサンゼルスの出身ですから(?)、聴いてみると結構ポップです。そこかしこでなにやら金属が打ち鳴らされたり、不吉な SE が流れたりとダークな意匠は纏っていますが、打ち捨てられた雷雨の墓場程の暗さはなく、せいぜい逢魔が時の古びた洋館程度のライト感覚です(って、解りにくい例えだ)。やはり KaRIN 嬢の妖艶な歌声に引き寄せられます。声質上ミディアム~スローな曲がしっくりときます。まさに正気とも夢ともつかない空間を彷徨っているかのような "Dreams And Illusions" が特にお気に入りです。この後、作品を追う毎にゴシック色は薄れており、少し残念が気がしています。【Track Listings】01. Violet's Dance02. Beneath The Skin03. Falling Up04. Deep05. Black06. Strange07. Dreams And Illusions08. Have Faith09. Pandora's Box10. 95&711. Deep(Christ Analogue remix)12. Beneath The Skin(Subconscious remix by Cevin Key)
2012.02.01
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