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ティファニーで朝食を(トルーマン・カポーティ/龍口直太郎|出版社:新潮文庫) 映画の原作。原作の小説があることは知らなかった。 むかし、こういうタイトルの映画があることを知った時、てっきりティファニーというのはレストランに違いないと思いこんでいた。実は宝石店であるということを知ったのは大学を卒業してしばらくたってからのことだ。 映画は見たことがない。しかし、どうしてこれを映画化しようとしたんだろう。 ほかに、「わが家は花ざかり」「ダイヤのギター」「クリスマスの思い出」の三編が収められているが、この三編のほうがよほど映画化しやすいだろう。 「わが家は花ざかり」は表題作と同じような状況で育った女が主人公なのだが、結末は全く違う。「ダイヤのギター」は、話はよく分かるし、印象にも残る。 中でも、「クリスマスの思い出」は、泣かせる話だ。欧米のものによくある、貧しいながらも幸福だった幼少期の思い出ものなのだが、欧米の人って、子供の頃は貧しくても幸福なのに、大人になると、どんなにお金があっても不幸になってしまうのだろうか、とさえ思わせる。 訳者は、この本が出版されたときニュー・ヨークにおり、ディファニーに食堂があるかを確かめに行ったという。訳者にとっては、映画化されたのは原作を知ったずっと後のことであり、映画に対してはいろいろと故障を申し立てているのが面白い。映画と原作とはだいぶ趣が違うようだ。
1999.09.09
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グリム、アンデルセンの罪深い姫の物語(著者:松本侑子|出版社:角川文庫) 作者の名前を見たとき、「ニューステーションに出ていた人だな」と思ったが、その通り、テレビ朝日に勤務していたことがあると著者紹介にあった。 非常に明確な意図を持って書かれた小説集で、どのような意図を持って書いたかというのは「あとがき」に詳しい。 グリム童話やアンデルセン童話における女性への説教臭い部分を強調し、話の後にパロディーとして「教訓」をつけている。 頭の良さを感じさせる本なのだが、こういう人でも、「人はすべからく死ぬ」(p13)などという表現をしてしまったりするのだなあ。(「すべからく」は「必ず~しなくてはならない」の「必ず」にあたる語であり、「すべて」という意味ではない) 『本当は恐ろしいグリム童話』という本が出たときに、「何をいまさら」」と思って立ち読みもしなかったのだが、かなり売れているらしい。そして、その本にはこの本からの盗作が多いということを最近知り、読んでみた。 『本当は……』以来、グリム童話関係の本の出版、復刊が相次いでいるようだ。この本の文庫化が今年の五月ということは、角川書店も、その流れに乗って文庫化したのだろう。
1999.09.04
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