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今日のまとめ米国株にも日本株同様「中国関連銘柄」は存在するカミンズは早くから中国、インドの潜在力に注目したエア・プロダクツは世界の景気に業績が連動するサザン・コッパーは銅の市況に業績が左右されるミード・ジョンソンは中国の粉ミルク市場で最も信頼されるブランドビーコはLED製造装置のリーダー企業新興国に関係の深い先進国企業皆さんは日本株の中に「中国関連銘柄」と呼ばれる銘柄群があることをご存じだと思います。それらの日本企業は輸出などを通じて直接、間接的に中国経済の成長の恩恵を蒙ります。これと同じように新興国での売上比率が高く、BRICsをはじめとした新興国の経済成長で恩恵を蒙るアメリカ企業が存在します。今回はそのような企業をハイライトしたいと思います。カミンズカミンズ(ティッカー:CMI)は大型トラックのディーゼル・エンジンやディーゼルを燃料とする発電装置のメーカーです。本社はインディアナ州コロンバスにありますから「衰退するアメリカの製造業」をイメージしがちです。しかしカミンズはインドや中国に代表される新興国市場の成長性に早くから注目し、それらの市場に足がかりを築いてきました。カミンズの中国でのジョイント・ベンチャーの売上高は年率30%で伸びています。カミンズは1975年に中国に進出しました。一方、カミンズのインドでのジョイント・ベンチャーの売上高は年率17%で伸びています。同社がインドに拠点を構えたのは1962年に遡ります。カミンズはまた研究開発にとりわけ注力し、高い技術力を持っています。このためディーゼル・エンジン・メーカーという地味な業種にも関わらず過去5年の売上成長率は年率8.5%、EPS成長率は年率30%を実現しています。エア・プロダクツエア・プロダクツ(ティッカー:APD)は酸素、水素、ヘリウムなどの気体を製造販売している企業です。それらの製品は製鉄業や半導体、航空宇宙、化学、食品など多くの用途に使用されます。同社の海外売上比率は61%に達しています。同社は中国にたいへん力を入れています。顧客の工場に隣接する形で工場進出し、長期的な供給契約を結んでいます。過去5年間の売上成長率は年率6%で、EPS成長率は12%でした。なお同社の製品への需要は世界の景気サイクル、とりわけ製造業の活動に密接に連動しています。同社では世界全体での製造業の成長率は年率3~4%を見込んでいます。エア・プロダクツの営業マージンは25%、純利益マージンは12%、株主資本利益率は19.5%です。サザン・コッパーサザン・コッパー(ティッカー:SCCO)は確認埋蔵量ベースで世界最大(5540万トン)の銅の生産会社です。生産高(2010年で約500キロトン)ベースでは世界第6位です。同社の銅山はペルーとメキシコにあります。同社はメキシコのコングロマリット、グルーポ・メヒコの関連会社ですが本社所在地は米国アリゾナ州フェニックスです。売上構成は銅が71%、モリブデン15%、銀5%などとなっています。銅は主に電線や建設向け市場で消費されます。また地域別では中国からの需要が最も大きいです。銅を生産する際のサザン・コッパーの採掘コストは1ポンド当たり$1.50に過ぎず、現在の市況価格(=約$4.40)の下ではたいへん儲かります。ミード・ジョンソンミード・ジョンソン(ティッカー:MJN)は赤ちゃんの粉ミルクのメーカーです。同社は粉ミルクでは世界最大のメーカーです。その代表ブランドは『エンファミル』です。同社は製薬会社、ブリストル・マイヤーズの一部門でしたが2009年に分離IPOされました。現在、ブリストル・マイヤーズはミード・ジョンソンの発行済株式数の55%を所有しています。世界の粉ミルク市場は年率10%という、食品業界の中では高い成長を示しており、新興国での需要の伸びが著しいです。とりわけ中国は度重なる汚染粉ミルク事件で国内ブランドの人気がすっかり無くなってしまい、9割が輸入という状態になっています。その恩恵を最大限に蒙るのは「最も信頼できるブランド」という評価を得ているミード・ジョンソンです。同社の中国での売上高は年率26%で成長しており、全社売上高の25%を占めています。ミード・ジョンソンの今年の営業マージンは25%、純利益マージンは15%が見込まれています。同社の株価は中国での成長を織り込んでかなり割高になっています。ビーコ・インスツルメンツビーコ・インスツルメンツ(ティッカー:VECO)は発光ダイオード(LED)製造装置市場でリーダーの存在です。発光ダイオード市場は今後テレビ以外のディスプレイ向け市場、ならびに一般照明向け市場が急成長すると見られているため、今後10年間、年率21%成長が見込まれています。このためLED市場にはSamsung、LG、シャープなどが参入していますが、それらの世界のLEDメーカーの実に80%に対してLED製造装置を納入して、40%以上の市場占有率を誇っているのがビーコです。同社の主力製品は「K465i」という機種で、有機金属化学的気相成長装置(MOCVD)という方式を用いています。中国、台湾、韓国などのメーカーはいまLED事業の拡大に力を入れておりビーコからMOCVDシステムをどんどん購入しています。同社の問題点はメーカーの設備投資サイクルは振幅が激しいという事です。現在は設備投資サイクルが上昇サイクルに入っている関係で同社の業績は伸びています。
2011年04月26日

今日のまとめ中国の輸入・輸出とも大きく反発した物価には依然上昇プレッシャーが働いている先月のスローダウンは春節絡みの一時的要因だったことが確認できた貿易統計中国の3月の輸出は前年同期比+35.8%の1,522億ドルでした。また輸入は+27.3%の1,521億ドルでした。2月の輸出が前年同期比僅か+2.4%と減速したため、これが春節(旧正月)による一時的な要因なのかどうか市場参加者の関心を呼びました。今回の数字が急反発したことから、やはり2月の数字は春節による一時的なスローダウンだと結論付けて良いと思います。物価統計中国の3月の消費者物価指数は前年同期比+5.4%でした。これは2月の+4.9%から若干加速しています。3月の生産者物価指数は前年同期比+7.3%でした。こちらも2月の+7.2%からさらに加速しています。中国人民銀行は既に今回の物価統計発表前に預金金利と貸付金利を引き上げていますので今回の数字にはサプライズはありません。依然としてインフレ懸念は払しょくされていないものの中国人民銀行のインフレ退治は最終局面に入りつつあると思います。小売売上高3月の小売売上高は前年同期比で+17.4%でした。2月の数字が+15.8%にとどまり(おやっ?)と思わせましたが、下のグラフにあるように今回成長が或る程度戻ったので投資家は安心しています。鉱工業生産3月の鉱工業生産は前年同期比で+14.8%でした。これは1&2月の+14.1%より加速しています。以上をまとめると2月に見られた一連の経済指標の悪化は春節に絡む一時的なものであり、中国経済が変調したわけではないことがおおむね確認できたと言えます。
2011年04月18日

今日のまとめ新興国株式が冴えなかったのはインフレ退治が優先したから先進国が利上げサイクルに入ったので新興国は肩の荷が下りた新興国株式ファンドへ資金が流入しはじめている新興国株式市場が冴えなかった理由去年から今年にかけてのBRICsのパフォーマンスはロシアを除けば期待外れでした。その理由は先進国で実施されてきた低金利政策が新興国におけるインフレを誘発し、このインフレ退治のために新興国各国は相次ぐ利上げを余儀なくされてきたからです。つまり先進国 = 緩和新興国 = 引き締めという構図になっていたのです。転換期を迎える先進国の金利政策しかし先週、欧州中央銀行(ECB)が政策金利をそれまでの1%から1.25%へと引き上げたことで先進国の金利政策は新しい局面に入ったと言えます。アメリカに関しては6月に追加的量的緩和政策(=いわゆるQE2)が予定通り完了するものと予想されています。そして今年の10月頃からFRBがいよいよFFレートを引き上げ始めると市場関係者は見ています。先進国の利上げは新興国株式にとってプラス先進国の利上げは新興国株式にとってプラスです。その第一番目の理由はこれまで新興国だけに任されていたインフレ退治の責務が先進国の中央銀行にも役割分担されることで、その分、新興国の中央銀行の重荷が取れるという事にあります。二番目の理由は先進国が利上げサイクルに入ると先進国経済は鈍化し、投資家は次第にインフレではなく経済成長の欠如を心配しはじめると思うからです。その場合、新興国の方が先進国よりGDP成長率が高いので「もう一度敬遠していた新興国を見直そう」という機運が高まると予想されます。国際間の資金は既に逆流しはじめている1月中旬以来インフレ懸念やイベント・リスクを嫌気して新興国株式ファンドからは資金が抜け出していました。しかしここへきてようやく新興国株式ファンドに資金が戻り始めています。それではどの市場に注目すれば良いのでしょうか?私の考えでは先駆けしていたロシア市場よりインフレ対策に手を焼いてきた中国、インド、ブラジル、ベトナムなどの国々の方が「安堵のラリー」が期待できるように思います。
2011年04月11日

今日のまとめシンガポールは貿易立国を目指したリーマン・ショックからの立ち直りは早かった最近では知識集約的産業への傾斜を強めているシンガポールの歴史シンガポールは13世紀頃には既に交易の中心として世界の商人たちにその存在を知られていたと言われています。こんにちのシンガポールの基礎を作ったのはスタンフォード・ラッセル卿で、1819年に英国東インド会社の交易所を設置したのがそのはじまりです。その後、シンガポールは1942年から1945年にかけて日本に占領されていました。自治権の獲得は1959年、独立国の誕生は1965年です。独立後の経済の足取り1960年代のシンガポールは労働集約的な産業が中心でした。しかし早くも1970年代には熟練工を中心とする製造業へと脱皮し、さらに1980年代には資本集約的な産業へと経済の軸足が移ります。1990年代にはハードディスク・ドライブなどに代表されるハイテク産業が中心となり最近はバイオテクノロジーや金融やエンターテイメントなど技術革新や情報発信に重点を置いた産業政策を取っています。シンガポール経済の特徴シンガポールの特徴は国全体が世界の交易の中心に位置し、その中継や仲介によって対価を得ているという点です。また同国の500万人の住民のうち約3分の1が非シンガポール人であり、コスモポリタンかつ多言語の社会を構成しています。これは交易立国を目指す国としてはとても有利な条件です。シンガポールは取扱トン数で世界第一の港です。2010年のシンガポールの貿易額は7,050億米ドルであり、これは同国のGDP2,370億米ドルの約3倍です。なお一人当たりGDPは4万7千ドルです。シンガポールの貿易相手国は東南アジアのみではなくEUや米国をも含んでおり、真にグローバルです。シンガポールのGDPの内訳を見ると製造業だけでなく卸・小売業、サービス業、金融業、運輸倉庫業など貿易や商業の仲介に関係するビジネスが多いことがわかります。なお製造業の内訳ではエレクトロニクス、バイオメディカル、運輸エンジニアリングなどが上位に来ています。経済のパフォーマンス近年のシンガポールの経済のパフォーマンスはすこぶる良いです。上に述べたように同国は世界の貿易にガッチリと組みこまれており、しかもGDP規模の3倍にも相当する貿易額を誇っていることから逆にリーマン・ショックのような事件が起き、世界経済がスランプに陥ると大きく打撃を受ける構造になっています。このためリーマン・ショックが起きた後、IMFはシンガポールのGDP成長率が-8%になると予想しました。しかし実際にはそれよりも遥かに軽微な経済の緊縮(-1.3%)にとどまりました。ITを中心とした世界的な在庫調整は短期間のうちに終了しました。物流が息を吹き返すとともにシンガポールの幅広い経済分野で回復が見られました。雇用市場も急速に回復し、リーマン・ショックで失った雇用を補って余りある新しい雇用機会が創出されています。銀行の融資の回復もアジア通貨危機の時より急速でした。不動産価格はリーマン・ショックの後、急激に下げましたが今は危機前の水準まで戻りました。シンガポール政府は健全な収支バランスを維持しています。現在はリーマン・ショック時に講じた景気刺激策は終了し、金融政策も平常に戻っています。このようにシンガポールの回復が際立った背景には政府の強力な指導の下、より付加価値の高い、世界に向けて開かれた、知識集約的な産業へとアグレッシブにシフトしたことが原因であると言えます。
2011年04月01日
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