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小さな分校で子供達を教えている夫婦が老画家から預かることになった娘は年齢的には小5ながら学校に入っておらず、学力も運動能力も礼儀作法も、日常の生活さえも同年代の子供を遥かに下回るものしか持っていなかった。初めは寛容に接していた夫だったがなかなか進歩しない少女に苛立ちを感じ、やはり親許で育てた方が良いのではないかと考えるようになる・・・自らの体験を元に教育や子供というものの難しさ、不思議さが描かれている。 良くも悪くも素朴さ、古臭さが印象に残る一殺。
2003年04月30日
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荒れた海でのダイビングと民宿の豪快な食事をの思い出を綴った表題作の他、旅の体験や日常の怒り、信念などを中心とした内容のエッセイ集。著者の得意分野(?)だけに安定した出来で、特に食べ物と旅の描写は読んでいて気持ちが良い。 おすすめの一殺。
2003年04月29日
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海岸で暴行を受けていたのを主人公に助けられた女性は記憶を失っていたが、何故かある日付を覚えていた。それは東京サミットの開催日であり、彼女が何らかの事件に関わっているのではないかと考えた主人公は調査を開始した。一方その頃、気象庁の地震観測室では関東・東海地方が異常なデータを示し始め、しかも対策本部に先行するようにニセの地震災害警戒宣言が流れ、都心はパニック状態となる。アイディアとしては悪くないが、展開が都合良すぎてやや陳腐。内容も上手く消化し切れていないと言うか、ちぐはぐな印象で企画倒れの感の強い一殺。
2003年04月28日
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著者の経験や小説を通した恋愛観を綴ったエッセイ集。女性、特に大人の恋愛を多く描いている著者ならではの考えはやはり自分とは違うものがあって興味深い。共感や理解からはやや遠いが、だからこそ読む価値あり。
2003年04月27日
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著者が当時の児童文学に納得がいかず、自分の子供達のためにも良き精神の糧を与えたいというきっかけで綴った童話集。綺麗事やお涙頂戴でないシビアな内容が好感が持てる。童話はあまり好きではないが、小説としても読める一殺。
2003年04月26日
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日本映画、教育、法律、地方自治体、いまどきの風潮・・・なかなか怒ることのできない著者が我慢できないくらい納得のいかない様々な仕組みや出来事を叱り倒すエッセイ集。どれも納得のいく内容なのだが、遠吠え的と言うか、書いても仕方の無い印象もある。 それでも書かないよりはいいし、筋は通っているので読み心地は悪くない一殺。
2003年04月25日
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著者の日常、思い出、旅行記などを綴ったエッセイ(?)集。パート1とはあまり関係があるようには感じないが、軽妙と躁狂のバランスが見事な内容、文章は相変わらず面白い。マンボウシリーズが好きなら安心して薦められる一殺。
2003年04月24日
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妻として、そして優秀なプログラマーとして夫を支えてきたが、会社が大きくなってくると夫は若い女に浮気し、愛想を尽かして家を出た主人公は、自分の痴態を撮影した画像とメールアドレスがインターネットで公開されていることを知り、主人公や浮気相手のみならず、安易に使え、管理の杜撰なインターネット社会への復讐を決意した。 その手段とは・・・インターネットやプログラム、そしてそれらの孕む問題という題材をいち早く取り入れた内容や、緊迫感のある展開は評価できるが、焦点が絞り切れていない印象で、読み終わった後に残るものが少ない。 読み物としては悪くない一殺。
2003年04月23日
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洋食の「たいめいけん」、「煉瓦亭」、「資生堂パーラー」、鰻の「前川」、蕎麦の「まつや」、「刀屋」に寿司の「新富寿し」、「松鮨」など、著者の愛する昔ながらの味と気風を守り続ける数々の店の姿や思い出などを綴ったエッセイ集。技術も大切ながら、それだけでは説明のできない味わいが人間の生活と密着している食べ物の奥深さを感じさせる一殺。
2003年04月22日
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同棲して5年、彼は新鋭作家の道を歩き始め、徐々に生活は豊かになってきたが、顔が売れ、人気が出るにつれて彼は主人公の存在を隠し始めた。 今に始まったことではない浮気は気にしないよう努めていたものの、都合のいいように使われているうちに徐々に傷が深まってゆく。設定は悪くないが展開が都合良過ぎる印象が強い。男女間の心境はそれなりに良く描けている一殺。
2003年04月21日
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乞食芸人の父母に拾われ、少女の格好をさせられて踊って銭を貰っていた主人公はワイセツな踊りをやったということで父母ともども警察署へ引っ張られるが、物怖じしない態度と受け答えの面白さから、知事の前で踊りを披露することになる。1人の少年が県の浮沈に関わる大事件に巻き込まれてゆく数奇な運命を綴った作品。文体や内容に独特の雰囲気があって面白いが終わり方が唐突。しかし「ドグラ・マグラ」よりは全然読み易く、お薦めの一殺。
2003年04月20日
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至上主義ではないものの、好んで(?)貧乏旅行でアジアやインドなどを回っている著者が各国で体験した様々なホテル、食事、生活そのた旅の諸々を綴った紀行文です。やや線の細そうな文体の割に内容はサバイバルで面白い。巻末対談が大槻ケンヂ、寄稿が宮沢和史というのもポイント。
2003年04月19日
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昔ながらのこじんまりとした質屋を経営する人の良い女性、娘が結婚したせいで家の居心地に微妙な違和感を感じ、彼女の店の二階に下宿しながら警備員をする男性、初老の2人を中心とした人間模様を描いた短編連作集。全体的に穏やかな雰囲気が漂い、読みやすい一殺。
2003年04月18日
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女と駈け落ちし、20年以上も音信不通だった父が死んだという突然の知らせを受け、墓参りついでに幾つかの遺品を引き取った主人公だったが、その直後から彼の周囲が慌しくなってきた。調べてみると、父はある莫大な富の眠る島に関する情報を持っていたらしく、それを巡って熾烈な争いが展開されてゆく。さすがに良く纏まっており、設定も悪くないがキャラクターに魅力が感じられない。 機会があったら読んでもいい、程度か。半ばどうしようもない気もするが、タイトルも捻りが欲しい。
2003年04月17日
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何か満たされぬもの、取り戻せぬものを埋めるかのように繰り返す「情事」、少しずつ噛み合わなくなっていった夫婦が帰郷する「誘惑」、男女間の微妙な心理を綴った作品。世間的には「情事」の方が評価が高いようだが在り来りの内容で特に印象に残るものが無い。 寧ろ「誘惑」の不思議な乾燥感のようなものがある雰囲気が面白い。
2003年04月16日
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自分でも良くわからないうちに応募し、採用された出版社での生活や出会った人々を描いた自伝的作品。 若さと不思議な倦怠感のようなものが漂う雰囲気が独特な一殺。
2003年04月15日
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時代物の中でも1ジャンルを形成する捕物系(?)の先駆けとも言える作品。 岡っ引きをやっていた老人に主人公である新聞記者が茶飲み話がてら昔の事件を聞き綴るという形式の短編集で、人間模様も味わい深く後続に引けを取らない一殺。
2003年04月14日
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様々な大人の男女関係を描いた短編集。良くも悪くも俗っぽいキャラクターで親しみは持てるがやや類型的な印象も受ける。 内容には合っている。
2003年04月13日
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ある本がきっかけで恋人やその友人の言動に鼻持ちならない嫌悪を感じるようになって彼との関係に苦しむフラニー、そんな妹を気遣いながらも独自の思考体系を持つゾーイー、兄妹を中心とした人間模様を描いた作品。心理描写には鋭いものがあるが、今一つ伝わってくるものがない。
2003年04月12日
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旧満州時代から寄生虫の研究を続け、世界で唯一の寄生虫専門の博物館を開設した権威中の権威である著者が体験、見聞した様々な寄生虫についての話を綴ったエッセイ集。得手不得手が大きく分かれる題材だが、こういう作品は少なく非常に興味深く読める一殺。
2003年04月11日
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知能障碍者だった主人公がある実験的な手術と訓練によって天才的なレベルにまで知能を伸ばすことに成功した。しかしその知能と引き換えに彼は多くのものを失ってゆき、更に・・・ 知能や心、人間について考えさせられる力作。
2003年04月10日
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気は短いが親分肌で情に篤く、理不尽なことは許せない。実在の人物をモデルに、ある大工の棟梁の生涯を綴った作品。三浦綾子の作品の割には信仰色が薄く、主人公も独特で興味深く読める。 やや臭い印象もあるがまずまず読める。
2003年04月09日
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我が家の風呂から突然、髷を結った老人が浮かび上がってきた。旧徳川幕府の御庭番と名乗る彼は現代の世界にただ驚くばかりだったが、それ以上に敗戦後の日本に忠義の心が失われてしまったのを嘆き、自ら命を絶ってしまう表題作の他、ひたすら中国から東へ向けて海を渡り旅する「東海の島」、大国の力を借りて戦争を仕掛けてきた隣国に独立間も無い貧しい国が打った起死回生の「イッヒッヒ作戦」など、歴史、タイムスリップを中心としたSF短編集。題材も内容も玉石混淆の感があるが無難に読める一殺。
2003年04月08日
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野球を中心に、様々なシーンを演出した男達の舞台裏やその後など、あまり光の当たらなかった部分に視点を当てたノンフィクション。さほど珍しいという程の題材でもないが、野球がわからなくてもそれなりに読ませる仕上がりの一殺。
2003年04月07日
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徹底的に口やかましい国分寺書店のオババに古本を売りに行こうとして敗北し、その帰りに自転車の無灯火で警官に呼び止められ、ありとあらゆることを分析しては怒りの炎を燃やす著者の若き日のエッセイ集。荒削りで若干纏まりは無いものの、話の膨らませ方が面白い。
2003年04月05日
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真っ直ぐで個性や感情を出し過ぎるが故に現代社会から逸れ、毎夜ヘヴィ・メタル・カフェに集っていた若者達が何かを求め北海道を目指して走り出した。 強烈なキャラクタ同士のぶつかり合いを通して人間らしさを考えさせられる一殺。
2003年04月04日
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内ゲバに遭って家へ逃げ込んできた女子学生を抱いたことにより2通りの展開を見せる大学教授の並列世界を描いた表題作やアポロ11号打ち上げにより急にひっぱりだこになったSF作家のドタバタ「巷談アポロ芸者」、カミュの「ペスト」を上回る(?)「コレラ」など、時代を感じさせる短編集。題材はやや古いものの内容や展開は今でも新鮮な読み心地の一殺。
2003年04月03日
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身体に恵まれ、空手やムエタイをかなり使い、自分の強さに自信を持っていた主人公がプロレス、関節技に負けたことがきっかけで考えを改めて一から鍛え直し、様々な立ち合いを経てゆきながら実戦空手、プロレスを巻き込んだ格闘界の大きな動きの中心になってゆく。強さとは何か、勝負とは何か、飽くなき追及が伝わってくる。まだまだ先は長そうで楽しみな作品。
2003年04月02日
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ウチナーグチ(沖縄語)で“わが島の話”という意味の表題通り、沖縄の小島で暮らす少女と老婆の自由奔放な交流を中心に、神様のお告げで巫女にされてしまうまでの騒動やそれまで島で一番の巫女として君臨していた強欲な女とのいざこざ他様々な出来事、人間模様を描いた作品。人間の在り方や自然の雄大さ、生命力が感じられる。
2003年04月01日
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