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オルフェレウスは、ミハエルをつれてパリの邸宅へと帰宅した。「おかえりなさい、兄さん。」ソロモンはそう言って兄に微笑んだ。「ソロモン、お前に会わせたい奴がいる。」「僕に・・会わせたい人?」「入れ。」オルフェレウスはソロモンの前にミハエルを押し出した。「パパ、パパなの?」ソロモンは、目の前に立っている少年を見た。蒼い瞳が、自分を見つめた。あの人と同じ、蒼い瞳・・「ミハエル?」そっと、我が子の名を呼んでみる。「パパ、パパぁっ!!」ミハエルはそう言ってソロモンに抱きついた。「ミハエル・・」やっと、会えた。愛する人が産み落とし、捨てられた我が子。この世の憎しみと怒りを糧に、この子は生きてきた。「パパ、会いたかった!」ミハエルは、ソロモンの腕の中で泣きじゃくった。「僕も会いたかった・・」ソロモンはミハエルをギュッと抱きしめた。父と子は、16年ぶりに再会を果たした。いままで闇の中で怒りと憎しみに震えていたミハエルの心に、父親と会えて初めて光が差した。-第8章・完-あとがきフランス編、終了しました。次回はベトナム編です。ヴァチカンからの刺客がルド様達に迫ってるし、戦争の影が差してるし・・色々波乱尽くしの展開になります。
2007年12月14日
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ユリウスとルドルフがハノイ近郊の村で静かに暮らしている頃、パリの路上では1人の少年が残飯にかぶりついていた。「何をしている?」声をかけられ、少年は振り向いた。トルマリンと蒼のオッド・アイ。オルフェレウスはようやく探していた人物を見つけた。「ミハエルか?」「そうだけど・・おじさんは?」「私はオルフェレウス。お前を守り、愛する者だ。」「嘘だ、みんな僕のことを傷つけて、憎む奴らばかりだ。」ミハエルはそう言ってオルフェレウスを睨んだ。「みんな大嫌いだ!僕を捨てたママ達・・いつも僕をいじめる奴ら・・みんなみんな、大嫌いだっ!」「お前の父親に会わせてやろう。」「僕に・・パパがいるの?」「ああ、そうだ。お前は母親に捨てられたが、父親はお前に会いたがってる。」オルフェレウスはミハエルに微笑んだ。「パパが・・僕に・・」ミハエルの目が、驚きで大きく見開いた。そして彼は、大粒の涙を流した。「お前は、1人じゃない。お前を憎む奴はいる。だが、愛する奴はもっとこの世にいる。」オルフェレウスはそう言ってミハエルを抱きしめた。「闇の息子よ、涙を拭うのだ。」「うん・・」ミハエルはハンカチで涙を拭った。「お前の父親に会いに行こう。」「うんっ!」ミハエルとオルフェレウスの姿は、やがて闇の中へと消えていった。
2007年12月14日
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1960年、イタリア・ヴァチカン市国。今日も法王とその部下である枢機卿、そして“黒薔薇”達がルドルフについて会議をしていた。「ルドルフは現在、従者とともにハノイ近郊の村にいるそうです。従者ユリウスは数年前会社を設立し、大企業へと成長させ、現在ロンドン、NY、ウィーンなどに支社を設立しております。」「商才に長けた司祭だ。」法王の傍で部下の報告を聞いていた枢機卿の1人がそう言って笑った。「インドシナか・・あそこはかつて、フランスの傘下にあったな。」「はい。2人の居場所は掴んでおります。その村に宣教師として潜入し、2人の息の根を止めましょうか?」「いい案だな。」法王はにやりと笑った。後日、ユリウス達がいる村にヴァチカンの司祭が2人、宣教師として派遣された。かくして陰謀の歯車は動き始めた。
2007年12月14日
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パリの一等地にある街区にそびえ立つビルの社長室で、ユリウスは黙々と仕事をこなしていた。「社長、今入ってもよろしいでしょうか?」ドアがノックされ、ドアの向こうから若い男の声がした。「入りなさい。」「失礼いたします。」ドアが開き、高級なスーツを着た黒髪と蒼い瞳をした青年が入ってきた。ユリウスの社長秘書・アランである。「何か用か、アラン?」「インドシナ支社設立について、お話があるのですが。」「その話なら断ったが・・」「それが、インドシナ政府の方から我が社の力が欲しいと・・」「そうか・・」ユリウスはそう言って唸った。インドシナ(ベトナム)は今難しい情勢の只中にある。パリでの仕事を放って、インドシナに向かうわけにはいかない。「・・わかった、インドシナ支社については検討しよう。」仕事を終わらせ、ユリウスは帰宅してルドルフにインドシナ支社のことを話した。「そうか、インドシナか・・お前がそうしたいなら、私は反対しない。」ルドルフはそう言ってユリウスに微笑んだ。ユリウスはインドシナ支社設立のため、ルドルフと2人、インドシナへと旅立った。パリの本社はジュリオとサリエルに任せた。「これから何が起こるかわかりませんが・・私についてきてくれますか?」「何を今更。忘れたのか、あの日の誓いを?」「・・忘れてなどおりませんよ。」ユリウスはルドルフの唇を塞いだ。
2007年12月14日
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週刊誌には、『男を騙し丸裸にした悪女・クララ、闇の遍歴』という見出しがクララの笑顔の写真とともに出ており、記事にはクララが行ったいままでの悪事が事細かに書かれてあった。(一体誰が、こんなことを・・)クララの脳裏に、ルドルフの冷たい笑みが浮かんだ。「これで、あの女もおしまいだな。」「ええ。警察にも連絡しましたし、全てが明らかとなった以上、彼らはもう終わりですね。」記事の影響を受け、クララの父親の会社は倒産し、父娘は莫大な借金を抱えて路頭に迷う羽目となった。「お父様、わたくしもう疲れたわ・・」「私もだ・・」かつて政財界の大物だった男と、社交界の華だった女は、路上で変わり果てた姿となって見つかった。「因果応報、というやつだな。」「ええ。」
2007年12月14日
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「お帰りなさいませ。」ユリウスはそう言ってルドルフのコートを脱がせた。「ただいま。」「作戦は上手くいきましたか?」「ああ。サリエルにも協力してもらった。お前の情報であの女の正体がわかった。礼を言う。」ルドルフはサリエルに微笑んだ。「お前の役に立つのなら、俺はなんだってしよう。」サリエルはそう言ってルドルフに手を差し出した。ルドルフはサリエルの手をしっかりと握った。「今日はどこか食べに行きましょうか?」「ああ。」ルドルフたちは家族揃って最近よく行く店へと向かった。「あの女、どう出てくるかな?」ジュリオはそう言って白身魚をフォークに刺した。「さぁな。だが私はあの女を破滅させてやる。」「僕も手伝うよ。」ジュリオとルドルフは、互いに微笑み合った。同じ頃、クララは怒りに震えながら帰宅した。「あいつら、絶対に許さないわ・・」クララはそう言ってドレスを乱暴に脱ぎ捨てた。あんな男の思い通りにさせてたまるものですか。ルドルフへの憎しみに支配されながら、クララは眠りに就いた。翌日、ルドルフは雑誌社の記者をアパルトマンに呼んだ。「興味深い話とは、一体なんでしょうか?」「実は、ある女性のことで・・」「なんなの、これはっ!」クララは友人が読んでいた週刊誌を見てそう叫んで気絶した。
2007年12月14日
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「お待たせしたかしら?」1時間後、クララが化粧室から出てきた。「いいえ、彼と2人であなたについて話してましたし。」そう言ってジュリオはサリエルと微笑み合った。「まぁ、わたくしのことを・・?」クララの頬が、少し赤くなった。(ミッションワン、成功。)「あなたがどんなに魅力的で美しく、すばらしい女性であるか・・彼と話しておりました。」会場を出た3人は、パリ市内の高級ホテルにあるスイートへと向かった。「こんなところに私たちが入っても大丈夫なんですか?」「大丈夫ですわ、ここはわたくしの家みたいなものですから。」「へえ~、すごい方なんですね。」「まぁね・・で、わたくしについて興味深い話って、何かしら?」クララはそう言ってジュリオとサリエルを見た。「あなたの黒い噂を。いままで何人もの男を破滅にさせ、身ぐるみを剥がしたということをさる方から聞いてましてね・・」「何の・・ことですの・・」クララの顔から、笑みが消えていった。「妊娠したと嘘を吐いて色々と相手の財産やら色々と奪ったようだな・・見かけによらず恐ろしい素顔を持っているな。」黒髪の男はそう言ってクララを睨んだ。「そんなこと、でたらめですわ。」「そうかな?実際にお前にだまされそうになった奴がここにいるんだが。」男はクララの前にある真紅のカーテンを引いた。「お久しぶりですね、マドモワゼル・クララ。」そこには冷たい笑みを浮かばせるルドルフが立っていた。「ルドルフ様、どうして・・」「よくも私をコケにしようとしてくれたな。」ルドルフはそう言ってクララのこめかみに拳銃を当てた。「ごめんなさい・・わたくしは・・」「お前の言い訳など聞きたくない。二度と私の前に姿を現すな、この卑しい雌狐め。」「・・このままでは、済まさなくてよっ!」「受けて立とう。」ルドルフはジュリオとサリエルを従えて、部屋から出て行った。
2007年12月14日
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「私と、結婚してくださいますわよね?」そう言ってクララは口端を上げて笑った。ルドルフは何も言わず、クララと店に出た。「ただいま。」「お帰りなさい、ママ。ご飯できてるよ。」テーブルの上には、キチンの香草焼きが置いてあった。「どうしたの?なんか顔色悪いけど・・」「ああ、今日変な女に絡まれたからな。」「変な女って、カプリ島のパーティーに出てたクララっていう女?」ルドルフはフォークを床に落としそうになった。「どうしてそれを・・」「サリーちゃんに聞いたんだ。この前彼女になんか迫られてたでしょ?」ルドルフはチラリとサリエルを見た。「“黒薔薇”の元諜報員の俺を舐めるな。色々調べてきたぞ、クララって奴のことを。相当悪いことしてるらしいな。」そう言ってサリエルは、ルドルフに書類を見せた。そこには、クララの素行について詳しく書かれてあった。クララは結婚詐欺師で、妊娠したと嘘を吐いては、法外の慰謝料をふんだくり、その上相手の身ぐるみを剥がすということを何年もやっていた。清純そうな外見とはかけ離れたクララの素顔が書かれてある書類に目を通して、ルドルフはそれを握りつぶした。「・・サリエル、ジュリオ、お前たちに頼みがある。」そう言って顔を上げたルドルフは、冷たい笑みを浮かべた。数日後、とある大物政治家の誕生パーティーに、サリエルとジュリオは出席した。「あいつだよね、ママを騙そうとした女。」そう言ってジュリオはクララを指した。「ああ、間違いない。」「行こう。」ばら色のドレスを纏ったクララはシャンパンを片手に友人達と談笑していた。「大丈夫、お酒なんか飲んで?おなかの赤ちゃんには・・」「妊娠なんかしてないわよ。」「いつものテクニックね。」「まぁね・・」「クララというのはお前だな?」背後から肩を叩かれ、クララが振り向くと、そこには黒髪の長身の男と、金髪碧眼の青年が隣に立っていた。「ええ、そうですけれど何か?」「あなたと少しお話がしたいんですが、よろしいですか?あなたについて色々と興味深い話を聞いたもので。」あくまでも口調は穏やかに、顔には笑みを浮かべながらジュリオはクララに言った。(新しいカモが見つかったわ・・しかも2人v)「いいですわ。でもその前に少し支度をいたしますので、お待ちくださいな。」「いいですよ。」クララが化粧室へと入っていくのを見届けて、ジュリオは険しい表情を浮かべた。「これからだね。」「ああ。あの女に最高の恐怖と屈辱を味あわせてやろう。」サリエルはフッと笑みを浮かべ、長い黒髪をなびかせながら、パーティー会場を後にした。
2007年12月14日
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「ねぇ、あのお噂は本当なのかしら?」「なんのお噂?」「ほら、クララ様が妊娠されたっていう・・」「まぁ、それは本当なの!?」「本当ですわ。」凛とした声がして令嬢たちが振り向くと、そこにはエメラルドのドレスを着たクララが立っていた。「クララ様、いつからそこにっ!?」「皆様が何をお話しているか興味がありまして。」クララは令嬢たちを射るように見ながら言った。「今3ヶ月に入ってますの。来年の春が楽しみですわ。」呆気に取られる令嬢たちを残して、クララは舞踏会場を後にした。「ルドルフ様の子を妊娠しているって本当か?」リムジンに乗ると、父がそう言って自分を睨んだ。「そんなの嘘に決まってますわ。ただユリウス様に揺さぶりをかけたかっただけですもの。心配なさらないで、お父様。それに・・」「それに?」「それにもうすぐ、ルドルフ様をものにできそうですしv」「・・そうだな。」クララ達を乗せたリムジンは、静かに彼らが住む街区へと走り去っていった。話したいことがある、とクララに呼び出されたルドルフは、シャンゼリゼ通りに面したカフェのテラス席に座っていた。約束の時間はとっくに過ぎていたが、クララが来る気配は一向にない。ルドルフがため息をついてカフェを出ようとしたときー「すいません、お待たせしてしまったかしら?」凛とした声がして振り向くと、そこには菫色のワンピースを着たクララが立っていた。「随分待ちましたよ。今から帰ろうかと思ったところです。」「ごめんなさい・・支度に手間取っていたものですから。」クララは悪びれもせずにそう言ってルドルフの腕を掴んだ。「ちょっと付き合ってもらいたいところがありますの。」クララがルドルフを連れて行ったのはパリの高級ブティックが建ち並ぶ街区の中にある宝石店だった。「この指輪、とても欲しいわ。」そう言ってクララが指したのは、プラチナのダイヤのペアリングだった。いかにも結婚指輪といった感じのものだった。「一体何がしたい?お前は一体何が目的でここに私を・・」ルドルフの言葉を聞いて、クララは口端を上げて笑った。「わたくしが望むものはあなた。そしてわたくしはあなたと結婚すること。」さっきまでの猫なで声とは違い、低い声でクララはそう言ってルドルフを見た。「私はお前とは結婚しない。しつこい女だな、お前は。」蒼い瞳でルドルフはクララを睨んだ。「わたくしと結婚しなければ、あなたの大切なユリウス様の身に危険が及ぶことがあるかもしれなくてよ?」「ユリウスには手を出すな。」「ご心配なく、彼には手を出しませんわ、今はね。」クララは蒼い瞳を光らせながら言った。「あなたは彼のことを愛していらっしゃるのね・・彼を守るためにも、私と結婚してくださいな。」(あと少しで、落とせるわ。)
2007年12月14日
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「どうだった、クララ?あいつは落とせそうか?」「いいえお父様。でもこちらには切り札があるから、彼は私と付き合わざるおえないでしょうね。」帰りの自家用ジェットの機内で、クララはそう言ってシャンパンを飲んだ。彼女はユリウスの別荘で着ていたバラの刺繍が施されたドレスではなく、仕立てのいいデザイナーズブランドの水色のワンピースを着ている。結っていたブロンドの髪は下ろされ、彼女が顔を動かすごとに美しい巻き毛が揺れる。「ねえお父様、ユリウスをなんとか潰せないかしら?」「ユリウスはいい男だ。それに私はお前の恋のためにそこまで犠牲を払うつもりはないからな。」クララの父親はそう言って美しい娘を見た。「そう・・じゃあ私があいつを潰してもよろしいわね?」クララの蒼い瞳が、キラリと光った。「お前がそうしたいなら・・」「ありがとう、お父様。」クララはそう言って口端を上げて笑った。パリに戻ったクララは、友人達にカプリ島でのパーティーの様子を話した。「それでね、わたくしルドルフ様に告白したの。」「まぁ、ルドルフ様に?どうなったの、告白の行方は?」「振られてしまったわ。ユリウス様がいるからって。でも私は諦めないつもりよ。」クララはそう言って紅茶を飲んだ。「そう・・」クララの親友・カトリーナはクララを心配そうに見た。翌日、クララはユリウスが住むアパルトマンをたずねた。「あなたは、確か・・」「お久しぶりね、ユリウス様。今日はあなたにお願いがあって来たの。」「私に?」「ええ、そうよ。」「・・ここではなんですから、お茶でもどうぞ。」ユリウスとクララはリビングに入った。上質の紅茶を淹れると、クララはユリウスを見た。「ルドルフ様と別れてくださらないこと?」クララの言葉を聞いて、ユリウスは紅茶のカップを落とした。「それは聞けないお願いですね。」「じゃあ、わたくしがルドルフ様の子を妊娠していても?」「今、なんと・・」ユリウスはそう言ってクララを見た。「ルドルフ様は、あのパーティーの後随分わたくしを喜ばせてくれたわ。」クララは不敵な笑みを浮かべた。「・・今日はもうお帰りください。」「失礼しますわ。」クララは勝ち誇った笑みを浮かべ、アパルトマンを後にした。「・・あんな嘘に騙されるなんて、初な奴ね。」口笛を吹きながらスキップするクララの姿を、木陰から見ていた者がいた。
2007年12月14日
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ルドルフ達がカプリ島に来てから1週間が経ち、青い空と太陽の下で穏やかな日々を過ごしていた。ユリウスは政財界の著名人を招いてパーティーを開いた。その場で彼はルドルフを伴侶として紹介した。「ユリウス様にこんな綺麗な方がおられるなんて、初めて聞きましたわ。」パーティーに出席していた女性はそう言ってルドルフとユリウスを見た。「失礼、少し休みます。」ルドルフは人気のないバルコニーで、月光を浴びた。灼熱の太陽と違い、月光はルドルフの心を癒してくれる。「ルドルフ様・・でしたわよね?」背後から躊躇いがちな声が聞こえて振り向くと、そこには薔薇の刺繍を施したドレスを着た少女が立っていた。「君は?」「クララと申します。あの・・ルドルフ様にお願いがあるんですけれども・・」「何でしょう?」「わたくしと・・付き合っていただけないでしょうか?」「悪いですが、私にはすでに心に決めた相手がおりましてね。」ルドルフはそう言ってチラリと談笑しているユリウスを見た。「あなた様の秘密を知っていても・・ですか?」バルコニーを去ろうとしたルドルフは、クララの言葉を聞いて足を止めた。「それは一体、どういう意味だ?」ルドルフの言葉に、クララは口端を上げて笑うだけだった。ルドルフはクララを残し、ユリウスの元へと向かった。「・・鉄面皮かと思ったら、あんな顔もするのね・・弄り甲斐がありそうだわv」クララはそう言って笑った。その顔はまるで魔女のように毒々しく怪しげな雰囲気が漂っていた。「今日のパーティーは盛況でしたね。」「ああ、私も楽しめた。お前のおかげだ。」パーティーが終わったあと、ルドルフはそう言ってユリウスにキスした。「これからも楽しい思い出を作っていきましょうね・・」「ああ・・」ルドルフは、クララのことなどすっかり忘れてユリウスとの夜を満喫した。
2007年12月14日
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夏の休暇を、ルドルフ達はカプリ島で過ごした。 ルドルフが眠りに就いていたとき、ユリウスは一から事業を始め、持ち前の明るさと経営手腕によってそれを発展させ、ひと財産築けるようになった。いつかルドルフが永い眠りに就いても、誰にも邪魔されずに家族との時間を過ごせるようにと、ユリウスはカプリ島に別荘を買ったのだった。パリのアパルトマンを出発してユリウス達は列車を乗り継ぎ、船でカプリ島に着いた。別荘までは運転手が迎えに来てくれた。「うわぁ~、素敵なところね。」そう言ってヴィクトリアはルネッサンス様式のクリーム色の別荘を見た。この別荘には主寝室やリビング、ダイニングの他に12の部屋があり、庭には海を見渡せるプールがあった。「本当にこんな素敵なところが私たちのものなの、お祖父様?」「そうだよ。」ユリウスはそう言って孫娘に微笑んだ。それから5人は、カプリ島の別荘で優雅に夏の休暇を満喫した。ヴィクトリアはカプリ島を気に入り、毎日海に泳ぎに行ったり、乗馬を楽しんだりしていた。「あの子はまるで、太陽の娘のようだな。」「ええ、そうですね。」太陽の下、元気に庭を走り回るヴィクトリアの姿を見て、ルドルフとユリウスは慈愛に満ちた目で彼女を見た。「ユリウス、私のためにこの別荘を買ったのか?」「ええ、あなた様が永い眠りにつくその日のために。」「そうか・・ありがとう。」そう言ってルドルフはユリウスに微笑んだ。「お祖父様、ちょっと出かけてくるわね。」「また海かい?ヴィクトリアは本当に海が好きだね。」「じゃあ、行ってきます!」ヴィクトリアは別荘を飛び出し、海へと向かった。その途中彼女は、男とぶつかった。「ごめんなさいっ、急いでいたものだから・・」「大丈夫ですか、お嬢さん?」そう言ってヴィクトリアに微笑んだのは、まるで春の女神のような柔らかな美貌を持った男だった。「大丈夫です。あなたのお名前は?」「ヴィクトリアよ、あなたは?」「僕はソロモン。よろしく、ヴィクトリア。」「こちらこそ。」ヴィクトリアはそう言ってソロモンに微笑んだ。その笑顔は、まるで太陽のようだった。「まるで、太陽の娘のようですね・・」ソロモンは海の方へと走っていく少女を見つめながらそう言って笑った。海に入ると、冷たい海水が身体を包む。ソロモンは母なる海に身をゆだねながら、静かに目を閉じた。脳裏に浮かぶのは、幸せだった頃の記憶。あとがきユリウスはルド様が眠りに就いた後、1人で会社を設立して、大企業にまで成長させて彼は終の棲家としてカプリ島の別荘を買いました。ヴィクトリアとソロモンの出会いを書いてみましたが、最後が意味不明な文になってしまいました。ヴィクトリアちゃんはイメージとしては、太陽のような明るくてお転婆な女の子です。
2007年12月14日
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1956年8月10日、南イタリア・カプリ島。 地中海に浮かぶこの島は、富裕層が夏の間休暇を過ごすリゾート地として知られており、断崖絶壁の上には豪華なホテルが建ち、その周りを取り囲むようにして瀟洒な別荘が建ち並んでいる。その中のひとつである別荘で、1人の男がベッドから降りようとしていた。「ん・・」トルマリンの瞳を開け、癖のある前髪を鬱陶しそうに掻き上げながら、ソロモンは目覚めのコーヒーを入れた。熱々のコーヒーをマグカップに注ぎながら、ソロモンはガウンからチラリと左胸を見た。そこには、ケロイド状の醜い傷が残っていた。その傷はヴェネチアで、ルドルフの血に濡れた刃で貫かれたときにできたものだった。ソロモンはルドルフの腕の中で一度砕け散ったが、オルフェレウスによってパリの邸宅へと運ばれ、そこで治療を受けた。一度兄からルドルフがパリにいると教えられ、治療の時間邸を抜け出してルドルフが住むアパルトマンまで行こうとしたが、あと少しのところで意識を失った。それからソロモンは1日の大半をベッドの上で過ごさねばならないほど、体調が悪化していた。ソロモンは治療に専念し、いつかルドルフとまた会える日のことを思って幸せな夢を毎日見た。だがルドルフにやられた傷の治りは遅く、回復の兆しは一向に見られなかった。ソロモンはカプリ島の別荘に静養することになった。緩やかに流れる時の中で、ソロモンはルドルフのことを想った。あの人は今、どうしているのだろうか?コーヒーを飲み終え、ソロモンは太陽の光を受けて輝くプールに飛び込んだ。長い間水槽で眠っていたせいか、無性に水が恋しくなる。それに水に入ると、傷の痛みが自然に消えていく。クロールを何往復かしてプールから上がり体を拭いていると、左胸の傷が少しよくなっているのに気づいた。「ソロモン様、昼食の時間です。」「わかった。」ガウンを羽織り、ソロモンはプールを後にした。「もうすぐあなたに会えますね・・」彼はそう言ってプールを後にした。
2007年12月14日
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1956年8月4日。この日、ヴィクトリア6歳の誕生日パーティーがユリウスのアパルトマンで行われた。「誕生日おめでとう、ヴィクトリア。」ジュリオはそう言って娘の頬にキスをした。「ありがとう、ママv」ヴィクトリアはジュリオに抱きついた。そのとき、寝室から大きな物音がした。「お祖母ちゃまが起きたの?」「そうだろうな、きっと。お祖父ちゃまが寝室に入ったから。」数分後、ユリウスに支えられながら、ルドルフが寝室から出てきた。「お祖母ちゃまv」ヴィクトリアがそう言ってルドルフに駆け寄ると、ルドルフはヴィクトリアを抱き上げた。「お誕生日おめでとう、可愛い私のヴィクトリア。」ルドルフは慈愛に満ちた目で孫娘を見た。「あのね、お父様がお小遣いくれたの。だからアイス買いに行っていい?」「ヴィクトリア、アイスはユリウスが買ってくれるから、お金はお父様に返しなさい。」「でも~」「いいから、返しなさい。」ルドルフの蒼い瞳が、鋭く光った。ヴィクトリアは渋々サリエルにお金を返した。「ヴィクトリア、アイスを買いに行こうか。」「うん。」気配を察したユリウスがヴィクトリアを連れて外へと出た。「サリエル、ヴィクトリアに金を持たせるのはまだ早いんじゃないか?」「あの子はもう6つだし、金銭感覚を身につけるのは早いほうがいい。」サリエルはそう言ってルドルフを見た。「6歳の子に大金は必要ないだろう。あの子はいずれ私の財産を継ぐのだから。」ルドルフは煙草を吸いながら言った。「今後あの子のお金は私とユリウスが管理する。」「ママ、サリエルはママへのあてつけにヴィクトリアにお金を渡したわけじゃ・・」「黙れ、ジュリオ。サリエルが私へのあてつけにヴィクトリアにお金を渡したということはわかっている。だが、あの子のお金は大人の私たちが管理しなければならない。そのことを今後2人とも、肝に銘じるように。わかったな、サリエル?」ルドルフは蒼い瞳を光らせながらサリエルを睨んだ。「ヴィクトリアに早い時期から金の大切をわからせることが、俺にとっては大事だと思うが?」サリエルの口答えに、ルドルフの眦が上がった。「たいだい、何故ヴィクトリアの金をお前たちが管理しなければならないんだ?あの子の金はあの子自身でやりくりし、金銭感覚を身につけるほうが、あの子のためになる・・」「黙れ、居候の癖に!」ルドルフは言ってワインの瓶を掴んで中身を飲み干した。「・・ヴィクトリアを迎えに行ってくる。」顔を怒りで赤くさせながら、サリエルはリビングを出て行った。「ママ、あんな言い方ないじゃない!サリエルは僕達のこと助けてくれるし、それに僕とヴィクトリアのために必死で働いてるんだよ!」「奴が働いていようがいまいが関係ない。私が眠っているのをいいことにここに転がり込んできて・・」「ママ・・」ユリウスのサリエルへの態度はヴィクトリアの誕生によって軟化してきたが、最愛の1人息子をサリエルに奪われたルドルフは、いつもサリエルにつらく当たった。「ルドルフ様が、そんなことを?」サリエルがヴィクトリアとともにベッドに入った後、ジュリオはルドルフとサリエルの言い合いのことを話した。「うん・・ママったらいつもサリエルに向かって居候とか、ごろつきとか言うんだ。僕の結婚を知ったときにママは何でそんなこと知らせてくれなかったんだって烈火のごとく怒ってたよ。そのときママは寝てたんだから知らせるも何もないのに。」「ルドルフ様はお前が結婚して寂しい思いをしているんだよ。やっとできた家族を、サリエルに奪われて焼きもちを焼いているんだよ。」「そうだね。パパが言ってたとおりになったよ。」ジュリオはそう言ってため息をついた。
2007年12月14日
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ルドルフはまた、悪夢を見ていた。今度は摩天楼の光の中で殺戮を繰り返す夢だった。“これは・・一体・・”自分の上に積み重ねられた無数の死体。真紅に染まったタキシード。―化け物ぉぉっ!女性の悲鳴を聞いて、ルドルフは振り返った。彼女は銃を握っていた。乾いた銃声が、路地に摩天楼の空に響いた。「うっ、うう・・」「ルドルフ様?」苦しげに呻くルドルフの手を、ユリウスはしっかりと握った。「うう、う~」顔を苦痛に歪め、暴れるルドルフ。「大丈夫です、私がいますから!」ユリウスは優しく彼に声をかけ、彼の手を握った。ルドルフはやがて安らかな寝息を立て始めた。(よかった・・)ユリウスはホッと安堵のため息をついた。ここのところ、ルドルフが悪夢でうなされる回数が日に日に増えていった。毎回ルドルフはベッドの上をのた打ち回っている。(一体どうしたのだろう?ルドルフ様の身に何が・・)尋常でないルドルフの苦しみ方に、ユリウスはルドルフが悪夢に苦しんでいる原因を探ろうと、オイゲンのノートを開いた。
2007年12月14日
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ジュリオとサリエルが新婚旅行を楽しんでいる頃、パリの瀟洒な邸宅の一室では、オルフェレウスが目の前で眠っている男を見ていた。男は鮫一匹飼えるような大きな水槽の中で眠っていた。象牙のような白く肌理が細かい肌には、ところどころに亀裂が走っている。男は金色の睫毛に彩られたトルマリンの瞳を閉じ、安らかな寝息を立てていた。「・・ソロモン。」オルフェレウスはそう言って水槽に手を当てた。「まだ目覚めるのは早いと言ったのに・・無理をして外に出るから傷の治りが遅くなったではないか・・」水槽の中で眠るソロモンに向かって、オルフェレウスは呟いた。ソロモンはオルフェレウスの言葉を聞いて、ゆっくりと宝石のような美しい瞳を開けた。「兄さん・・」水槽から上がったソロモンは、力無く床に倒れた。オルフェレウスは弟の体にガウンを羽織らせた。「まだ休め。お前には色々としてもらわねばならないことがある。」オルフェレウスはそう言ってニヤリと笑った。
2007年12月14日
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新婚旅行に行かないかーサリエルがそう言ったのは、ヴィクトリアがトイレトレーニングに入った年のころだった。ジュリオとサリエルは、結婚式は挙げたが、色々あって新婚旅行をまだしていなかった。「ヴィクトリアはお義父さんに見てもらうといい。」「私は孫の世話なら大歓迎だよ。夫婦2人水入らずでゆっくりしておいで。」ユリウスはそう言ってサリエルに微笑んだ。結婚当初はあまり仲が良くなかった2人だが、初孫の誕生によって2人は徐々に打ち解けていった。「ありがとう、パパ。」ジュリオはユリウスの頬にキスをした。翌日、ジュリオとサリエルは新婚旅行先のウィーンへと発った。ウィーンはルドルフとユリウスが一番愛着のある街で、幼い頃ジュリオはルドルフからウィーンの美しい街並みや、そこに住む人々の温かさを何度も聞いたことがあった。「ウィーンはね、ママがロシアに行くまでずっと住んでた街なんだ。パパとはバイエルンのシュタルンベルク湖で出会って、ウィーンにつれてきたんだって。」「そうか・・」サリエルはそう言って車窓の外に広がる長閑(のどか)な田園風景を見た。「ジュリオ、寄りたいところがあるんだが、いいか?」「いいよ。」ウィーンの少し手前の駅で降りて、ジュリオとサリエルは農村を歩いた。「ここは?」「昔、俺が住んでいた村だ。」「そう・・」ジュリオはサリエルがこの村に来た理由が、なんとなくわかった。やがて2人は村にある教会の裏の墓地へとやってきた。そこには木で簡単に作られた十字架が立ってある墓が無数に立っていた。「これは第一次世界大戦で死んだ兵士と、村人達の墓だ。ここは東部戦線の激戦地だったんだ。」「そう・・」サリエルはジュリオをつれて、奥に立っている2つの墓へと向かった。そこにはそれぞれ、「ヴィクトリア」、「マリー」という名前が十字架に彫られていた。「ここに、妻と娘が眠っている。」ジュリオは途中村の花屋で買ってきた向日葵の花束を墓に置いた。「初めまして。僕の娘に、あなたの娘の名前をつけました。サリーちゃんに会わせてくれてありがとうございます。それに、あなたの指輪をあなただと思って大切にします。」ジュリオはそう言って2人の墓にそれぞれ向日葵の花束を供えた。するとブロンドに翠の瞳をした女性が、ジュリオに向かって微笑んだ。「マリー・・」隣に立っていたサリエルがそう呟いて涙を流した。もう一度見ようとしたとき、その女性の姿は消えていた。「今のは、一体・・」「マリーがお前に俺をよろしく頼むと言いに来たんだろう。」サリエルはそう言ってジュリオに手を差し出した。「行こうか。」「うん。」ジュリオとサリエルは墓地を静かに去った。あとがきサリエルの住んでいた村は東部戦線の激戦地だったというのは私の創作ですので。
2007年12月14日
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1950年8月4日、フランス・パリ。ジュリオとサリエルが結婚して半年が経ち、2人の間には新しい家族ができた。 ヴィクトリアと名付けられたその赤ん坊は、両親と祖父の愛情を受けてすくすくと育っていった。「ルドルフ様、あなたに孫ができましたよ。」ユリウスはそう言ってヴィクトリアをルドルフに見せた。「あの時、あなたと一生をともにしようと誓ったときにはあなた様と私だけの2人で生きていくのだと思っていました・・けれど、私たちには家族がいるんですよ。遠い昔、あなたが望んでいた本当の家族が。」ルドルフは今日も何も答えない。だがその代わりに口元に笑みを浮かべた。「ヴィクトリアはお父さん似だね。」「今度はお前に似た男の子を作ればいいことだ。」そう言いながらジュリオとサリエルは乳母車を押しながら散歩をしていた。「今のアパルトマンだと狭くなりそうだね。」「ああ。」ジュリオはふと、背後に視線を感じて振り向いた。だがそこには、誰もいなかった。「どうした?」「誰かの視線を感じたんだけど・・多分気のせいだね。」ジュリオはそう言ってサリエルとともに歩き始めた。「あの子が、あんなに大きくなって・・最後に見たときはまだやんちゃ盛りの男の子だったあの子が・・」ジュリオとサリエルが去った後、1人の男が路地裏から現れた。癖のある金色の髪と、トルマリンの瞳を持った、女神のような柔らかな美貌を持った男。「またあなたに会えるんですね・・」男はそう呟いて、姿を消した。あとがきジュリオはルド様の始祖魔族の血を引いているので、サリエルとの間に子どもが作れます(男ですが)。終盤に出てきた男の正体、皆さんはもうおわかりですね?これからシリアスな展開に入ります。
2007年12月14日
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「兄上~!!」ルシフェルは帰宅するなりそう言って次兄に抱きついた。「どうした、ルシフェル?一体何があった?」「聞いてください兄上、さっきサリエル兄者が、あいつと・・あいつとイチャついてたぁ~!」「・・なんだ、そんなことか・・」ルシエルはそう言ってため息を付いた。「そんなこととはなんですか、そんなこととは!俺はサリエル兄者があの狡賢い雄狐に誑かされて結婚したんじゃないかって心配して兄者の新居に行ったんです!そしたら、そしたら兄者はあいつの手料理を残さず食べて・・俺が作った時は残してたのに・・」そう言いながら屈辱とジュリオへの嫉妬に身を震わせ泣くルシフェル。(一体こいつはいつになったらサリエル離れするんだ?だいたいサリエルが甘やかすからブラコンになるんだ・・いままでこいつのせいで貧乏くじを引かされたのは俺なんだぞ!)紅い瞳を半開きにして呆れたようにルシフェルを見ながら、ため息を付くルシエル。「兄上、聞いてるんですかっ!?」「・・ああ。」ルシエルは夕食の支度をしながら言った。「俺夕食要りません・・もう寝ます。」ルシフェルはそう言って寝室に入った。「兄者の馬鹿~!」そう言ってルシフェルは枕に顔を埋めた。「・・なんで俺ばっかり貧乏くじ引くんだ・・サリエルは結婚して家を出るし、ルシフェルはサリエル離れしないし・・いつも苦労するのは真ん中の俺ばかりだ。一生恨むぞ、サリエル!!」ルシエルはため息を付いた。「どうしたの、サリーちゃん?」情事の後、ジュリオはそう言ってサリエルの背中を抱き締めた。「・・いや、なんでもない。」(ルシエルが俺に恨み言を言ったな・・)「それにしても、あの子・・ルシフェルって言ったっけ・・何か僕に妙につかっかってきたけど・・僕にサリーちゃんを取られたから気に入らないのかな?」「まぁな。あいつは物心付く前から俺にべったりだったから。」鬱陶しそうに前髪を掻き上げながら、サリエルは言った。「兄弟っていいなぁ・・僕は一人っ子だから憧れるんだよね。」「そうか?俺のすぐ下のルシエルは嫌だって言ってたぞ。3人の中で一番苦労するってな。」「でも兄弟がいると楽しいんじゃない?」「・・それは人によるな。」サリエルはそう言ってジュリオにキスした。あとがきラブロマンスと言うより、ギャグを書いてしまいました・・。いままでの展開が暗かったから、明るい展開にしたくてね。
2007年12月14日
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「それじゃ、買い物に行ってくるね。」「行ってらっしゃい。」ジュリオは部屋を出る前、リビングを見た。そこではユリウスとサリエルが互いの顔を見ずに読書をしていた。(2人が仲良くなれば良いんだけど・・まだ無理だよね。)ジュリオはため息を付きながらアパルトマンを出て、近くの商店へと向かった。今日は八百屋に行ってニンニクを買って、肉屋で大きい牛肉を買ってガーリックトーストとステーキを作ろう。サリエルはガーリックトーストが大好物だから、きっと喜んでくれるだろう。「おい、お前。」八百屋でニンニクを買い、パン屋でバゲットを買い、肉屋で一番大きい牛肉を3枚買ってジュリオが帰路につこうとしていると、背後で鋭い声がした。振り向くと、そこにはサン・マルコ大聖堂での結婚式で自分を睨んでいた少年が立っていた。名前は確かールシフェルといったか。「なに?僕これから夕飯の支度しないといけないんだけど。」「お前が作るのか?」「そうだけど・・それが何か?」ジュリオは妙に自分につっかかるルシフェルを見て言った。「兄者の・・サリエルの食事は俺が作ってたんだ!」ルシフェルはそう言ってジュリオを睨んだ。「それは昔の話でしょ。今は僕がサリエルのご飯を作ってる。いつもおいしいって言ってくれるんだよ、彼。」「そんなの嘘だ!」「嘘じゃないよ。だったら今から家に来て確かめる?」「・・いいだろう。」ジュリオはルシフェルを連れて帰宅した。「ただいま、すぐに夕飯作るからねv」そう言ってジュリオは夫の頬にキスをした。「今日は何を作ってくれるんだ?」「ガーリックトーストとステーキだよ。」仲睦まじいジュリオとサリエルの姿を見て、ルシフェルの瞳に涙が溜まった。「今日の夕飯は美味かった。特にガーリックトーストがニンニクの風味がよく利いていてやみつきになったぞ。」「ありがとうv」「・・帰る。」ラブラブな2人を見てルシフェルはそう言って椅子から立ち上がり、アパルトマンを出ていった。「兄者の馬鹿~!」ルシフェルは涙を流しながら帰路を走った。
2007年12月14日
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「サリエル、野菜は均等に切れ。」ユリウスはそう言ってサリエルがトマトを切っているのを鋭い目で見た。「わかった。」「それとブイヨンの味はもうちょっと濃い味にしろ。」サリエルはユリウスの言葉に頷き、料理を再開した。「パパ、サリエルをあまりいじめないでよ。」「私は指導しているだけだよ。」ユリウスはテーブルに料理を並べながら言った。「そうかなぁ、僕には嫁いびりならぬ婿いびりをしているようにも見えるけど?」ジュリオは食材を冷蔵庫に入れながら言った。「私よりもルドルフ様がお前とサリエルが結婚したと知ったらどうなるか・・」「多分パパ以上にいびるかもね。」「そうだな。」ユリウスとジュリオは顔を見て互いに笑った。「ブイヨンができた。」ユリウスはサリエルが作ったブイヨンを味見した。「味が少し薄いな。でもまぁいいとしよう。」「・・・」ユリウスの厳しい評価に、サリエルのこめかみに少し青筋が立った。「せっかくサリエルが作ってくれたんだし、食べよ?」ブイヨンを挟んで静かに火花を散らすユリウスとサリエルを見て、ジュリオは必死にその場の空気を和ませようとした。「そうだな、食べようか。」「いただきま~す。あ、美味しいね、サリエルが作ったブイヨン!」「・・少し味が薄いけどな。」ユリウスがボソリと呟きながらブイヨンを食べた。「このパニーニとか、美味しい~!」「・・ありがとう。」ジュリオがいくら場を和まそうとしても、ユリウスとサリエルの間には険悪な空気がデザートの時間まで流れていた。(あ~、疲れた・・毎日こんな調子じゃぁ、ママが起きた後もっと大変だよ。だってママわがままだもん。)ルドルフが目覚めたらサリエルをユリウス以上にいびるだろう・・そう思いながらジュリオはベッドで寝た。
2007年12月14日
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「ジュリオ、おめでとう。」ユリウスはそう言ってジュリオに微笑んだ。「ありがとう、パパ。」ジュリオはユリウスに微笑んだ。「これからずっと一緒にいられるね、サリーちゃん。」「ああ。」サリエルは優しい笑みをジュリオに向けた。「サリエル!」背後で鋭い声がしてサリエルとジュリオ、ユリウスが振り向くと、そこには怒りを瞳に宿したルシフェルとルシエルがいた。「この裏切り者が!敵と結婚するとは!」ルシフェルはそう言ってサリエルを殴った。「兄者は俺だけのものだったのに・・この泥棒猫!」ルシフェルはジュリオを睨みつけた。「俺はお前たちと縁を切る。」「そうか・・わかった。いくぞ、ルシフェル。」ルシエルはそう言って喚く弟を引っ張って3人の元から去った。後日、サリエルの元にヴァチカンから手紙が届いた。それは法王からのもので、サリエルをヴァチカンから追放するという内容だった。「ただいま~」両手に買い物袋を抱えたジュリオがリビングに入ってきた。「どうしたの、それ?」「ヴァチカンから追放された。これで俺とお前は敵同士ではなくなったわけだ。」サリエルはそう言ってジュリオにキスした。その頃、ルシフェルはサリエルが敵と結婚したことをまだ許せないでいた。「もうあきらめろ。それにサリエルはヴァチカンから追放された。もう俺達とは無関係だ。」「でも、俺達は兄弟だっ!」ルシフェルは蒼い瞳に涙を溜めながら言った。(兄離れしろ、ルシフェル・・)
2007年12月14日
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「・・どうだった?」ヴァチカンから戻ると、ジュリオが心配そうな顔でサリエルを見た。「法王の許可はもらえなかった。だが俺はお前と結婚する。」「そう・・」サリエルはジュリオにプロポーズした後、ルシフェル達と住んでいたアパルトマンから荷物をまとめてユリウス達が住むアパルトマンへと引っ越してきた。「お昼まだでしょ?今日ピザ作ったんだ。一緒に食べよ?」「ああ。」サリエルはジュリオの手料理を食べ、長旅の疲れがすっかり癒された。「ジュリオ、結婚式はどこで挙げたい?」「別にどこでもいいよ。希望としては、ヴェネチアで挙げたいけど・・」「そうか。」「でもママを置いてはいけないし・・パパも仕事が忙しいし・・」「お前が望むなら、なんだってしてやる。」数週間後、ユリウスとサリエル、そしてジュリオはヴェネチアに来ていた。ブロンドのウィグを付け、薄化粧を施されて純白のドレスを纏ったジュリオは、まるで空から舞い降りてきた天使のようだった。「とても綺麗だ、ジュリオ。」「パパ、ありがとう。ママにも見せたかったな。」ジュリオはそう言ってユリウスに微笑んだ。花嫁控え室を出たジュリオは、ゆっくりとヴァージンロードを歩き出した。その先にある祭壇には、白いタキシード姿のサリエルが立っていた。「ジュリオ=フランツ、汝は夫であるサリエルが、病めるときも、健やかなるときも忠誠を尽くし、慈しみ、愛することを誓うか?」「はい。」ジュリオはそう言ってサリエルを見た。「サリエル、汝は妻であるジュリオ=フランツが、病めるときも、健やかなるときも忠誠を尽くし、慈しみ、愛することを誓うか?」「はい。」「ではこれより、この2人を夫婦と認める。誓いのキスを。」サリエルがゆっくりと、ジュリオの顔を覆うヴェールをはずし、その桜色の唇を自分のそれで塞いだ。そのとき、サン・マルコ大聖堂のステンドグラスが、2人を祝福するかのように淡い光を放った。
2007年12月14日
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「ねぇ、あの人たち僕とサリーちゃんの結婚を許してくれるかな?」そう言ってジュリオは不安そうにサリエルを見た。「あいつらは反対する。だが俺はお前と結婚する。だから何も心配することはない。」サリエルはジュリオを抱きしめた。「そうだね・・」「ジュリオ、俺は“黒薔薇”を抜ける。」「本気なの、それ?」「ああ、本気だ。」数日後、サリエルはヴァチカンへと赴いた。「珍しいな、お前が私に会いに来るとは。」「睨下、お願いがございます。」「なんじゃ、何なりと申してみよ。」サリエルの決意を宿した翠の瞳が、法王を見つめる。「睨下、私は“黒薔薇”から抜けることにいたしました。」「それはできぬ。理由はなんだ?」「・・私はあなたの敵と結婚いたします。」「この、馬鹿者!」法王は杖でサリエルを殴った。サリエルの唇から一筋の血が流れた。「許さぬ、敵に情けをかけるなど!」「ですが私はもう“黒薔薇”にはいられません。」「お前は私のものじゃ!」怒り狂う法王に背を向け、サリエルはヴァチカンを後にした。
2007年12月14日
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「お前は、ジュリオを愛しているか?」ユリウスの問いに、サリエルは静かに答えた。「俺はジュリオを愛している。この世の誰よりも・・家族よりもだ。」「そうか・・たとえお前の兄弟とお前が属する世界を敵に回してもか?」ユリウスの翠の瞳が、鋭く光る。サリエルはコーヒーカップを握り締めながら、しばらく考え込んだ後、こう言った。「・・俺はジュリオを愛している。たとえ世界中が俺達の敵になっても、俺はジュリオを愛し抜く。」「サリーちゃん・・」ジュリオの蒼い瞳が、喜びで潤んだ。「いままで誰にもいえなかった・・死んだ妻にさえも、こんな気持ちを打ち明けることはできなかった・・俺は妻と娘の死で、愛する者を失うことを心のそこから恐れて、俺は誰も愛することができなくなってしまった・・だがジュリオと出会って、俺は再び人を愛することができるようになった。だから俺は、お前と結婚したい。」サリエルはそう言ってコートの内ポケットからベルベットの小箱を取り出した。「これは・・?」「妻の形見だ。あいつなら俺達のことを祝福してくれるだろう。」箱を開けると、そこには薄紅色の光を放つ真珠の指輪が入っていた。「俺と結婚してくれ、ジュリオ。」サリエルはそう言ってジュリオの左手薬指に指輪を嵌めた。「はい・・」ジュリオは涙を流し、サリエルのプロポーズを受けた。「よかったな、ジュリオ。彼と幸せになれ。」「ありがとう、パパ・・」ジュリオはそう言って父親を抱きしめた。「ジュリオを頼む、サリエル。」「わかった。」
2007年12月14日
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「ジュリオ、最近遅いけど、誰かに会ってるのかい?」「うん。」ジュリオはそう言ってコーヒーを飲んだ。「サリーちゃん・・じゃなかった、サリエルっていう人覚えてる?」「覚えてるよ。ルドルフ様のお命を狙う“黒薔薇”の・・」「その人と会ってるんだ。」ユリウスは動揺してカップを落とした。「それは、本当なのかい?」「うん。パパ、あの人はいい人だよ。」「そうか・・お前がそう思ってるなら、彼と付き合うことは反対しない。それに彼が氷のような冷たい男だったら、ヴァチカンで拉致したときにとっくにお前を殺していただろう。」「あのね、彼には昔、あの時僕と同い年の娘がいたんだ。戦争で死んじゃったけど。」「そうか・・」ユリウスはヴェネチアで初めてサリエルに会ったときのことを思い出した。憂いを帯びた自分と同じ翠の瞳。氷のような冷酷な男であれば、ジュリオをヴァチカンで殺した筈だ。だが彼はジュリオを殺さなかった。(彼は他の2人とは違う・・ジュリオのことが好きだから殺さなかった・・そして彼はジュリオを愛している。)「パパ?」何か考え込んでいるユリウスの顔を、ジュリオが心配そうに覗き込んだ。「・・ジュリオ、一度サリエルと話をしてもいいかな?」「いいけど・・」翌日の昼、ジュリオとともにユリウスはサリエル行きつけのカフェへとやってきた。「久しぶりだな。」「ああ。」ユリウスとサリエルはそう言って座った。「お前にひとつ、聞きたいことがある。」「なんだ?」「ジュリオを、愛しているか?」
2007年12月14日
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ジュリオと再会してから、サリエルは毎日のようにジュリオと会っていた。「ねぇ、僕と会ってること他の人たちは知ってるの?」「さぁな。」サリエルはそう言ってコーヒーを飲んだ。「じゃあ、また明日。」「ああ。」幸せな気持ちでサリエルは帰路に着いた。「ただいま。」サリエルがそうルシフェルに声をかけると、ルシフェルはサリエルを睨んだ。「またあいつといたのか?」「何故知っている?」「今日こっそりとお前の後をつけたんだ。」ルシフェルはそう言ってサリエルに詰め寄った。「一体どういうつもりだ、敵と仲良くするなんて!さっさと任務を遂行しなければ、ヴァチカンから睨まれるのは俺達なんだぞ、わかってるのか兄者!?」ルシフェルは兄の両肩を揺さぶりながら叫んだ。「それがどうした?」サリエルは淡々とした口調で言って、コーヒーを飲んだ。「あいつらは前から俺達を目の敵にしている。いまさら憎まれようと、俺達には関係のないことだ。それにお前は今、ジュリオに嫉妬している。」「何を言っている!俺は嫉妬なんか・・」「では何故、俺の後をつけた?」「そ、それは・・」「この際だが言っておくぞ、ルシフェル。お前の感情に振り回されるのはごめんだ。だから俺を放っておいてくれ。」サリエルはルシフェルに冷たく言い放つと、寝室に入ろうとした。「俺よりも、あいつのことが好きなのか・・?」「ああ、そうだ。」「だがあいつは俺達の・・」「この話は終わりだ。」ルシフェルの鼻先で、ドアが閉まった。その音が、絶望の音のようにルシフェルには聞こえた。
2007年12月14日
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「遅かったな、サリエル。」ジュリオとカフェで別れて帰宅すると、ルシフェルがそう言ってサリエルを睨んだ。「少し散歩をしていた。」「嘘をつくな、“G”と会っていたのだろう?」「・・お前には何でもお見通しだな。」サリエルはそう言って笑った。「敵と何を話していた?」「別に何も。」サリエルは夕食の支度をしながら言った。「忘れるな、兄者。あいつらは俺達の敵だ。俺達があいつらを殺すんだ。」「そんなこと、わかっている。だが・・」「だがなんだ?」「・・なんでもない。」サリエルはそう言って寝室へと向かった。ベッドに入りながら、サリエルはジュリオのことを想った。あの蒼い瞳に見つめられると、気が狂いそうになる。ヴァチカンで出会ったときから、彼に惹かれていた。多分“S”も、“R”と出会ったときから惹かれていたのだろう。(俺はジュリオのことが好きだ。)いままでジュリオに対する自分の想いを認めようとしなかったが、ジュリオと再会したとき、その想いが確かなものだとサリエルはわかってしまった。敵であるジュリオを愛してしまったことを。(俺達の恋は悲劇で終わるのか、それとも・・)サリエルはそう思ったが、そんなことを考えても無駄だと思い、目をつぶった。
2007年12月14日
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「サリーちゃん・・?」「ジュリオ、ジュリオなのか?」サリエルはそう言ってジュリオを見た。「最後に会ったのは、ヴェネチアだったよね?」「ああ・・手の怪我は大丈夫か?」サリエルはジュリオの指の怪我を見た。「もう大丈夫。それよりもここではなんだから、別のところでゆっくり話そうか?」「ああ。」サリエルとジュリオは近くのカフェに落ち着いた。「“R”はどうしている?」「ママなら眠りに就いたよ。僕が子守唄を歌ったら、ありがとうって言って眠ったよ。」ジュリオはそう言ってコーヒーを飲んだ。「“S”が死んだそうだな?」サリエルの言葉に、ジュリオの顔が曇った。「うん・・ママは彼が死んで何も食べずに何年もベッドの中で泣いてた・・。」「そうか・・お前はどうしている?」サリエルはジュリオを見た。「僕は元気だよ。でもソロモンさんが死んでから、パパとママはいつもくらい顔してた・・それが辛くて・・」「悲しみは時が癒してくれる。」「そうだね・・」ジュリオはそっと、サリエルの手を握った。「ジュリオ、“S”の死はわれわれにとっても、お前たちにとっても悲しいものだった。だが彼はまだお前たちの傍にいて、いつかお前たちの前に姿を現すだろう。」「それ・・どういう意味?」「お前を励ますために言っただけだ、俺はもう行く。」サリエルはそう言ってカフェを出て行った。(一体どういう意味だろ?)サリエルの言葉の裏に隠された意味を考えながら、ジュリオは帰路に着いた。
2007年12月14日
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「ジュリオ、遅いな・・」ユリウスはそう言いながら、懐中時計を開いた。時計の針は午後7時を指している。ジュリオが買い物に行くと言って出かけてから、もう4時間余り経っている。一体どうしたんだろうか?ユリウスはジュリオのことを心配しながら、夕食の支度をした。夕食を済ませ、ユリウスはそっと寝室のドアを開けた。ベッドにはルドルフが寝息を立てて眠っている。「ルドルフ様・・」ユリウスはそっと、恋人の髪を撫でた。「あなたは、彼のことを愛していたんですか?」ルドルフはソロモンの死後、悲嘆に暮れる日々を送っていた。いつもルドルフはソロモンに対して邪険な態度を取っていたのに・・。ソロモンの死によって、ユリウス達の生活が変わった。いつしか彼は、ルドルフ達の仲間となっていたのだ。気づかぬうちに。ソロモンの最期を目の当たりにしたユリウスも、未だ彼の死から立ち直っていない。ルドルフは彼の死後、食事も喉を通らず、毎日ベッドで泣いていた。彼のことを愛していたのだろうか?だからあんなに悲嘆に暮れていたのだろうか?「・・私は彼が羨ましいと思いました・・あなたと同じ魔族で、半端者の私とは違ってあなたの気持ちがくみ取れる彼に・・あなた様が彼に惹かれているのはわかっていました・・」ユリウスはルドルフに語りかけるように呟いた。「私はあなた様にとって、どんな存在なんですか?私は一体この先どうしていけばいいんですか?」ルドルフは何も答えない。「・・すいません、今の私は自分のことしか考えていないですね・・」ユリウスはため息を付き、寝室を出た。ドアが閉まった後、眠りに就いていたはずのルドルフの蒼い瞳が、うっすらと開いた。
2007年12月14日
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