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「別れるって・・一体どういうこと!?」アウロラ皇女は、そう言うとアンジェリカを睨んだが、彼は冷静な口調で話を続けた。「もう君と暮らすのは限界だ。」「何よそれ!まるでわたしがすべて悪いみたいという言い方じゃないの!」「じゃぁ今回母上がストレスで倒れたのは、君がくだらない嘘を吐いた所為だとは思わないのか?」あくまでシラを切りとおそうとしているアウロラ皇女を前にして、アンジェリカは徐々に彼女に対する怒りが湧いてきた。「くだらない嘘って何よ?あなたは自分の妹を庇いたいんでしょうけど、彼女には本当に酷い目に遭わせられたんだから!」「もういい、君は自分の都合の悪いことには蓋をして、自分の都合の良いように嘘ばかり吐くんだな!君とは付き合いきれないよ!」「わかったわよ、あんたとはもう終わりにしたいわ!」アウロラ皇女はそう叫ぶと、部屋から出て行った。「母上、先ほどアウロラが離婚に承諾しました。」「そう。アンジェリカ、余り気を落とさないでね。人生色々とあるものなのだから。」「そうですね。親不孝な息子ですいません。」そっとミズキの手を握りながら、アンジェリカは溜息を吐いた。 皇太子夫妻のスピード離婚は、世界中のマスコミに瞬く間に報じられ、アウロラ皇女はスウェーデンへと帰っていった。数ヵ月後、皇帝一家はマヨルカ島の別荘へと向かった。「お兄様、どうぞ。」「ありがとう。」プールサイドで、一泳ぎして疲れてベンチに横たわっているアンジェリカに、キンバリーがジュースを差し出した。「それにしても、大変だったわね。」「ああ。やっぱり結婚するのはまだ早すぎたみたいだ。もうあの悪夢のような結婚生活の日々がトラウマになって一生独身でいたいって気がしてくるよ。」「いいんじゃない。お兄様が結婚しないのなら、わたしがいい方を見つけないと!」そう言うとキンバリーはおもむろに立ち上がり、プールサイドからビーチへと出て行った。「あの子は相変わらず元気ねぇ。」「そうだな。ミズキ、体調の方はどうだ?」「もう大丈夫よ。それよりもいつまでここに居るつもりなの?来月はローゼンシュルツ皇太子夫妻がいらっしゃるんだから、失礼のないように準備をしておかないと。」「そうだな。まぁ、あと二週間くらいはここに居ようか?」「そうね。」 二週間後、スペインから帰国した皇帝一家は、小麦色に日焼けした肌でローゼンシュルツ王国皇太子夫妻を迎えた。「ようこそいらっしゃいました。この度はご成婚、おめでとうございます。」「ありがとうございます。アンジェリカ、紹介するよ。妻のアイコだ。」「初めまして・・」少し恥ずかしそうに挨拶する親友の妻が、アンジェリカは初々しく見えた。「幸せにしろよ、彼女を。」「ああ、そうするよ。」「さてと、久しぶりに会ったんだから、積もる話は明日にしようか?」「そうだな。」アンジェリカとガブリエルが二人仲良く並びながらホーフブルクへと入っていくのを見たガブリエルの妻・アイコは、不安そうな顔をしながら彼らの後をついていった。(終)にほんブログ村
2013年02月28日
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「母上、僕はもうアウロラと別れることにするよ。」「それは、本気なの?」アウロラ皇女が実家へと帰った日の夜、ミズキは息子の口から初めて彼がアウロラ皇女と離婚することを聞いた。「ああ。もう彼女とはやっていけない。今まで彼女と夫婦として分かり合おうと、歩み寄ろうとして努力しましたが、無理でした。」「そう・・アウロラには伝えたの?」「彼女が帰ってきてから言おうと思う。」「そう。わたしはあなたが決めたのなら、何も言わないわ。これをお飲みなさい。」ミズキはそう言うと、アンジェリカのカップにカモミールティーを淹れた。「結婚してまだ数ヶ月も経っていないのに、離婚か・・」「余り気に病まないほうがいいわ。それよりもあなた、これからどうするの?」「さぁね・・ちょっと疲れているから、暫くゆっくりしようかな。」「そうしなさい。」 アンジェリカはアウロラ皇女がスウェーデンに帰っている間、地中海のリゾート地で静養に入ることになった。 そのことを何処からか聞きつけたのか、マスコミが彼を槍玉に挙げ、“自己中心的な甘えん坊王子”というレッテルを貼り始めた。 それは、嫁ぎ先で精神的虐待を受けたというアウロラ皇女の訴えを鵜呑みにした彼女の父である国王・アレクセイ7世が原因だった。 彼はアウロラ皇女を三人の娘の中で最も溺愛しており、その所為でアウロラ皇女は我が儘で傲慢な女性になってしまった。 嫁ぎ先で精神的虐待を受けたというのはアウロラ皇女が吐いた嘘で、彼女はミズキ皇后を徹底的に陥れて苦しめてやりたいという思いからだった。 彼女の目論見は着々と進み、マスコミやネット上ではついこの間までミズキ皇后とアンジェリカを擁護する声が多かったのが、今やアウロラ皇女擁護派が彼らを糾弾する立場に回っていた。“ハプスブルク帝国皇后は、傲慢な女だ。”“息子を一人しか産んでいない癖に、偉そうな態度をしている。”“何故爵位を持たぬ女のいう事を陛下は聞くのか。” ネットユーザー達は、ミズキが民間出身の妃であること、アウロラ皇女を精神的に虐待したこと、そして息子の為に地中海のリゾート地に別荘を国民の血税で建設したことを槍玉に挙げ、彼女をバッシングした。 ミズキは誹謗中傷の書き込みが毎日絶えず、それに耐え切れずにフェイスブックを退会することとなった。 ストレスの所為で不眠症となり、公務を終えた後ミズキは誰とも話さずに自室に籠もる事が多くなった。 そんなある日の朝、ミズキが朝食の時間となってもなかなかダイニングに姿を見せないことを不審に思った女官が彼女の部屋に入ると、浴室の床で手首を切って倒れている彼女の姿を見つけた。「ミズキ、こんなにやつれて・・」「皇后様は、不眠症となられて睡眠導入剤なしには眠れない夜を最近過ごされていたようです。」「そうか。」搬送された病院で、ミズキは一命を取り留めたが、精神的ストレスと過労の所為で暫く入院することとなった。「皇太子様には?」「わたしから連絡する。」 スペイン・マヨルカ島で静養していたアンジェリカは、母がストレスで入院したという知らせを受け、休暇を切り上げてウィーンへと戻った。「母上、すいません。僕の所為で、こんなことに。」「いいのよ、わたしのことは心配しないで。」ミズキは弱々しく微笑みながらアンジェリカの手を握った。「アウロラ、話がある。」「お話って何かしら?」ミズキが入院した翌日、アウロラ皇女がスウェーデンから戻ってきたので、アンジェリカは彼女を自室へと連れて行き、離婚することを切り出した。にほんブログ村
2013年02月28日
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「お前、最近アウロラとは上手くやっているのか?」「・・正直、わからないよ。」皇后・ミズキが体調不良のため公務を休むと伝えられたその日の夜、ルドルフは自室にアンジェリカを呼び出した。「ミズキとアウロラは、育った環境も価値観も違う。だがあいつはアウロラに歩み寄る努力をしようとしていた。」「母上がアウロラと仲良くしようと思って、乗馬やお茶会に誘っていることは知ってたよ。でもアウロラは何か口実を作っては会おうとしないんだよ。あの音楽祭のことをいまだに根に持ってるんだ。」「もう過ぎたことだし、キンバリーも謝罪したんだろう?」ルドルフは数ヶ月前の出来事をいまだにアウロラが根に持っていることを知り、唖然とした。「あいつは、まだ許していないんだよ。プライドが高いし、常に自分が一番ではないと気が済まないタイプなんだ。」「困ったものだな。」「もう限界だよ。やっぱり結婚するのは早すぎたかな。」アンジェリカは溜息を吐きながら、すっかり冷めてしまったコーヒーを飲んだ。「そんなに悩むことはない。一度話し合ってみたらどうだ?」「そうするよ。」 ルドルフのアドバイスどおり、アンジェリカはアウロラ皇女を遠乗りに誘った。「なぁ、どうして母上と仲良くしてくれないんだ?」「だってあの人、お高くとまっているんだもの。」「母上はお高くとまってなんかいないよ。君の思い違いじゃないのか?」「まるでわたしが悪いって言いたいの!?」アウロラ皇女が苛立ったかのように乗馬用の鞭で地面を叩いたのを見たアンジェリカは、また彼女の癇癪玉が破裂するのではないのかとビクビクしていた。「そんな風には言っていない・・」「あなたにはわからないでしょうけど、わたしは孤独なの!それをわかってくれないと・・」「どうすればいいんだ!?一方的にそんなことを言うだけで、僕がわかるとでも!?」「だってあなた、いつもわたしのメールに返信してくれないし、電話もしてくれないじゃない!」「そんなことを言っても、電話に出られないときがあるんだから、仕方がないだろ?」「それが嫌なのよ、あなたのそういう所が!」冷静な話し合いの場を設けようとしたアンジェリカであったが、アウロラ皇女の棘のある言葉に、ついついきつい言葉で言い返してしまう。「一体何なんだ、君は!いつも自分中心で世界が回らないと気が済まないのか!?いつも何かと言えば“誰々の所為”・・もううんざりだ!」アンジェリカは生まれて初めて感情を爆発させると、アウロラ皇女をその場に残して去っていった。「どうだったんだ、アンジェリカ?その様子だと、上手くいかなかったようだな。」「父上、もう彼女とはやっていけません。幸い子どもが居ないし、離婚に向けて準備をしようと思っています。」「早まるな、冷静になって考えて・・」「考えた末に出した結論です。お願いですから、僕達夫婦の問題に口出ししないでいただきたい。」ルドルフにつかまれた腕を振り払うと、アンジェリカは憤然とした様子で厩から出て行った。「・・全く、あいつもアウロラの毒に当てられてしまった・・独身のときは、あんな風じゃなかったのに。」ルドルフが溜息を吐きながら愛馬に鞍を付けようとしたとき、雨が降り始めた。遠乗りをやめた彼が執務室で残った書類仕事を片付けていると、突然事務机に取り付けられていた電話がけたたましく鳴った。「もしもし・・」『ルドルフ陛下、娘を実家に戻すとはどういうつもりだね!』受話器越しに聞こえてきたのは、アウロラの父であるスウェーデン国王・アレクセイ7世の怒鳴り声だった。にほんブログ村
2013年02月28日
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ミズキ皇后とエリザベート皇太后とのやり取りを目撃していた女官がその会話の内容をフェイスブックに書き込んだことにより、アウロラ皇太子妃へのバッシングはますます高まっていった。“皇太子妃はスウェーデン皇女時代に国民の血税で豪華なクルーザーを購入した。”“コペンハーゲン市内のナイトクラブで何度か乱闘騒ぎを起こした。”“ベルギーの学生時代、その傲慢さでルームメイトたちと何度か衝突した。”世界中のネットユーザー達は、アウロラ皇女の過去の悪行をネット上で暴露し始めた。その所為で、アウロラ皇女は毎日ヒステリーを起こすようになり、そのストレスのはけ口は全てアンジェリカに向けられた。「あなた、どうして反論しないのよ!」「そんなこと言われても、僕にはどうすることもできないよ。それに、こんなことで目くじら立てなくてもいいだろう?愉快犯も居るんだから。」「何よそれ、またわたしが悪いって言いたいわけぇ!?」アウロラ皇女は癇癪を起こし、傍にあった置時計をアンジェリカへと投げた。「皇太子様、大丈夫ですか?」皇太子妃の部屋から、頭から血を流して出てきたアンジェリカを見て、皇太子妃付の女官達は顔面蒼白になりながら彼に駆け寄った。「大丈夫だよ、それよりもアウロラを落ち着かせてあげて。」「わかりました・・」一体部屋の中で何があったのだろうと女官達は勘繰りながらも、アウロラの部屋へと入った。 するとそこは、まるで猛獣が暴れまわったかのように家具や調度品が破壊されていた。「皇太子妃様、落ち着いてくださいませ。」「うるさい、あんた達に何がわかるっていうのよ!」アウロラは癇癪を起こし、女官たちにも当り散らしていた。「全く、一体どうしてしまったのかしら?」「ええ。スウェーデンに居る頃はあんなにおかしくはなかったのに。」「ええ・・やっぱり、キンバリー様やミズキ様に苛められたから、おかしくなられたのかしら?」「きっとそうよ!皇后様は何かと威張っておいでじゃないの。キンバリー様はことあるごとにアウロラ様の悪口をネットに書き込んだり、女官達に吹き込んだりしているし!」「わたし達に対して失礼な態度を取っておられるわ!この間、音楽会で言われたこと、まだ覚えているわ!」「アウロラ様がお可哀想よ!」アウロラ付の女官達は、嫁ぎ先で冷遇されている主の身を嘆くと同時に、彼女を苛めている姑と小姑に対して敵意を募らせていった。「皇后様、そろそろ朝食のお時間でございます。」「ごめんなさい・・今日は頭痛がしてベッドから起き上がれないの。」「まぁ、それは大変ですね。侍医をお呼び致しませんと。」「心配要らないわ。少し横になれば治まるから。」ミズキはそう言うと、ベッドから弱々しく起き上がってルドルフに心配要らないと伝えてくれと女官に命じた。「そうか、ミズキが・・」「先ほど様子を拝見いたしましたら、かなりお辛いご様子で・・」「侍医を呼べ、今すぐに。」大した事ではないと侍医の診察を最初は拒んだミズキだったが、夫であるルドルフの狼狽ぶりを心配して渋々侍医の診察を受けた。「脳に異常はありません。どうやら心因性のもののようです。」「いつ治るんだ?」「それはわかりかねます。」言葉を濁す侍医の顔を見て、ルドルフは嫁姑問題が妻の頭痛の原因だと少し勘付いていた。にほんブログ村
2013年02月28日
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宮廷内のアウロラ皇女への批判が日に日に高まりつつある中、ハンガリーからエリザベート皇太后がホーフブルクへとやって来た。 豊かで艶やかな黒髪は若干白髪が混じり、女神を思わせるかのような神々しく美しい彼女の目尻には幾筋もの皺があったが、欧州随一と謳われたその美貌は、傘寿を超えても衰えてはいなかった。「お久しぶりね、ミズキ。アンジェリカの結婚式にこれなくてごめんなさい。」「いいえ、お気になさらず。お義母(かあ)様もお元気で。」「毎日のウォーキングと乗馬のお陰で、まだ元気に世界中を駆け回っていられるわ。そちらが、アンジェリカのお嫁さんとなられた方?」エリザベート皇太后の目が、ミズキからアウロラ皇女へと移った。「お初にお目にかかります、お義祖母(ばあ)様。」アウロラ皇女の挨拶に、エリザベートの眦が少しつりあがったのを隣で見たキンバリーは、彼女がとんでもない過ちを犯したことに気づいた。 エリザベートは年老いた己の姿を嫌い、周囲には自分のことを“お祖母様”ではなく名前で呼んで欲しいと言っていた。ルドルフやアンジェリカ、キンバリーは彼女と会うときは、“エリザベート様”と必ず呼ぶことにしているのだが、新参者であるアウロラ皇女はそのことを全く知らないらしい。気まずい空気が流れる中、最初に口火を切ったのはキンバリーだった。「今年のクリスマスは、みんなでゲデレーに行こうって話していたのよ。そうよね、お兄様?」「あ、ああ。何て言ったって、初めてアウロラが家族の一員となって過ごすクリスマスだもんな?」アンジェリカはそう言ってアウロラ皇女を見たが、彼女は夫の言葉に相槌を打たずに、エリザベートのことを真っ直ぐに見ながら言った。「お義祖母様はマディラ島に素敵な別荘をお持ちだとか。是非行ってみたいものですわ。」「まぁ・・」「あと、ハンガリー産の馬も。最近では名誉あるレースで優勝した馬はみんな、お義祖母様が所有されていらっしゃるサラブレッドばかりなんですって?」アウロラ皇女の嫌味とも取れる発言に、エリザベートの美しい顔が徐々に怒りで強張ってゆく。「ミズキ、久しぶりにあなたのピアノを聞きたいわ。」エリザベートはアウロラ皇女の話を途中で遮り、彼女の顔を見ようともせずにミズキにその顔を向けた。「ええ。何をお聞きになりたいのですか?」「そうねぇ・・リストがいいわ。」「わかりましたわ。」ミズキはエリザベートとともにダイニング・ルームを後にすると、ルドルフとキンバリーも彼女達に続いた。「ねぇ、一体わたしの何がいけなかったの?」「アウロラ、エリザベート様はご自分のことを名前で呼んで欲しいんだよ。それに、皇后時代にされたことを、何もあそこまで論(あげつら)うことはないだろう?」「何よ、それ!まるでわたしが悪いみたいに言うのね!あなた、そんな事一言も教えてくれなかったじゃない!」確かにアンジェリカは、妻に祖母のことを事前に教えていなかった。ただ、彼女にそういった家庭内のルールを教えようとしたのだが、そうする前に彼女は大声で喚き始めた。「この間の音楽会でも、思い切り恥をかかされたわ!それに、あの人、自分の娘がわたしに嫌味を言っているっていうのに、止めもしなかったわ!」「それは誤解じゃないのか?」「わたしにはそう見えたのよ!あなたは家族のことを悪く言いたくないんでしょうけど!」彼女と会話しているうちに、アンジェリカは偏頭痛がしてきた。「あの子、一目見たとき何処かで会ったかしらと思ったのだけれど、顔すら違えども、あの性格はシャルロッテそっくりね。」 帰り際、エリザベートはアウロラ皇女への嫌悪を生前険悪であった義妹の名を出してそうミズキに漏らしたことを、傍に居た女官が聞き、彼女はすぐさまそれを自分のフェイスブックのページに書き込んだ。にほんブログ村
2013年02月28日
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スウェーデンからアウロラ皇女が輿入れしてから数日後、キンバリー皇女は彼女の元を訪れた。「暫くお待ちくださいませ。」「あなた、ここはウィーン宮廷ですよ?あなたのご主人様は、まだご自分のことをお客様と思っていらっしゃるのかしら?」暫く別室で待機するようにアウロラ付の女官から言われたキンバリーが刺々しい言葉でそう返すと、彼女は気色ばんだ後彼女を主の部屋へと通した。「何かしら?まだ着替えを済ませていないのに、ノックもしないなんて。」そう言って鏡の前に立っていたアウロラ皇女は、ブスッとした顔をしてキンバリーを見た。「あら、ノックはしましたわ。それよりもお義姉(ねえ)様にお知らせしたいことがございましてね。」「何かしら?」「今度の日曜の正午、音楽会がありますの。もしよければお義姉様もいらして。少しは気晴らしになるといいのだけれど。」キンバリーは少し含みのある笑みを浮かべると、アウロラ皇女の部屋から辞した。「アウロラ様、如何なさいますか?」「別にいいんじゃない、行っても。気晴らしになるだろうし。」アウロラ皇女はキンバリーの言葉を好意として受け取り、音楽会に出席することになった。「お母様。」「あらキンバリー、どうしたのこんな時間まで夜更かしして?」「音楽会に向けての練習をしていたのよ。ああ、あの人も招待したわ。」「あなた、一体何を企んでいるの?」ミズキがそう言ってキンバリーを見ると、彼女は嬉しそうに笑った。「何も企んでいないわよ、お母様。気にし過ぎよ。」 音楽会当日、会場となる音楽室にはミズキとキンバリー皇女、彼女達付の女官達や懇意にしている貴族の婦人達で賑わっていた。「キンバリー様、素晴らしい演奏でしたわ。」「ありがとう、皆さん。あら、お義姉様の演奏がまだでしたわね?」完璧なショパンのエチュードを披露したキンバリーは、そう言って意地の悪い笑みをアウロラ皇女に向けた。「何を言っているの?」「あら、ここでは皆さんの演奏を聞くのが目的の“音楽会”なのよ。」「そんなこと、何も聞いていないわ!」「さてと、自己紹介代わりに何か弾いてくださる、お義姉様?」アウロラ皇女の言葉を途中で遮って、キンバリーはそう言って彼女を見た。「よくもわたしに恥をかかせたわね、覚えていなさい!」悔しそうに唇を噛み締めたアウロラ皇女は、キンバリー達に背を向けて音楽室から出て行った。「キンバリー、あれは余りにも酷いんじゃなくて?」「あらお母様、わたしちゃんと伝えましたわよ?ねぇ?」「ええ、ちゃんとキンバリー様は皇太子妃様にお伝えいたしましたとも。」「それにしてもスウェーデン皇女というお方が、ピアノもお弾きになれないなんて・・」「あの方は、じっとピアノの前に座るよりも、ナイトクラブで踊るのがお好きなのよ、きっと。」「そうでしょうねぇ・・」まるで漣(さざなみ)の様に、意地の悪い笑い声が音楽室に広がった。ウィーン宮廷に蔓延(はびこ)っている密かな悪意を目の当たりにし、ミズキは嫌な予感がした。その予感は的中し、やがてアウロラ皇女を面と向かって批判する女官たちが日を追うごとに増えていった。にほんブログ村
2013年02月28日
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食事会では終始アウロラ皇女は未来の姑であるミズキを完全に無視し、アンジェリカとルドルフ、そして自分の両親にだけ笑顔を向けていた。「何ですか、あの態度は?仮にも未来の姑でいらっしゃる皇后様に対して無視とは・・」「それを諌めようとしない国王夫妻の無礼さには怒りを通り越して呆れましたわ。アンジェリカ様がお選びになられた方とはいえ、あんなに非常識な方だとは・・」食事会でのアウロラ皇女の非常識な振る舞いは女官たちの間にたちまち知られることとなり、彼女達は暇さえあればアウロラ皇女の陰口ばかり叩いていた。「そこで何をしているの?」「こ、皇后様・・」「口を動かすよりも、手を動かしなさい。まだあなた方には沢山仕事が残っている筈よ。」ミズキがぴしゃりと女官たちにそう言うと、彼女達はあたふたと自分達の持ち場へと戻っていった。「お母様、どうかなさったの?」「なんでもないのよ、キンバリー。」「またあの人達、アウロラ皇女のことを話していたんだわ。まぁ、あんな非常識な振る舞いをあの人達が見逃すわけないもの、当然よね。」母親譲りの黒髪の巻き毛を揺らしながら、キンバリーはそう言って笑った。「止しなさい、あなたまでそんなことを言うのは。」「そうだけど・・わたし、あの人余り好きになれないわ。何だか、下品な感じがする。女の勘でわかるの、あの人とお兄様は長くはいかないって。」「キンバリー、言葉を慎みなさい。」キンバリーをミズキがたしなめていると、向こうからアウロラ皇女がやって来た。「あら、アウロラ様、御機嫌よう。」キンバリーが精一杯の作り笑いをアウロラ皇女に浮かべたが、彼女は憮然とした表情を浮かべて去っていった。「なぁにあの態度、嫌な人。」 結婚式を迎え、新郎の親族としてアウグスティーナ教会の祭壇で永遠の誓いを交わすのを見ていたミズキは、キンバリーの不吉な予言を思い出した。アンジェリカの隣に立ち、豪奢な花嫁衣裳を纏っているアウロラは、輝くばかりに美しかったが、外見の美しさだけではハプスブルク帝国の皇太子妃が務まらないことを、ミズキは長年の宮廷生活で知っていた。「母上、これから宜しくお願いいたします。」「ええ。よろしくね、アウロラさん。」「ええ、宜しく。」アウロラは渋々ミズキに握手すると、まるで汚らわしい物にでも触れたかのように、パッとその手を離した。「気にすることはない、行こう。」「ええ・・」夫に支えられながら劇場へと入っていくミズキの顔は、蒼褪めていた。 ミズキはアウロラ皇女のことを快く思っていなかったが、アンジェリカと結婚し彼女がハプスブルク家の一員となってから、その思いはますます強くなっていった。「まだなのか、アウロラは?」「ええ、何でも皇太子妃様は貧血がおありとかで・・朝食は部屋でお取りになるとおっしゃられて・・」「まぁ、何様のつもりなのかしら?あの方、ご自分はまだここでお客様扱いされると勘違いされていらっしゃるようね。」宮廷のしきたりを無視したアウロラの行動に、キンバリーが憤った。「キム、止めろ。彼女はまだここでの生活に慣れていないんだよ。優しく見守ってやってくれ。」「お兄様がそうおっしゃるのなら、今回だけそう致しますわ。でも、次はありませんからね。」にほんブログ村
2013年02月28日
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「母さん、今まで俺のこと育ててくれてありがとう。」「あら、何言ってるの。あなたが決めた相手と幸せな結婚をしてくれたんだもの。それだけで充分親孝行しているわよ、あなたは。」ハプスブルク帝国皇后・ミズキは、息子・アンジェリカの人生最良の日に立ち会う日を迎えた。 北陸地方の資産家の令嬢として育ち、大学進学を機に上京。そしてハプスブルク帝国皇太子・ルドルフと合コンで知り合い、紆余曲折の末に結婚。一男一女に恵まれ、これまで順風満帆な生活を送っていた。目に入れても痛くないほど溺愛する息子・アンジェリカの結婚が決まってからは。「結婚ですか?アンジェリカが?」「ああ。何でもこの前のポロクラブの慈善試合で知り合った、アウロラ皇女と親しくなったようだ。」「アウロラ皇女って・・確かスウェーデンの?」ミズキはそう言うと、アウロラ皇女の名を聞いた途端眉をしかめた。というのも、アウロラ皇女の評判が少し芳しくないというのを聞いたからだ。 ミズキは数日前、彼女に対する週刊誌の記事をたまたま目にしてしまった。“アウロラ皇女、飲酒運転で起訴”“スウェーデン国王夫妻、娘の事故について一切語らず。”センセーショナルな見出しの上には、クラブで缶ビール片手に踊るアウロラ皇女の写真が載っていた。チューブトップにホットパンツを纏い、9センチのピンヒールでブロンドの巻き毛と乳房を揺らしている彼女を、何故かミズキは良い印象を持っていなかった。こんな女と結婚だなんて、アンジェリカは一体何を考えているのだろう?「どうした、ミズキ?」「いいえ、何でもありませんわ。」すぐさまミズキはあの週刊誌の写真を頭の隅へと追いやり、息子の結婚を心から祝福しようと思った。「それで?アンジェリカはいつ結婚式を挙げるって?」「三ヵ月後だそうだ。色々と準備しなければならないことが多いからな。」「そうですの。楽しみですわね。」心にもないことを言ってしまったーミズキはそう思いながらも、少し憂鬱な気持ちになった。 アンジェリカとアウロラ皇女の婚約発表がホーフブルクで世界中に生中継された二週間後、アウロラ皇女とミズキは初めて両家の食事会で顔を合わせた。「初めまして、ミズキ様。お目にかかれて光栄ですわ。」「あら、わたくしもよ。これからは仲良くしましょうね。」ミズキはにっこりとアウロラに微笑み、彼女と握手をしようと右手を差し出したが、アウロラはミズキにニコリともせず、彼女の脇を通り過ぎて両親の元へと駆け寄っていってしまった。「きっと緊張しているんだよ、気にしない方がいい。」「ええ、そうね・・」険悪なムードが少し漂い出したことを察したルドルフは、そう言って妻を励ましたが、彼女の聖母のような笑顔は少し引き攣(つ)っていた。(やっぱり、あの子とは仲良くなれそうにはないわ・・) 隣に立っている夫には聞こえぬよう、ミズキは小さい溜息を吐いた。にほんブログ村
2013年02月28日
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結構ダークな展開があり、その中に恋愛要素が絡んで読み応えのある作品でした。事件の結末には唖然としました。映画はまだ観てませんが、原作とは別物と考えた方がよさそうだなぁ。多重人格をテーマにしたミステリー小説。新聞広告につられて読みましたが・・ラストが意味不明だった。「それがどうしたの?」と思うような小説だった。今年の大河ドラマの主役・山本八重さんを主人公とした小説です。会津編はひたすら国を守るために戦う八重さんの姿を、京都編では夫・襄とともにキリスト教精神に基づいた大学設立と女学校設立に奔走する八重さんの姿をそれぞれ描いております。「ハンサム・ウーマン」と襄に評された八重さんの人柄が少しわかったような気がしました。ただの冒険小説かと思っていたけれど、結構奥が深かった作品でした。色々と考えさせられる小説でした。まぁ、不倫は駄目ってことだよなぁ。「隣の家の少女」で、後味悪い話が定評のJ・ケッチャムのデビュー作。あんまりグロくはなかったんだけど、狂気じみた展開に思わず夢中になって読んでしまった。癒しの作家・シャロン=サラさんの小説。前から読みたかった作品だったので、読んでみたけれど、サスペンスと人間ドラマが上手く織り成されてあっという間に読み終えてしまいました。ラストのヒロインとヒーローの言葉が、ジ~ンと来たなぁ。「オフシーズン」の続編です。今回もグロテスクな展開が次々と起こりますが、結局クレアとルーク親子と、エイミーとメリッサ親子、そして元警官のピーターズが助かってよかった。朝から読み始めて、あっという間に夕方に読み終えました。この人の作品、嫌いじゃないかもしれない。
2013年02月16日
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セーラの訃報を聞き、素早く動いたのは司祭達で、宮殿内ではあわただしく葬儀の準備が行われた。 リヒャルトはセーラの言いつけどおり、彼女が生前使っていた執務室の金庫から一枚の書類を取り出し、それに目を通した。そこには、自分亡き後の皇位継承権について、ガブリエル皇太子とその妻・アイコとの間に生まれた子供の性別は関係なくそれを認めるというものだった。600年にわたって皇位継承権を持つのは男子のみとされていたローゼンシュルツ王室にとって、セーラの遺言は異例のものであった。「そんな・・お義母様がそのようなことを書かれていたとは・・」「もう時代は変わったと、あの方は察しておられたのでしょう。」葬儀の前、リヒャルトがアイコに書類を見せると、彼らは驚愕の表情を浮かべた。「もう男子のみが皇帝となる時代ではない。進歩しつつある時代の流れに乗らなくては、国の発展は望めぬと、最後に結ばれております。アイコ様、これであなたが貴族たちに後ろ指指されることもなくなりました。」「ええ・・」アイコはそういうと、涙を流した。 ガブリエルと結婚し、長男を出産するまでの間、彼女は民間出身の妃であるという理由から、保守的な考えを持つ貴族たちに苛められてきた。長男・竜が誕生してからも、病弱な彼のことを貴族たちは「期待はずれの皇子」と陰口を叩いていた。だがそのたびにアイコを守ってくれたのは、姑のセーラだった。彼女亡き今、アイコはセーラに代わってこの国を夫とともに支えようと決意した。「皇太子妃様、そろそろお時間です。」「わかったわ。」 セーラの葬儀は全世界で生中継され、王家の血をひきながら異国で警官として働き、流転の日々を過ごした彼女の数奇な生涯と、その死を人々は悼んだ。とりわけセーラが幼少期から青年期までを過ごした日本では、彼女の生涯を振り返る特集が組まれたスペシャル番組が放送されていた。「セーラ様がお亡くなりになられたことが、まだ信じられませんわ。この間までお元気でいらしたのに・・」「ああ、そうだな。」葬儀に参列したハプスブルク皇帝・ルドルフとその妻・ミズキは、教会から出てセーラの棺がゆっくりと皇帝一族の霊廟へと向かう様子を静かに見つめていた。「いつか、会えますよ。」「そうだな・・すぐにとはいかないが、いつかまた彼女と会える。その日まで、精一杯生きよう。」「ええ、あなた。」 リヒャルトは葬儀を終えた後、セーラの寝室へと入った。部屋の主亡き後、そこはセーラがまだ居るような気がしてならなかった。(セーラ様、わたしがあなた様に代わってこの国を守ります。だから安心して天国から見守ってください。)リヒャルトは静かに眼を閉じてそうセーラに語りかけると、そっと彼の頬を風が撫ぜた。まるで、あの世からセーラが来てリヒャルトに会いに来たかのように。「リヒャルト様、こちらにいらっしゃったのですか。」背後で声が聞こえ、リヒャルトが振り向くと、そこには皇太子妃付の女官が立っていた。「どうした?」「実はさきほど、皇太子妃様が産気づかれまして・・」「わかった、すぐ行く。」最愛の人を失った今、新しい命が生まれようとしている。(あなたのおっしゃった通りになりましたね、セーラ様。ひとつの命が死に、新しい命が生まれ次の世代へと繋がれてゆく。その血脈は決して絶えることはない・・)「リヒャルト様、お早く!」「ああ、わかった。」 新たな命の誕生を見届けるべく、リヒャルトはセーラの寝室から去っていった。―FIN―にほんブログ村
2013年02月12日
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2032年7月25日。ローゼンシュルツ王国皇帝・セーラ、死去。「セーラ様、しっかりなさってください!」「耳元で喚くな、うるさい・・」宮殿の奥―皇帝の寝室で、セーラは苦しそうに呼吸を繰り返しながら自分の枕元に立ち手を握る夫・リヒャルトを疎ましげに見た。「もうわたしは充分に生きた。心残りはもうない。」「これからわたしは一体どうやって生きていけばよいのですか?わたしはずっとあなた様と共に居たというのに!」「リヒャルト、黙れ。そしてこれからわたしがいう事をよく聞け。」泣いて自分にすがる夫を、セーラはまるで見えない鞭で彼の頬を打つかのような厳しい口調でそう言うと、彼を睨みつけた。「もうわたしは神の下へ逝くだろう。わたし亡き後、金庫に入っている書類に目を通すように。わかったな?」「はい・・」「身重のアイコをお前が一番に気遣ってやれ。ガブリエルに任せておいた方がいいかもしれんが、あいつは仕事の都合上、わたしの葬儀には参列できないだろうから。」「わかりました・・」先ほどまでの苦しそうな様子とは打って変わって、セーラはベッドから起き上がって背筋を伸ばしながら、リヒャルトの目を真っ直ぐに見つめていた。「お義母様!」寝室のドアが大きな音とともに開けられたかと思うと、寝室に妊娠8ヶ月のアイコ皇太子妃が入ってきた。「アイコ、そんなに急いで走るとおなかの子がびっくりするだろう。」「お義母様が危篤だと知って、急いで駆けつけてきたのです。夫にもこのことを知らせないと・・」「アイコ、ガブリエルはここに駆けつけたくても出来ない理由があるんだ。それを察してやれ。」姑の言葉に、遠く戦地で汗を流している夫の姿を思い浮かべながら、アイコは静かに頷いた。「まさか、こんなにも早くお別れのときが来るだなんて思ってもみませんでした。せめて、この子の顔だけは見てくださった後でもよかったのに。」「新しい命と引き換えに、一つの命が去ることは当たり前のことだ。それよりもリュウを気遣ってやれ。わたしの看病とお前の妊娠が重なって、あの子も色々と辛い思いをしてきただろうから。」「はい、わかりました。竜を呼んで参ります。」アイコは今一度、自分を支えてくれた姑の顔を見た。民間出身の皇太子妃として、宮廷で様々な嫌がらせに遭ったが、セーラが身を盾にして自分を守ってくれたことは決して忘れない。「わたしはリヒャルトと話があるから、ゆっくりでいいぞ。」「はい・・」アイコはセーラに頭を下げると、涙を必死に堪えながら寝室から出て行った。「リヒャルト、わたしはもうすぐ神の下に召される。だがこんな状態のお前を見れば、まだ安心して逝けないな。」セーラは半ば呆れたような顔をしながら、涙を必死で拭うリヒャルトを見た。「セーラ様・・」「まったく、お前はもうとっくに大人になったのかと思ったのに、こんなときに赤ん坊に戻ったのか?」セーラはそっとリヒャルトの手を握って彼を安心させ彼の顔を再び見ようとしたが、何故か視界が急に暗くなり全てのものが見えなくなった。「セーラ様、しっかりしてください!」セーラの異変に気づいたリヒャルトが医師を呼んでいる間に、彼女は静かに息を引き取った。 その死に顔は、笑っているようにも見えた。にほんブログ村
2013年02月10日
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パソコントラブルについて前回書きましたが、その後父が丸一日かかって修復してくれました。ただ、ハードディスクの状態が不安定なので、インターネット接続に異常が発生したらすぐに報告するとのことです。
2013年02月04日
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ハリポタシリーズの作者・J・K・ローリングさんの新作小説。とある田舎町で若手の有力議員が急死し、まるでパンドラの箱のように住人達のそれぞれの秘密が露呈する・・というストーリーです。英国は未だ階級社会なので、格差社会にも鋭く切り込んでいるところがあります。お薦めの一冊です。わたしが好きな作家・シャロン=サラさんの新作。何でもこれは三部作シリーズの第2話だそうで。前作を読んだことはありませんが、一話完結型なので、読み易いです。ヒロインがタフで前向きな性格で、地元の有力者相手に戦うところは何だか励まされましたし、ラストの大逆転シーンもスカッとしました。今やっているドラマの原作です。不器用な父と子の、親子二人の愛情物語です。ラストシーンにはホロッとさせられたなぁ。奇形的に醜く、迫害された一人の女性が、美女となって故郷へと戻り、自分を虐げてきた人たちに復讐をする物語。ある意味復讐劇でもあるけれど、「美」とは何かを考えさせられる小説でした。大河ドラマの小説版です。小説は小説として、面白いところがあります。ドラマの映像美に毎週目を奪われています。
2013年02月01日
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