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※BGMと共にお楽しみください。 オーロラを見た時、千は何故か胸騒ぎがした。「うわぁ、綺麗ですね土方さん!」総司は子供のようにはしゃぐと、上空を指した。「ったく、あんなものどこが綺麗なんだ?薄気味悪くて仕方ねぇ。」「土方さんは、綺麗な物を薄気味悪いって言うんですね?何だかそんなの、わたしには解らないなぁ。」「解らなくていいさ、お前はガキなんだから。」歳三と総司の会話を聞きながら、千はこの機会を逃すまいと、伊東の企みを歳三に伝えようとした。「あの、土方さん・・」「副長、少し宜しいでしょうか?」「斎藤、どうかしたか?」 歳三に伊東の企みを伝えようとした時、斎藤が切迫した表情を浮かべながら広間に入って来た。「それが・・」斎藤で何かを耳元で囁かれた歳三は、眉間に皺を寄せると夕餉の最中だというのに立ち上がった。「土方さん、どうしたんですか?」「烏丸通(からすまどおり)で斬り合いがあった。何でも、長州の浪士達が不審な動きをしているところを、会津藩士が咎めて斬り合いになったらしい。悪ぃが、今から行ってくる。」「じゃぁ、わたしも行きます!」「駄目だ。お前ぇはここに居ろ。屯所を守るのが、お前ぇの役目だ。」「はい・・」「じゃぁ、行ってくる。」 歳三はそう言って総司に微笑むと、彼の唇を塞いだ。 歳三が斎藤と共に屯所から出て行った後、千は総司の部屋へと向かった。「沖田さん、少しよろしいでしょうか?」「千君、どうしたんですか?」「あの、オーロラを見に行きませんか?よく見れるところ、僕知っているんです。」「何処ですか、そこ?一緒に行きたいです。」「僕が案内します。」 屯所から出た総司と千の姿を、山崎が見ていた。 一方、烏丸通にやって来た歳三と斎藤は、斬り合いが終わっている事に気づいた。「斎藤、ここで本当に斬り合いがあったのか?」「はい。確かに斬り合いがあったと・・」斎藤の言葉を聞きながら、歳三の中で何かがおかしいと感じた。これは、何者かが自分をここへおびき出す為の罠なのか―そう思いながら歳三が周囲を見渡していると、山崎が彼らの元へとやって来た。「副長、斎藤さん、こちらに居られましたか!」「山崎、どうした?」「千と沖田さんが、屯所から居なくなりました!」「何だと、それは確かか!?」「はい。二人は恐らく、八坂神社へ向かっていると思われます。」「そうか、行くぞ、斎藤!」(畜生、嵌められた!) こんな狡猾な罠を仕掛けて自分を騙す人物は、一人しかいない。にほんブログ村
2016年10月31日
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「沖田さんをこっそりと屯所から連れ出して欲しい?」「ええ。薄井さんやわたしなら、土方君や沖田君は警戒するでしょうが、貴方は土方君や沖田君からの信頼が厚いでしょうし、少し貴方が嘘を吐いても疑わないでしょう。」 伊東はそう言うと、千の顔を覗き込んだ。「何をするつもりなんですか、伊東さん?」「わたしはただ、君が居る世界の事が知りたいだけですよ。そこへ行くには是非とも、沖田君と貴方が行かなくてはいけないのです。」「どういう意味ですか?」「ったく、鈍い坊やだな。伊東先生の最初の話を聞いていなかったのかよ?」薄井が伊東の背後でそう言うと、千に薄笑いを浮かべた。「僕が貴方の言う通りにしたら、どんな得があるというのですか?」「まったく、土方君の小姓は主に似て一筋縄ではいかないな。まぁ、君は案外馬鹿ではないようだから安心したよ。」急に伊東の口調が砕けたものとなり、彼は懐から千のスマートフォンを取り出した。「君が持っているこの箱は、大変便利なものだね。この箱ひとつで何でも解る。わざわざ間者を敵地に放たなくても、この箱で調べ物をすれば一発で向こうの情報が得られる優れものだ。これを長州や土佐の者に売れば、幕府を倒せるのは時間の問題かもしれない。」 伊東が尊皇攘夷派であり、最近長州の志士達と密会しているという噂が隊内に流れていたが、彼の言葉でそれが事実だと判り、千は恐怖で顔を強張らせた。「さぁ千、君の答えを聞かせておくれ。わたしと協力するか、それとも土方君の元に仕えるか・・君の返答次第で、沖田君の命がかかっている。」(表向きは伊東さんに従うふりをして、上手く彼を騙せばいい。問題なのは、土方さんに伊東さんの企みをどう伝えるかだ。) 頭の中で必死にこの状況をどう切り抜けようかと考えた後、千は伊東に向かってこう言った。「わかりました、貴方に協力致します。」「よろしい。では今夜子の刻までに、沖田君と共に八坂神社まで来なさい。薄井さん、それでよろしいですね?」「ああ、いいぜ。」「千君、もしこの事を誰かに言ったら、貴方の首が飛びますよ?」「いいえ、誰にも口外致しません。」千の言葉に満足したのか、伊東は彼を疑いもせずに薄井と共に蔵から出て行った。 蔵から出た千が溜息を吐きながら廊下を歩いていると、そこへ山崎がやって来た。「千君、さっき伊東さんと例の男が蔵から出て来たんだが・・何かあったのか?」「山崎さん、実は・・」 千は山崎に、伊東の企みを話した。「そうか。この事を副長にご報告しないと・・」「それはやめてください。土方さんに知られたら、伊東さんの思うつぼになってしまいます。伊東さんは、沖田さんを人質にして、僕に仲間になるよう脅しているんです。」「わかった。では、何かあったらわたしに言え。それと、これを持っていろ。」山崎がそう言って千に渡したのは、呼子だった。「これを使う時は、自分の身が危ない時に使え。伊東とその薄井とかいう男が何を企んでいるのかはわからないが、奴らの思い通りにはさせない。」「有難うございます、山崎さん。」 千は山崎に礼を言うと、彼から呼子を受け取った。 千が広間で夕餉を食べていると、突然周りの隊士達が空を指しながら騒ぎ始めた。「何だありゃぁ!」「気味が悪いぜ!」 京の街を覆うかのように、オーロラが上空に現れた。にほんブログ村
2016年10月31日
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数日前から、歯茎が痛いです。母曰く「歯茎が化膿している」とのこと。わたしは暇さえあれば飴やガムなどを口にするので、それで口の中の免疫力が低下しているそうです。これまで30年以上生きていて、歯茎が化膿するなんて生まれて初めての経験です。自分の身体を労われるのは自分だけだと今痛感しております。
2016年10月31日
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※このイラストはMARRISA様から頂きました。無断転載はおやめください。🎃双つの鏡 ハロウィン小説🎃 1865年10月28日。 千は、いつもこの季節になると楽しくも憂鬱なイベント―ハロウィンの事を思い出してしまう。 だがこの時代、ハロウィンを祝うという風習が日本では広まっていないので、千は頭の中からハロウィンの事を締め出して家事や副長小姓の仕事に勤しんだ。そんな中、会津藩から一通の文が届いた。 その文には、近々黒谷本陣で西洋の祭りを祝うので、四日後に宴を開くので来るようにという旨が書かれてあった。「何でも西洋には、皆好きな格好をして楽しむ祭りがあるとか。千君は、ご存知ですか?」「ハロウィンの事ですか?元々は古代ケルト人が秋の収穫を祝うと共に、悪霊を追い出す一種の儀式だったのですが、いつしか扮装してお菓子を貰うお祭りになっちゃいましたね。」「へぇ、そうなんですか。じゃぁ、黒谷へは皆好きな格好をして行った方がいいかもしれませんね。」総司はそう言うと、翡翠の瞳をキラキラと輝かせた。「千君も勿論行くでしょう?」「はい・・」 幹部からお誘いに断れず、千は仕方なく黒谷本陣で行われるハロウィンパーティーに行くことになってしまった。「土方さん・・じゃなかった副長、お茶をお持ちしました。」「い~や~だ~!」 千が副長室の襖の前に立ってそう言うと、中から部屋の主である歳三の悲鳴が聞こえた。「トシ、お願いだから聞き分けてくれ。」「そうですよ、会津藩直々のお願いなんですよ?断ったら角が立つでしょう?」「だからって、俺にこんなヒラヒラしたもんを着れっていうのかよ!?」 千が副長室に入ると、歳三は手に持っていたドレスを片手にそう近藤と総司に向かって怒鳴っていた。「土方さん、一体どうされたんですか?」「どうされたもこうされたもねぇよ!さっき会津藩の使いが来て、俺にこれを着て黒谷本陣に来いだとよ!」歳三が持っていたのは、紫のバッスルドレスだった。「後、髪にこれを飾れだとよ、俺を莫迦にしてんのか!?」歳三は美しい顔を怒りで歪ませながら、乱れ箱の中に入っている星形の髪飾りを指した。「副長、ハロウィンではそれぞれ好きな扮装をして楽しむというのが宴の主旨なのです。」「だそうですよ、土方さん。わたし達は会津藩御預かりの身なのですから、会津藩のご機嫌を損ねては新選組の将来が危うくなるかもしれませんよ?」「畜生、解ったよ!着ればいいんだろ、着れば!」総司から弱い所を突かれた歳三は、半ば自棄になってそう怒鳴った。「武士に二言はありませんよね、土方さん?」「ああ。」 四日後、黒谷本陣に於いて会津藩主催の「波浪院派得(はろいんぱーてぇ)」が開かれ、客達はそれぞれ好きな扮装をして宴を楽しんだ。「沖田さん、良くお似合いですよ。」「千君、衣装作ってくれて有難うございます。千君も結構似合っていますよ。」 白雪姫の扮装をした総司と、アリスの扮装をした千がそんな話をしていると、仏頂面を浮かべた歳三が二人の元にやって来た。「てめえら、何をジロジロ見ていやがる、見世物じゃねぇぞ!」「よくお似合いですよ、土方さ・・ブフォ!」「ええ、良く似合ってます。」 紫のバッスルドレスを纏い、黒髪にダイヤの星飾りを挿したエリザベートの扮装をした歳三は、宴で誰よりも目立っていた。あとがき ハロウィン話を書いてみました。総司や千の衣装は、全て千が作りました。幕末にはコスチューム売ってる店なんてないと思うので、全て手作りが基本です。まぁ、幕末にハロウィンを祝う風習はありませんが、そこは広い心で許していただけると嬉しいです(^o^)にほんブログ村
2016年10月31日
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「薄井さん、とおっしゃいましたよね?貴方の居る時代に行けば、必ず労咳は治るんですか?」「ああ。貴方が、沖田総司さんだね?」薄井は少し興奮冷めやらぬ口調で言うと、総司の手を握った。「はい、そうです。薄井さん、わたしを貴方が居る時代に連れて行ってください。」「総司、何を言っていやがる!?」歳三がそう言って身を乗り出すと、総司は彼に優しく微笑んだ。「労咳が治れば、貴方の傍にずっと居られるでしょう?このまま貴方の傍に居ても、わたしは死を待つだけの日々を送るのは嫌なんです。」「総司・・」「土方さん、病を向こうで治したら、必ず貴方の元に戻ります。だから・・」「解った。お前が病を治して俺の元に帰る日まで、待ってる。」歳三は総司の涙を優しく拭うと、彼の唇を塞いだ。「そうと決まれば、話が早い。君は、確か千君といったね?君も、俺と一緒に未来へ帰らないか?」「僕は、未来へ帰るつもりはありません。まだここで、やり残したい事があるんです。」千が薄井の誘いを断ると、彼は溜息を吐いた。「やはり君ならそう言うと思ったよ。」「それは、一体どういう意味ですか?」「京都を修学旅行中に失踪した高校生は、君の事だね?悪いが、君の事を色々と調べさせて貰ったよ。君が学校でいじめに遭っていたことや、家庭で義理の兄と弟との仲が余り良くない事も、全てね。」 薄井の言葉を聞いた千の顔が強張った。「それが貴方と何の関係があるんですか?」「君と俺のように、未来から“こちら側”へタイムスリップした人間の共通点は、何処にも居場所がない事だ。あの鈴江という芸妓も、未来の世界では男でありながら歌舞伎町で有名なホステスだったが、家族とは縁が薄かった。そういう俺も、家庭でも職場でも居場所がない寂しいおっさんさ。君がここへ来て新選組で自分の居場所を見つけ、精神的に成長していったのは解る。俺も、ある人の下で世話になって、色々と学んだからね。」「あの人とは、誰の事ですか?」「それは言えない。」薄井の態度を不審に思った歳三は、総司を自分の方へと引き寄せた。「総司、こいつと薄井の居る時代に行くんじゃねぇ。こいつは信用ならねぇ。」「土方さん・・」「どうして恋人の邪魔をするんです、土方さん?彼は病気を治して、貴方の傍にずっと居たいと思っているのに・・」 薄井はそう言って口元に冷笑を浮かべた。「てめぇ、一体何者だ?」歳三は愛刀の鯉口を切ると、総司を抱きながら薄井と距離を取った。「あ~あ、あと少しで上手くいく筈だったのになぁ。」態度を豹変させた薄井は、そう言って笑いながら蔵の入り口に立っている人物の方を見た。「まったく、土方君は全てがお見通しのようだね。」「伊東さん・・」 涼やかな声と共に蔵へと入って来た伊東を、歳三は睨みつけた。「あんた、一体何が目的でこんなことを・・」「薄井さんの話は大変興味深い。だから是非沖田君には彼の時代に行って、全てのものを見て来て欲しいんだ。」伊東の冷たい鳶色の瞳が、総司を射るように見た。「悪ぃが、あんたの思い通りにはさせねぇ。総司、行くぞ。」「はい。」 歳三と総司が蔵から出た後、蔵の中には千と伊東、そして薄井の三人だけとなった。「では伊東さん、僕もこれで失礼します。」「待ちなさい、荻野君。貴方に折り入って頼みたいことがあるのです。」「頼みたいこと、ですか?」 伊東はそっと千に近づくと、彼の耳元で何かを囁いた。にほんブログ村
2016年10月28日
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千が蔵の中に入ると、そこには歳三と半裸の男の姿があった。「千、こいつは薄井と言って、お前と同じように未来から来た人間だそうだ。」「え・・」千が歳三の言葉に動揺しながら薄井の方を見ると、彼は口端を上げて笑った。「その反応からすると、信じられないといったような気持ちだろう?だが、現に俺以外にも未来から来た人間がこの幕末の京に居る。たとえば、今祇園で絶大な人気を誇っている芸妓・鈴江。」「何だと!?」「その口ぶりだと、鈴江を知っているようだな?」「ああ。俺の小姓にあいつの素性を探るよう、潜入捜査を命じてある。まさか、あの芸妓が未来から来た人間だとは・・」「薄井さん、とおっしゃいましたよね?貴方は何の目的で新選組の屯所に忍び込んだのですか?」千はそう言うと、薄井を見た。「俺は沖田総司の命を救いに来た。そう言えば納得してくれるか?」「それはつまり、沖田さんを現代に、21世紀の日本に連れて行くという事ですよね?その方法はあるんですか?」「ああ。俺の予想だと今夜オーロラが京の上空に現れる。その時、未来と過去を繋ぐ“時空の扉”が開く。俺は沖田総司を連れて現代に行き、彼の病気を完治させた後幕末に送り届けるつもりだ。」 薄井の話を聞いた後、千は何かを考え込んだような顔をして溜息を吐いた。「貴方の言いたいことは解りました。ですが、問題は沖田さんが貴方の話を聞いて納得するかどうかです。」「それは考えていなかったな。でも不治の病が治ると聞いたら、あの人は喜んで俺と現代に・・」「そんなに単純な事ではありませんよ。今の沖田さんは、精神状態が不安定なんです。病気で弱っている所為かもしれませんが、土方さんと離れることを知ったら、恐らく沖田さんは自害すると思います。」 薄井は千の話を聞いて驚きのあまり絶句した。「え・・まさか、土方歳三と沖田総司は恋人同士だと君は言いたいのか?」「その通りです。正確に言えば、お二人は夫婦です。薄井さん、貴方が現代へ沖田さんを連れて行くという事は、沖田さんを土方さんから引き離すという事ですよ。」「・・畜生、上手くいくと思ったんだがな・・」薄井はそう言うと苛立ったかのように頭を掻いた。「薄井、総司はお前の時代に行けば・・未来に行けば、労咳で死ぬことはないんだな?」「ああ。」「そうか・・なら、総司を未来に連れて行ってくれ。あいつの病が治るんだったら、俺はあいつと離れていても大丈夫だ。」「土方さん・・」「あいつが未来に行っても、労咳が治ればまたこっちに戻って来るんだろう?その日がいつになるのかはわからねぇが、俺はあいつが帰って来るのを待つだけだ。」 歳三がそう言って笑った時、蔵の中に誰かが入って来た。「その話は本当なんですか?」「総司・・」 歳三達が振り向くと、そこには彼らを驚愕の表情を浮かべながら立っている総司の姿があった。「総司、お前何処まで話を聞いてたんだ?」「最初から聞いていました。」 総司はそう言うと、視線を歳三から薄井へと移した。にほんブログ村
2016年10月28日
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カミーユ警部シリーズ完結編ということで、最初からカミーユの恋人・アンヌが二人組の強盗に殴られるところから物語が始まります。それから物語が急展開し、アンヌの正体が次第に明らかになり、読み終わった後切なくなりました。こういう終わり方あり!?と叫びそうになるくらい後味悪かったです。
2016年10月28日
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「副長、斎藤です。」「どうした、何かあったか?」「蔵の中で例の男を尋問していますが、一向に吐きません。奴は、土方さんを呼べと言っております。土方さんに話したいことがあると・・」「そうか・・」 蔵で謎の男を尋問していた斎藤からの報告を受けた歳三は、彼と共に蔵へと向かった。「漸く来たな、土方。」 蔵に歳三が入って来ると、謎の男は口元に不敵な笑みを浮かべて彼を見た。「お前ぇは何者だ?何故新選組の屯所に忍び込んだ?」「それは出来ない・・」男の目が、歳三から斎藤へと移った。「斎藤、お前は席を外してくれ。」「しかし副長・・」「こいつは逆さ吊りで何もできねぇよ。こいつが妙な真似をしたら俺が斬る。」「解りました。」斎藤はそう言うと、隊士達を引き連れて蔵から出て行った。「さてと、邪魔者は居なくなったし、これでお互いに腹を割って話せるな?」「ああ。自己紹介が遅れたな、俺は薄井亮。俺が新選組の屯所に忍び込んだのは、あんたに話したいことがあったからだ、土方さん。」「俺に話してぇ事とは何だ、薄井?」「あんたの恋人・・沖田総司の事だ。あの人は末期の肺結核に罹っている。このままだとあと数年経ったらあの人は死ぬしかない。」「そんなの、知っているさ。だが、俺は総司の傍に居てやりてぇんだ。あいつの命がある限り、あいつの傍に寄り添ってやりてぇんだ。」そう言った歳三の紫紺の瞳から涙が流れた。「俺なら、沖田総司を救ってやる事が出来る。あんたの恋人を、不治の病から救ってやれるんだ。」「どういう意味だ?」「こんな事を話せばあんたは信じて貰えないかもしれないが、俺は未来から来た人間だ。俺が居る時代では、肺結核は薬で治るんだ。」「お前ぇが未来から来た人間・・だと?」歳三は疑惑に満ちた目で薄井を見た。 彼の言葉は信じがたいものだったが、薄井と同じように未来から来た千の存在を、歳三は思い出した。 千と同級生だった栗田という少年も、彼と同じ未来から幕末へと来た人間だった。二人以外にも、未来から幕末に来た人間が居るという可能性は高い。「単刀直入に言おう。薄井、総司を救える方法はあるのか?」「ああ。あんたの恋人を俺が未来に・・俺が居る時代へと連れて行く。」「そんな夢物語みてぇな事が出来る訳がねぇだろうが。そんな嘘を吐いて俺を騙そうたぁ・・」歳三が腰に帯びている和泉守兼定に手をかけようとすると、薄井が慌てて口を開いた。「今夜オーロラが京の上空に現れる。その時、時空の扉が開く。」「今の話、詳しく聞かせろ。」「わかった。でもその前に、俺を下ろしてくれ。」歳三は舌打ちし、愛刀の鯉口を切ると薄井の足首を拘束している荒縄を切り落とした。「お前ぇが言う、“時空の扉”ってのは何だ?」「俺が幕末に飛ばされたのは、京都でオーロラを観察していた時の事だ。普通オーロラは北米や北欧のような寒い所でしか現れないから、珍しいと思ってカメラで撮影しようとした時、地震に遭った。そして、平成から幕末へと飛ばされた。」「土方さん、千です。入っても宜しいでしょうか?」歳三が薄井の話を半信半疑で聴いていると、外から千の声が聞こえた。「俺の他にも、タイムスリップした人間が居るんだな?」「薄井、お前ぇの話を俺は完全に信じた訳じゃねぇ。だが、お前ぇがもし倒幕派の人間なら、こんな手の込んだ嘘は吐かねぇ。暫くお前の身柄は俺が預かっておく、いいな。」 歳三はそう言うと薄井に背を向け、千を蔵の中へと招き入れた。にほんブログ村
2016年10月28日
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「何をするんですか!?」 突然斎藤から抱き締められ、彼の腕の中で身を捩った千だったが、彼の身体はビクともしなかった。「暫くこうしていろ。」斎藤はそう言うと、千に茂みの傍を見るよう目配せしてきた。千が茂みの方を見ると、そこには誰かがじっと副長室の様子を窺っている男の姿があった。「これからどうするんですか?」「相手が茂みから出た時、俺が合図をするからお前は相手の退路を断て。」「はい。」 やがて茂みの中に居た男は、注意深く周囲を観察しながら茂みの中から出て来た。「貴様、何処へ行く?」 眼前に刃を突きつけられ、男は舌打ちして裏口から外へと逃げようとしたが、千がすかさず彼の退路を断った。「逃がしませんよ!」「女、そこを退け!」苛立った男はそう千に怒鳴ると、懐から隠し持っていた匕首(あいくち)を取り出した。千は咄嗟に戸に立てかけられてあった箒(ほうき)を掴むと、男が匕首を振り翳した時に出来た隙を狙い、箒の先で男の手首を打った。「くそっ!」「新選組の屯所に忍び込んで無事に逃げられると思うなよ?」斎藤はそう言って男を睨みつけると、騒ぎを聞きつけて中庭にやって来た数人の隊士達に彼を捕縛するよう命じた。「どうした、一体何があった?」「先ほど中庭で不審者を捕えました。尋問は俺がしますので、副長はお部屋にお戻りください。」「わかった、後は任せたぞ、斎藤。」斎藤は副長室の襖が閉まる前、慌てて寝間着を着ようとしている総司の姿を見た。 斎藤達が捕えた男は、尋問部屋として使っている蔵で逆さ吊りにされた。「貴様の名を聞こうか?何故お前が屯所に忍び込んだのかは、後で聞こう。」「俺は、何も言わぬ。お前のような奴に名乗る名などない!」「そうか・・では、少し痛い目に遭えば吐く気になるだろうな?」普段は冷静沈着な斎藤の琥珀色の瞳に怒りの光が宿った。蔵から手負いの獣のような叫び声が聞こえ、千は恐怖で身を震わせた。「千、お前さっき斎藤と不審者を捕まえたんだってな!」「そんな・・僕は咄嗟に男の動きを封じただけです。」「この前は朝稽古を受けて吐いていたお前が、箒一本で大の男を倒しちまうなんて、お前も立派に成長したんだな!」「有難うございます・・」 原田と平助に今朝の事を褒められ、千はそう言って照れ笑いを浮かべた。 一方蔵では、斎藤の厳しい尋問に対して、男は頑なに口を閉ざしたままだった。「土方を呼べ・・あいつに用があって、俺はここに来た・・」「副長はお忙しい、お前のような男の相手をしている暇などない。」「そう言って俺を馬鹿にしているのも、今の内だぞ。」男は俯いていた顔を上げ、爛々と光る黒い双眸で斎藤を睨んだ。「ここはお前達に任せる。あいつが逃げぬよう、見張っておけ。」「はい。」嫌な予感がする―そう思いながら斎藤は蔵を出て、副長室へと向かった。にほんブログ村
2016年10月28日
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カルディで買ったマーケットOのバターパレット。バターの味が口の中で広がって美味しかったです。もうすぐ10月も終わり、世間はハロウィン一色です。
2016年10月27日
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長い間仲たがいしているカップルが結ばれる話や、一匹の猫が巻き起こす騒動など、アンの周辺にいる人間たちのドラマを描いているお話でしたが、面白くて読み終わった後クスリときてしまいました。
2016年10月24日
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だが明美に刃物を突き付けられた真珠は、それに怯えるどころか、口元に薄笑いを浮かべていた。「何がおかしいのよ?」「そんなちゃちい得物であたしを殺せるとでも思ってるの?」「舐めてんじゃねぇぞ、クソガキ!」真珠の挑発に逆上した明美は、包丁を握り締めて彼女に突進した。だが武術の心得がある真珠は、難なく彼女の攻撃を躱すと、そのまま彼女の脇腹に強烈な蹴りを喰らわせた。 その蹴りを受けた明美は呻いて床に転がり、体勢を立て直そうとしたが、それは真珠が放った膝蹴りによって阻まれた。 明美の髪を掴んだ真珠は、その顔に向けて唾を吐いた。「あたしを余り怒らせないで。」真珠はそう言うと、明美の利き腕を掴んでそれをへし折ろうと無理な方向へと押し曲げ始めた。 苦痛に呻き、両足をバタつかせる明美の顔を見て満足した真珠は、彼女の腕からそっと手を離した。 安堵の表情を浮かべた明美だったが、それは瞬く間に苦痛の表情へと変わっていった。「今回は手首だけで勘弁してあげる。でも今度わたしや土方さんに舐めた真似をしたら、手首だけでは済まないと思いなさいね?」 耳元でそう真珠が脅すと、明美は彼女にへし折られた右手首を左手で押さえながら静かに頷いた。「おい、誰も居ねぇのか、開けろ!」 廊下の方から歳三の怒声と数人分の足音が聞こえ、真珠はそっと明美から離れると、家庭科室のドアの鍵を解除して廊下へと出た。「荻野、無事か!?」「ええ。先生、前田先生が中で怪我をしてしまったので、救急車を呼んで頂けませんか?」「わかった!」 事情を知らない柴田がそう言って家庭科室の中へと入ると、明美は失禁して気絶していた。「お前ぇ、あいつに何をした?」「別に。少し懲らしめてやっただけです。」真珠はそう言って歳三に向かって笑うと、教室へと戻って行った。「真珠、大丈夫だった?」「ええ。それよりも沙月、次の授業何だっけ?」「次は体育だよ。さっさと着替えて一緒に体育館に行こう。」「またバトミントンかぁ。嫌いじゃないけど、いい加減飽きたなぁ。バレーとかしたいよねぇ。」「まぁ外で授業受けるよりもいいじゃない。体育館の中は蒸し暑いけど、日焼けしないし。」「そうね。」 ジャージに着替えた真珠と沙月が体育館の中に入ると、そこには何故か歳三がスーツ姿で柴田とバトミントンをしていた。「あの二人、何やってんの?」「それがさぁ、柴田が土方先生はモテて羨ましいですねぇとか変な事言って絡んできて、きっと土方先生はスポーツ万能なんでしょうからその腕前を見せてくださいって土方先生に無茶ぶりしてきて、今こんな状態になってんの。」「ふぅん・・柴田も大人気ないことするわね。」「でも土方先生が柴田負かしてない?」沙月達が二人の方を見ると、柴田が苦しそうに呼吸をしながらバトミントンのラケットを振るっているのとは対照的に、歳三は汗ひとつ掻かずに柴田とのラリーを続けていた。 やがて柴田は苦しそうに体育館の床に座り込むと、降参のポーズをした。「いやぁ、参りました。お前達、授業は自習な!」 柴田が体育館から去った後、歳三の元に女子生徒達が黄色い悲鳴を上げながら駆け寄って来た。「先生、格好いい~!」「先生、独身ですか~?」「良かったらお昼一緒にどうですか?」 女子生徒に囲まれた歳三の姿を、真珠は何処か醒めた目で見ていた。にほんブログ村
2016年10月24日
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会社の派遣社員・秋葉と不倫関係に陥ってしまった主人公。不倫って、男も女も、それにかかわる人間も全て不幸になるんだよ~という、東野さんが読者に向けて警告を発した作品だと読み終わって思いました。秋葉が犯人だと疑われていた事件の真相も呆気ないものでしたし。番外編の主人公の同僚の話も、後味が悪いけれど、本編のラストに鳥肌が立ちました。奥さんが本当に怖い・・男は自分の不倫が奥さんにバレないとでも思っているのでしょうか?まぁ、そういう慢心さがあるから、男は不倫をするんでしょうね・・
2016年10月24日
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※BGMと共にお楽しみください。「あんな言い方をしたら、みんな誤解するだろうが!?それに、あいつらに俺達の前世の事を教室に戻って説明するっていうのか?」「そうしたら、変人扱いされるでしょうね。きっと今頃、みんなはわたしと土方さんの事を好き勝手に噂をしていますよ。」「てめぇは俺をからかっているのか?」「いいえ。こうして土方さんと二人きりになれる機会を作っただけです。」真珠はそう言うと、セーラー服のスカートを捲り上げた。「お前ぇを抱く気にはなれねぇと言った筈だ。」「姉とは肌を重ねたのに?」「あれは、勢いで・・」「勢いに任せて病院で姉とセックスなさるなんて、昔とは大違いですね。」「人の揚げ足を取るんじゃねぇ!」歳三がそう言って真珠を睨みつけると、彼女はそっと彼の背に手を回した。「貴方はご存知ないでしょう?わたしが貴方と再会するまでの間、どれほどわたしが貴方に恋い焦がれていたのかを。」「真珠・・」「お願い、今はその名では呼ばないで。」真珠は歳三のネクタイを掴み、彼の唇を塞いだ。「忍、俺とお前ぇは昔恋人同士だったかもしれねぇが、今はただの教師と生徒の関係だ。俺の事は諦めてくれねぇか?」「いいえ、諦めません。貴方がわたしを抱いてくださるその日まで、わたしは貴方を害する者を排除します。」「それはどういう意味だ?」「言葉通りの意味ですよ。」真珠はそう言って捲り上げたスカートを下ろしてソファから立ち上がると、数学科準備室から出て行った。「沙月、土方先生と何処行ってたの?」「ちょっと、土方先生と話す事があってね。」「何、教えてよ~!」「いくら沙月が友達でも、さすがにそれは言えないなぁ。」 家庭科室で真珠と沙月がクッキーを作りながらそんな話をしていると、明美が二人の方へとやって来た。「二人とも、口を動かさないで手を動かしなさい!」「解りました、先生。授業に集中したいので、スマホをマナーモードにするか、電源を切ってくださいませんか?さっきから着信音がうるさくて堪りません。」「貴方、わたしに口答えする気なの!?」「いいえ、ただ注意しているだけですよ。」「貴方って可愛げがないわね、本当に!」「八方美人よりもマシでしょう。」 明美は真珠を睨みつけると、家庭科準備室のドアを乱暴に閉めた。「ねぇ、前田先生にあんな口の利き方をしてもいいの?」「単位を落としたければ、すればいいわ。沙月、あんな女に構ってないで、さっさと終わらせましょう。」「う、うん・・」 一限目の授業が終わり、真珠が沙月達と共に家庭科室から出て行こうとした時、明美が真珠の腕を掴んだ。「荻野さん、話したい事があるの、いいかしら?」「ええ、いいですよ。」「真珠、大丈夫なの?」「大丈夫よ、沙月。土方先生には心配しないでくれって伝えておいて。」「わかった・・」 沙月達が家庭科室から出て行ったのを確認した後、明美はドアに内側から鍵を掛けた。「わざわざ人払いをさせておいてお話することって何ですか?」「あんたよね、この動画を流したの?」明美はそう叫ぶと、持っていたスマホを真珠に見せた。その画面には明美と彼女の不倫相手である隆雄とのセックスの様子を撮影した動画が映っていた。「そんなもの、知りません。先生が流したんじゃないんですか?」「ふざけるんじゃねぇ!」明美はそう叫ぶと、包丁入れから包丁を取り出し、その切っ先を真珠に突き付けた。にほんブログ村
2016年10月24日
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「あら荻野さん、居たの?もうすぐ朝のHRが始まる頃でしょう、教室に戻りなさい。」 明美は自分の背後に真珠が立っていることに驚いたが、すぐに彼女は教師の仮面を被るとそう真珠にここから立ち去るように言った。 だが、真珠はそんな明美の言葉を鼻で笑った。「急に教師ヅラをするんじゃないわよ、このアバズレ。あんたがうちの義兄さんと不倫していること位、とっくに知っているんだから。」「な・・」怒りで顔を赤くした明美に、真珠は一歩近づき、ポケットからライターを取り出すと、その炎を彼女の前に翳した。「土方先生に舐めた口を利くと、あんたをタダじゃおかないから、憶えておきなさい。」「あ、あたしを脅すつもり!?」「あたしはあんたが今何を思っているのか、手に取るように解るのよ・・だってあたしは、あの胡蝶姫の血を継いでいるんだから。」“胡蝶姫”という言葉を聞き、恐怖で顔を引き攣らせた明美は、そのまま真珠に背を向けて家庭科準備室へと去っていった。「荻野さん、ライターを持ってくるなんていけませんよ。」「先生、何処まで見ていたんですか?」真珠はそう言って自分と明美のやり取りを廊下から見ていた養護教諭・山科の方を見た。「最初から・・詳しく言えば、土方先生を前田先生が脅していたところからですよ。それにしても、彼といい君といい、そんなに気が強いと周りから憎まれてしまいますよ?」「憎まれて結構です。あのような輩には罰を与えないといけません。」真珠は口端を上げて笑うと、山科の顔を覗き込んだ。「先生、この事は誰にも言わないでくださいね?」「言う訳がないでしょう。君は僕を信用しないのですか?」「その言葉を聞いて安心しました。それじゃぁわたし、教室に戻らないと。」真珠は山科にそう言って背を向け、教室へと戻った。「荻野さん、おはよう。」「おはよう、沙月。」「おはよう、真珠。今日の一限目、家庭科の調理実習で同じ班だね。宜しくね。」「こちらこそ、宜しく。」「ねぇ、真珠って土方先生と付き合っているの?」「今は付き合っていないわ。昔は土方先生と付き合っていたけれど。」「ええ、嘘~!」友人の沙月が真珠の言葉を聞いて大声を出したとき、朝のHRを告げるチャイムが校内に響いた。「おはよう。」「先生、おはようございます。」歳三が教室に入ると、何故か生徒達が自分を見る目が変だと言う事に彼は気づいた。「出欠を取るぞ、名前を呼ばれた奴から返事をしろ。」「はぁい。」 朝のHRが終わり、歳三が教室から出て行こうとした時、沙月が彼の方へと駆け寄って来た。「土方先生、真珠と昔付き合っていたって本当ですか?」 沙月の爆弾発言に、教室中が一斉にざわめきだした。「嘘!?」「荻野さん、いつから土方先生と知り合いだったの?」「大人しい顔をしてやるわねぇ~」 クラスメイト達が自分をからかう声を真珠は完全に無視すると、歳三の手をそっと取って彼に向かってこう言った。「土方先生、少しお話ししたいことがあるんですけれど、いいですか?」「あ、あぁ・・」「沙月、前田先生に少し授業に遅れるって言っておいて。」「うん、わかった!」 歳三は真珠を連れ数学科準備室に入ると、内側から鍵を掛けて真珠を近くに置いてあったソファに押し倒した。「てめぇ、一体何をした?」「何も。ただ事実をみんなに言っただけです。」そう言った真珠は歳三を見つめると、口端を上げて笑った。にほんブログ村
2016年10月24日
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アンの娘・リラが主人公で、話は主に第一次世界大戦下の彼女の生活について描かれています。第一次世界大戦というと、はじまりはオーストリアの皇位継承者だったフランツ・フェルディナンドと妻がサラエボで暗殺されたので、マイヤーリンクでルドルフ様が死ななかったら起こらなかったかもしれないな…と思いながら読み進めました。愛する人達が戦地へ出征し、彼らの無事を祈るリラ達。男達が戦場に行き、彼らの帰りを待つことしか出来ない女達の気持ちは、いつの時代も同じものですね。ケンがリラと再会を果たしたシーン、切なくも嬉しく思いました。
2016年10月20日
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アンシリーズですが、今回の主役たちはアンと、牧師館の子供達です。アンの子供達は個性豊かで、牧師館の子供達も彼らに負けず劣らず個性的な性格です。彼らが巻き起こす騒動を最初から最後まで読み、本を閉じた後思わずくすっと笑ってしまいそうになりました。
2016年10月20日
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アンシリーズ四巻目(画像は新潮文庫版ですが、わたしが移動図書館から借りているのは全7巻のポプラ社版なので)。新婚のアンとギルバートの前に現れたジム船長をはじめとする個性豊かな人々。それぞれ彼らにも過去がありました。それよりも、アンとギルバートの間に生まれた赤ちゃんが亡くなってしまったことは悲しかったです。でも、神様は二人に嬉しい贈り物をしてくださったのですね。
2016年10月20日
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ダイアナの結婚と、ギルバートからの告白ーまさに、シリーズ3巻目はアンの愛情そのものでしたね。少女から女性へと変わってゆくアンの姿を、これからも見守りたいと思います。ダイアナの結婚と、ギルバートからの告白ーまさに、シリーズ3巻目はアンの愛情そのものでしたね。少女から女性へと変わってゆくアンの姿を、これからも見守りたいと思います。
2016年10月20日
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「あたし、パチンコで借金があるんですよねぇ~、悪いんですけれど、それ土方先生が立て替えといてくれませんかぁ?」「幾らだ?」「総額で300万。それさえ払ってくれればこの事は誰にも言いませんから。」明美はそう言って車の窓を閉めると、そのまま雨の中へと消えていった。 自分と千華の情事を撮影した動画がネットに拡散したら、この狭い田舎町で千華は暮らしていけなくなってしまう。千華だけではない、自分や彼女の妹の真珠も、住民達の冷たい視線に晒されてしまう。あの動画をネットに拡散させないためには、素直に明美の要求を呑めばいいのだろうか―そんな事を思いながら歳三がマンションの中へ入ろうとした時、誰かが彼の肩を叩いた。「土方さん。」歳三がゆっくりと振り向くと、そこには制服姿の真珠が立っていた。「真珠、学校はどうしたんだ?」「お祖母ちゃんが学校に来てくれて、今回はお咎めなしになりました。それよりも土方さん、さっき前田先生に脅されていましたよね?」 真珠の翡翠の双眸が、強張った歳三の顔を射抜くかのように見た。「どうしてお前ぇがそんな事、知ってるんだ?」「義兄さんから、お姉ちゃんが土方さんに攫われたっていう連絡が来たから、病院の方に行ってみたんです。そしたら、前田先生の妹さんがお姉ちゃんの病室の前でスマホを弄っていたんです。何をしているのかと彼女に声を掛けたら、彼女はバツの悪そうな顔をしてナースステーションに戻っていきました。」 真珠は鞄の中からスマホを取り出すと、例の動画を歳三に見せた。「その動画、何処で手に入れた?」「あの人、そそっかしいから、自分のスマホをナースステーションのカウンターに置きっぱなしにしてたんですよね。まぁ、この動画以外にも、面白いものが沢山このスマホに詰まってますけど。」 真珠はそう言ってスマホを鞄の中にしまい、歳三にタオルを手渡した。「言っておくがこの前みたいに俺に迫っても、俺はお前ぇを抱く気なんざさらさらねぇぞ?」「そんな事、解っていますよ。それよりもパソコン少しお借りしてもいいですか?」「あぁ、構わねぇよ。」 歳三がシャワーを浴びた後、脱衣所で濡れた髪をドライヤーで乾かしていると、真珠が居るリビングの方から物音が聞こえて来た。「おい、何かあったのか?」「土方さん、これ見てください。」真珠がそう言って歳三に見せたものは、明美が不倫相手と情事に耽っている動画だった。「あの先生、土方さんを脅迫しておきながら、自分も同じ事をしているんですね。」「その動画、あのスマホからコピーしたのか?」「ええ。この動画のデーターのバックアップを取っておきましたから、後はこの動画をどう使うのかは土方さんにお任せします。」「そうか、有難う。」 翌朝、歳三が出勤して職員室に入ると、彼を待ち伏せしていた明美が職員室にやって来て彼を人気のない所へと連れて行った。「先生、お金まだですかぁ?」「お前ぇみてぇな女に払う金は一銭もねぇよ。」「あんた、ふざけてんの!?」歳三の言葉に逆上した明美が彼の胸倉を掴んだが、歳三はその手を邪険に振り払って彼女を突き飛ばした。「ふざけてんのはてめぇだろうが。俺を余所者だと思って舐めて貰っちゃ痛い目遭うのはそっちだぜ?」 歳三は紫紺の瞳で明美を睨みつけると、彼女に背を向けて職員室へと戻った。「何よあいつ、ムカつく!」「ムカつくのはあんたの方でしょう?」 突然背後から声が聞こえ、明美が振り向くと、そこには冷たい目で自分を睨んでいる真珠の姿があった。にほんブログ村
2016年10月20日
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前半性描写があります。苦手な方はご注意ください。「お願い、抱いて・・」 歳三は千華の唇を塞ぐと、彼女をベッドへと押し倒した。彼女の病院着を脱がした歳三は、そのまま彼女の首筋から乳房へと唇を吸わせた。「早く、下も触って・・」「そんなに焦(あせ)るなよ、時間はまだたっぷりある。」「いやよ、焦(じ)らさないで!」 千華はそう叫ぶと、歳三のズボンのジッパーを下げ、彼のものを咥えて愛撫を始めた。「やめろ・・」歳三は千華の行動に驚き、彼女の頭を自分の股間から退かせようとしたが、千華は歳三のものを喉奥まで咥えこみ、激しくそれを吸い上げた。「ふふ、漸く大きくなったわね・・」千華はそう言って歳三をベッドの上に押し倒すと、そのまま彼のものを自分の陰部に挿入した。 彼女が歳三の上で激しく腰を振る度に、艶やかな彼女の黒髪が歳三の顔にかかった。「もうやめろ、総司・・」限界が近づいて来たのを感じた歳三は、自分の上に覆い被さっている千華を退かそうとした。だが、千華は歳三に覆い被さったまま退こうとせずに絶頂を迎えると、そのまま彼の胸に顔を埋めた。 そのまま歳三と千華は、互いの身体を激しく貪り合った。 総司の訃報を知ったのは、歳三が蝦夷地の土を踏んでからすぐの事だった。“あの、土方さん・・”“済まない、一人にしてくれ・・” 小姓の市村鉄之助を自室から下がらせた歳三は、降り続ける雪を窓から眺めながら、静かに涙を流した。(総司・・もし来世に生まれ変わることができたなら、絶対に今度は独りでは死なせねぇ!) 激しい雨音を聞いて歳三が目を覚ますと、隣には千華の姿があった。歳三は彼女を起こさないように床に散らばった服を拾い上げて着ると、そのまま千華の病室から出た。 傘を持たずに土砂降りの雨の中を歳三が歩いていると、一台の車が彼の前に停まった。「あらぁ、誰かと思ったら、土方先生じゃないですかぁ~」車の窓が開き、中から同僚教師の前田明美が歳三に声を掛けて来た。「こんな雨なのに傘もささずに帰るなんて大変でしょう?家まで送っていきますよ。」「いえ、大丈夫です。」「沖田家の若奥様と病院で盛り上がった事、誰にも言いませんから。」明美の言葉を聞いた歳三の眉間に皺が寄った。「てめぇ、その話を何処で聞いた?」「やだぁ、怖~い。さっき沖田家の若奥様が入院されている病院で働いている看護師の妹からメールと動画が送られて来たんです。まさかあのお淑やかな沖田家の若奥様があんなに淫らだったなんて・・」 明美はクスクスと笑いながら、歳三に彼女の妹から送られてきたという動画を見せた。そこには病室で激しく互いの身体を貪り合う歳三と千華の姿が映っていた。「この動画、今すぐにネットで拡散させようと思っているんですけれど、そんな事になったら若奥様、あの若旦那様に殺されちゃいますね。」「てめぇ、何が望みだ!?」「お金ですよ、お・か・ね!」そう言って自分に向かって笑う明美の顔が、歳三には悪魔に見えた。にほんブログ村
2016年10月20日
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何者かに惨殺された少女・エミリー。はじめはゴールトの犯行だと思ったのですが、意外な犯人が判明してびっくりしました。まぁ、こういう母親は一部だろうけれど、最近の幼児虐待事件のニュースを観ると、何だかやりきれない結末を迎えましたね。
2016年10月20日
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イオンのポテトチップス。結構サクサクとしていて食べやすく、サワークリームオニオンの味がしっかりしていて美味しかったです。
2016年10月20日
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歳三に病院へと連れられた千華は、暫く入院することになった。「いつから、あんな事をされていたんだ?」「結婚してからすぐです。わたしが至らないから、主人はわたしを殴るんです。」 病院着姿の千華は、そう言うと弱々しく歳三に微笑んだ。「この事は、妹や祖母には言わないでください。妹がもしこの事を知ったら主人を殺してしまうかもしれません。」「警察に言った方がいい。あんたの旦那は異常だ。このままだとあんた、あいつに殺されるぞ!」「警察なんてあてに出来ません。主人の親戚が警察の上層部に居るんです。身内の恥なんて、もみ消すに決まっています。それに主人がわたしを殴るのは、わたしが不妊症だからです。」「あんたの旦那の方にも原因があるんじゃねぇのか?そういう事は、病院で調べて貰った方が・・」「一度夫婦で調べて貰いました。そしたら、わたしは妊娠できにくい身体だと、お医者様から言われました。その日から、主人は何かと理由をつけてわたしを折檻するようになったんです。」「あんた、そんな事で我慢しなくちゃならねぇ道理なんてねぇだろうが!」 夫婦の問題に口を挟みたくはないが、歳三は千華の話を聞いている内に彼女に腹が立ってきた。「今からあんたの家族にあんたから聞いた話をしてくる。」「やめてください!」病室から出ようとした歳三の腕を、千華は慌てて掴んだ。「この事が家族に知られたら・・わたしは沖田家と離縁されてしまいます!」「別にあんな奴と夫婦を続けても意味がねぇだろうが?」「貴方は余所者だから何も知らないでそんな呑気な事が言えるんです!」涙を流しながらそう怒鳴った千華の言葉に、歳三は思わず彼女の方を振り向いた。「それ、一体どういう意味だ?」「沖田家と荻野家は昔、敵同士だったんです。両家の間で争いが何度も起こり、その度に多くの血が流れてきました。両家の当主達は、互いの家に娘を嫁がせるという契約を交わし、争うのを止めました。わたしは荻野家の長女だから、しきたり通りに沖田家へ嫁に行ったのです。嫁へ行ったわたしは、生涯婚家の為に尽くす義務があるんです。離婚なんて、とんでもない!」「千華さん、あんたが抱えている事情を詳しくは知らねぇが、そんなしきたりに縛られてあんな家に居たって、あんたが不幸になるだけだろうが!」「土方さんの所為でしょう、貴方があの人と結婚する前にわたしと会ってくれなかったから、わたしは今不幸で惨めな生活をしているんです!」 酷い言いがかりだが、千華は何故か自分が惨めな生活を送っているのは歳三の所為だと思い込むことしか出来なかった。 そうすることでしか、千華は心の平安を保てないのだ。「総司・・お前ぇはすっかり変わっちまったんだな・・」「変わっているに決まっているでしょう?貴方と別れてから、百年以上も経っているんですよ?」千華はそう言ってベッドから降りると、歳三に抱きついた。「さっきは貴方を責めてごめんなさい・・」「いや、気にするな。」「土方さん、ひとつお願いがあります。わたしを抱いてください。」「総司・・悪ぃがそれは出来ねぇ。」「抱いてくれないのに、どうしてその名前でわたしを呼ぶの?」「それは・・」歳三が千華を見ると、彼女の顔は涙で濡れていた。 その顔を見た途端、歳三の脳裏に辛い前世の記憶が甦って来た。“わたしを置いていくの、土方さん?” 北へと向かう歳三が総司に別れを告げに彼の療養先である千駄ヶ谷を訪れた時、彼はそう言って自分を責めるような顔をした。 その時の総司の顔と、千華の顔が重なって見え、歳三はいつの間にか千華を抱き締めていた。にほんブログ村
2016年10月18日
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病院の廊下で男―千華の夫・沖田隆雄と殴り合いの喧嘩をした歳三は、看護師の通報を受けた警察によってパトカーで警察署に連行された。「あんた、ここに来たばかりだろう?それなのに面倒を起こしたら後々困った事になるよ?」 歳三を取り調べた刑事は、隆雄との示談が成立したらこの事件は白紙にしておくと言って来た。「まぁ、あんたは沖田家の若奥様を守ろうとして殴ったんだから、一応正当防衛として認められるね。沖田家の若様の方も、自分の非を認めたし。もうあんたは帰ってもいいよ。」「待てよ、今総司・・じゃない、千華さんは何処に居るんだ?」「ああ、彼女ならさっき若様と一緒に家に帰ったよ。」「馬鹿野郎、そんな事をしたら、彼女はあいつに殺されちまうだろうが!」「若様はそんな事はしないよ。若奥様の事を心から愛していらっしゃるからね。」 歳三は自分を取り調べた刑事に、千華が夫から暴力を受けていることを何度も訴えたが、彼は聞く耳を持たなかった。 千華の身が心配で堪らなかった歳三は、彼女の嫁ぎ先である沖田家へとタクシーで向かった。 沖田邸は、まるで時代劇に登場するかのような立派な武家屋敷だった。『どちら様でしょうか?』 歳三がインターホンを押すと、中から家政婦と思しき女性の声が聞こえた。「あの、若奥様はご在宅でしょうか?わたくしは若奥様の妹さんの担任をしております、土方と申します。」 暫く女性は黙り込んでいたが、数秒後玄関ドアのロックが外される音が聞こえた。「土方様、ようこそいらっしゃいました。若奥様は母屋でお待ちです、こちらへどうぞ。」 着物に割烹着姿の家政婦と共に歳三が母屋の中に入ると、奥の部屋から女の悲鳴が襖越しに聞こえた。「若様、土方様がお見えになりました。」「そうか。暫く待つように言ってくれ。」 数分後、歳三が客間で千華を待っていると、そこへ隆雄が現れた。「病院での事は、本当に済まないと思っています。千華さんの様子が気になってこちらへ伺ったのですが、彼女は今どちらに?」「あぁ、妻でしたら体調を崩して今部屋で休んでおります。」「そうですか・・では、千華さんによろしくとお伝えください。」「解りました。」 客間から出た歳三が沖田邸を後にしようとした時、奥の部屋から女がすすり泣く声が聞こえた。 その声は、先程奥の部屋で聞いた悲鳴のものと同じ女の声だった。「そこに、誰か居るのか?」歳三がそう言いながら恐る恐る奥の部屋の襖を開けると、そこには全裸で部屋の隅に蹲っている千華の姿があった。「千華さん、どうしてこんな・・」「こいつがわたしに恥をかかせたから、罰を与えただけですよ。」 歳三の背後から突然隆雄が現れてそう言うと、手に持っていた木刀で彼は千華の白い裸体を容赦なく打った。痛みのあまり千華が呻き声を上げると、隆雄の目に残忍な光が宿った。「先生、こいつはわたしにいたぶられるのが好きな淫乱なんですよ。こうしている間にも、こいつは股を濡らしてわたしのものを欲しがっているのですから。」隆雄はそう言うと、口に咥えていた煙草の火を千華の柔肌に押し付けた。「夫婦水入らずの時間を邪魔しないでいただけませんかねぇ、先生?」「悪ぃが、それは聞けねぇな。」歳三は隆雄を睨みつけ、スーツの上着を千華に羽織らせると、そのまま彼女を横抱きにして沖田邸から去っていった。「お客さん、その人は?」「悪ぃが運転手さん、病院に行ってくれねぇか?」 タクシーの運転手は、サイドミラー越しに歳三が抱いている女性が千華だと解り、黙って病院までタクシーを走らせた。にほんブログ村
2016年10月18日
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ヒロイン・グレースの性格がポジティブで、そのお蔭か血なまぐさいシーンが余りなく、ロマンス要素が多くて読みやすかったし、ハッピーエンドで終わったのも良かったです。連続殺人事件の犯人は意外な人物でしたけど、犯人が抱える事情を知っても身勝手な犯行だなと思ってしまいました。
2016年10月18日
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愛と癒しの作家・シャロン=サラのレインシリーズ。第一作目『ビューティフル・レイン』は読んだのですが、第二作目『アフター・レイン』は未読です。一話完結型なので、読みやすいですが、殺人シーンは相変わらず血なまぐさいです。三部作の最終話とあってか、ヒロインとヒーローの結婚式のラストシーンは、読んだ後心が温かくなりました。
2016年10月18日
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「砂の塔」の舞台にもなっているタワーマンション内の、ママ友との複雑な関係を描いた話題作。中盤からその有沙の秘密が明らかになって「!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?」と一瞬固まってしまった。ママ友という特殊な世界を垣間見たような気がしました。今話題になっている「スクールカースト」の延長線で、ママ達は「夫の職業・年収」、「子どもの習い事にいくら掛けられるか」、「お受験するかしないか」で互いの腹を探り合っているんですね。ママグループのリーダー、いぶママこと裕美に流されずに、自分を見つめなおそうとする有沙の姿が印象深かったです。こういう狭い世界の中で、「いじめ」という足の引っ張り合いが起こるのがわかるような気がする。母親同士が仲が悪いと、それが子供にも影響するというのは嫌だなぁ。桐野夏生さんの作品って、女という生き物の嫌らしさや醜さを上手く描いていて怖いです。
2016年10月18日
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「永遠の0」の作者・百田尚樹が描く、ある男の波乱万丈な生涯と夢を描いた小説です。こんな気概がある日本人が居るなんてと、感動しました。これも映画化されるといいですねぇ。
2016年10月18日
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ラ王の新商品です。麺とスープとの相性が抜群で美味しかったです。濃い味付けで辛いので、食べごたえがあります。結構辛みがきいているので、辛いのが苦手な人は駄目かもしれません。
2016年10月18日
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1879(明治12)年5月5日、フランス・パリ。 函館で新政府軍に敗れ、ブリュネから懇願されて彼と共にフランスという異国へ渡ってから早十年もの歳月が過ぎようとしている。 はじめは生活習慣の違いから慣れなかったパリでの生活も、一月ほどしたら慣れるようになり、たどたどしかったフランス語も、今や流暢に喋れるようになった。 日々の忙しさに追われ、歳三はこの日が自分の誕生日だという事を忘れそうになっていた―海を隔てた島国・英国から自分宛の贈り物が届くまでは。 小包の封を解いた歳三が中から取り出したのは、濃紺のベルベットの箱に入れられていたエメラルドのネックレスだった。 小包には、一枚の手紙が添えられていた。―土方さん、お誕生日おめでとうございます。エメラルドのネックレスは、職人さんに注文して作って頂きました。貴方の誕生日に間に合って良かったです。エメラルドの宝石言葉は、“幸運・幸福・夫婦愛”だそうです。沖田さんの魂が、貴方の傍で寄り添ってくださいますように。 千― 千からの手紙を読み終えた後、歳三はそっとエメラルドのネックレスを手に取った。 初夏の陽光を受けて美しい輝きを放っているエメラルドは、歳三が愛した彼の人―総司の瞳を思い出させた。 いつも自分の傍に居てくれた総司。 だが、その総司はもうこの世には居ない。―土方さん ふと目を閉じれば、総司が自分に向かって微笑んでいる。 総司は白無垢姿で、高島田に結われている黒髪に鼈甲の簪と櫛が映えていた。 その姿は、まるで天女のような美しさだった。だが、一番美しかったのは、彼の美しい翡翠の瞳だった。「総司!」 総司を抱き締めようと歳三が手を伸ばすと、彼はまるで煙のように歳三の前から消えてしまった。呆然とする歳三の足元には、エメラルドのネックレスが転がっていた。(会いに・・来てくれたんだな)歳三はエメラルドのネックレスを拾い上げるとそれを首に提げ、指先でそれにそっと触れた。総司は―総司の魂は自分がこの命を終えるその瞬間まで自分と共にあるのだ。(あいつも、粋な事をしやがる・・)歳三の脳裏に、いつも自分に怯えている癖に、自分に構う口煩い小姓だった少年の姿が浮かんだ。 彼の誕生日はもう過ぎてしまったが、彼の誕生石であるアメジストのネックレスを贈ろう―そんな事を思いながら、歳三は住んでいるアパルトマンから外へと飛び出した。 初夏の風が、歳三の頬を優しく撫でた。 ツィッターに載せていた小説を纏めてみました。140字で小説を書くのは難しいし、細かい描写を書こうとしても制限がかかって書けないので、わたしには向かないかな。にほんブログ村
2016年10月18日
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ケイたちの前に、新たな敵・テンプル=ゴールトが登場。今回はすっきりしないまま終わりましたが、次回で進展があるんだろうか。
2016年10月16日
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病院を舞台にした犯人の復讐劇なのですが、最初から犯人が判っていて、その動機が後半に明らかになってゆき、「ああ、そういうことか!」と読み終えた後呟きそうになりました。東野圭吾さんの作品はいつも解り易くて面白いのですが、人間ドラマをちゃんと描いているところがいいですね。映画化された「手紙」も何度も読み返しましたが、こちらも良かったです。ブックオフで探して読んでみようかな。
2016年10月16日
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※BGMと共にお楽しみください。「今夜は少し飲み過ぎちゃいましたね?」「あぁ、そうだな。」 祝宴が終わり、初夜を過ごす為副長室へと向かった歳三と総司は、そんな事を話しながら廊下を歩いていた。 自分の隣を歩く総司が、いつもよりも美しく見えて歳三は思わず生唾を呑み込んだ。「どうしたんですか、土方さん?」「いや、何でもねぇよ。」「あ、もしかして今わたしに見惚れていました?」「う、うるせぇ!」「ふふ、照れ屋さんなところは昔から変わっていませんね。」そう言って笑った総司の顔は、何処か輝いて見えた。「お前ぇ、綺麗だな。」「そうですか?」「あぁ、とても綺麗だ。今からお前ぇを抱くのが待ちきれねぇよ。」 歳三は総司を抱き寄せると、彼の唇を塞いだ。始めは小鳥同士が啄(ついば)むような口づけは、互いの唇を貪り合う激しいものとなってゆく。「土方さん・・」「今夜は寝かさねぇよ。」総司に微笑んだ歳三は、彼を横抱きにするとそのまま副長室に入った。「土方さん、愛しています。」「あぁ、俺もだ。」 美しい刺繍が施されたウェディングドレスに縫い付けられた真珠のボタンを一つずつ外しながら、歳三は総司の首筋を強く吸った。「どうして男として生まれちまったんだろうな、俺も、お前も。」せめて総司が女として生まれていたら、普通に夫婦になって、子供を作って、平穏な家庭を築けたかもしれないというのに。 神様は、何故自分達に残酷な事をするのだろう。「わたしは、男として生まれて良かったと思いますよ。だってもしわたしが女として生まれていたら、こうして貴方と肩を並べて京に行くことなんてなくて、ずっと江戸で貴方の帰りを待つだけの日々を送っているだけでしたもの。そんなの、絶対に嫌です。」「総司・・」 総司の自分を見つめる翡翠の双眸が涙で潤んでいることに歳三は気づいた。「貴方と出会わなければ、こんなに広い世界を見ることはなかった。だから土方さん、わたしを愛したことを後悔しないでください。」「総司・・」総司は、自分の頬を濡らす涙に気づいた。歳三を見ると、彼は紫紺の瞳から大粒の涙を流していた。「どうして、俺は泣いているんだろうな?」「泣いてもいいんですよ。誰も笑いませんから。」「そうか・・」「土方さん、わたしも貴方を愛したことを後悔していません。今も、これから先もずっと。」 総司は歳三の黒髪を優しく梳くと、彼からの口づけを受けた。 恋人たちの夜が、静かに更けていった。 翌朝、千が副長室の前に行くと、中から総司と歳三が睦み合う声が聞こえた。「おはようございます、土方さん。朝餉の支度が出来ました。」「わかった。後で総司と広間に行くとみんなに伝えろ。」「はい、解りました。」 千が広間に行くと、斎藤が彼の前に立った。「千、ちょっと俺と来てくれ。」「は、はい・・」斎藤に連れられ、千は人気のない中庭へと向かうと、彼はいきなり千を抱き締めた。にほんブログ村
2016年10月16日
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※BGMと共にお楽しみください。 千尋が握り締めている鋏で、彼がこれから何をしようとしている事など千は解っていた。だが、聞かずにはいられなかった。「貴方は、残酷な方ですね。何故わたしにそんな事を聞くのですか?」「だって・・」千尋は鋏を握り締め、それを自分の喉元に突き付けた。「やめろ、荻野君!」「斎藤先生、ここで死なせてくださいませ!」「馬鹿な事をするな!」 副長室に入って来た斎藤は、そう叫ぶと千尋の頬を平手で打った。その拍子に、千尋の手から鋏が落ちた。「ずっと土方さんの事を想っていたのだろう?」「斎藤先生・・」千尋が俯いていた顔を上げると、斎藤は苦痛に満ちた目で自分を見つめていた。「叶わない恋をするお前の辛さは解る。俺もお前と同じだからだ。」そう言った斎藤が千尋に向ける瞳は、何処か優しかった。「お見苦しいところをお見せしてしまって、申し訳ありませんでした。」千尋は手の甲で乱暴に涙を拭い、ゆっくりと立ち上がった。「おかあはん、うちこれからお座敷があるので失礼してもよろしおすか?」「そうか。夜道に気をつけてな。」「へぇ。」 広間に戻った千尋は菊枝に断り屯所から出ようとした時、斎藤が彼の後を追って来た。「一人で夜道を歩くのは危ないだろう、俺が一緒に行く。」「斎藤先生は、副長たちの元へお戻りください。」「鈍いな。俺もお前と同じ叶わない恋をしている身だ。お前をお座敷まで送り届けるまで、ちょっと話をしないか?」「解りました。」 斎藤と千尋が屯所から出ると、広間の方から歓声が聞こえて来た。 しんしんと降り続く雪の中を千尋が斎藤と並んで歩くと、彼は溜息を吐いてこう言った。「俺はあの人の事が・・総司の事が好きだった。だがあいつは、昔から土方さんの事しか見ていない。それは土方さんも同じだ。二人の間には誰も入る隙間はない。だからこそ、お前と俺は辛い思いをしている、そうだろう?」「斎藤先生は、全てを解っていらっしゃるのですね。」千尋は溜息を吐くと、斎藤を見た。「もうあの方の事は諦めます。あの方にはもう、大切な伴侶がいらっしゃいますから。」「そうか。」「斎藤先生、送ってくださって有難うございました。」「いや・・じゃぁ俺はこれで失礼する。」 斎藤が千尋をお座敷まで送り届け、屯所へと戻っている頃、屯所の広間では純白のウェディングドレスに身を包んだ総司が近藤達から祝福を受けていた。「綺麗だぞ、総司・・」「もう、近藤さんったらまた泣いて・・」「仕方ないだろう、あんな小さかった宗次郎がこんなに立派になって・・」「ったく、それさっきも聞いたぜ近藤さん。」 三人の会話を聞きながら、千は副長室で見た千尋の蒼褪めた顔を思い出していた。 “貴方は、残酷な方ですね。”そう言った千尋の頬を濡らす涙の意味を、千はまだ知らない。「どうした、千?あんまり食べていないようだけど、何かあったのか?」「いいえ、何でもありません。それよりも沖田さんのウェディングドレス姿、綺麗ですね・・頑張って作った甲斐がありました。」 千は総司の笑顔を見ながら、ウェディングドレスを作って良かったと思った。にほんブログ村
2016年10月16日
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近所のドラッグストアで買いました。バターの味がして食べ応えがあり、とても美味しかったです。
2016年10月16日
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※BGMと共にお楽しみください。 1866(慶応二)年元旦。 この日、新選組が屯所を構える西本願寺に近い神社にて、総司と歳三の“祝言”が行われた。「沖田先生、お似合いです。」「沖田さん、凄く綺麗・・」「二人とも、有難うございます。」 美しい白無垢に身を包み、文金高島田に結い上げた艶やかな黒髪に鼈甲の簪と櫛を挿した総司は、まるで天から舞い降りて来た天女のように美しかった。 彼の右隣に居る千尋は、黒紋付の振袖とだらり帯という舞妓の正装姿で、左隣に立っている千は何故か真紅の振袖姿だった。「あの、荻野さんはいいとして、どうして僕も女装しないといけないんですか?」「そりゃぁ、華があるからに決まっているでしょう?」「そうですか・・」「さてと、それじゃぁ行きましょうか?」「はい。」 元旦の参拝客でごった返す社の中に突如現れた花嫁と花婿の姿に、彼らは一瞬どよめいた。 白無垢姿の花嫁は天女のように美しく、黒羽二重の紋付羽織姿の花婿は凛々しく涼やかな美しさがあった。 神主の祝詞と共に、花嫁と花婿が三々九度の誓いを交わすと、参拝客達の中から溜息が零れた。「見てみぃ、花嫁さんの綺麗なこと。正月からええものを見たわ。」「ほんまやなぁ。花婿さんもえらい凛々しゅうて惚れてまいそうやわ。」「それよりもあの子らも美しいなぁ。」 祝言が終わり、総司達が神社から屯所に戻ると、『いちい』の女将である菊枝が彼らを出迎えた。「本日はお二人ともおめでとうさんどす。」「有難うございます、女将さん。」「土方さん、そんなところに突っ立ってないで中に入って来いよ!」「うるせぇなあ、わかったよ!」 歳三が総司の手を引きながら広間に入ると、隊士達が二人を見てどよめいた。「トシ、総司、今日はおめでとう。」「近藤さん、何も泣くこたぁねぇだろう。」「済まん。だが総司の事を実の兄代わりに見てきた俺にとっては、こんな日が来るとは思わなくて・・もう嬉しくて泣き足りん!」 二人の元に酌をしに来た近藤はそう叫ぶと、大きな声で泣いた。「ったく、仕方ねぇなぁ、勝っちゃんは・・」歳三は半ば呆れ顔で親友を見ながらも、口元には笑みを浮かべていた。「今夜は無礼講だ、沢山飲め!」「お~!」 千は婚礼の宴の最中、厠へ立つ為にこっそりと宴から抜け出した。喧騒に満ちた広間から一歩廊下へと出ると、そこは不気味なほど静まり返っていた。(お二人とも、幸せそうだったなぁ・・) そんな事を思いながら厠から出て広間へと戻ろうとした千は、副長室の方から何か物音が聞こえてくることに気づいた。 慣れない振袖の裾を捌きながら千が副長室へと向かうと、そこには舞妓姿の千尋が鋏を握り締めながらウェディングドレスの前に立っていた。「荻野さん、何をしているんですか!?」 千の声に気づいて振り向いた千尋の顔は、月光を受けて蒼褪めていた。にほんブログ村
2016年10月16日
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(今何か物音が聞こえたような気がしたけれど、気のせいかな。) 千がそんな事を思いながら廊下を歩いていると、再び庭の方から物音が聞こえて来た。「誰か居るんですか?居るんだったら返事をしてください!」 千が庭に向かってそう声を掛けると、ガサガサという物音と共に一匹の猫が茂みから出て来た。 猫はゆっくりと千の方へと近づいてくると、おもむろに廊下にジャンプして千の足元に自分の身体を擦り付けて来た。 野良猫にしては随分と人に懐いているな―千がそんな事を思っていると、副長室から歳三が出て来た。「千、そんなところで何をしていやがるんだ?」「いえ、急に茂みから飛び出してきて・・」「何だ、またこいつか。」 歳三はそう言うと、呆れたような表情を浮かべながら猫を見つめた。「土方さん、この猫の事を知っているんですか?」「知っているも何も、こいつは毎日厨に入って来ては数少ないおかずを盗みやがる。誰が餌をやっているのかは知らねぇが、よっぽどここが気に入ったみてぇで、何度追い払ってもちゃっかりと居座っていやがるんだ。」「そうなんですか。でもこの猫、土方さんに凄く懐いているように見えますけど?」千は歳三の足元に身体を擦り付け、甘えた声を出している猫を見ながらそう言うと、歳三は軽く咳払いして猫を自分の足元から退かそうとした。 だが猫の方が一枚上手で、猫は爪を歳三の袴に食い込ませ、何かを催促するかのように鳴き出した。「ったく、しょうがねぇなぁ・・」歳三は舌打ちすると、懐から菓子を取り出し、それを猫に与えた。猫は直接歳三の口から菓子を食べ終えると、満足そうな様子で鳴いて副長室へと入っていった。「千、この事はみんなには内緒だぞ?俺が猫なんざ飼ってるなんて知られたら、鬼副長の威厳も何もねぇからな。」「解りました、誰にも言いません。」「最近寒いから、こいつを膝の上に載せて仕事をしていると、ちょっとした火鉢代わりになるんだよ。」 文机に座って書類仕事をしていた歳三は、そう言うと猫の白い毛皮を優しく撫でた。「それじゃぁ、僕は先に広間の方へ行ってますね。」「ああ。」 千が近藤達の居る広間へと向かうと、そこには近藤達と一緒に楽しく夕餉を食べる総司の姿があった。「沖田さん、こちらにいらっしゃったんですね。」「ええ。一人でご飯を食べるのも何だか味気なくて、来ちゃいました。土方さんは?」「土方さんなら、片付けたい仕事があるとか言って、まだお部屋に・・」「そうですか。ということは、またあの猫が土方さんの所へ遊びに来たんですね。」「え、沖田さんあの猫の事を知っていたんですか?」「知っているも何も、あの猫を土方さんが飼っている事はみんな知っているって。」「土方さんは必死にその事を隠そうとしているけれど、バレバレなんだよなぁ。」「そうだったのですか・・」 広間で千が夕餉を食べている頃、副長室では歳三が大きなくしゃみをしていた。(さてと、そろそろ夕餉を食いに行くか。) 仕事を終えた歳三が副長室から出て広間へと入った時、近藤達が自分の背後を指差しながら笑っていることに気づいた。「何だ、どうした?」「土方さんは本当に、その猫と仲が良いんですね。」 歳三が振り向くと、そこにはあの白猫が自分の袴に身体を擦りつけていた。にほんブログ村
2016年10月16日
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1950年代の英国のある寄宿学校を舞台にした青春物語かと思いきや、中盤からサスペンスホラー色が濃くなってきて、ラストは衝撃的な結末を迎えました。一匹狼なクールな少年・リチャードが、主人公・ジョナサンにいじめをするジェームズ達や教師から庇い、ジョナサンとリチャードとの間に友情が芽生えていく物語かと思いきや、リチャードの本性が第三部後半で明らかになっていって怖かったです。リチャードの父親が一番悪いと思うんだけど、リチャードとジョナサンが酷い事になってしまって、ニコラスが二人を殺害したと疑われて・・二人の死の真相は判らないままなので、モヤモヤします。作品解説のページで、リチャードの事を「史上最凶のヤンデレ」と評していましたが、怖いというよりも悲しいヤンデレでしたね、リチャード。いじめグループのリーダー・ジェームズは何処にでも居そうな性悪で、これまで何人もの少年達が彼とその手下たちのいじめの犠牲者になった事を考えれば、ジェームズが死んだときにあんまり悲しく思わなかったのは当然かな。すごく読みごたえがあり、悲しさと切なさを感じる作品でした。
2016年10月13日
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「おかあさん、只今戻りました。」「お帰りやす。」 屯所で仕事を終えた千尋が『いちい』に戻ると、お座敷から帰って来た鈴江が彼に絡んできた。「随分と遅かったね、何処へ行っていたの?」「それは、貴方には関係のない事です。」「ふぅん、そう。そういえば昼間、西本願寺に呉服屋が来たそうだよ。噂だとあの土方が祝言を挙げるってさ。相手は誰なのだろうねぇ?」「さぁ、存じ上げません。あの土方の所に嫁入りする女子は、大層肝が据わっている方なのでしょうね。」 千尋は総司と歳三の祝言の事を聞きつけた鈴江から話を振られ、淡々とした口調で答えると、彼は舌打ちして二階の自室へと消えていった。(壁に耳あり、障子に目あり・・油断できませんね。) 一方、西本願寺にある新選組の屯所では、呉服屋が長崎から取り寄せたウェディングドレスの生地を歳三達に見せていた。「こちらはエゲレスで最高級のものを取り寄せたものどす。」「見事なものだな。生地もいいし、刺繍の模様も気に入った。これなら総司に似合いそうだ。」「おおきに。」「これは生地の代金とは別に俺からの礼金だ。」歳三はそう言うと、呉服屋に懐紙で包まれた小判を手渡した。「うわぁ、綺麗。まさかこんなに早く来るとは思ってもいませんでした。」 副長室に入った千は、畳の上に広げられた純白の生地を見て歓声を上げた。「これから色々と教えてくれよ、千?」「はい、喜んで!」 千が歳三と共にウェディングドレスを縫い始めた時、副長室に近藤がやって来た。「トシ、頑張っているな。」「あぁ。これを着て総司が喜ぶ顔を早く見てぇんだ。」「そうか。それにしても千君はどうして縫物が得意なんだ?」「母がウェディングドレスの職人さんをしていて、昔何度か母の仕事場に行っては母が仕事をする姿を見ていたので、独学で覚えました。それに、裁縫が好きなので、将来は母と同じような仕事に就きたいと思っています。」「志が高いのはいいことだ。トシ、俺はもう行くぞ。」「あぁ、気を付けて行けよ、近藤さん。」会津藩の会合へと向かう近藤を見送った歳三は、再び千とウェディングドレス作りに精を出した。「西洋の着物は縫う所が多くて大変だな。」「そうですね。まぁ、僕は和裁の方が洋裁とは勝手が違うので未だに慣れませんね。」 千と歳三がそんな話をしていると、副長室に総司が入って来た。「綺麗ですね。本当にわたしが着てもいいのですか?」「いいに決まってんだろう。お前ぇの為に特別にこの生地を取り寄せたんだぜ。」「何だか夢みたいです、わたしが土方さんのお嫁さんになるなんて。」総司は嬉しそうにウェディングドレスの生地を撫でると、そう言って笑った。 その横顔を見ながら、千は新選組がこれからどんな運命を辿るのかを知っているので少し居た堪れない気持ちになった。「どうした、千?」「いえ、何でもありません。」(余計な事は考えるな。目の前の事に集中しろ。)そう自分に言い聞かせ、千は作業を再開した。 その日の夜、千が夕餉の支度を終えて厨から出ようとした時、庭の方から何か物音がした。にほんブログ村
2016年10月13日
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「沖田先生、大丈夫ですか?」「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、千尋君。」「でも、意識を取り戻したばかりで本調子ではないし・・」「二人とも、心配し過ぎですよ。」 総司はそう言うと、瓜二つの顔をした少年達に微笑んだ。「それにしても千尋君、女子姿がさまになっていますね。舞妓の仕事は順調ですか?」「はい。忙しくて沖田先生の所にお顔をお見せすることが出来ず、申し訳ありませんでした。」「謝らなくてもいいんですよ。君には大切な仕事があるのですから。」 総司達が副長室の前に立つと、中から近藤と歳三が話し合う声が聞こえた。「トシ、お前はいつも無茶な事ばかりして・・水垢離をして倒れたと平助から聞いた時、俺はお前に何かあったらと思うと・・」「風邪くらいどうってことねぇよ、近藤さん。俺ぁいつでも総司の代わりに何度でも死んでやるよ。あいつが生きてくれていたらそれでいいんだ。その為なら、何だって俺はやるぜ。」「トシ・・」 歳三の言葉を聞いた近藤が彼を見つめていると、突然背後の襖がすっと開き、千と千尋に両脇を支えられた総司が現れた。「土方さん、貴方がわたしを助けてくれたのですね。」「総司・・」 歳三は驚愕の表情を浮かべたかと思うと、総司を抱き締めた。「良かった、お前ぇを失わずに済んで良かった!」 いつもの冷徹な鬼副長の顔は消え、歳三は一人の人間を愛する生身の男の顔をしていた。「ご心配をおかけしてしまって、申し訳ありません。」「お茶、いれてきますね。」千がそう言って副長室を後にしようとした時、歳三が千の腕を掴んで自分の方へと引き寄せた。「千、お前もここにいろ。これからお前達に大切な話をしなくちゃなんねぇからな。」「大切な話、ですか?」「ああ。今はまだみんなには内緒だが、近々俺は総司と祝言を挙げようと思っている。」「祝言、ですか?」「男同士で祝言を挙げることがそんなにおかしいか?」「いえ・・」「男同士が祝言を挙げるなんざ、無理に決まってる。そこで、近藤さんには色々と根回しして貰いてぇんだが・・」「そんな事を言って、もう会津藩への根回しは済んでいるんだろう、トシ?」近藤の言葉に、歳三は口元に笑みを浮かべた。「・・あんたには全てがお見通しだな。」「当たり前だろう、お前と何年一緒に居たと思ってるんだ。」「あの、僕達はどうすれば・・」「お前ぇ縫物が得意だろう?総司の花嫁支度を手伝ってやってくれねぇか?」「はい。」「荻野、お前ぇも色々と忙しいかと思うが、千を手伝ってやっちゃくれねぇか?」「解りました。」「総司の白無垢くらいはこちらで用意しといてやる。千、お前ぇが居た所では花嫁は白無垢を着るのか?」「ええ。でも大抵の方はウェディングドレスを着て祝言を挙げます。」21世紀ならばウェディングドレスを簡単にインターネットや専門店などで購入したり、レンタルしたり出来るが、千が居る幕末では船便でその材料となる高価な布を取り寄せるだけでも難しい。「そうか。異国の布を取り寄せるには金も時間もかかるか・・俺がその“どれす”とやらを仕立ててやってもいいな。」「仕立てるって、土方さんが沖田さんのドレスを作るのですか?」「他に誰がやるんだ、馬鹿野郎。こう見えても俺ぁ呉服屋に奉公していたことがあるから、縫物は一通り出来るんだ。」「洋裁は和裁とはやり方が違いますから、僕が作り方を教えます。」「宜しく頼む。」 こうして、総司と歳三の祝言に向けての準備が、密かに始まったのだった。にほんブログ村
2016年10月13日
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「土方さんを副長室に運ぶぞ!」「は、はい!」 井戸の前で倒れている歳三の身体を斎藤と千は支えながら、彼を副長室へと連れて行くと、騒ぎを聞きつけた平助達がやって来た。「平助、山崎君を呼んで来てくれ。」「わかった。」歳三を布団の上に寝かせると、千は押し入れの中からリュックを取り出した。(確か、ここにあった筈・・) チャックのジッパーを開け、千はその中に手を突っ込むと、ある物を取り出した。「千、そこで何をしている?」「薬を探していました。」そう言った千が握っていたのは、現代から持って来た風邪薬とペットボトルの水だった。「それは何だ?」「風邪薬です。これを飲むと風邪がすぐに治ります。土方さんに効けばいいんですが・・」 千は風邪薬のカプセルを掌に載せ、もう片方の手でペットボトルのキャップを開けた。「土方さん、聞こえていますか?」 枕元の歳三に千がそう呼びかけると、彼は静かに頷いた。「薬を持って来たので、飲んでください。」「要らねぇ・・」歳三は身体を反転させ、千にそっぽを向いた。激しく咳込む彼の様子がとても苦しそうで、千は歳三の肩を掴んで自分の方へと引き寄せた。「何すんだ!?」「薬をお飲みにならないのなら、僕が飲ませます。」「要らねぇって言ってんだろうが・・」カプセルを口に含み、その中に水を流し込んだ千は、自分を睨みつけている歳三の唇を塞いだ。「ぐぅっ!」歳三は一瞬苦しそうな顔をしたが、水と薬を飲んだ。千のあまりにも大胆な行動に、斎藤は唖然としていた。「副長、お待たせいたしました!」副長室の襖が勢いよく開き、中に入ろうとした山崎は歳三と千が口吸いをしている姿を見て固まってしまった。「・・お邪魔でしたか。」「ち、違います!これは仕方なく・・」「山崎、誤解すんじゃねえぞ!」歳三は頬を赤く染めながらそう言うと、千を思い切り突き飛ばした。「てめぇ、いつまで俺とひっついていやがる、さっさと離れろ!」「はいはい、解りましたよ!山崎さん、後はお願いしますね。」副長室の襖を閉めて廊下に出た千は、元気を取り戻した歳三の姿を思い出し、口元に笑みを浮かべた。「千、土方さんは大丈夫なのか?」「はい。ちょっと斎藤さんと山崎さんにやばい所を見られてしまいましたけど。」「やばい所?」「いえ、こっちの話なので、気にしないでください。」「あ、そうだ、さっき荻野が戻って来たんだよ。今あいつは総司の部屋に居るぜ。」 平助はそう言うと、歳三の様子を見に副長室へと駆けていった。「荻野さん、居ますか?」「千君、お入りなさい。」 襖越しに総司の声が聞こえ、千が襖を開けると、そこには女子姿の千尋と意識を取り戻した総司の姿があった。「沖田さん、意識が戻られたのですね!?」「ええ。皆さんにはご心配をおかけしました。千君、土方さんはどうしていますか?」「土方さんなら、風邪をひいてしまって、副長室で休まれています。」「そうですか。では土方さんのお見舞いに行かないと。」にほんブログ村
2016年10月10日
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総司が風呂場で意識を失ってから三日が経った日の朝。 千が副長室へ朝餉を持って行った時、部屋の主はそこには居なかった。(土方さん、一体何処に行ったんだろう?)歳三の姿を探し、千が屯所内を歩いていると、井戸の方から水音がした。 何だろうかと思いながら千が井戸へと向かうと、そこには白装束姿の歳三が水垢離を行っていた。 歳三は千が近くに居る事も気づかず、ただひたすらに冷水を頭から浴びていた。いつも高い位置で結んでいる彼の艶やかな黒髪は下ろされ、水に濡れたそれは朝日の光を浴びて緑色に美しく輝いていた。「土方さん、何をしているんですか?」「総司の意識は戻ったのか?」「いいえ。」 千がそう言って歳三の方を見ると、冷水を浴びた彼の均整の取れた美しい肉体が白装束の上から透けて見えた。「俺に用がねぇなら、さっさとここから立ち去れ。」「朝餉はどうしますか?着替えを持ってきましょうか?」「俺に構うな!」歳三は千に向かってそう怒鳴ると、触れようとした彼の手を邪険に払った。「土方さ・・」千が歳三の顔を見ると、彼の顔は何処か蒼褪めているように見えた。それに一瞬だが、歳三の手が燃えるように熱かった事に気づいた。「土方さん、もうやめてください!これ以上すれば身体を壊してしまいます!」「俺はどうなったっていいんだ、総司が俺の代わりに助かるくらいなら、俺は死んだって構わねぇ!」 そう言った歳三の声は、何処か震えていた。「もし土方さんが死んだら、沖田さんは悲しみます。自分の所為で土方さんが死んだら、沖田さんは一生その苦しみを背負っていかなければならないんですよ!?」「餓鬼が口を挟むな!」歳三から頬を平手打ちされ、じわりと痛みが走るのを感じた千は、歳三に背を向けて井戸から立ち去った。厨に千が駆け込むと、そこには朝餉の配膳を終えた平助が膳を片付けていた。彼は千の左頬が赤く腫れている事に気づいた。「どうしたんだ、千?何かあったのか?」「と、藤堂さん・・」「それ、土方さんにやられたのか?」平助からそう尋ねられた千は静かに頷くと、堪えていた涙を流した。「酷ぇ事しやがるなぁ、土方さん。総司の事で気が立っているのもわかるけどよぉ、何も千に八つ当たりする事ねぇだろう。」「僕が悪いんです。土方さんに余計な事を言ったから・・」「おい平助、一体何があったんだ?」 原田がそう言いながら厨に入ると、そこには泣いている千を前に困惑している平助の姿があった。「何千を泣かしてんだ?おい千、平助に何かされたのか?」「左之さん、千を泣かしたのは俺じゃなくて土方さんだって。土方さん、こんなに寒いのに水垢離をしていて千が止めようとしたら、殴られたってさ。」「土方さんの事は放っておいた方がいい。あの人は今色々と思いつめているからな。千も災難だったな。ほら、これで顔を拭けよ。」「す、すいません・・」原田から手渡された手拭いで涙と鼻水で汚れた顔を千が拭いていると、そこへ斎藤がやって来た。「千、副長はどちらに?」「土方さんなら井戸で水垢離をしています。今は行かれない方がよろしいかと・・」「何だと?千、今すぐ副長の所へ俺を案内しろ。」千の言葉を聞いた斎藤の柳眉がつり上がり、彼はそう言うと千の手を掴んで厨から飛び出していった。 千と斎藤が井戸へと向かった時、歳三が苦しそうに喘ぎながら地面に倒れていた。「土方さん、しっかりしてください!」千が歳三の身体を揺さ振り、彼の額に手を当てると、そこは燃えるように熱かった。にほんブログ村
2016年10月10日
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何とか「鬼と胡蝶」5・6話をUPできました。まだ物語の序章部分に過ぎないのですが、これから前世の記憶がある真珠と千華が姉妹で歳三を取り合う愛憎劇にしようかと考え中です。今新選組が舞台の小説を書いているので、それと少しごちゃごちゃになってしまい、頭の中が混乱してしまっています。あんまり無理をしないように更新していこうと思います。
2016年10月10日
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「土方さん・・じゃなかった先生、おはようございます。」 歳三の声に振り向いた真珠の白い頬は、赤い血で汚れていた。「てめぇ、一体何をしてたんだ?」「別に。ただこいつが生意気な口を利いたから懲らしめてやっただけです。」まるで天気の事を話すかのように、真珠は暢気な口調でそう言うと床に伸びている男子部員の脇腹を蹴った。 男子部員が痛みのあまり呻くと、真珠は舌打ちしてそのまま血だらけの木刀を持ったまま道場から出て行こうとした。「おい待て、何処へ行くつもりだ?」「そんな事、土方先生には関係ないでしょう?」真珠は自分の腕を掴んでいる歳三の手を邪険に振り払うと、そのまま道場から出て行ってしまった。「おい、大丈夫か?」歳三が床に倒れている男子部員の方へと駆け寄ると、彼は苦しそうに呼吸していた。「誰か、救急車呼べ!」 道場を出た真珠は、保健室に入るとそのままベッドに身体を投げ出した。「またあなたですか。いけませんね、ずる休みは。」ベッドを仕切るカーテンが勢いよく開き、白衣姿の男が真珠の前に現れた。「さっきひと暴れしたので、疲れたんです。少し休ませてください、先生。」「貴方はいつも誰かと喧嘩していますね。一体貴方は何と戦っているのですか?」「さぁ、わたしにもわかりません。先生こそ、どうしてわたしの事を気に掛けるんですか?」「貴方みたいな子を更生させるのが、わたしの役目だからですよ。」 男はそう言って真珠に微笑むと、彼女の唇を塞いだ。「悪い男(ひと)ですね、先生って。」真珠は男からのキスを受け入れ、彼の背中に手を回した。「先生、また妹が何かやったんですか?」 真珠によって暴力を振るわれた男子部員に付き添う為病院へと向かった歳三は、そこで千華に会った。「ええ。あの、あいつはいつもあんな事をするんですか?」「妹は・・真珠は、いつも誰かと喧嘩ばかりしないと気が済まないみたいで・・中学の時は一番荒れていました。精神科にも通わせましたが、お医者様から原因が判らないと・・わたしは恐らく、前世の事をあの子が引き摺っているんだと思うのですが、土方先生はどう思われますか?」「千華さん、貴方は前世の記憶があるんですか?」「ええ。わたしと貴方が前世では恋人同士だったことや、前世では悲しい別れをしたことは、全て憶えています。いつか会えると信じていました、土方さん。」 千華はそう言うと、人目も憚(はばか)らず歳三に抱きついた。「千華さん、やめてください。貴方にはご主人がいらっしゃるのでしょう?」「どうして主人と結婚する前に、貴方と会えなかったのかしら。そうしたら、貴方と結ばれていたのに。」 千華は歳三の胸に顔を埋めて涙を流していると、突然歳三は激しい殺気に襲われた。「千華、こんな所で何をしているんだ!?」「あ、あなた・・」 千華がそう言って怯えた目で自分達の前に立つ男を見た。「わたしに隠れて浮気でもするつもりか?誰がお前達を食わしてやっていると思っているんだ!」 銀縁眼鏡を掛けた男は怒りに滾った目で千華を睨みつけると、彼女の髪を鷲掴みにして彼女を無理矢理歳三から引き離し、彼女の顔を容赦なく拳で殴った。 固いリノリウムの床に倒れたまま動かない千華の姿を見た歳三は、気が付くと男の胸倉を掴んでいた。「てめぇ、総司に何をしやがる!?」「貴様、何者だ!?」「うるせぇ!」 歳三はそう男に怒鳴ると、彼の顔面を拳で殴った。にほんブログ村
2016年10月10日
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翌朝、歳三は外から聞こえる車のクラクションの音で目を覚ました。 眠い目を擦りながら彼が寝室から出ると、キッチンでは朝食を作っている真珠の姿があった。「土方さん、おはようございます。」「おはよう。昨夜は良く眠れたか?」「はい。もうすぐ朝ご飯できますから、待ってください。」 数分後、食卓に並べられたのは、鮭の塩焼きと玉葱と人参の味噌汁に白ご飯、そして沢庵の漬物だった。「どうぞ、召し上がってください。」「美味そうじゃねぇか。」歳三がそう言って真珠が作った朝食を頬張ると、彼女は嬉しそうな顔をしてその様子を見ていた。「それじゃぁ、わたし部活の朝練があるので先に出ますね。」「ああ、気を付けて行って来い。」「はい。土方さん、ひとつお願いがあるのですが・・」「何だ?」「キス、してくださいますか?」「そんな事、お安い御用だ。」歳三はそう言って真珠に向かって微笑むと、彼女の唇を塞いだ。「行ってきます。」真珠が部屋から出て行った後、歳三は車で学校へと向かった。「土方先生、おはようございます。」 教職員用の駐車場に車を停め、歳三が車から降りると、この学校へ赴任した日に学校を案内してくれた体育教諭・柴田が声を掛けてきた。「おはようございます。」「今日は早いですね。これから部活ですか?」「はい。柴田先生は?」「わたしはそろそろ校門で生徒の生活指導をしなければなりません。あぁそうだ、土方先生にお耳に入れたいことがあるんですが・・」「何でしょうか?」「剣道部に、荻野っていう生徒が居るでしょう?あいつは問題児ですよ。」「問題児?」「ええ。あいつは剣道部のエースなのですが、いつも誰かと喧嘩ばかりして、何度か警察沙汰になったことがあります。あいつに深入りするのは止めた方がいいですよ。」柴田はそう言うと、歳三に背を向けて校門の方へと駆けていった。 柴田の話を聞いた歳三は、自分の為に朝食を作った真珠が問題児のように見えなかった。一体彼は自分に何を伝えたかったのだろうか―そんな事を思いながら歳三が剣道部の練習が行われている道場へと入ると、いつも中から朝練に励む部員達の声が聞こえてくる筈なのだが、今日に限って道場は静まり返っていた。「先生!」「どうした、何かあったのか?」 歳三が道場の中へと入ると、一人の男子部員が彼に駆け寄って来た。「僕がいけないんです、僕が弱いから・・」「俺に解るように話せ。」「荻野さんが大変なんです!」 男子部員に手をひかれ、歳三は目の前に広がっている光景に目を疑った。 そこには、木刀を片手に二年の男子部員を容赦なく打ち据える真珠の姿があった。その横顔は、夜叉そのものだった。にほんブログ村
2016年10月10日
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牛テールスープの味が濃くて美味しかったです。
2016年10月10日
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21世紀に生きる健太と、太平洋戦時下に生きる吾一。違う時代に生きる二人が、ひょんなことから入れ替わってしまったというストーリーなのですが、はじめは接点がなかった二人の関係が、健太の彼女であるミナミの家族や、健太の家族に纏わる事実から明らかになるところを読んでびっくりしました。荻野さんの作品を読むのはこの本で二冊目ですが、ストーリー展開が早くてとても面白く、健太と吾一がそれぞれの時代に順応していくまでの姿が面白かったです。ラストは意味深なところで終わりましたが、健太とミナミには幸せになって欲しいです。
2016年10月09日
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京都を舞台にした不思議なラブストーリー。パラレルワールドがまさか恋愛小説で使われるなんて思ってもみませんでしたが、二人が結ばれないのはちょっとかわいそうな気がしました。ただ、ストーリー展開はよくて、楽しめました。
2016年10月09日
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今回はチンギス・ハーンに絡む財宝の謎解きなのですが、今回も展開が早くてとても面白かったです。しかし、レイチェルとヴィゴーの死が悲しかったです。でもエピローグで二人が登場していたので、あれ?って思いながら本を閉じました。今回はセイチャンの母親が判り、彼女は母親と再会するのですが、長い間生き別れた親子の関係を修復するには時間がかかるでしょうね。このシリーズにはますます目が離せません。
2016年10月09日
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