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日本の総人口の2/3にあたる8300万人がみることができ、これほど広範囲なのは1080年以来932年ぶりという一大イベント。
千年に一度というと悪い方を思い浮かべてしまうが、金環食はうれしい出来事。
一部、九州の方は曇りでみえなかったようだが、和歌山、静岡、東京ではきれいな金環食がみれたようだ。
宮城では、食分0.92という限りなく金環食に近い部分日食だった。
朝6:10、起きると、すでに太陽が高い。
ちょっともやがかかっているが晴れ。
天文オタとしては、出動するしかないでしょう。
太陽の光の明るさ、強さはとてつもない。
肉眼でほんの少し見るぐらいでもまぶしさと視力低下や暗点を感じることがあって、すぐに回復するが、長く見たりしてひどいと後遺症として残ることがある。特に、日食観察のように一点を凝視する場合は、網膜の大切な部分に強烈な光が当たり続けるので、1秒でも障害がおこる可能性がある。
そのため、肉眼で見るには、可視光域で10万分の1の遮光、さらに目に悪い紫外線や青色光、網膜火傷を引き起こす赤外線をカットする必要がある。
昔は、ススをつけたガラス板、下敷き、フィルムのネガなどを用いていたが、どれも可視光域の減光程度で、赤外線などはカットされておらず、観察には向かない。
最近は、日食グラスという専用のメガネが1500円ぐらいで売ってあって、それを使うのが無難。ただ肉眼だと、太陽の大きさは、手を54cm前に伸ばした五円玉の穴の大きさしかない。大きく見えるのは、太陽の周りの光環(こうかん)で、1~5度ぐらいあるのと、脳内補正のたまものである。
やはり、天文マニアとしては、望遠鏡でみないと。
昔は、望遠鏡を買うと、接眼レンズに付けるサングラスが付いてきた。分厚い真っ黒なフィルターで、日食グラスみたいなもので、望遠鏡で太陽を観察することができた。しかし、望遠鏡は口径6cmで肉眼の73倍、15cmで460倍も集光するので、数分で割れることがある。割れたら、肉眼の何十倍以上の太陽光が不意打ちするので失明の可能性大、非常に危険で販売されなくなった。もちろん今は使用は禁止。
望遠鏡の場合は、太陽投影板を使って、光を映して観察できる。黒点や日食の影は、観察可能だ。
今回は、対太陽用秘密兵器のSky90 + SolarMAX40を出動。
もともと、昼間も宇宙をみたいというマニアックな願いで買ったもの。結構な値段。
口径9cmの屈折望遠鏡を4cmまで絞り、さらに専用のフィルターを2つ通して見る。
Hα専用フィルターなので、電離した水素原子が発する輝線スペクトルの一つだけみることができて、普通は観察できない太陽のプロミネンスや表面の細かい模様までみることができる。目に悪い紫外線も赤外線もよけいな光もすべてカットし、安全に太陽を観察できる。
6:27
すでに、かけ始めていた。
今回は、肉眼でみて、同時に写真も撮りたいので、デジカメを使ったコリメート法で撮った。(接眼レンズにデジカメをあてて撮るだけ、意外に難しい。)
愛用のDSC-TX7で撮ろうとしたら、うまく合わせられなかったので、FinepixF60fdを使用した。レンズが出るので合わせやすい。
太陽表面に、黒点とつぶつぶ模様の粒状斑がみえる。肉眼だとプロミネンスもみえるのだが、デジカメのラチチュードの狭さで飛んでいる。妙に赤いし。
ちなみに、前にデジイチの直焦点撮影で撮ったもの。
ほんとは、これぐらいきれいにみえる。
肉眼とデジイチは偉大だ。
6:40
少し、欠けがすすんできた。
これぐらいの露出だとプロミネンスみえそうなんだけど、ピントの甘さか、極小CCDのラチの狭さか。
6:57
なにげに、DSC-TX7でリトライしてみたら、白飛びがきついが、プロミネンスが写った。
グラディウスのプロミネンスみたい。
これぐらいの欠けでは、太陽は普通にまぶしく、明るい。
7:15
だいぶ、すすんできた。
左から右に月の影がすすんでいるようにみえるが、実際は、屈折望遠鏡は倒立像で、さらにプリズムを介しているので、左右反転像。

7:37
ほぼ、最大食の時間。
なんか、薄暗くなってきたような。こころもち、太陽の光環が小さく、フレアも小さい。
日食で暗くなると、動物が異常行動をとることがあるというので、我が家の動物たちを見に行った。特に変化はなかった。
7:39
太陽のほとんどを月が覆った。
7:40
宮城では最大の時間。
ベイリービーズ(金環食ギリギリの時に、月のくぼみから漏れた太陽の光がビーズのようにみえる現象)みたいなやつで、少し食分が大きくみえる。
もうちょっとで、金環食なんだけどなあ。金環食帯の人がうらやましい。
7:40
ほんの少しの時間なのに、微妙にずれる。
おおっ、プロミネンスが浮いている。
これだけでも高価なHαフィルターで見てよかった。
7:44
そろそろ、最大の時間、終わり。
ビーズがまたみえる。
8:07
普通の部分日食になってしまった。
8:41
そろそろ、日食も終わり。
黒点も見えるが、粒状班はイマイチ。
最近のコンデジは、極小CCDやCMOSで無理しているから、ラチチュードが狭くて、白飛び黒つぶれひどくて、さらにきれいにみせるためにノイズリダクションで細かい模様をなめちゃうから、天文分野の撮影には向かないな。
ようやく、太陽も輝きを取り戻し、世界も明るくなった。
一生でもそうない、金環食に近い日食を体験して、感動したが、やはり、ちゃんとした金環食や皆既日食をみたいと思うようになった。特に、真っ暗になる皆既日食は一度は見たい。
今後、日本で予測されている中心食(皆既日食と金環食)は、
2030年6月1日(土)、北海道で金環食。
2035年9月2日(日)、茨城から富山を結ぶ一帯で皆既日食。
2041年10月25日(金)、福井から静岡を結ぶ一帯で金環食。
2035年の皆既日食は日曜日。車で行ける範囲だし、晴れなら必見だろう。
というか、日食の日に晴れるとは限らないし、人生は何があるか分からないから、どれも見るぐらいの準備は必要だろう。
世界を視野に入れれば、年に1回ぐらいは中心食があるが、費用も労力も大変だろうし、曇った時の残念感が半端じゃないし、望遠鏡などの機材も持って行ける日本で見える中心食がいい。
次は、Sky90 + SolarMAX40 + デジイチ直焦点で撮影、ライブビュー。日食グラスで眼視で行こう。
http://www.annulareclipse2012.com/
全国市区町村別 金環食・部分日食観測ガイド
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