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昨日「肩凝り」の話をいたしました。皆さん、色々お詳しいですね。肩凝りは、酷い人もいますが、逆に「肩凝り」の感覚のない人もいます。そこで、あるエピソードを思い出しました。ご存知の方もいるかも知れませんが…外国人(欧米かな)って肩凝りの人がいないそうなんです。学校にいるALT(外国人教師)と以前話をしていた時、「肩凝り」が話題になって早速それを尋ねたところ、「『凝り』に当たる英語がなく」せいぜい、「nut(ナット)」だろうって言ってました。「ナット」は複数形が「ナッツ」で、木の実のことですから 日本語の「しこり」ぐらいかなと思います。 「凝り」の「凝」は固まるって意味ですから、まんざら間違いとは言えないのかも知れませんね。これは、何かの本で読んだのですが、外国人は、日本に来て「肩凝り」という言葉を知り、それから肩が凝りはじめるのだそうです。「病は気から?」何だか凄く興味深い話でしょ
Jan 31, 2008
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今日は朝、晴れてました。放射冷却っていうのかな、昨日の雪が凍ってカチカチでした。山越えの途中で横転じゃなくて、反転している車を何台横目にみながら、無事に学校に着きました。一日仕事を終えて、家に帰って一息。妙に肩が凝っているのに気づきました。雪道や、凍った道を運転すると、知らず知らずに肩に力が入ってしまうので、滅茶苦茶方が凝るんです~。あ~。誰か揉んでくれないかな~。
Jan 30, 2008
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今朝目覚めてこわごわ外を見ると…雪。やっぱり積もってました、どっさり。ということで、今朝は6時15分ごろ家を出ました。途中、山越えが数カ所あって、何台か動けなくなったり、脇に突っ込んでました。私は、一応四輪駆動に冬用タイヤをつけているので、安全運転さえしておれば大丈夫。早い時間に出ると、ノーマルのアブナイ運転の人はいないので、何とか渋滞に巻き込まれずに行けました。でも、学校に着いたのは7時40分ぐらい。疲れました~。で、昨晩ピンチだった仕事も夕方にはなんとかこなせました。帰り道は道路上の雪はもう溶けていたので大丈夫でしたが、とても疲れました。帰って、皆さんの応援コメントをみてほっとしています。みなさん、ありがとね。
Jan 29, 2008
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今日、学校の帰り際に大事な仕事を思い出した。もう、7時過ぎでした。明日までには仕上げなければならないので、持って帰りました。外に出ると、すごい雪。帰りに一時間半もかかりました。雪はどんどん積もっています。明日、朝学校にいけなかったらどうしよう。それに、これから仕事…できるかな~。ピンチです
Jan 28, 2008
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ホントに久し振りの「お気に入り映画シリーズ」です。 別に、今日が曇っていて何となくそんな日曜日だからってワケじゃないんですが、 ふとこの映画のことを思い出して、久々にこのコーナーを…ということです。 暗い日曜日 です。 私が知らないだけなのかも知れませんが、あまり聞いたことのない監督さん 配役の方々もほとんど聞いたことのない人ばかり… でも、この映画、スゴイです。 ストーリー、音楽、映像、完成度が高い。 今まで何百本も観てきましたが、サスペンス的な作品では確実に上位に入りますね。 ベスト3に入れてもいいかも知れません。 エリカ・マロジャーンっていうそうですが、この女優さんが凄く綺麗なんです。 それから、この映画のもとになっているといってもいいあの音楽… とにかく、おすすめなんですね。 ストーリーを紹介しようと思ったんですが、どこを切ってもネタバレしそうなので、 自粛しておきます。意外に知られていない映画のようで、レンタルショップでも、 恋愛もののところにおいてあったりするんですよね。 とにかく、上質のサスペンスドラマを御覧あれ! って感じです。 ご存知の方、ご覧になった方、是非感想を聞かせて下さいネ
Jan 27, 2008
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今日、山デジさんトコで「モモンガ」の話題がでていたので、「モモンガ」って古典では『お化け』なんですよ。」と、コメントしたところ、山デジさんから、「もっと聞きたい~」って。リクエストがありましたので、ちょびっとお答えします。 生物学的には、モモンガはムササビの小型のものを言うそうですが、ムササビは万葉集にも登場するぐらい古い名前なんですね。江戸時代ぐらいになって、「モモンガ」って言葉が登場したんですが、それはムササビの別名ぐらいだったそうです。それが、知らない間に小型のものを「モモンガ」と呼ぶようになったんだって。で、なんで、「お化け」なのかって?そのむかし、「元興寺(がんごうじ)」ってお寺の鐘楼に鬼がいたということで、お化けのことを「ぐゎごじ」っていって、子どもを脅かしたりしたそうなんですが、その音に近いということで、「ももんぐゎ~」がそれに変わっていったんです。確かに、「モモングヮ~」って大声で言われると怖いですよね。そして、それが「お化け」を表すようになったんだそうです。えっ、じゃあなんで今の可愛い「モモンガ」が「お化け」なのかって?それは、この動物の、夜に光をめがけてとんでくるという習性からだということです。だから、平安時代頃から、「火や煙を食すお化け」という風に思われていたんですね。それが、さきほどの「ぐゎごじ」と結びついて、「モモンガ=お化け」となって、特に、庶民の間の言葉や読み物の中で使われるようになったんです。 江戸時代に、こんな川柳があるそうです。 「丸綿を 取って見たれば ももんぐゎあ」 意味分かります? 「丸綿」ってのは、結婚式の時に花嫁がかぶる「角かくし」みたいなもの。 もうお分かりですね。ふふふ。 山デジさん。いかがでしょうか…
Jan 26, 2008
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今日も寒かったですね~。日中は久し振りに太陽が見えたので、少しあたたかかったですが。やはり夕方ぐらいになるとまたシンシンと寒くなってきました。ところで、寒くなると甘いものが欲しくなりませんか???私は、寒いと何故か非常に甘いものがほしくなります。今日も、コーヒーを飲みながら、チョコレートなどをこっそり頬ばっておりました。そして、燃焼しないからでしょうか…体脂肪もたまるとか。怖いです~。
Jan 25, 2008
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今日は凄く寒かったですね。いま、帰ったところですが、車の温度計は0度。氷点下にはなっていませんが、いつもなら2度くらいのところなので、結構寒く感じます。今年は暖冬だな~って思ってましたが、結構寒くなってきました。寒いのは苦手ですが、やっぱり冬は寒くなきゃ締まりませんね。
Jan 24, 2008
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昨日、正解を発表しましたが、前回のお約束で、当たった方に「ショートショート」のプレゼントっていう約束だったんですね。ということで、ムッティさんにプレゼントをしたいと思いますが、今回は、ムッティさんにタイトルをつけてもらおうと思うのです。いつもは、書いた後でタイトルをあーだこーだ言ってるので、今回は書く前にタイトルを付けて貰おうと… ちょっと無謀かな~ そこで、ちょっとだけ条件をつけたいと思います。 1.固有名詞はダメよ。 2.10文字以内(ひらがなにした時に)で。 以上二つ。 さあ、ムッティさんよろしくお願いします
Jan 23, 2008
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久し振りの日本探訪記でーす。 前回のクイズですが、 ここはどこでしょうか…。の写真でしたが、 なんと、正解者がいたんです。 答えは滋賀県です。 ムッティさんおめでとう。これは当たらないと思ったんですけどね~。 さすが、クイズ好きのムッティさんですね。 で、ここはというと琵琶湖の中ある竹生島(ちくぶじま)という島なんです。 あまり行ったことのある人はおられないと思うんですが、 文化財なんかがたくさん残っているんですよ。 小さな島ですが、とても見応えがありましたね。 それから、滋賀県というと、やっぱり信楽でしょうか。 そして、信楽焼と言えば、タヌキですよね。 他にも比叡山、石山寺、忍者の里など、結構行ってますが、 よく考えたら、滋賀県の写真ってあまり無かったな~。 (自分が写ってるのはあるんですけど) 大学生の時、電車の中にポーチを忘れてしまい、 それを発見して送って下さった優しいおばあちゃんは滋賀県の方でした…。 大学の先輩で、凄く知的な方がいらっしゃいましたが、虎姫の出身の方でした。 そう言えば、ブログのお友達の水田さん&写楽さんは滋賀県でしたね。 ということで、ムッティさんショートショートのプレゼントをしますね。 企画は次回のアップ時にね さて、それでは次回のクイズです。 これは何県の何でしょうか。簡単ですね~。
Jan 22, 2008
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今日は学校で、昨日と一昨日のセンター試験の自己採点がありました。昨晩からの雪で、多くの生徒が遅れて学校にきました。予定より遅れて、自己採点が行われました。950点満点で、何点とれるかで、自分の志望校を受けられるかどうかがかなり決められてしまうという酷い試験なんですね。しかも、マークシート。昔は、採点をしながら泣き出しちゃう女の子なんかがいましたが、同じように失敗しても、最近はそこまでの子もいなくなったような気がします。思うように点の出た者、出なかった者、本当に悲喜こもごもなんですよね~。私たちは、生徒の自己採点の結果を集計したり、業者への発送の準備をしたり、出願校の検討をはじめたり、と大わらわ。気が付いたら7時になってました。
Jan 21, 2008
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今朝は、朝から雪でした。寒い中、受験生達は、2日目の日程をこなしました。今日は、理系科目が中心でしたが、数学1Aはけっこう易しかったようで、文系の生徒が喜んでました。が、予想通り数2Bがかなり難しくて、理系の数学が得意な子もかなり苦戦したようです。昼過ぎから雪が積もりはじめ、最後の物理が済んだ午後6時30分には、もうすっかり雪景色。生徒達は雪の中を帰っていきました明日は自己採点なんですが、このまま降り続くと大変です。普段、降らない所に降るとパニックですからね~きっと、予備校なんかの方も大変でしょうね。大丈夫かな~。
Jan 20, 2008
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いや~。今日は疲れました。朝から晩まで引率業務…って言っても、実務はあまりないので「気疲れ」ですね。それにしても、最後が英語のリスニングで、6時35分まで。受験生も大変ですよね。そして、「国語」は午後一番でありました。早速生徒に問題を貸して貰って眺めてみました。 私なりのコメントですが、1評論…普通かな~。選択肢はそれほど意地悪じゃないかも。2小説…久々の漱石。問題はそれほど難しくないが、語彙力がないと本文が読めないかも。3古文…基本がしっかりできていれば易しい。最後の文学史もどきの問題は理系には難か。4漢文…本文自体はそれほど難しくないけれど、広く教養を試されるような感じ。やや難。 ってとこでしょうか 個人的には、直前に授業で復習したような言葉や表現がいっぱい出ていたので、凄く 嬉しいのですが、生徒達は覚えていてくれたかな…。 真面目にこつこつやっていた生徒が報われるようなテストだったと思うので、個人的には まあまあかな~って。でも、自己採点を生徒がするまでわからないんですよね~。 ということで、明日も一日中引率で~す。 今週末は映画が見れないなー
Jan 19, 2008
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明日はいよいよセンター試験です。今日は生徒達と一緒に会場となる私大へいってきました。結構寒かったですが、日差しがぽかぽかして良い陽気でしたが、明日からはまだ寒くなるそうですね。もう、生徒達には何もしてあげられそうにないですが、明日は会場に応援に行きたいと(っていうか、引率なんですが)思います。8時現地集合なので、朝は早いです。いってきまーす。☆昨晩、此処まで書いてアップせずに寝てました
Jan 18, 2008
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昨日は本でしたが、今日は映画で~す。映画の記事も随分かいてませんでしたね。実は、私これ観たことなかったんです。『ゴスフォード・パーク』レンタルショップで、ふと見つけて、あ~、これ観てない…アカデミー賞脚本賞なのに~。で、観た結果は、やっぱり面白かった。です。最初、登場人物が多すぎてワケが分からないんですが、観ているうちに、じわじわ分かってきて。最後は、なるほどね~って。 それから、最近観た中で面白かったのが、これ。 『プレステージ』 これは、よくできた作品でした。 最初から最後まで、息をつかせない感じ。 ストーリーも映像もよく練られていて、完成度が高いです。 マジックと怪しい科学のコラボレーションもいいですが、 やはり、俳優さんの演技力が大きいですね。 ヒュー・ジャックマン&クリスチャン・ベールは凄く良かった。 ヒュー・ジャックマンはXmenの特殊メイクを見慣れてたので、 久し振りに素顔を見た感じ(笑)。 そう言えば、『ニューヨークの恋人』の紳士姿を思い出しました。 スカーレット・ヨハンソンも相変わらず妖艶な感じでいいし、 ちょっとオマケなんですが、デビッド・ボウイが出てたのでびっくりしましたよ。 どちらもオススメです
Jan 17, 2008
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今年最初に読んだ本は小説でした。 最近小説はあまりよまないのですが、お正月だったので、 のんびり読めそうだと言うことでまず第1巻を読んだところ、 これが、期待通りの面白さなんですね~。 一瞬の風になれ(第1部) 数年前からやっている、「本屋大賞」ってのがありますよね。 あれの大賞はさすがにいいものが多いと思います。 この本は、最初ちょっととっつきにくかったですが、 物語に一旦入ってしまうと、本当に引き込まれます。 主人公が目標とする天才スプリンター「連」が、かっこいいし、 自分のペースで彼を追いかける主人公の描き方がいい。 一瞬の風になれ(第2部) 特に、第2部の後半は、読みながら涙がとまりませんでした。 私も学生時代スポ根やってたので、ツボなんですよね。 一瞬の風になれ(第3部) これは読んでも損はしないと思いますよ。 心の中を爽やかな風が吹き抜けていきました
Jan 16, 2008
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昨年末から、ず~っとキリ番企画でしたので、ふつうの記事を書くのが随分久し振りです。書くことが溜まっているようで、いざ書こうとなると何を書こうか迷ってしまいます。映画も結構観ましたので、そのことも書きたいし実は最近よく本も読んでるので、本の紹介もしたいです。そう言えば、写真もアップしてませんね。ということで、ぼちぼち普通の話題で行きたいと思います。が、今日は学校の仕事が結構ハードで疲れちゃったんで、お風呂に入って寝ます。今日は、本当に「たわごと」だな~。
Jan 15, 2008
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連載を終えて【6】 毎回悩んでますが、今回もタイトルで随分悩んじゃいました。 山デジさんほか、真剣に考えて下さった皆さんには申し訳ないのですが、 結果的に、少し手直しして、新しいものにしました。そのタイトルは… 『二十歳への還り道』(はたちへのかえりみち) です。「還」の字を使ったのは、「還」には「めぐる」とか「もといた場所にもどる」などの意味があるからです。 この字だと、山デジさんのイメージも壊さずに済みそうっていう気もしますし…? ということで、かなり長期間引っ張りましたが、今回のキリ番企画はこれで終了です。 次は、50000です。暫く先になりそうですが、またその節にはよろしくね。 タイミング良く、今日は成人の日なんですよね。 今回のお話は、内容的にも「祝、成人」だったので、記念になります。 それはそうと、今回は「仕掛け」はなかったのかナ? 忘れてたのかな? 忘れてた訳ではないんですが、「山デジ」って言葉はなかなか料理が難しくて。 遼太の実家は「山」の中で、じっちゃんはそこに「電子部品工場」をつくった、 だから、「山」「デジ(タル部品)」ってことで…ダメかな~ 応援ありがとうございました。 今回は最高2位まで上がりました。
Jan 14, 2008
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連載を終えて【5】 タイトルについて、色々とご意見ありがとうございました。 でも、結局まだ決められずにいる私です ●『遼太とじっちゃん』 ●『二十歳への帰り道』 ●『里に降る雪』 どれも個人的には気に入ってるんですよね~。 さて、今回のお話には私の個人的な体験が随分と入ってるんです。 その一つが、「じっちゃん」が亡くなる所です。 私が教員になって3年目の冬、祖父が危篤になりました。 私は田舎を離れて都市部(と言っても地方都市)の高校にいましたので、なかなか帰れず、もう祖父の死に目にも会えないかもしれないなと思っていました。 ようやく帰ることができ、駆けつけた病院の祖父の枕元には、母と叔母さんがいました。 もう、意識がない状態が続いている、と聞いていたのですが、 なんと、私が見舞って枕元で話をしていると、一時的に意識が戻ったのです。 そして、私の顔を見て、私の名前を呼び、 「人としてこの世に生を受けたからには、何事かをなさなければならん」 と言うような内容の、最後の説教をしてくれたのです。 そして、その後意識が無くなってからは、もう二度と戻ることはありませんでした。 そして、死に目には結局会えなかったのですが、私にとってはもの凄い体験でした。 母や叔母は「おじいちゃんは、あんたのことを本当に可愛がっとったからね…」と、涙ぐ んでいました。今でも、その時のことはリアルに覚えています。 遼太とじっちゃんは、理系の人間として描きました。 これは、言うまでもなく理系コンプレックスを持っている私の憧れです。 私の祖父は、若い頃歌人として将来を期待されていたそうです。 それが、何故かある時ぷっつりと和歌を作るのを辞めてしまったと母に聞きました。 …何だか、思い出話をつらつらと書いちゃいました。 大好きだった祖父のことを思い出してると、ちょっと胸が詰まってきちゃいました。 …もう今日はこのぐらいにしますね。 タイトル決めなきゃ
Jan 13, 2008
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ふと、気づいたんですが管理ページの 開設○○日、の所が 500になっていました。 まあ、一年半というところで、それほど大騒ぎすることではありませんが、 結構キリのよいところなので、ちょっぴり嬉しくて、本日2度目の更新をしちゃいました。 ま、「たわごと」ってことで。 お許し下さい。
Jan 12, 2008
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連載を終えて【4】 さて、タイトルですが、昨日から色々考えて三案ひねりだしました ●『遼太とじっちゃん』…シンプルに。「iPod」はなくてもいいかも…。 ●『二十歳への帰り道』…全体を象徴的にあらわすと ●『里に降る雪』…最後の場面を活かしてみました いかがでしょうか?? 山デジさんのイメージに合うでしょうかね? ご意見いただけたら幸いです。…でも、毎回最後は自分で決めちゃってる気が 《狼》 おかげさまで
Jan 12, 2008
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連載を終えて【3】 今回のお話は、主人公の名前やら苗字やら、結構みなさんに ご協力をいただきました。ありがとうございました。 結局、苗字って本当にちょっとしか出てきませんでしたし、 「じっちゃん」も、「武さん」とか言う呼び方が多かったです… でも、イメージって大切ですから、そこがあってこそのこのお話だったと そう思っています。 さて、タイトルなんですが、山デジさんから色々とヒントをいただきました 夢 希望 未来 想い 理想 遺産 繋がり 襷 ランナー 祖父 両親 ipod 『おとなに成った遼太へ....。』〈ipodに託したじっちゃんの想い〉 『ipodが繋げた想い』 『ipodに託された意志』 『遼太とじっちゃん & ipod』 でも、結果的には私に任せて下さるということでしたので、 山デジさんのご意見を活かしつつ、私が三つほど候補を考えようと思います。 それで、山デジさんに最終決定をお願いしようかな…と。 ということで、候補は明日発表しますね。 何か、良い案が思いついたら出してみて下さいね。 《狼》 ひっぱるひっぱる
Jan 11, 2008
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連載を終えて【2】 今回のお題は、「雪」「お酒」「iPod」だったんですが、「雪」と「お酒」が余りに相性が良すぎて、逆に困っちゃったんですよね。 雪を見ながらお酒、ってすぐに思いつきそうでしょ。 だから、そこをクリアするのに凄く苦労したんです。 でも、結局「雪見酒」になっちゃいました(笑)。 それから、やはりiPodをどう使うかということですね。 結果的に最後までなやんだのはコレ。 最後にわざとらしく登場させるのはどうか…、って思って、 敢えて最初から小物として使ってみたんですが、結構巧くいったかナ。 それから、今回は章立てをしませんでした。 何となく、だらだらと続ける方がいいんじゃないかなって思ったんです。 お話の設定にかかわることですが、 歩いている時って、本当にあれこれ色んなことを思い出すでしょ。 あの感じを、演出したかったんです。 だから、情景描写や遼太の行動を間にはさんで…ね。 会社の出来事とか、もっと膨らませると面白そうなこともあったんですが、 それも、敢えて小出しにすることにしました。 ちょっと物足りないなって思われたかも知れませんが、 一応、全体の完成度を優先することにしたんです。 今日はこの辺りで…。 《狼》 もう一息
Jan 10, 2008
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連載を終えて【1】いや~。終わっちゃいましたね。私も少し淋しいです今日の皆さんに頂いた一杯のコメントを眺めながら、凄く幸せな気分に浸っています。本当にありがとうございました。小説を書くことに何だか凄い喜びを感じています。これで、3作書き上げたんですが、この企画はずっと続けて行きたいな~って思ってます。いかがでしょう さて、今回は山デジさんへのプレゼントとして書いたんですが、本当に偶然なんですが、山デジさんの今の心境というか、環境にかなりマッチした内容になっていたんですね~。(詳しくはコメント欄を御覧あれ)私としては、ちょうど連載が終わる頃は1月の中頃だろうから、成人式に絡めちゃえという狙いも少しあったんですが、まさか、ここまでハマろうとは思いもしませんでした。でも、とても嬉しい充実感がありますね。今回も、「連載を終えて」として、裏話や私の思いを何回かに分けて綴ろうと思います。良ければお付き合い下さい。取りあえず、今日はお礼まで… 《狼》折角なので、もう少し
Jan 9, 2008
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最終回/連載第17回 時計は、もう少しで午前0時になろうとしていた。 遼太はあの後、母の手紙を二度、そして、祖父のメッセージを三度繰り返して聴いた。 そして、実家に電話をすると、「ありがとう。メッセージ、聴いたよ。じっちゃんの約束、これから果たすから…」と、ただそれだけ言うと、手短に切ってしまった。 もっと、何か言わなければいけないような気もしたが、遼太自身、それ以上何をどれだけ話せばいいか、見当がつかなかったのだ。 そして、気持ちが落ち着いたところで遼太は腹ごしらえをし、風呂にも入った。 いつもなら、烏の行水なのだが、今日は気分的にも何となく「清める」という心境であり、いつもよりもかなり丁寧に洗った。 そして… 机の上には酒瓶と徳利とぐい呑み二つが綺麗に並べられていた。母の手紙の中に入っていた写真も目覚まし時計を写真立てがわりにして側に立てられていた。 もうすぐ、日付がかわり、「3月7日」になる。 遼太の二十回目の誕生日は目前だった。 遼太は、何となく日付が変わるまでは、祖父の願掛けが達成しないような気がして、それを待つことにしていた。…ただ、それもあとほんの少しになっていた。 ファンヒーターは動き続けていたが、それほど部屋は暖かくならない。それだけ、今日は冷えているということであるが、さすがに締め切ったままだと空気が悪い。 何となく部屋の中の空気が澱んでいるような気がして、「換気でもするか」と、やや手持ちぶさたであった遼太は立ち上がり、カーテンを開けた。 水滴がついて曇ったガラス窓の向こうに暗闇が見える。遼太は静かにサッシを開けた。 そこには遼太の目を疑うような光景があった。 雪。 …雪。 ……雪。 いつから降っていたのだろう。遼太の目の前には一面の銀世界となりつつある街が広がっていた。 見上げれば、窓枠に切り取られた黒い四角の空から、静かに白い雪片がひらひらと舞い降りているのが見える。 遼太の田舎では当たり前のように降る雪も、こちらではあまり目にすることはなかった。…ましてや積もることなど、高校時代から田舎を離れて過ごしている遼太にとっても初めてのことであった。 遼太は寒いのも忘れて暫く窓越しに雪を眺めていた。 気づくと、時計はもう12時になろうとしていた。遼太はそのまま、窓を開け放ったままで、テーブルを前に腰をおろした。そして、小さな酒瓶の栓を抜き、二つのぐい呑みに少しずつ酒を注いだ。 甘く、華やかな、芳しい香りがたちこめる。 遼太にとって、初体験の「酒」であった。 というのも、遼太の家では本当に酒を見ることがなく、家族全員が「下戸」ということで、子供の頃から育てられたため、盆や正月はおろか、冠婚葬祭の席でも親戚を含め、酒を飲んでいる人を殆ど見ることはなかった。 そして、遼太自身そういうものだと思い込んでいた。だから、高校時代に学園祭の打ち上げと称してこっそり集まった時も、就職が決まって職場で歓迎会を開いてもらった時も、いくら勧められても遼太は固辞してきた。 きょうび、無理矢理に飲ませようとする強引な友人も上司もいないので、それで遼太は一度も酒を口にすることなく二十歳を迎えようとしていたわけであった。 遼太は二つのぐい呑みに酒を注ぎ終えると、正座をして、そこに居る祖父と対峙した。 「じっちゃん。俺、二十歳になったよ。」 彼は右手にぐい呑みを持ち、机の上に置かれたもう一つのそれに軽くぶつけた。そして、戸惑うことなく、一気に自分の器に注がれた酒を飲み干した。 甘いような辛いような、今までに感じたことのない独特の感覚が口の中に広がり、喉が焼け付くような感じがして、遼太は思わず咳き込んでしまった。 少し頭がくらくらした。 そして、体の中心に火が点ったような、温かい感触が腹から胸のあたりにじわりと広がっていくのが感じられた。 「これが酒か…。」 遼太は、初めての酒の味を噛みしめながら、自分がこの世に生を受けてから今に至るまでの二十年間という歳月を思った。そして、そこにはいつも祖父や父母の姿があったことを、今更のように有り難く思うのだった。 窓を閉めるのも忘れて、遼太は暗闇の中で降り続く雪を見ていた。 「遼太よ、春の雪は里に降るんじゃ…」 …また、何処かで「じっちゃん」の声がしたような気がした。 《了》 また、感想聞かせて下さいね 読者が増えるかな~。
Jan 8, 2008
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連載第16回 祖父の声はまだ続いていた。 「まあ、何が効いたんかどうか分からん。お父さんやお母さんの思いが届いたんかも知れん し。儂の願掛けが効いたんかも知れん。でも、今お前がそうやって元気に育ってくれてお ることが何よりじゃて…。 いずれにせよ、儂は願掛けをしたんでの、それからほんまに酒を断ったんじゃ。まあ、 あのまま酒を飲み続けとったら、お前が物心つく前には、ばあさんを追いかけて一緒に逝 ってしもうとったかも知れんから、まあよかったっちゅうことじゃの。」 そこで、また暫く間が空いた。祖父が大きく息をついているのが分かった。 そしてまた少し沈黙が続いたので、遼太は、もうこれでおしまいか…と思った、すると再び祖父の声が聞こえてきた。 「儂は、お前が二十歳になった時に、一緒に一杯やろうと思っとったんじゃ。それが、残念 なことにどうも果たせそうにないわい…。今、こうやって、お前あてに喋っとるのも、先 が長うない言うことじゃからの。 お前が二十歳になるまでにはまだ少しあるからのお…。 遼太よ。儂が死んだら、お前の二十歳の誕生日に、これをお前に聴かせてもらおうと思 うとる。これを聴いたら、儂と一緒に一杯やってくれるかの。」 最後の辺りで、祖父の声は急に小さくなり、再び咳き込む声が聞こえた。少し離れた所で 「オヤジ、もういいよ。」という声が微かに聞こえた。その声は間違いなく父のものであ った。 祖父は父に厳しく、父は祖父に対しては従順であった。しかし、遼太は、面と向かって祖父に反抗はしないものの、どうも二人の仲は良くないのではないか…そんな風に思っていたこともあった。けれど、成長するにつれ、少しずつ感じ方も変わってきていた。 自分に向けて届けられたこのメッセージは、どう考えても父の仕業である。 「親父とじっちゃんの関係はそれほど悪いものではなかったのかも知れない…。」 幾らか予想していたそれを、遼太は先程の声で確信することができた。 勿論、祖父が頼んだのかも知れない…けれど、父が協力してこの祖父の話を録音し、それをデジタル化して自分の iPodに入れたのだ。これは、我が家では父以外にできる者はいない。 遼太は、もうこれで本当におしまいかと思った。 …が、液晶のカウンタはまだ動いている。遼太は何かまた音が聞こえてくるのではと息をひそめて待っていた。 すると、暫くして本当に最後のメッセージが聞こえてきた。 「遼太…。しっかり生きろ。何事も『修業』じゃと思うて、苦難を乗り越えろ。そして、お 父さんやお母さんを大切にするんじゃぞ…。」 祖父の最後のメッセージは、小さいけれど力のこもったものであった。それを聞いた遼太は、思わず大きく頷いていた。 そして、また暫く沈黙があり、そこで本当に音声は途切れた。 遼太は呆然としてそこに座り続けていた。 …すると、「プツッ」と音がして、意外なことに今度は父の声が聞こえてきたのである。 「遼太よ。聞こえるか。お父さんだ。 おじいちゃんは、お前がちょうど就職を決めた頃から悪くなってな…。正月にお前が帰っ て来たときに、おじいさんから祝いを貰ったろう。このメッセージを入れているiPod だ…。 それでな、おじいちゃんはあの正月明けに急に悪くなってしまってな。 『…お前と一緒に酒を飲むまでは絶対に死ねん。』と、最後まで頑張ったんだが、残念だ ったよ。 実は、このメッセージはおじいちゃんの発案なんだ。おじいちゃんも或る程度察してい たんだろうな。…自分がだめでも、遼太が二十歳になった時、必ず聴かせてやってくれ、 ってな。それで病院のベッドで私が録音したんだよ。 …本当に、おじいちゃんは、お前が生まれる前は大変な酒のみでね。それが、願掛けを してからは本当に一滴も口にしなかった。 そして、本当にお前がすくすくと育ちはじめたんだ。これには皆嬉しいやら驚くやらで な…。「御利益があった」っておじいちゃんも大喜びで、「誓いは絶対に守る」って言う し、私が、もともと酒が飲めないたちだから…、それで、我が家から『酒』ってものが完 全に姿を消してしまったんだよ。親戚も、おじいちゃんの願掛けを知っているし、おじい ちゃんがしつこくお前が二十歳になるまでは内緒にしておいてくれと言ってたんで、お前 はこのことをきっと何にも知らなかっただろう…。 お母さんがことづけた箱の中には、おじいちゃんが大事にしていた備前焼の徳利とぐい 呑みが二つ入っている。それと、おじいちゃんが大好きだった地酒がな。 おじいちゃんの供養じゃと思うて、どうかおじいちゃんと一緒に一杯やってくれ。 お前を誰よりも愛しておった『じっちゃん』だ。 分かったな。遼太。」 そこで、再生は終わっていた。 遼太は、祖父の言葉と父の言葉を何度も頭の中で反芻しながら、改めて自分の抱えている「今」、そして「自分」を、何か途方もないもののように感じ取っていた。 「俺は何て幸せな男なんだろう…」と。 そして、遼太は包みを丁寧に開けていった。一番大きい包みは、父の言っていた地酒の小瓶であった。遼太自身、家では見たことはなかったが、地元では有名な銘柄「雪見鶴」であった。 そして、小さな二つの包みを開けると赤茶色の形の良いぐい呑みが姿を現した。 そして、最後の包みを開けると、…やはり、それは徳利であった。 これも、備前焼独特の落ち着いた色合いと、絶妙に変形した「姿」の美しいものであった。ただ、それは口の所に割れを修理をした跡があった。罅が入っていたところに、はっきりと金のスジがはいっている。 その時、遼太は思い出した。 「これは…」 そうなのだ。幼い頃自分が壊した、小さな花瓶。…花瓶だと思っていたのは、幼い自分の思いこみだった。間違いなく、自分が壊したのはこの徳利だった…。 糊とセロハンテープで「修理」して大目玉を食らった、あの…。 遼太の目から大粒の涙が流れ落ちた。 今日、駅からの帰り道、自分の頭の中に到来した祖父との思い出の場面が、再び次から次へと浮かび上がった。 「じっちゃん。」 遼太は男泣きに泣き、涙は後から後から溢れ出していた。 いよいよ明日、最終回です 読者が増えますように…
Jan 7, 2008
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連載第15回 寮の駐車場に戻ってきた車の音で、ふと吾にかえった遼太は、すぐにiPodを取り出して電源を入れた。 画面をスクロールしていくと、最後のところに見慣れないホルダがあった。 「遼太へ」 母の言葉通り、先程の手紙と同じタイトルのホルダがそこに作られていた。 遼太は緊張しながら、ヘッドフォンを耳にあてて、そこに何が入っているのか聴いてみることにした。 暫くは無音が続いていたが、緊張している遼太の耳に飛び込んできたのは音楽ではなかった。 最初、ガサゴソというような雑音が入り、咳払いが聞こえた。そして、聞こえてきたのは、忘れもしない祖父の野太い声であった。 最初は少し違和感もあった。が、それは音源のせいかもしれないし、祖父の声を暫く聴いていないせいかもしれなかった。…しかし、それは紛れもない祖父の肉声であった。 「遼太よ。これをお前が聴いとるということは、おじいちゃんはもうこの世にいないという ことじゃろうな…。残念じゃが、まあ仕方があるまい。人には与えられた寿命っちゅうも んがあるもんじゃからの。 これから話すことは、多分お前にとっては初めてじゃろうし、少々驚くかもしれんが、全 部本当のことじゃ…。」 そこで、祖父はしんどそうな咳払いを数回した。 「お前のお父さんとお母さんは、早く結婚したんじゃが、なかなか子宝に恵まれんでの。も う半分あきらめとったんじゃ。お父さんも一人っ子じゃったから、儂はもう孫を抱くこと ができんと思うとった。…それが、何とひょっこりお前ができての。それは嬉しかったも んじゃ。 …じゃがのぉ、儂らが早く顔が見たいゆうて期待しすぎたんか、お前は少々早くお母さん の腹から出てきてしもうての。 …ひどい未熟児じゃったんじゃよ。」 そこまで聴いて、遼太はふと、台所の薬缶がピューピュー音を立てているのに気づき、ポーズボタンを押すと慌ててコンロの火を消しに行った。お湯はカンカンに湧いていたが、到底今はカップラーメンなどを作る気にならず、遼太は再び祖父の話を聞き続けた。 「病院の先生が、『大変危険な状態です』『命は取り留めても、うまく育たないかも知れま せん』なんて厳しいことを言うでな。それは大変じゃったんじゃ。お父さんも気が気じゃ のうて…一日中おろおろしとっての。 儂らも、何もできんでばたばたしておったんよ。…しかし、一番心配じゃったのはお母さ んでの。それはそうじゃ、予定日よりもえらい早う出てきたんじゃからの。…それで、儂 も、何かできんかと思うてのお。 …お七夜の晩に、親戚がうちに集まっとる時に、宣言したんじゃよ。 『この子が二十歳になるまで儂はもう酒は一滴も飲まん。』 との。はっはっは。笑うかも知れんが、儂にとっては一大決心じゃったんじゃぞ。」 そこで、もう一度祖父の大きな笑い声が入り、すぐその後で少し咳き込むような声がして、音声が一度途切れた。 そして、再び祖父の声が聞こえてきた。 遼太は、自分でも気づかないうちに正座をして聞いているのに気づいていた。 「お前は知らんじゃろうが、以前儂は実は大酒飲みじゃったんじゃよ…。それが、あんまり 調子が悪いんで、しぶしぶ病院へ行ったら、『このままだと内臓をやられて長くは生きら れん』と、そう医者に脅されたんじゃよ。 …ちょうどその頃、お前が生まれたんでの、ええ機会じゃわいと思うて、しょぼくれとる お前のお父さんやお母さん、親類の者たちを元気づけてやろうと思うて宣言したんじゃ。 そしたら、『武さん、そりゃ無理じゃろ。でも、武さんがほんまに断酒できるんなら、願 いは叶うわい』と皆そう言うんでの。『それならやったるわい。』となったんじゃよ。は っはっは。 それで、裏の岩山様で、お百度を踏んだんじゃ…。」 「岩山様」というのは、遼太の家から近い所にある神社のことである。遼太は、そう言えば、以前父か母から『昔、じいちゃんがそこでお百度参りをした。』と、そんなことを聞いた記憶があった。 あれは本当だったのか…。しかも、「じっちゃん」は自分の為にお百度を…。 「岩山様」は、本殿がかなり高い所にあり、参道の入り口の鳥居から見上げると、先が見えないほど延々と石段が続く有名な社である。一度上がって降りるだけでも、十分息が切れる。 遼太は子供の頃、剣道の稽古の一環で、よく岩山様の石段を駆け上がらされていたことがあった。 「しかし、『お百度』って…じっちゃん…あれを百回往復したなんて…。」 ラストスパート 読者が増えますように…
Jan 6, 2008
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連載第14回 綺麗に片づいた部屋の真ん中に、家から持ってきた大きなカバンを置くと、遼太はどっかと腰を降ろした。 そしてカバンを開け、中の物を一つずつ出していった。 例の如く、あれもこれもと持たせようとする母に抵抗しつつ、荷物は厳選したつもりであったが、カバンの中には結構色々なものが入ってしまっていた。 丸ごとのリンゴ。タッパーに入った野菜の煮付け。法要で出された餅や饅頭…。それは重いはずである。遼太は次々に出てくるものを手にとって眺めては苦笑いしつつ、それらをカバンの脇に並べていった。 そして、カバンの奥の大部分を占めている大きな木箱に目をやった。 荷物をまとめていた遼太の側に母が持ってきたその箱。遼太もまさかそれを母が「持っていきなさい」と言うとは思わずにいた。 しかし、母は「これは、おじいちゃんの形見みたいなもので、あなたが持っておくべきものなの。だから、必ず今日持って行きなさい。」 その母の言葉はいつになく厳しい口調であり、遼太はそれに気圧されて、結局その箱もスポーツバッグの中に入れる羽目になってしまった。 しぶしぶながら、遼太がその箱を入れるのを見届けると、母はゆっくりと、 「今日の夜、ゆっくりと開けてごらんなさいね。」 と、これもいつになく優しい笑顔で告げた。 その箱は、綺麗にたたまれたトレーナーの上に置いていた。 遼太は徐にそれを取り出すと、部屋の脇に寄せていたコタツ机の上にそっと置いた。 すぐに開けたい気もしたが、綺麗な編み紐で厳重に縛ってあったので、とりあえず、それ以外のものを片づけてから開けることにした。 時刻はもう6時30分を回っていた。 少し腹も減ってきたので、母のことづけてくれた料理でもつつきながら、カップラーメンでも啜ろうかと思い、湯を沸かそうと薬缶を火にかけた。 「シュボッ」と音がして、ファンヒーターも動き始めた。遼太は部屋着に着替えると、畳の上にあぐらをかいて、先程の包みを解きはじめた。 紫と白の網紐がしっかりと結びつけられており、結び目をほどくのに少々苦戦した遼太であったが、何とかそれをほどくと、木製の蓋を開けた。 …と、まず目に入ったのは封書であった。 「遼太へ」と、それには記されていた。 箱の中には、新聞とビニールで梱包された物が数個あるのが目に入ったが、遼太はまずその封書を開けてみた。便せんの間に、遼太と祖父が一緒に写っている写真が一枚挿んであった。 遼太が高校生になったばかりの時、玄関で何気なく撮った写真であった。思えば、それから祖父と写真を撮るなどということは一度もなかった。そこには、祖父の真面目な顔と、照れたような顔で、少し祖父と距離をとって立っている自分の笑顔があった。 写真以外に入っていた便箋は一枚だけであった。 母の、ちょっとくせ字だが、女性らしい綺麗な文字がぎっしり並んでいた。 『遼太へ まずは、二十歳の誕生日おめでとう。ひょっとしたら、まだ二十歳になる前かも しれませんね。でも、ここでおめでとうと言っておくことにします。 この中に入っているのは、おじいちゃんがとても大切にしていたものです。 おじいちゃんは、遼太のことが本当に大好きでした。それは分かってますね。 おじいちゃんは、遼太が大きくなったら、一緒に酒を飲むんだと、それをずっと 楽しみにしてきました。 でも、遼太が知っているように、おじいちゃんは、お前が18歳の時に亡くなっ てしまい、夢を果たすことができませんでした。 おじいちゃんの病気が重いということが分かった時、みんなでおじいちゃんの 長年の夢を叶えてあげようと提案したんだけど、それは結局おじいちゃんに断ら れて、今回、こんな形でお前にことづけることになりました。 遼太には悪かったけれど、おじいちゃんが就職祝いに買ってくれた「アイポッ ド」っていうのかな、あれの中におじいちゃんからのメッセージをこっそり入れ させてもらっています。 探してみなさい。見ればすぐに分かるようになっているはずです。 遼太には、まだ事情がよく分からないかも知れませんが、それを聴けば、きっ と分かると思います。あなたは、おじいちゃんをはじめ、色々な人たちに愛され てそこまでになったんですよ。それを忘れずに、自分の道を信じて進んで下さい。 両親より 遼太にはもう一つ釈然としない話だったが、それも母は分かっている風の書きぶりであった。 iPod に祖父のメッセージが? 誰が? いつの間に? まさか、最初から入っていた…とも考えたが、祖父がくれた時、それは新品であった。…きっと、昨晩だろう。 考えてみれば、昨晩は居間のテーブルの上にキーや携帯やiPodを置きっぱなしにしていた。だから、細工をしようと思えば誰にでもできたはずだ。 しかし、「誰にでも」ではない。うちでそんなことが出来るのは父だけだ…。 遼太は暫く虚空を見つめていた。いよいよ大詰めです。
Jan 5, 2008
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連載第13回 辺りはかなり暗くなっていた。 遼太の住んでいる会社の独身寮が大きな灰色の塊のように見えてきた。 今日は日曜日の夜。まだ寮に帰っていない者もたくさんいるようで、灯りが点いている部屋はまばらである。 「ふーっ。」 寮の玄関先まで到着した遼太は、思わず大きく息をついた。白い息が薄闇に溶け込んでいくのを目で追いながら、耳に当てていた小型のヘッドフォーンを外した。 耳当て代わりになっていたヘッドフォンを取ると、そこだけに留まっていた僅かな温かみも、一瞬のうちに風の中に消えていく。 遼太は思わず身震いをした。 と、隣の棟の二階の一番端の部屋に電気が点っているのに気が付いた。 確か、そこは吉原の部屋であった。 この間はあんなことを言ってくれたが、もし、自分の立場が悪くなったら本当に庇ってくれるのだろうか…。 遼太は別に、吉原にそれを期待していたわけではない。ただ、自分が間違ったことをしていないということ、それを理解していてくれる者がいるという事実だけで、心は不思議と落ち着くのであった。 吉原の部屋に点っている灯りは、遼太の心に点った灯りのようでもあった。。 2階にある自分の部屋を目指して階段を一段一段上がっていく。ここにきて、肩に掛けていたバッグの重さが一段と重く感じられた。 「しかし、体…かなりなまってるな…。また、鍛え直さなきゃ…。」 呟きながら見上げる階段。その視線の先には暗くどんよりとした空が見える。空気はどんどんと冷たくなっているようで、頬はぴりぴりとするような感じであった。 遼太の部屋は2階の奥から3つ目である。遼太の両隣の部屋にはまだ人の気配はなかった。手を掛けた鉄製のドアノブは驚くほど冷たかった。 台所と一緒になった廊下を抜けて6畳一間の部屋へ入ると、遼太はまず荷物を下ろし一息ついた。 当たり前と言えばそうであるが、土曜日の朝、自分が出たときのままの部屋の状態であった。テーブルの上のカップにコーヒーが少し残っている。 夕食にはまだ早い時間帯であったし、それほど空腹感も感じなかったので、遼太はまず部屋を少し片づけることにした。 帰り道にあれこれと考えを巡らせ、何となく「心機一転」という気持ちになりかけていたのが、このまま散らかった部屋に馴染んでしまうと忘れてしまいそうな気がしたからである。 遼太はファンヒーターのスイッチを入れようと思ったのを止めて、窓を開けた。外から冷たい空気が流れ込んでくるが、部屋の中も遼太の体も外から帰ってきたばかりで冷え切っているので、それほど寒いとは思わない。 遼太はその勢いで掃除をはじめた。 雑誌を重ね、座布団をはたいて掃除機をかける。台所に少したまっていた洗い物も片づけて、干しっぱなしだった洗濯物も取り込み、全て畳んでタンスに入れた。 ものの15分ほどで、見違えるような部屋になり、部屋の入り口に立って中を見回すと、遼太は満足げに再度ファンヒーターのスイッチを入れた。今日の部分は「繋ぎ」です。 予定では17回連続でーす。
Jan 4, 2008
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連載第12回 それは、自分が小学生の時に、母から聴いた話… 自分がまだ四つか五つだった頃、祖父が自分を連れて散歩に出かけた時のこと。 ちょうど、大雪が降った後で、山道の脇の斜面にはまだ雪がたくさん残っていた。 とても天気がよく、白銀の峰峰が美しく輝いているので、祖父は幼い自分を連れて雪景色を見に、家から少し離れた見晴らしのよい所へ行こうとしていた。 自分が、ちょっと斜面を上がったところにある赤い木の実かなにかを見つけ、取ってくれと祖父にねだったため、祖父は仕方なく自分を降ろして斜面を少し登った。 祖父が斜面に登る間は、ほんの僅かな間であった。…が、自分は祖父が実を採っている、そのほんの少しの間に、下側の斜面に盛り上がった雪の上に上がろうとして、雪だまりに落ちてしまったのだ。 その前後の記憶は全くないのだが、何となく雪の中に落ちていく感覚だけは幾らか残っている。 ちょうど、その時自分と祖父が立ち止まっていた辺りは、運悪く斜面の内側がえぐれたように急になっている場所だった。そこは吹きだまりのようになって、新雪が何メートルもの深さに溜まっていた。 どういうタイミングだったのかは分からないが、とにかく幼い自分はわけも分からず雪の上を歩こうとして足を出して転んでしまい、結構な勢いでそこにはまってしまったのだ。そして、数メートル落ちた所で雪の中にある木の枝の又に足を挟んでしまったのだ。 実を手にして振り向いた祖父は、そこに自分がおらず、雪だまりに大きな穴があるのを見て、慌てて自分を助けようと雪だまりに飛び込んだのだ。そして、その拍子に折れた枝で頬をざっくり切ってしまったということだった。 自分はというと、木に引っ掛かったことで、最悪の事態は免れたけれど、ズボンの裾ががめくれ上がった所に、ちょうど折れて尖った鋭い枯れ枝が、下から擦り上げるような形になり、くるぶしから膝にかけて激しく切り裂いてしまったというわけだ。 多分、自分の記憶はその辺りのシーンが断片的に焼き付いているのだろうと思うが、自分の足の痛みや不安よりも、祖父の血だらけだけれど優しい笑顔と温かさに包まれる感覚が今もしっかりと残っている。 幸いどちらもケガは大したことはなかった。自分も、傷は浅くはなかったけれど、骨や筋は大丈夫だった。 ただ、大したことはなかったというものの、自分の左足はかなりの裂傷になっており、治った後も跡が残った。祖父の顔の傷もそれほど大きくはなかったが、ささくれた木の枝で削り取るような形で傷ついてしまったために、左の頬に3センチあまりの傷跡が残った。 祖父は、自分から目を離したことをもの凄く反省して、暫く元気がなかったそうである。しかし、自分はそのことがきっかけでますますおじいちゃん子になっていった…そんな気がするのだ。 遼太は子供の頃、祖父に抱かれると顔の傷をさして「じいちゃ、いたいいたい」とよく言っていたそうだ。 今思えば無邪気なものであったと言えるが、物心ついたころから、祖父の顔には傷があったので、まさかそれが自分の所為でついたものだとは思ってもみなかった。そして、それが自分の足にある傷跡と関係があるということも…。 結果的に自分の傷はは左足のくるぶしからすね辺りにかけてかなり広範囲に残ってしまった。幼稚園ぐらいの時は気にならなかったその傷跡も、小学校3年のぐらいの頃から気になり始めた。 長いソックスをはかない限りは膝の下あたりに傷がのぞいてしまう。剣道をする時に胴着を着ると、膝下は隠れるものの、今度は裸足になるために、くるぶしの辺りが丸見えになってしまう。 少しずつ異性の目も気になり始める頃であったし、体育やプールの時にはどうしてもそれが丸見えになってしまう。友達から、別段何か言われた訳ではないが、一度気になり始めると、みんなが自分の足をみて気持ち悪がっているような気がして、いても立ってもいられない気分になる…幼心だった。 母から、真実を聞いたのは、ちょうどそれが気になっていた頃であった。 4年生になって新学期の四月。あたたかくなっているのに、半ズボンをはきたがらない自分の様子を見て、母は察したのだ。 「遼太。あなたの足の傷だけどね。あれってどうしてついたか知ってる?」 自分にとって、母に聞かされたその真実は小さな衝撃であった。そして、母の話を聞いて、それまで、断片的だった記憶が、完成したジグソーパズルのように一つの絵として意味を持つことになったのである…。 当然遼太は自分を責めた。しかし、記憶もないほどの昔のことである。その時点で幾ら反省や後悔をしてもはじまらなかった。 ただ、見慣れた祖父の顔の傷が、自分が原因でついたものだったということ…それは遼太自身に、とてもしっかりとした重みを持ってのしかかったのである。 そして自分自身、祖父に対して申し訳なく思うとともに、自分がその傷跡を気にしていたことを恥じた。そして、暫くして遼太は祖父にそのことを詫びた。 「じっちゃん。母さんに聞いたんだけど。その顔の傷って、僕を助けるためについたんだっ て?」 「…ん。そうじゃが、誰に聞いたんじゃ?」 「じっちゃん、それ本当なの?」 「まぁのお…。でもな…あれは儂が悪かったんじゃよ…。よちよち歩きのお前から目を離し たんじゃでの。」 「でも…。僕が何かワガママ言ったんでしょ。それで…。僕の所為で…。」 「何を馬鹿なことを言うとるか。四つや五つの子供が我が儘言うのは当たり前じゃ。それよ り、儂のせいで、お前には悪いことをした、足に傷が残ってしもうて。」 「ううん。全然気にしない。」 「そうか。そう思うてくれるか。儂ものォ…お前の命を救うたんなら、この傷も『勲章』じ ゃと言えるんじゃが、自分のミスじゃからの。自業自得っちゅうもんじゃ。はっはっ は。」 そこまで言い、豪快に笑う祖父を見て、小学生だった自分に、もうそれ以上の言葉は必要なかった。 そして、自分はそれ以来、足の傷のことも、大好きなじっちゃんとの「絆」だと思うようになった。それからは、恥ずかしがるどころか、かえって自分からその傷の理由を友達に誇らしげに話すようになった。 時々、こんな寒い日にはくすぐったいような痺れるような、独特の軽い疼痛がその傷の辺りにまとわりつく。ただ、それも「真実」を知っている遼太にとっては自分と祖父が繋がっている証…そんな意味を持つようになっていた。三が日も終わりですね
Jan 3, 2008
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連載第11回 車道を離れると、急に辺りは静かになった。 遼太は、ポケットからiPodを出すと、少しボリュームを下げた。相変わらず、耳元ではアコースティックギターの曲が流れ続けている。先ほど、道を曲がった所で、ちょうど遼太の好きな静かな曲にかわった所だった。 題名は確か『going home』ではなかっただろうか…。 何か、音楽までもが今の自分の心境を演出してくれているような気がして、遼太は暗がりの中で少しだけ微笑んだ。 大通りを離れると、あと4、5百メートルといったところである。 ただし、遼太の住む会社の独身寮は、少し小高い所にあり、この辺りからやや勾配のある坂道が続く。 上り坂を少し歩いて、遼太は「やっぱりタクシーを拾えばよかったかな…」、とほんの少しだけ後悔した。肩に掛けたスポーツバッグの紐がジワジワと食い込んでくる。 しかし、自分にとっては、寒い道を一歩一歩すすんでいくことで、実家で行われた法要の最中には感じられなかった満足感が、心の中の空洞を少しずつ充たし始めているのを感じていた。 遼太には、訳の分からない念仏を幾ら唱えるよりも、こうして一人で祖父の思い出を噛みしめながら歩くことの方がよっぽど供養になるという気がしていた。 大通りを一本中へ入ると、急に街灯の間隔も広くなり、次第に家もまばらになっていく。民家も街灯もない所では周囲に何も明かりがなく、所々は足許も見えにくいような場所がある。 暗い場所から、街灯の真下の明るい所へ入っていき、そこを行き過ぎると、ちょうど自分の影がすぅーっと自分を追い越していく。遼太は、何だかその影が何かを表しているような気がして、何となくぼんやりとその繰り返しを眺めていた。 と、小さな石でも踏んだのか、遼太は左足に違和感を感じて少しよろけそうになった。 「ツっ。」 遼太は左足のくるぶしあたりに突っ張るような疼痛を感じて思わず声を漏らした。 「挫いたかな」と、ちょっぴりヒヤリとして、荷物を降ろして屈伸をする。 左手で、恐る恐る足首を触ってみる。 特に痛みはなく、少し強く握るようにしてみても大した痛みはない様子だった。「ふぅ」と遼太は息をついたが、それは、「ほっとした」というよりも、慣れっこになっていたその感覚に対しての、「またか」という思いであった。 「しかし、今日は本当に良いタイミングで色々なことが起きてくれるものだ。」 遼太はそんなことを考えていた。 …というのも、その左足にも、祖父との間の、忘れられない思い出が刻まれているのである。 実際は「思い出」と言っても殆ど覚えていない出来事…。 記憶はすごく断片的である。遼太自身、ひょっとしたら、これが自分の最古の記憶かも知れないな…そんな気もする出来事である。 左足の痛みと、冷たさ。雪を染めた血。ごわごわした祖父の背中。そして妙な心のあたたかさ…。それらがコラージュのように、鮮やかに脳裏に焼き付いている。 今日、久しぶりに祖父の遺影を見た。きりっとした顔の左の頬にある傷跡。それは写真の中にもはっきりと見て取れた。 その傷は、自分のせいでつけられたものなのだ…。あと、残り三分の一ぐらいです
Jan 2, 2008
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みなさん。明けましておめでとうございます。我が家から見えた初日の出です。今年もよろしくお願いしますね。 それでは、昨日(昨年:笑)からの続きをどうぞ。連載第10回 …あれ以来、自分自身のことを厳しい目で見ることができるようになった。 遼太はそんな随分昔のことを思い出していた。 ただ、自分がそれと同時に他人に対しても厳しく接するようになったのも事実だった。その辺りの調節ができないところが子供らしいと言えばそうかも知れないが、まだ小学生の低学年であった自分にそれを望むのは少々酷だったかも知れない。 しかし、子供同士のつきあいである。そんな自分を、友達はちょっと面倒なヤツだなと思いながらも、小学生の頃は結局何人かで群れて仲良く遊んでいた。 中学生になり、思春期になってくると、次第に周囲は遼太を「真面目で融通の利かないヤツ」という感じで思うようになったのか、それまで友だちとして付き合っていた者たちが少しずつ自分から離れていった。 ただ、そんな中、新しい友人もできた。 「木之下英二」…「エイジ」と呼んでいた彼とは、妙に気が合った。 彼は頭もよく、将来は検事になりたいという希望を早くから持っていた。「弁護士」ではなく「検事」というところが彼らしいところで、聞けば、「この社会の悪い奴らを、法律を武器に、徹底的にやっつけてやる。」というものであった。 「検事」などという職業は、遼太にとっては、考えもつかないものであり、理工系の技術者を夢見ていた遼太にとって、エイジは住む世界が違うような気がする相手ではあった。しかし、正義感の強いエイジのそんな所が、自分の性格と合ったのかも知れなかった。 遼太とエイジは二人とも一本気で、よく似ている性格であったが、しかし反発することもなく、いつも一緒にいた。 …今思えば、学校では先生も、そんな自分とエイジをちょっぴり敬遠していたようだった。 中学生にもなると、大人のごまかしってのに気づく頃だから、タダでさえ先生の間違いを指摘することに喜びを感じるものである。ただ、黒板の文字の違いを指摘するような小さな、誰もがするようなことには興味はなかった。 自分はそんな細かいことではなく、先生の「先生」としての態度や言動の矛盾などに手厳しいチェックを入れていた。 「掃除は必ずしなければならない」、といいながら、ホームルームが長引いて、隣のクラスと足並みが合わなくなり、「今日は掃除はやめにしましょう」などと妥協案を担任が言ったりすると、「掃除はするべきでしょう。いっぱいゴミが落ちています。先生は『掃除は必ず』っていつも言われてますよね…。」などと切り返す。 今思えば「それは、生徒からも教師からも嫌がられるような発言だったな。」とは思うけれど、今になってもそれが間違っていたとは思わない…。 遼太は、しかし、そういう正義感ばかりかと思うと、そうではなく、結構悪戯などは仲間と一緒にやったものだった。気に食わない先生の授業中には、先生を困らせるようなこともやった。それに、困っている者がいると、率先してかばってやったりもした。だから、周囲の者からそれほど疎ましがられることはなかった。 まあ、はやく言えばちょっと正義感が強くて勉強もできる田舎のガキ大将だったというところだろう。 初めて「親友」と思える存在だったエイジはやはり、街の進学校へと進んだ。自分は工業高校だったが、同じ街にあり、二人とも山間部の家から通うことができなかったので、学校の寮に入っていた。だから、時々街で遊んだりすることもあった。 剣道は続けていたので、試合や昇段試験の会場で一緒になることもあった。 そして、遼太は地元の企業に就職を決め、エイジは関西の有名私大の法学部に合格した。最初のお盆には連絡をとって一度逢って話をしたが、ちっとも変わっていないエイジだった。 「検事になる」という夢もきちんと具体化していたエイジ。遼太も、大学にはいかないけれど、腕と知識の両方を兼ね備えた技術者になるという夢に向かって歩き出していた。 互いに道は違うけれど、歩き方は同じ二人であった。 …エイジもきっと、どこかでぶつかりながら真っ直ぐ歩いているに違いない。 遼太は暗くなった空に滲む街灯の光をぼんやりと見つめていた。 工場での出来事も、自分が祖父の背中を見て歩んできた道の途中にある障害だと思えば、「修行」のようなものだと割り切れる。こんなことを一々気に病んでいてはいけない。 そうして、前向きな気持ちがまた自分の心の底にあたたかい波紋のように広がっていくのを遼太は感じ取っていた。 少し残った缶コーヒーを飲み干す。最初は熱くて握れないほどであった缶も、いつの間にかほんのりとしたぬくもりを残すだけになっていた。その、僅かな温かみを愛おしむように、遼太は缶をゴミ箱にそっと落とした。 そして、再び荷物を担ぐと、そこから大通りに背を向けて薄暗い道へと足を向けた。今年もよろしくね
Jan 1, 2008
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