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2025年01月05日
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テーマ: 読書(10258)
カテゴリ: 読書
​ ​「介護者D」 河﨑 秋子 ​​ ​



父親の体調のため札幌へ戻ることを決意したが、慣れない父子生活、同級生との差異に戸惑う。
現代的な問題を軸に描く著者の新境地。


河崎さんの作品は、とりあえず読んでみたいと思い図書館で借りた。
今まで読んだ作品と比べたら、現代の私達の問題に深く入り込んだもので、
読者それぞれの立場で感情移入できるような小説だ。
私の場合は、やはり老親の高齢化と介護問題や、それに伴う姉妹間の気持ちのすれ違いや葛藤などが一番身につまされた。
この作品でもう一つのテーマにもなっているような「押し活」の心理が、私にはとても興味深かった。
私自身はスターやアイドルに夢中になったことがない。
好きな歌手や俳優、作家などは勿論あるけれど、どちらかというと好きな時期が少し続いた後は、
飽きるというわけではないが、何となく次の関心に移行することが多いし、
「押し活」についてはあまり理解できない感じだった。
しかしこの作品を読んで、何となく「ああ、そうなのかなあ」という感じの理解や共感もできた。
人間には、辛いことや寂しい時悲しい時には、何かの支えが必要だ。
その支えの一つに、押し活もあるのかもしれないし、そこで出会う仲間とのゆるいつながりも貴重なのかもしれない。

また、「介護者D」のDって何だろうと最初は思ったのだが、「Dランク」のDだとか。
これもまた、現代の教育のランク付けや競争の問題に関わっていて、
ひょっとすると高校や大学がランク付けされるようになってから育った人たちには、
結構大きな影響を与えているのだろうと思う。
学生時代にDランくであったとしても、それは学生時代のことだけなのに、
そのレッテルを自分ではがせないままに生きる人も多いだろう。
私はAであってもEであっても、それは学生時代のことだけなので
サッサと忘れた方がいいと思うのだが、それができない人もいるのだろう。

この作品は、河崎さん自身の体験を元にしてのフィクションのようだが、
高齢化に伴う様々な問題と家族のありかた、介護者の孤独や辛さと愛憎、それを支えていくべき社会的資源の問題など、とても丁寧にかきこんでいらっしゃる。
現代社会の庶民の問題をこのような作品に仕上げるなんて、作家ってやっぱりすごいなあ。





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最終更新日  2025年01月05日 11時39分04秒
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