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大つごもり。今年はたいした旅もしていないので、海を越えて香川高松へ年越しそばを食べに行くことにした。 ところが、昨日から歯が疼く。急遽昨日歯医者で神経を取ってもらったのに、疼きはさらに酷くなっている。でも、食欲は痛みに勝り痛み止めを持って青春切符で渡ったのでありました。 先ずは朝食。高松駅内の「連絡船」という立ち食いうどん屋でかけうどん320円。汁が染みるけど、上品なお汁で美味しい。 前回定休日だったので、リベンジの「竹清」が、なんと今日から3日休みだった。大晦日ぐらいせいよ! 仕方ないので、前回と同じく「さか枝」に行く。9時半だというのにけっこう入っている。うどんの美味しいのは知っているので、今回そばにした。 少170にしょうゆ豆の天ぷら80円。そばはうどんのような蕎麦だった。なるほどね。 腹ごなしに香川大学の側を通って野球踏切を渡り昭和町を高徳線沿いに歩いて寿町に至る。電車からこの辺りを見た景色が昭和30年代の家並みたいな気がしたのである。 間違いなかった。予讃線と高徳線が結びついて扇の要になっている辺りは、ひっきりなしに電車が通る開発から取り残されたような町ではある。しかし、だからこそ細い道が曲がりくねり、張り出しの二階には布団などが干されている。人が生き生きと暮らしているそんな街角だったのである。 この辺りは自転車で行商をしている人が何人もいて、自転車倉庫や自転車にしめ飾りがされていた。 しめ飾りのされている家も多く、しめ飾りは郷土色があって面白い。 寿町から駅方面に歩いていると、弘憲寺の近くの「中浦」といううどん屋があったので、入ってみた。なんと製麺屋の片手間にしているうどん屋だった。コボウの天ぷらをつけたら330円だった。こんなものか。麺は中太、コシコシでした(^-^)/。 駅前の長い商店街を通ってマクドナルドで休憩しようとしたら、一軒もなかった。商店街が拒否しているとしか思えない。スターバックスで休憩。 そこで次のうどんを検討した結果、まだ食べたことのない色物の名店に行くことにした。「女道場」はカレーうどんが有名なのであった。しかし、行ってみるとまさかの正月休み。竹清といい、女道場といい、これじゃまた来なくちゃいけなくなるじゃないか。 仕方ないので、本場のチェーン店「こんぴらや」で肉カレーうどんを頼んだ(400円)。流石香川だけあって味に妥協をしてなかった。カレーが歯に染みる。 もう限界。帰途につく。ついつい古本屋で五冊も買ってしまった。でもわりと掘り出し物だった。こういう時は迷ってはいけない。 「普請中 青年」森鴎外 ちくま文庫 「灰燼 かのように」森鴎外 ちくま文庫 「なつかしい町並みの旅」吉田桂ニ 新潮文庫 「画図百鬼夜行全画集」鳥山石燕 角川ソフィア文庫 「千利休 無言の前衛」赤瀬川原平 岩波新書 これで全部で1400円。 3時10分発の岡山行きマリンライナーに乗る。 今年もあとわずか。お世話になりました。良いお年を!
2013年12月31日
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2013映画マイベスト5 「ベスト」と言っても、選ぶ基準はあくまでも「どれだけ私の琴線に触れたか」である。世の一般的なマイベストも全てそうだとは思っているが、ことさら断るのは、今年の結果は特に異論がありそうな気がするからである。客観視すれば一位よりも二位の方が、作品の完成度も高いければ、テーマも深い気がする。それでもこれを選ぶのは、ひとえに今年の私的体験に関係するし、その関係で今も私を打ちのめしているからである。 しかし、統べからく映画とはそういう私的体験かもしれない。因みに今年観た作品数は今のところ104作。 一位「桃さんのしあわせ」 二位「愛 、アムール」 三位「エリジウム」 四位「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」 五位「そして、父になる」 他の作品としては一応「きっとうまくいく」「嘆きのピエタ」「この空の花 長岡花火物語」「横道世之介」「さよなら渓谷」を挙げておこう。
2013年12月29日
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今日は忙しい。馬山(マサン)行のバスがすぐに出るので、キンパブを一個包んでもらう。 馬山行のバスは3列の綺麗なバスだった。1時間40分かかったけど、爆睡した。 高速バスセンターについたけど、ここは釜山行きもない小さなバスセンターだった。ともかくインターネットで調べたルートで市立博物館に行こうと見ると、一回通じて突然通信が途切れた。 オーレKTの店を探して街中をウロウロする。相当歩いて無くて電気屋に行くと、「馬山駅の近くの店に行け」という。しかしあとでわかったが、そこから馬山駅まではバス停留所3-4つもあるような遠方なのだ。そんな遠くに歩いて行け、と外国人に言ってしまうのが韓国なのである。ともかく芯から冷えていたので、暖かい店に入ってこれからのことを考えていると、突然通信が戻った。バスはそこからすぐ近くから出ていた。それにしても、こんな街中でWi-Fiが繋がらないとは、いったいどういうことだったのだろう。 KT西馬山センターという停留所で降りて、そこから山の上まで歩いていかなくちゃならない。どこにでもある独立運動を讃える記念公園を通り過ぎ、 蒙古のお店があった。ちょっと覗いたらおじさんとおばさんが机に座っていた。 「すみません、店ではないんですね」 「そうだよ」 モンゴル人のための事務所なのかな。 そう言えば、道で会う人みんなモンゴル人の顔つきをしている。韓国にこんなにもモンゴル人の移住者が多いとは。そう言えば、昔モンゴル人と結婚する詐欺に出会うコメディ映画(スエ主演)を観たことがあった。彼らの生活はあまりよくないようだ。少し寂れた村中を歩く。 これは日本から輸入したたこ焼き車か。日本人相手じゃないと、訴求力は少ないと思うんだけど。 なんとか山の上まで歩いて行くと、建物だけは立派な市立博物館があった。 ただし、展示物は慶北大学よりもしょぼいものだった。それもそのはず、古代から現代まで一フロアで全部展示しているので、一つの時代はアリバイ的にしか物を置いていない。 これは近世の地図かな。安威の辺りが馬山だと思う。昔は釜山よりも交通の要所だったのかもしれない。 しかし、ほとんどしょぼいモノだったことは否めない。これは博物館から見た景色。苦労に苦労を重ねて、ここまで歩いて来たのである。それでこういう物を見せられた。さすがの私もへこんだ。この時初めて身体が重いことに気がついた。風邪の引きはじめである。疲れに疲れた。もうタクシーでバスセンターまで行こうかと、真剣に考えたのではあるが、生来の貧乏性、気がつけば歩いてバス停留所まで戻っていた。1330に電話して、釜山行きのバスは市外バスセンターという来た所と別のセンターに行くことを確かめてバスに乗る。 馬山市外バスターミナルでは釜山行きは5-10分間隔で出ていた。何か腹に入れてバスに乗ろうとしたら、何故か食欲がわかない。身体がだるい。食べれない、というのは、私としては異常事態ではある。まずい。 釜山まで約40分、爆睡した。 西部バスターミナルに着いた。ともかく食べて休んだら元気になるかな、とフードコートに行っても、どうしても食欲がわかない。南浦洞まで地下鉄で戻った。 suzuさんに電話して、「今日の夕食は風邪気味なので、辞退します。休んで元気になったら、真珠食堂に顔をのぞかせます」と伝える。伝えたら、ホッとして少し元気が出た。宿の近くでビビンククスを食べる。2500w。安くて美味しかった。 宿では31日に先払いをしていたことを忘れられていて、少しトラブったが、なんとか部屋に入ることが出来た。6時半に部屋に入り、10時過ぎまで爆睡する。やはり3日間のほぼ睡眠2-3時間だったことのツケと、今日の零下10度の中でずっと歩き通したことのツケが溜まっていたのだと思う。目が覚める。喉が異様に渇いている。身体のダルさは少し治ったかもしれない。意を決して真珠食堂へあいさつだけでもと、顔をのぞかせる。 真珠食堂では、もう宴は終わりかけていた。ハヨンさんがちょうど帰るところで、他にはsuzuさんコバちゃん、他に新しい女性3人が来ていた。料理はオデン鍋だったようだ。 ここで十分にお水をいただく。自分でもびっくりするぐらい飲んでも飲んでも喉が渇いていた。冷たい水がホントに美味しい。suzuさんから熱さましの薬をいただく。 suzuさんたちにお別れを言い、11時半ごろ宿に戻り風呂にも入らず爆睡した。 地下鉄2400 バス1200 キンパブ1500 大邱→馬山7200 バス2200 馬山→釜山3800 ヒビンククス 2500 Wi-Fi7700 計 31500w 歩数 16852歩 今年中に旅レポート終わらせたかったのですが、やはり無理なようです。あと2日分は来年にいたします。
2013年12月28日
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1月3日(木)晴れ 大邱→馬山 なぜかゆっくりテレビを見出したら、目が冴えてしまって眠ることができなかった。明け方少し眠って9時に宿を出る。今から考えると、夜更かし癖が2日間の「飲み」でついてしまい、そのまま睡眠不足をやらかしてしまったと思う。3日続けての睡眠不足は、自分の自覚以上に身体に堪えていたことをこの時はまだ気がついていなかったのでした。 さて、大邱はー10℃だそうだ。地下鉄で先ず七星市場駅に行き、そこから慶北大学博物館に行くという計画である。 駅でインターネット地図検索をすると、歩いて30分ほどだという。それならば、どうせ博物館は10時からしか開かないのだから、歩いてゆくことにした(←芯から冷えた)。ちょいと下町っぽい街中に大学はあった。 噂では野外展示場が充実しているということだったので、この建物かと思ったら違っていた。 こういう普通の建物が博物館だった。 古墳が移築されていた(若木古墳。三国時代、5世紀)。 博物館の中に周辺の地図があった。赤い点は全て古墳群である。大邱の場所と池山洞古墳群のある高麗の場所は、私の汚い文字で示しました。見えるかな。不老洞古墳群の場所は、丸く囲みました。 ここは三国時代の遺跡の出土品を主に展示してあった。少し私の関心からずれていて、あまり興奮しなかった。大邱の伏賢洞古墳の(名称失念)この箱は、朱色である点で非常に珍しい。 4-5世紀(らしい)この筒型器台も見たことない。 若木古墳の出土物が並んでいるが、そんなに目を引くものはない。 バスで七星市場駅に戻り、東大邱駅に帰って、気になっていたシニア展示体験館に入ってみる。これは、バスセンターの二階から四階にかけて作られた半官半民の介護博物館とでも言うべき施設である。 福祉・老人介護の道具を展示し、実際に体験出来る施設だそうだ。曜日の関係で、体験はできなかったが、見学だけは出来る。見学したいというと、わざわざ職員がついて来て説明をしてくれた。彼としては張り切っていろいろ説明したがったのだけど、如何せん詳しいことは聞き取れない。 介護道具には詳しくはない(これでもヘルパー2級は持ってます)。詳しい人が見たなら、いろいろ勉強になるんだろうな。 浴槽施設である。 これは坂がある処をキャタピラで登っていける車椅子。これは流石に日本にはないのではないか。道路事情の悪い韓国ならではの開発だろう。 老人用の直ぐに履ける靴を各国ごとに比較して展示していた。 介護学校が主導し、政府や民間が支援して作られたそうだ。介護関係者や学生にとっては無料で最新の機器を利用出来るし、企業にとっては反応を聞くことが出来る。双方にメリットがあるのだろう。こういう施設、日本にはあるのだろうか。ないような気がする。
2013年12月27日
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啓明大学の行素博物館。二階の常設展示場です。住居の変遷史。新石器時代(~5700年前?)。ホントに既にこんな建物だったのだろうか。何処まで学術的に検証しているのか、確かめようがない。しかし、三内丸山遺跡のことを考えると可能性はある。櫛紋土器文様の一覧。絵を見ただけで、何を表しているのか良く分かる。住居。青銅器時代になると、バリエーションは広がるらしい。支石墓の大きな石はこのように運んだらしい。鉄器時代の慶州ファンソン洞製鉄遺跡での製鉄の様子。送風機がなんか最新式のような気がする。武士の復元がかなりリアル。その他、いろいろ写真は撮ったがしつこくなるのでこれぐらいで。あっ、そうそう。高麗時代のこういう怪獣の置物もあった。どこかで見たと思ったら映画「グムエル」の姿だった。こんなところから借りていたんだ。ついでに高麗時代の文様もこのようにバリエーションが広がったらしい。白磁の展示もあった。つるつるの白色ではない。奥の深い「白」なのである。地下の喫茶室で少し休む。ケーキセットが4000wと安かった。このあとの帰っている途中で、前々回に5万wで買った革製の高かった手袋を片方落としたことが判明。よっぽど引き返そうかと思ったが、寒いし、あるとは限らないし、泣くなく諦める。大邱はダイソーの本社があるみたい。至る所にダイソーがある。韓国版ダイソーは1000w均一ではなく、必ず値札が付いていて1000〜5000wと、様々なバリエーションがある。特徴は機能性よりも、可愛らしさや遊び心がある。ということ。私は支持する。東大邱に戻って、suzuさんお勧めのターミナルマクチャン(ホルモン焼き屋)に入る。豚生マクチャン7000wを頼んだら、美人のママさんから2人前からと言われた。あとには引けないので、それをお願いする。突き出しが出てきた。おや、ポンテギが出てきた。美味しく頂きました。マクチャンは腸のホルモンだったのね。ぐずぐずしていたら、ママさんが焼いてくれた。不老マッコリも頼む。旨味があって美味しい。(この前日本の居酒屋でマッコリを飲んで見たけど、韓国が恋しくなった)こんな風に野菜に巻いて食べます。宿に戻って、久しぶりにゆっくりした。KTX14400 バス2400 宿30000 Wi-Fi7700 昼食5000 地下鉄2400 ケーキセット4000 ダイソー4000 夕食17000計 86900w歩数 13521歩
2013年12月26日
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地下鉄で啓明大学に行き、行素博物館を再訪した。前回は30分ほどで慌ただしく見たので、今回はじっくり見たかったのである。これは韓半島で1番大きい無文土器(新石器時代、高さ90センチ)らしい。一階フロアにどんと据えてあった。今回特別展をしていて、新石器時代を中心に展示品をまとめていた。울진 죽변리チュクピョニ遺跡や金泉 松竹里遺跡の展示品が中心だった。土器としての機能は、日本の縄文時代のそれとは大差ないけど、日本のように意匠の凝ったものは無い。また、形や「紋」も同じものを見つけることはできなかった。朝鮮半島と日本列島、土器はどのように分岐して、どのように発展していったのか。研究すれば、物凄く面白いんだろうな。日本とは全く違う円板形土製品。松竹里遺跡の石斧、石刀。松竹里遺跡の櫛文土器。2階に常設展示室がある。博物館では1万の遺物を収蔵していて、常時2000のそれを展示しているらしい。その量も大学博物館では空前絶後であるが、解説が写真と絵を多用していて、大変わかりやすいのである。私の訪れた大学博物館の中ではベストワンのそれである。これは、新石器時代後期の土器文様を写真で説明している。これを見て、私は縄文時代の文様とはまた違う系統の文様があるのだと思ったものである。少し疲れたので、もう一回に分けて展示品の紹介をします。
2013年12月25日
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1月2日(水)晴れ 釜山→大邱昨日の夜床に就いたのが午前4時過ぎだった。やはり7時に起きることは出来なかった。9時過ぎに起床。急いで支度して地下鉄で釜山駅まで。KTXで大邱に行くチケットを買う。なんとか10時出発のチケットが取れた。バスで行けば、時間はこの倍はかかるはず。ちょっと高いけど、KTXで正解だった。あっという間に東大邱駅に。車窓からは雪景色!晴れているからいいけど、2日前にツルツル転んだ記憶が蘇る。観光案内所で不老古墳群の行き方を教えてもらい、東大邱の停留所からバスで行く。不老地区はまだ道路が凍っていた。なんと観光案内所が設置されていたが、残念なことに、12月と1月は開いてないとのこと。こんなに寒くちゃあね。せめてパンフだけはもらいたかった。説明板にはこのように書いてある。210もの古墳がある5-6世紀の古墳群である。大伽耶地方に入るのだろうか。池山洞のように、小高い丘の上に円墳が集合して造営されている。墳丘の上に登って、当時の景色を想像する。東大邱に戻って、suzuさんオススメのヨンビン(young bin)モーテルにチェックイン。確かに綺麗です。冷水とお湯の出る機械も付いているし、テレビは薄型に替えているし。3万wクラスとしては掘り出しモノだと思う。モーテル前の中国料理店で昼食をすることにした。チャンポン飯を注文。中華丼みたいなモノを予想していたら、海鮮汁のご飯付きだった。中国料理店でどうしてこんなに赤くしなくちゃいけないんだろ。あまりに辛くて、ほぼないことなのですが、少し残しました。
2013年12月24日
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映画を観に行く。物凄い行列。 「タワー(타워)」という映画。ソル・ギョング、ソン・イェジン、キム・サンギョンという三大スターや、アン・ソンギなどの大物脇役を配した韓国版の「タワーリング・インフェルノ」です。(監督キム・ジフン、邦題「ザ・タワー 超高層ビル大火災」) ソウル江南にどうやら超高層ツインビルが出来ているらしい。クリスマスの夜、そこにタワー上層階で馬鹿らしい理由で火災事故発生。火は瞬く間に取り残された5700人に迫って行く。消防士、施設管理チーフ、フードモール・マネージャーという登場人物や話の構造や落ちの付け方含めて、これでもか、というほどかの名作を真似しています。40年後にもう一回作る必要はあったんだろうか。 さすが正月映画。さすが元旦。大きな会場に観客はほぼ満員。家族連れが多かった(岡山は11月30日からシネマ・クレールで上映)。 映画がはけて、長い行列に並ぶのは少し躊躇したけど、気になっていたホットクを食べることにした。15分並んで出て来たのは、出来たてのホットクの上を切ってカリカリの豆らしきものを入れたモノでした。この様に韓国のホバクは屋台ごとに工夫があって、屋台ごとに味が変わるという特徴がある。 熱くてあっという間に食べてしまった。 6時からsuzuさんと待ち合わせて独島という店に入る。牡蠣の美味い店だという。他のブログでは(ギャグで?)店名を自粛しているみたいですが、私は堂々出します。美味しいモノに国境は無い。 メニューです。 今日は昨日のふらうさん夫婦とコバちゃん、ハヨンさんにヒロ(?)さんが参戦。 最初の突き出し。 それから、ビックリするほどいろんなパンチャンが出て来た。あと2人参戦。 そして見事な盛り合わせ。鯛やヒラメ、カレイなどの踊り食い。 そして出ました。から付き牡蠣。人数も多かったけど、物凄く安かった覚えがある。1人旅では決して味わえない豪華な「韓国の」海の幸を頂きました。浦島太郎が竜宮城へ来た気分。これでも、飲みは終わらない。 真珠食堂に移って、いつもの突き出し。お酒はビールと白のセンタッ(マッコリ)。 スンドゥブ(スジェビ入り)。この濃さ。普通と違う。他では真似出来ない。 卵焼きかと思ったらトーフステーキでした。 ラーメンを入れて締め。 更にご飯を入れて焼き飯。写真がボケボケですみません。 最後に出たのは大根のサラダ! まるで梨のような甘さでした。 品種が違うのか?ビックリ! 気がつけば、3時を過ぎていた。 明日は7時起きなのに!起きれるのか? コーヒー3500 昼食5000 電話代1000 コーヒー1000 映画7500 Wi-Fi7700 ホバク1000 夕食30000 計 56700w 歩数 12242歩
2013年12月22日
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釜山の東岸、海雲台の海水浴場から初日の出を拝みました。 2013年1月1日(火)晴れ 釜山 朝5時50分起床。睡眠時間は約3時間。ええ、根性で起きました。モーテルとの約束で荷物はいったんフロントに預ける。どうやら時間貸し用に部屋は空けとくらしい。正式な元旦ではないけど、今日は祝日、刈り入れどきなのだろう。一日3万wの安さはダテじゃない。 地下鉄は西面駅から満員電車になった。7時15分海雲台に到着。ものすごい人出である。 7時25分海岸に着。人ばっかりだ。催しものがあると言っていたが、そんなものは一切見えず、ただ、ただ人が海岸から道路にかけて埋め尽くしている。 風船が20-30個飛んだ。何か手紙みたいなものがついていた。願い事でも書いて飛ばしたのかな。黒いのは全部人です。 7時35分ごろ、海から綺麗に日が昇り始めた。 みんな一斉にカメラで撮りだした。船が通り過ぎる。 ヘリの初の日の出飛行って、ただ飛んだだけ。 でも実に綺麗だった。 驚いたことに、誰一人として「拝んでいる」姿はなかった。お互いに写真を撮っているだけ。 2万人以上はいたと思うが、ただ初の日の出を見て、写真を撮って、なんかの行事があると聞いただけで、こんなに人が集まるものだろうか。8時30分ごろ、みんなてんでに帰りだす。 私はコーヒーショップを探して市場をそぞろ歩き。人気店には行列が出来ていた。 小さな喫茶店で相変わらず高いコーヒーを飲む。 初の日の出を(私だけ)拝んだ海雲台で高い朝食を食べる気が全くしなかったので、南浦まで帰って来た。途中突然Wi-Fiが全然繋がらなくなる。 1330にかけてサービスセンターを呼んでもらったら、正月休みで居ないって。チャガルチ前も、たくさんある携帯屋が全部休み。このまま、この旅の間インターネットが出来ないのか?それは困る。(←結局、一つだけ開いていた携帯屋で治してもらった。原因はわからない。これがWi-Fiのケチの付き始めだった) suzuさんお勧めのテジクッパの店に行く。 しっかりしたパンチャンとしっかりした豚肉が入って5000w。 パンチャンをいろいろ混ぜて自分なりのテジクッパ作成。美味しく頂きました
2013年12月21日
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韓国レポートも大晦日を迎えた処で、今月の県労会議機関紙連載の映画評を紹介。冬休みに家族で観るにはいい作品です。 「ニューイヤーズ・イブ」 ニューイヤー映画の新定番になるかもしれません。 大空港形式とも、グランドホテル形式とも言われる映画の作り方があります。同じ場所に集まった複数の人間ドラマを一度に見せる手法で、最近は少なくなりました。一人ひとりのドラマが薄くなる嫌いはありますが、新旧のスターたちが登場して来て、「あっ、こんな人がこんな役に」という面白味はあります。 今回は、大晦日ニューヨークのタイムズスクエア新年カウントダウンをクライマックスにして、「失われた絆を取り戻そう」とする人々にフォーカスを当てていました。綺麗にまとまっていたと思います。 俳優も豪華で、オスカー俳優だけでも、3人数えることが出来ました。歌手のボン・ジョヴィもスーパースターの役で主要人物として出演。死期の迫った孤独な老人にロバート・デ・ニーロ。彼は自らの死を犠牲にしても、なぜかボールドロップを見たがるのです。私は知らなかったのですが、カウントダウンの時にボールドロップと言って巨大な電飾の玉を落とすセレモニーがあるのです。その女性責任者に、マッチョな役が多かったはずのヒラリー・スワンクが出ていました。ミシェル・ファイファーは、仕事一筋の女性でしたが突然会社を辞めて「今年中にやり抜く目標」を一日でやろうとします。パーティー券を目当てにそれを助ける若者にザック・エフロン。大晦日の喧騒が嫌いな男アシュトン・カッチャーとボン・ジョヴィのバック歌手のリア・ミッチェルはエレベーターに閉じ込められてしまいます。「リトル・ミス・サンシャイン」(2006)では可愛い小太りの女の子だったアブゲイル・ブレスリンは、15歳のキュートな少女になっていました。その過保護な母親に「セックス・アンド・ザ・シティ」のサラ・ジェシカ・パーカー。そうそう、デ・ニーロを担当している看護師にハル・ベリーが出ていました。最初地味な役なので彼女だとは気がつかなかったのですが、最後になって見事に変身するのです。 エピソードの一つに、セレブのサム(ジョシュ・デュアメル)が、去年の大晦日の時に交わした約束のために午前零時に時計台の前で待ち合わせをする、シンデレラストーリータイプの話があります。その相手の女性が誰なのか、最後までわからない。終盤までに予測出来た人がいたなら、私はちょっと尊敬しちゃいます。(ゲイリー・マーシャル監督2011米作品、レンタル可能)良いお年を!
2013年12月20日
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梵魚寺から佐川洞に移動。旧洞窟チブ(店)という、昔の洞窟(防空壕?)が飲み屋になっている処を探していたのである。しかし、とうとう見つけることができなかった。(あとで聞くと、廃業したという噂)仕方ないので、南浦に行ってsuzuさん情報の우리보리밥(ウリポリパブ)という店に入った。此処は4000w(約320円)でこんなポリパブ定食が出る。麦ごはんに野菜のおかずがいっぱい!これだけで、一日分の野菜は充分。そのあと、suzuさんにとって貰ったトンミョンモーテルにチェックインしようとしたら、「予約ありません」「え?予約ですよ、予約!」「ええ、ありません」なんの間違いだろ。急遽駅の公衆電話に戻って、suzuさんにかける。「@!$#×♪」あれ?どうやら公衆電話が混線している。10分静かに気分を落ち着けて、もう一度かける。やっとつながった。「え?ちゃんと予約したよ。ちょっと一緒にいってみようかね」というわけで、suzuさんと半年ぶりの再会。私の勘違いで、一階下のカラオケ屋に行ってしまっていたのでした(←すみません)。無事にチェックイン。そんなこんなで、怒涛の年越し釜山に突入したのでした。서래(ソレ)という焼肉屋へ。パンチャン(オカズ)もシンプルながら、美味しかった。カルメギサル(갈매기살)という、豚の横隔膜の肉らしい。とっても柔らかい。suzuさん、コバちゃん、ふらうさん夫婦、ハヨンさんが集合して乾杯。そのあと真珠食堂に店を移し、いつもの美味いパンチャン。おでんとスジェビ、じゃがいもの特製鍋。クァメギ(과메기)という秋刀魚の寒ざらし。魚のそういう食べ方があるということを含めて、初めての体験。寒い地方に発達した食文化。味が濃縮されているけど、やはり私は焼いて油がジュワッと出た秋刀魚がいいな。ふらうさんは感激して、真珠食堂のおばちゃんに持ち帰り用を注文していた。韓国でもNHK紅白をやっていた。チラリとは見たけど、一生懸命見ることはなかった。その頃にわかファンになっていたAKBとSKEの出番はみたかったけど、拘らなかった。日本の家では録画しているはずだからだ。ところが、帰国して判明したのであるが、予約は済んでいたけど「録画ボタン」を押さずに「視聴ボタン」を押していたのである(つまり見ること出来なかった。今年はAKB、SKB、NMB全部見るぞ!)。ムーダン(巫女)が描いてくれたらしいおまじないのお札。11時を過ぎて流石に真珠食堂は閉めるという。そして更に店を替える。ホルモン屋。でも何故かホルモン焼きは出ない。そして遂にここで6人揃って新年を迎えた。明けましておめでとう!세복 많이 받으세요!近くの龍頭公園では花火を打ち上げていたらしく、音が聞こえる。誰かが持って来たお屠蘇を飲んでみる。いやあ、釜山でお正月だ!誰かが持って来た黒豆や煮しめも頂いた。ありがとうございます!何やかんやで2時ごろまで飲んでいました。が、私は次の日は初日の出を拝むという野望があったので、早々に早引けしたのでした。パン800 Wi-Fi 7700 チャージ10000 昼食4000 宿(3日分)90000 夕食28000計 140500w歩数19372歩
2013年12月19日
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金井山城(クムジョンサンソン)とは。長さ17,337m、城壁の高さ1~3m、総面積は8213平方km。釜山市の4つの区、そしてお隣の梁山(ヤンサン)市にまたがる韓国最大の城壁。現在残っている山城は「文禄慶長の役」で多くの被害を浴びた後に、避難と抗戦を目的に、無くなっていた城を再度建て始め、朝鮮時代に完成したと言われている。その後、旧日本軍により破壊されてしまったものの、1972年に東門と南門、1973年に西門、1986年に北門を復元し、現在も続けて復元作業が行われている。さて、私はひたすら北門に向けて歩いている。もはや私はこの山城を一周する積りは全くなくなり、いかに途中で降りるかばかりを考えていた。地図を見ると、北門から降りて梵魚寺(범어사ポモサ)があったのでそこへ降りて行こうと決めていた。何回か道行く人に「この方向でいいのですか?」と聞いてOKを貰っていたのだが、行けども行けどもそれらしき道にならない。その間にもアップダウンは続く。私はこの時にすでに深く後悔していたが、山道を甘く見ていた。冬山を甘く見ていた。私の履いていたのは、スーパーで買った1980円の運動靴、底はツルツルである。滑る滑る。転んで打ち所が悪ければ、大怪我もする。下手をすれば命にも関わる。何度か転び、その度に筋を痛めたのではないか、とヒヤヒヤした。北門に着いた。東門と比べると、かなり小さい。ともかくホットした。その直ぐ側にビジターセンターらしき建物があった。何か温かいモノを売っているかもしれない。せめて暖ぐらい取れるだろう。せめて地図ぐらい置いてあるだろう。せめてくつろげる処だろう。と思って行って見ると、無駄な登山服とかが展示されているだけで、登山者は外で食事していた。非常にガッカリする。トイレだけはあった。この北門から梵魚寺に降りる道が、実は1番怖かった。全て斜面で全てカチンコチンに凍っていた。一瞬でも気を抜いたら、転ぶ。いつ谷川に落っこちるか。緊張しっ放しで写真は一枚もありません。たった一キロ程度の坂道がどんなに遠かったか!もう二度と韓国の冬山には登らないと心に決める。梵魚寺は禅寺。いくつか、有難そうな寺はあるのだが、よくわからなかった。信徒らしき人が熱心に拝んでいる。この熱の入れようは日本とは温度差がある。旧正月が本式の正月とはいえ何らかの行事はするのか、大晦日と正月に向けて、延々とぼんぼりのお飾りを付けていた。門番の立像(?)は合計四体居る。インド風?バスで梵魚寺駅のバスセンターまで戻り、3時ごろになっていたけど、佐川洞まで行って食事をしに行った。
2013年12月18日
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12月31日(月)晴れ 釜山 釜山港に着いた。−6度だそうだ。耳が痛い。 この日の為替。為替相場は12900w。8月よりも相当低くなっているが、仕方ない。 先ずはWi-Fiルータを借りる。KTの方が若干安かった。しかし一日7700w。前回の5500wと比べると高い。11日以上借りたり、予約をすれば安かったのだが。そして、安いこの機種を選んだことがあとで裏目に出る。 朝食はパンで。 今日は博物館は全て休みなので、金井山城に行くことにした。朝鮮式の山城を見たかったからである。 温泉場駅から203番バスに乗って、山に登ってゆく。どこで降りていっていいか、わからなかったので、東門という処で降りてみた。山の上はやっぱり寒い。 少し登って東門。案外雪は積もっていない。これなら登れそうだ。岡山の鬼の城との関連がないかと期待していたのだが、登って分かったのは、こっちのは秀吉の朝鮮侵略以降、防塁のために作られたとのこと。8世紀と17世紀では、比較するにも遠すぎる。 石壁の作り方も(復元だけれど)相当洗練されている。 雪だるまが所々作られていた。 親子の雪だるままであるのが、韓国の特徴かな。 しばらく行くと、道が雪と氷になって来た。嫌な予感。 一気に見晴らしが良くなる。山城の遺跡意義にもはや魅力は感じないが、見晴らしは素晴らしい。遠くに見えるのは洛東江だろうか。 霜柱を久しぶりに見た。 以下絶景三連発。 此処で引き返すという手段ももしかしたら、あったかもしれない。あとで分かったのではあるが、バス路線を終点まで行けば、とても美味しいマッコリを作る村にたどり着いたので、そこで昼食をとる旅になればとても楽しいものになったと思う。しかし、私は同じ道を引き返すという旅は不効率だけでなく、発見がないという理由で九割かた採用したことがない、というどうでもいい「プライド」があった。その決断は、一時間後、大いに「反省」することになるのであった。
2013年12月17日
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去年年末の生涯初めての年越し韓国レポートを今始めます。大変お待たせしました。でも一日目はまだ日本です(^_^;)。2012年12月30日(日)雨 倉敷→下関急遽韓国への旅を決めました。仕事が長期の休みを許さなくなるようなので、これが最後の機会だと思い至り、初めて年越し韓国を決意しました。5日間しか韓国に滞在することが出来ません(あと2日は日本国内移動)。そのうち、31、1日は月と祝日ということであらゆる博物館は休み。4日は最後の日ということで、釜山から出港するのであまり動けず、実質主な遺跡巡りをしたり、行きたい処へ行くのは、2日と3日しかない。今回は遠出も出来ない。あまりこのレポートに期待しないでくださいね。というわけで、気分はあまりウキウキもしておらず、雨の出発、いつもの通り、バスで倉敷駅まで行く。倉敷駅では、ショッピングセンター「アリオ」と三井アウトレットモールが御出迎え。今まで何度も登場した駅裏の景色ですが、どんどん景観が変わっています。2007年にはバブル時代に計画されたチボリ公園がまだ稼働していました。やがてそれが閉園。さらに更地になり、何やら工事をしていたと思います。そして、2011年、結局大きな商業施設が建ったわけです。ただし、開店一年ほど経って思ったほど人は入っていない。結局この事態の責任は誰もとっていない事実に、私はときどき愕然とする。「企画を立てた市長は既に故人となっているのだから」責任追求はしないというのだろうか。きちんと責任追求が出来ていないから、またぞろ現市長の伊東某はこの倉敷駅を一千億円20年かけて高架にするという。それで儲かるのゼネコンだけで、地元には雀の涙しか恩恵がない。数億円で福祉・教育に回した方がよっほいい。いつまでこんな政治が続くのか。旅レポートと話が完全にずれました。申し訳ありません。閑話休題。倉敷駅にはこんなオブジェがあった。すわ、韓国と同じように日本でも遂に駅構内に竹島(独島)領土主張を始めたか!と思いきや、ちょっと形が違うようだ。うーむ、どうやら桜島か屋久島のようだ。JRの九州宣伝だ。AKBのゆきりん(柏木由紀)が鹿児島出身なので、宣伝大使を勤めている。いつもそうではあるが貧乏旅行なので、一日かけて下関に行き(青春切符使用)、フェリーで釜山入をする。よって旅程は8:15倉敷駅発 9:22糸崎着 9:49糸崎発 12:05岩国着 12:06岩国発 15:44下関着という合計 7 時間29分の旅行になる。糸崎駅の乗り継ぎ時間でビールを買おうとして、初めて糸崎駅の外に出た。少なくとも山陽本線では1番有名な乗り継ぎ駅なので、コンビニぐらいはあるだろうと踏んだのである。ところが見当たらない。駅前の小さな食料品店に寄ってみた。「ビールないんですか」「ないのよ。ごめんね。周りにも売ってないわね。スーパーが駅前にあったんだけど潰れちゃったしね。コンビニは今ちょうど建設中よ。乗り継ぎのお客さんが時々来るんだけど、一月になったらコンビニがあるからね」こんな寂れた町がどうして電車の乗り継ぎ駅になっているのか。山陽本線の七不思議の一つであろう。広島駅の5分の停車時間で無事ビールをゲットした。岩国駅で乗り継いで、持って来た野菜炒めを肴にしてゆっくり飲もうとしたら、かつてないほどの混み様だった。そうか、今日は年末でした。郷里に帰る人たちでいっぱいです。それでも隙をついて食べてビールも飲んだのでした。下関駅に着。ダイソーで(韓国用のプラグがひとつしかなかったので)タコ足を買う。序でにカメラを首から吊るすための紐も買った。下関国際ターミナルも、前回竹島問題で閑散としていた8月とは打って変って人でごった返していた。チケットは行きは9千円、帰りは8千円だ(港使用料、燃油サーチャージ別途1800円)。帰りは釜山で買った方が安いのだが、今回はソールドアウトの可能性があったので往復予約をしてしまった。船室は二等の112号。寝床はこんな感じです。なぜか何時もだいたい112だ。お風呂場の隣である。今回は行が韓国船だった。私はコンビニがあるので、その方がすきだ。カップラーメンとビールで夕食。バス340円 電車2600円 船代18800円 お茶120円 ビール218円 ダイソー262円 カップラーメン1500w ビール1850w計 22340円+3350w歩数 5446歩
2013年12月16日
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今年読み終わった本は今のところ101冊です。少し早いですが、今年の本マイベスト5を発表したいと思います。それぞれの本の私のノートを全部コピーすると、字数制限に引っかかるので、半分ぐらい削りました(それでも長いですが)。題名だけを紹介すると、「ことり」「古代日本の超技術 改定新版」「大地の子エイラ」シリーズ、「ある哲学者の軌跡 古在由重と仲間たち」「渡辺治の政治学入門」です。 「ことり」小川洋子 朝日新聞出版社 次の水曜日、食卓の上にボーボーはなかった。 「小鳥のブローチは愛の歌を歌えなかった」 と、お兄さんは言った。誰に向かってというのでもなく、ただ言葉を宙に浮かべるようにして、小声で言った。 「そういう小鳥もいる。小屋の片隅で、いつまでも歌えないままでいる小鳥」(70p) 小鳥の小屋の小声をずっと聴き続けているかの様な読者である私には、お兄さんの「失恋」は哀しい。私は遠い日の終わった「片想い」を思い出す。 人は独りで生きていける。それは誰の力も借りないで、ということじゃない。そうではなくて、誰の目にも止まらない処で鳴くことはできるのである。けれども、その密かな鳴き声をじっと聞いてくれる人がいることはなんて嬉しいことなのだろう。 でも、出来ることならば、小鳥の叔父さんの様に、生涯一羽でいいから「ことり」を救いたいな。 2013年2月14日読了 「古代日本の超技術 改定新版」志村史夫 講談社ブルーバックス 著者は「自然を活かし、自然に活かされていた古代日本の技術がねじ曲げられ始めたのは、室町時代のようである」と言っている。「それはまた、日本に「成金文化」が栄え始めた時代でもあった」。「効率」と「経済性」の執拗な追求、それが貴重な技術を失くす元凶になったのである。 私は、中国や韓国博物館を渡り歩いて古代に関して云えば海外の方が遥かに文明度が高かったと思っていたが、少し認識を修正しなくてはならないかもしれない。モンスーン気候で木々が豊富にあり、細やかな自然の変化がある日本列島には其れなりに世界の最先端をゆく技術があったのである。伊達に縄紋弥生で2600年を過ごしたわけじゃない。 2013年4月17日読了 「大地の子エイラ(上)」ジーン・アウル 中村妙子訳 評論社 ときは紀元前三万年ごろ、黒海に突き出ているクリミア半島山腹の洞穴と周辺の草原が舞台。約20人のネアンデルタール人の部族と地震のために1人になったクロマニヨン人の女の子が登場人物である。 やがて物語は、新たに人類の主役に躍り出るクロマニヨン人のエイラの目を通して、この太古の時代に人類が起き忘れてきたことを発見するのではないかと言う「予感」を告げるだろう。 素晴らしい本に出会った。ドキドキしながら、読み進めている。 2013年7月20日読了 「ある哲学者の軌跡 古在由重と仲間たち」岩倉博 花伝社 力作である。森鴎外「渋江抽斎」に匹敵すると言っても、みんなイメージが湧きにくいかもしれない。 作者は「この書は、表題・副題にみるようにいわゆる「評伝」ではなく、まして古在由重の哲学を体系的に語るものではない。筆者の関心は、哲学者古在由重がひとりの同時代人として、戦争に突き進み拡大する戦中、そして平和と民主主義を希求する戦後の中で、何を学び、考え、仲間たちとどう交遊・談話し、どう生き闘ったかということ、やや堅苦しく言えば、哲学者古在由重という人物とその仲間たちの実践と思想を、その時代と歴史のなかに位置づけて見ることにあった」と書く。 まさにその通りであり、だからこそ、日本史伝のなかでの最高傑作と言われる「渋江抽斎」と比べることがこの作品の紹介で最も適当だろうと思ったのである。学術書ではない。思想書でも、歴史書でも、小説でもない。しかし小説のように、古在由重と吉野源三郎の出会いを細かな日常描写と共に書いていた。 もちろん想像は一切加えない。全て日記や関係者聞き取りからの叙述なのである。 現代、図らずも脱原発を巡って日本の「連帯」「統一戦線」が大きな「課題」となろうとしている。 古在由重は遂に統一戦線についてはまとまった論文を書いてはいない。それは古在由重が時代と格闘し、常に最良の答えを求めていたという証拠でもある。 脱原発と改憲問題、この二つに我々も最良の答えを求めていかねばならない。 2013年8月30日読了 「渡辺治の政治学入門」(新日本出版社) 小沢一郎とは何だったのか。菅下ろしの真相。なぜマスコミはダメなのか。橋下の正体。あゝそうだったのか!という指摘満載でした。2010.7-2012.9までの情勢がわかると同時に、渡辺治氏の情勢を見る方法も養ってくれるお得な一冊です。 この本で最も腹落ちしたのは、「現代日本のマスコミ論」だった。著者は講演で必ず「マスコミはどうしてこんなに悪いんですか」と質問されるという。少し長いが、その答えをここに書き写したい。 私は、マスコミが結託して悪い企みの下、世論を誘導しているという「陰謀論」にはくみしません。しかし、マスコミに世論の形成や誘導の意図があることは事実ですし、大きな力を発揮していることは否定しようもありません。とくにマスコミが足並みをそろえたとき、その効果は抜群です。 ではマスコミはどうして、あんなにたくさんあるのに、しばしば論調が同一方向に収斂するのでしょうか。それはマスコミの執行部、論説委員らが、保守支配層の「常識」を共有しているからです。この常識は、保守支配層内の様々なアクター(役者)、アメリカ政府、財界人、官僚、有力保守論客などの言説、彼らへの取材を通じて得た情報を基に形成されます。問題は、近年、メディアの違いを超えて、強固な常識が形成され、メディア報道の同一化が進行していることです。 強固な常識とは二つ。日本の発展のためには日米同盟の強化と構造改革が必要だという常識です。冷戦終焉により、世界は自由な市場で統一され、中国の市場開放をはじめグローバル企業には大きなビジネスチャンスが到来しましたが、進出先の市場秩序維持のためには「世界の警察官」としての軍事力が必要となった。日本も世界の自由な市場秩序での恩恵を受けて発展している限り、日本も世界の秩序維持のために貢献すべきであり、そのためには日米軍事同盟は強化されねばならず、既存の防衛政策は変更されなければならない。米軍のせか的プレゼンスを擁護し協力することこそ国益にかなうという常識です。 他方、構造改革推進についても強固な合意が存在しています。それは、大企業の世界競争激化のもと、日本企業の競争力強化のための構造改革は不可避だ。もちろん改革の痛みは緩和しなければならないが、 それも改革の遂行、経済成長により克服すべきであり、痛みの緩和のために利益誘導や福祉支出に走り、大企業負担を増加する財政肥大を招くようなことがあってはならない、という常識です。 そうはいっても、その大枠の中で、メディアには無視しがたい色彩の違いがありましたが、昨年(2009年)の政権交代あたりから、各メディアの論調が急速に収斂しはじめたのです。マスコミ陰謀論台頭の理由もここにあります。 昨年の政権交代、民主党政権成立からの一年は、国民にとってだけでなく、マスコミ人にとっても大きな未知の経験でした。なにしろ戦後日本の政治の中では初といってよい、本格的な政権交代だったからです。当初は、マスコミも、産経をのぞいて、熱に浮かされたように、鳩山政権に熱い期待をかけるところが多く、「常識」も脇に追いやられること、しばしばでした。ところが、鳩山政権が国民の期待に背中を押され普天間基地のグアム移転に固執し、福祉のマニフェスト実現にこだわって保守の不動の枠組みから逸脱を見せる頃から、マスコミは俄然「常識」に目覚め、鳩山政権に危惧を表明し始めたのです。財界・アメリカ政府の危惧も、政権交代熱病からの覚醒を助けました。今年(2010年)に入り鳩山政権が、普天間で迷走を繰り返し、日米同盟の強化どころか危機に陥りかねない状態が生まれました。構造改革問題でも大きく後退、 ジグザグを繰り返したものの最後まで消費税引き上げを肯んじない。ここに、マスコミの強力な常識バネが発動したのです。鳩山政権はジグザグを繰り返したあげく5月28日、日米合意に至りましたが、もう遅い。もはや鳩山政権では沈没する、鳩山降ろしで新聞各紙、メディアは一致したのです。(75p) このマスコミ「常識」は、強弱はあるが、ここ10数年のマスコミの我々に対する「裏切り」の基調だったと思う。朝日が消費税引き上げに賛成したのも、その時から裏切ったのではなく、構造改革路線に同調した時から始まっていたのである。最近の新聞各紙の秘密保護法反対の論調は、このふたつの常識から外れる可能性(日米同盟にヒビが入る可能性)があるだけでなく、自らの情報獲得機能の崩壊に繋がるからに他ならない。 2013年11月18日読了 今回の秘密保護法をめぐる報道では、NHKを除く民間メディアは一定頑張ったと言っていいかもしれない。それは何故か。変わったのか。いや違う。彼らは彼らの価値観で動いていて、それは少しも動じていないし、これからも絶えず警戒しなければならない。ということを、これを読んで強く思うのです。
2013年12月15日
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「安倍政権の改憲・構造改革新戦略 2013参院選と国民的共同の課題」渡辺治 旬報社 渡辺治の「時代を読む」シリーズ第三弾である(勝手に命名しました)。今年の5月から9月までの日本政治状況の本質を喝破し、展望を示している。よって安倍の秘密保護法強行採決と国民の反撃の盛り上がりまでは流石に予想出来てはいないが、そこに至る両者の条件の解説は十二分に書いていると言っていいだろう。 表紙は富士山上空を我が物顔で飛行する米軍機オスプレイの写真。合成だそうだけど、狙いはよくわかる。 この間の大きな出来事は、言うまでもなく参議院選挙である。よって選挙の総括が縦横に語られている。 参議院選挙の特徴は何か。 一つは自民党の大勝。小選挙区制と民主党減少に助けられたのは事実。しかしそれだけではない。地方でアベノミクス(の公共事業政策)が「仕方のない対案」として期待され、都市部では第一と第三の矢が期待された。そしてさらに、安倍は改憲も、消費税引き上げもTPPも隠した。 一つは、保守二大政党制の崩壊と保守多党制に移ったということ。急進構造改革路線の維新とみんなが伸び悩んだ。国民からはあの党は「対案」とはみなされなかった。 一つは、共産党が躍進した。都議選の大勝が大きかった。中選挙区制だった都議選で、構造改革に対する「対案」としてやっと共産党が認識され出した。二大政党制が崩壊し、比例区や複数区がある参議院選挙で戦う余地が出来た。都議選で運動が高揚した。 参院選は、構造改革側から構造改革の帰結である「デフレ不況」を克服することを掲げた「アベノミクス」と、構造改革に終止符を打つ立場からの政策を掲げた共産党という二つの対案に対する期待という形で現れた。 では、安倍政権は参院選あとになにを目指そうとしているのか。 安倍と米国の軍事政策はずれている。米は軍事分担は日本に出来るだけ肩代わりして欲しいと思っている。アジア・太平洋の役割分担として、普天間基地の辺野古移転、オスプレイ配備を求め、集団的自衛権の解釈改憲も求めている。他方、米は日本が独自の軍事大国として復活し、アジアの秩序を撹乱させることは望んでいない。安倍の集団的自衛権容認の主張も、それが尖閣諸島紛争に日本がアメリカを巻き込む梃子に使われることには極めて警戒的である。 私が思うに、これが安倍の一つ目の読み間違いになると思う。 安倍は財界の言う通りに消費税とTPP推進に舵を切った。財界の懸念はこれで払拭された。しかし、これで国民との剥離は加速するだろう。 国民の中では、中国・韓国に対する反発はあるが、かといって安倍政権が戦前への復古政策をとることにも反対と懸念は強い。これも「読み間違い」だと私は思う。 社会保障構造改革で、安倍は社会保険(医療・年金・介護)を「公助」から「共助」に変えようとしている。これが「成長戦略」の第三の矢で、民間企業の参入のための規制緩和と連動する。 これら安倍の企ては全て、実現は困難性を抱えているだろう。それに対抗する手段として渡辺は「国民的共同」の戦いを提唱している。(←秘密保護法強行採決を見ると、安倍の戦略は「スピードを持って行えば乗り切れる」ということだろうと思う) 「国民的共同」は当然まだ霧中だ。ただ、幾つかの貴重な指摘があった。 一つ、安保型共闘の再現はムリ。社共合わせても現在得票率は12%しかない。労働組合も小さくなった。 一つ、新たな条件が生まれている。企業支配に組み込まれない大量の非正規雇用労働者。地域保守勢力の中の構造改革・軍事大国化に反対する勢力。市民運動の成長。女性運動と女性たちが層として参加。この四つの条件を生かさなくてはならない。 一つ、良心的保守層との共同も不可欠。 この本の初版は今年の10月30日だった。来春には、次の出版を是非とも望みたい。 2013年12月13日読了
2013年12月13日
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「安倍政権と日本政治の新段階」渡辺治 旬報社 規模としても、内容的にもこの前に読んだ「渡辺治の政治学入門」の続編に当たる。渡辺治氏は大著主義を克服して、このように薄くて時期に適った本を書くようになった。あとがきで氏は言う。前書で予想していた「自民大連立構想」は民主党への国民の嫌悪が予想を遥かに上回っていたために無くなった。しかも、3.11以降の高揚していた運動の力が政治の転換に結びつかなかったことに対しての中間総括が必要だった、と氏は述べている。そういう意味では、12.10-13.3の政治の解説書と言って良いだろう。もちろん、この間に起きた大きな出来事は衆議院選挙での自民党大勝と安倍政権樹立である。 総選挙が示した日本政治の新たな段階を氏は四点に分けて解説している。 一、なぜ自民党は大勝したか。ひとつは、民主党の歴史的大敗。しかしそれだけではない。自民党は得票率の退勢を止めたのである。なぜか、「消費税増税は景気が上がらない限り行わない」という構造改革「漸進」路線をとったからである。小泉は大企業減税も社会保障削減も行う「急進」路線で都市層の支持を得た。しかし、アベノミクスはそれを三本の矢という形でごまかした。得票率は微増した。だから、小選挙区では大勝した。その基盤は非常に弱い。 ニ、保守二大政党制は崩れ、保守多党制の時代に入った。 三、維新の会が躍進した。保守多党制、保守連合政治への傾向が強まった。維新の会は、保守二大政党制の地盤沈下に対する保険である。それだけではない。維新の会は、構造改革「急進」路線の先鋭として、自民党でさえ今では恥ずかしくて言えない「最低賃金制度廃止」とか「公務員身分保障の廃止」も出していた。「自主憲法制定」「TPP交渉参加」などでは自民党を助けている。 四、新自由主義に反対する革新政党が大きくならなかった。小選挙区制やマスコミの影響も大きい。主体的には、革新政党が、構造改革・軍事同盟の路線に対する現実的な対案を(目に見えて)提示し訴えることが出来なかったことも大きい。 氏は新自由主義は「第三期」に入ったという。野放図に追求された第一期、矛盾の激発と運動の圧力で停滞した第ニ期、そしてその巻き返しを狙う第三期である。 この様相は、参議院後に若干修正されてさらに強まっている。氏は大学退官のあとは、9条の会の事務局をはじめ、社会保障制度の「対案」の作成など、実際運動を精力的に追求するようになった。それが、このような以前だったら考えられないような適時な本になって現れている。同時代に生きる我々も走りながら、考えなくてはならない。 2013年11月20日読了 これを読んだあとに、嵐のような秘密保護法をめぐる国会内外の攻防があった。安倍政権はその基盤の弱さ(或いは脆さ)から、牙を隠すのではなくて、寧ろなりふり構わぬ戦法になった。それを迎え打つ国民の方にも参議院選挙を経て新たな展望が生まれた。その攻防の最中に我々はいる。 その考察には、矢継ぎ早に出た次の著作を読まなくてはならないだろう。
2013年12月12日
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今回の秘密保護法をめぐる報道では、NHKを除く民間メディアは一定頑張ったと言っていいかもしれない。それは何故か。変わったのか。いや違う。彼らは彼らの価値観で動いていて、それは少しも動じていないし、これからも絶えず警戒しなければならない。ということを、これを読んで強く思うのです。 「渡辺治の政治学入門」(新日本出版社) 小沢一郎とは何だったのか。菅下ろしの真相。なぜマスコミはダメなのか。橋下の正体。あゝそうだったのか!という指摘満載でした。2010.7-2012.9までの情勢がわかると同時に、渡辺治氏の情勢を見る方法も養ってくれるお得な一冊です。 小沢一郎の正体について興味はなかったが、「菅下ろし」について、ここでやっと腹落ちをした。結局菅は(最初から向いていなかったから当たり前なのだが)国民の側に立たなかったから人気が落ちたのであり、財界・自民党は人気が落ちて消費税増税、TPP実現が危ういので一刻も早く落としたかったのである。国民と財界の願いは正反対の処にあった。それを橋渡ししたのがマスコミだというわけだ。 橋下はよく「一度目は悲劇で、二度目は茶番」の政治家といわれる。一度目は小泉とよくいわれる。しかし、彼は石原の二番煎じであり、小泉の二番煎じだった。そしてさらに小沢の二番煎じでもあったという。 反原発や消費税増税に消極的という、時にマヌーバー的なパフォーマンスを行うのは「決定出来る政治」の基盤を作るための手段にすぎない。それは小沢が保守二大政党つくりになりふり構わないマニフェストを作ったのと同じである。 しかし、この本で最も腹落ちしたのは、「現代日本のマスコミ論」だった。著者は講演で必ず「マスコミはどうしてこんなに悪いんですか」と質問されるという。少し長いが、その答えをここに書き写したい。 私は、マスコミが結託して悪い企みの下、世論を誘導しているという「陰謀論」にはくみしません。しかし、マスコミに世論の形成や誘導の意図があることは事実ですし、大きな力を発揮していることは否定しようもありません。とくにマスコミが足並みをそろえたとき、その効果は抜群です。 ではマスコミはどうして、あんなにたくさんあるのに、しばしば論調が同一方向に収斂するのでしょうか。それはマスコミの執行部、論説委員らが、保守支配層の「常識」を共有しているからです。この常識は、保守支配層内の様々なアクター(役者)、アメリカ政府、財界人、官僚、有力保守論客などの言説、彼らへの取材を通じて得た情報を基に形成されます。問題は、近年、メディアの違いを超えて、強固な常識が形成され、メディア報道の同一化が進行していることです。 強固な常識とは二つ。日本の発展のためには日米同盟の強化と構造改革が必要だという常識です。冷戦終焉により、世界は自由な市場で統一され、中国の市場開放をはじめグローバル企業には大きなビジネスチャンスが到来しましたが、進出先の市場秩序維持のためには「世界の警察官」としての軍事力が必要となった。日本も世界の自由な市場秩序での恩恵を受けて発展している限り、日本も世界の秩序維持のために貢献すべきであり、そのためには日米軍事同盟は強化されねばならず、既存の防衛政策は変更されなければならない。米軍のせか的プレゼンスを擁護し協力することこそ国益にかなうという常識です。 他方、構造改革推進についても強固な合意が存在しています。それは、大企業の世界競争激化のもと、日本企業の競争力強化のための構造改革は不可避だ。もちろん改革の痛みは緩和しなければならないが、それも改革の遂行、経済成長により克服すべきであり、痛みの緩和のために利益誘導や福祉支出に走り、大企業負担を増加する財政肥大を招くようなことがあってはならない、という常識です。 そうはいっても、その大枠の中で、メディアには無視しがたい色彩の違いがありましたが、昨年(2009年)の政権交代あたりから、各メディアの論調が急速に収斂しはじめたのです。マスコミ陰謀論台頭の理由もここにあります。 昨年の政権交代、民主党政権成立からの一年は、国民にとってだけでなく、マスコミ人にとっても大きな未知の経験でした。なにしろ戦後日本の政治の中では初といってよい、本格的な政権交代だったからです。当初は、マスコミも、産経をのぞいて、熱に浮かされたように、鳩山政権に熱い期待をかけるところが多く、「常識」も脇に追いやられること、しばしばでした。ところが、鳩山政権が国民の期待に背中を押され普天間基地のグアム移転に固執し、福祉のマニフェスト実現にこだわって保守の不動の枠組みから逸脱を見せる頃から、マスコミは俄然「常識」に目覚め、鳩山政権に危惧を表明し始めたのです。財界・アメリカ政府の危惧も、政権交代熱病からの覚醒を助けました。今年(2010年)に入り鳩山政権が、普天間で迷走を繰り返し、日米同盟の強化どころか危機に陥りかねない状態が生まれました。構造改革問題でも大きく後退、ジグザグを繰り返したものの最後まで消費税引き上げを肯んじない。ここに、マスコミの強力な常識バネが発動したのです。鳩山政権はジグザグを繰り返したあげく5月28日、日米合意に至りましたが、もう遅い。もはや鳩山政権では沈没する、鳩山降ろしで新聞各紙、メディアは一致したのです。(75p) このマスコミ「常識」は、強弱はあるが、ここ10数年のマスコミの我々に対する「裏切り」の基調だったと思う。朝日が消費税引き上げに賛成したのも、その時から裏切ったのではなく、構造改革路線に同調した時から始まっていたのである。最近の新聞各紙の秘密保護法反対の論調は、このふたつの常識から外れる可能性(日米同盟にヒビが入る可能性)があるだけでなく、自らの情報獲得機能の崩壊に繋がるからに他ならない。 2013年11月18日読了
2013年12月11日
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「事典 墓の考古学」土生田純之編 吉川弘文館 「死」があらゆる生物にとって特別なことであるのは、おそらく昆虫でも動物でも同じことだと思われる。しかし、おそらくヒトだけが死の前に死について考え、死の後に死者を意図的に葬るのだろう。 死の受容は、大きく四つに分けられるという。 ひとつ、個人の死を何らかの代替を用いて否定する。霊魂の不滅、死後の世界、肉体と精神の二元論。 ひとつ、儀礼行為による死への対処。葬式。 ひとつ、生前において大きな儀礼を開催したり、何かの記念事業を達成する。巨石文化、古墳。 ひとつ、個人を超える集団の中に個人を位置づけることによって、個人の死を集団の永続性に置き換えるという形式。血筋、名前。 これらは、文化において複数の形式が並存する。 墓は、文化における死の受容のあり方のひとつの「証拠」である。 墓の形式は、時代と地域で大きく変遷した。現代の墓は、近代以降に確立して近未来は大きく変わろうとしている(散骨とか)らしい。 以下、面白かった処を時代変遷的に。 縄文時代後期の周堤墓。河川漁労による共同祭祀の必要性。また、階層社会の可能性。 弥生時代にはまだ年齢階梯社会であって、世襲制までは遠かった。 後期後葉の破砕土器の供献儀礼、葬送のために特別に用意された加飾壺や器台などを「神の依代」として破砕する。これが古墳時代に用いられる。 弥生から古墳時代にかけて、死後の霊魂は鳥に憑依し、或いは鳥の姿になって大空に飛翔する(下関市土井ヶ浜鵜を抱く女性)。 この事典では「埴輪の殉葬起源」説は明確に否定されている(154p)。当然ですね。 平安京では、死体遺棄が普通だったらしいが13世紀以降急速に減少して共同墓地が成立する。 この事典では、朝鮮半島の墓がコンパクトにまとめられていて、とても参考になったし、これからもなりそうである。 読み物として、たいへん面白かった。高くて手元におけないのが、玉に瑕。 2013年11月11日読了
2013年12月10日
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12月8日、勤労者福祉センターで岡山県平和委員会結成50周年記念集会が開かれ、全国から平和委員会所縁の人々47名が集い祝いました。 平和委員会結成当時から中心的に会を担ってきた中尾元重名誉会長の記念講演があり、50年の歴史と、現代の緊迫した情勢を踏まえての話がありました。 中尾氏は軍国少年だった自分を回顧し、「憲法が発布されても『ユダヤの謀略だ』と全然嬉しくなかった。戦後4-5年経ってようやく平和に目覚めて55年ごろから自ら運動に参加した。1963年9月29日に県平和委員会の結成し、原水爆禁止運動やベトナム侵略反対運動などに関わっていった。特に日本原基地闘争は大きなたたかいだった」と述べました。 また特別報告として、県A.A連帯委員会や安保破棄・諸要求貫徹県実行委員会などでともに闘ってきた小野克正氏と玉島の平和運動を担ってきた田中カズヒロ氏の話もありました。 レセプションでは、各界、各地域から祝いの言葉や会への期待が述べられ、全員肩を組んでの「かんばろう」の歌で集会を閉じました。 (以上がよそゆき用に書いた記事です) レセプションには、日本平和委員会事務局長の千坂純氏もお祝いに駆けつけてくれてくれました。ついでに、6日の東京の様子とこれからの展望について聞いたのです。 「(6日の1万5千人の集会は)予想よりも集まった、という感じだったんですか?」 「いや、集まって当然という感じだったね」 「三点セットの最後、平成の国家総動員法の国家安全保障基本法が今度出て来ると思うのですが、いつ頃になると思いますか?」 「予算もあるし、消費税もあるし、五月以降だと思う」 「秘密保護法の運動はあと一ヶ月あったら、勝てたかもしれない。安倍政権の支持率は確かに少し下がったけど、まだ四割とか五割とかある。下手をすると三月までに消費税特需で上がるかもしれない。直ぐにこの危険な法律を国民に知らせていかないとまずいと思いますが」 「その通りだと思う。直ぐにやっていこうと思っている」 ♪たたかいはこれから ♪たたかいはいまから
2013年12月09日
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11月に観た作品は、9作品。今回は時間が無くて画像はありません。すみません。収穫はあまりありませんでした。1番良かったのは「かぐや姫の物語」でした。 「テッド」 Movixが年一回行う隠れた名作のワンコイン上映。(これは岡山では東宝では上映したけど、松竹ではやらなかったんです) 現代のハリウッドのコメディはこういうお下品作品しか出てこない。日本のテレビ事情と良く似ている。だから、基本的に好きではない系統なのだが、それを越えて随所に散りばめられた80-90年代映画作品への愛があり、テディベアベアに代表されるオタクから抜け出すことが出来ない若者の自立を(曲がりなりにも)テーマにしているので、見終わったあとのスッキリ感はある。 ロリーが傷心の時に「ブリジット・ジョーンズの日記」を観ているのが笑えた。ジョンたちの「フラッシュ・ゴードン」への愛は幅広くあるんだろうけど、その俳優を連れ出して、あそこまで薬漬けの設定にするなんて、ブラックを越えて何だかの事情があるとしか思えない。 (解説) 『ザ・ファイター』のマーク・ウォールバーグ主演のドタバタ異色コメディー。命が宿ったテディベアのテッドと自立しきれていない中年男のコンビが巻き起こす騒動を、にぎやかなタッチで映し出していく。監督とテッドの声を務めるのは、テレビアニメ「ファミリー・ガイ(原題) / Family Guy」などの製作に名を連ねるセス・マクファーレン。固い絆で結ばれたテッドと主人公に嫉妬するヒロインを、『ブラック・スワン』のミラ・クニスが演じる。かわいいルックスとは裏腹に、言動すべてがオッサンなテッドには爆笑必至だ。 in movix倉敷 2013年11月9日 ★★★☆☆ 「清須会議」 ギャグもほとんど封じて、三谷幸喜氏が目論んだのは、三谷幸喜史観とでも言うべき歴史の説明会でした。 歴史オタクが「日本史上初めて会議で歴史が動いた」と言って嬉々として、トリビアな事実(明智光秀は年寄り、秀吉の耳の大きさ、3日めの旗とり競争)と、あり得ないセリフを積み重ねて作った映画。この中で積極的に歴史を動かそうとしたのは、秀吉とお市とお松ということになっている。歴史を動かすのは、個人のキャラであって、それに対していいとも悪いとも言わない。確かに、戦さバカで丹羽におんぶに抱っこの柴田、保身のために日和見を決め込む池田、頭が良すぎて揺れる丹羽、現代にも通じる会議の構造はわかった。しかし三谷幸喜はそういう会議のあり方に批判的視点は全くない。歴史が動けば、それでいいのだ、というのが、多分三谷幸喜史観である。面白ければいいのだ。合戦ではなく、会議で歴史がたまたま動いたのであって、これが日本の平和に貢献した、或いはしなかった、などとは間違っても思ってはいない。 三谷幸喜は日本の喜劇も壊してきたが、この作品で日本の時代劇も壊してしまったと言えるだろう。断じてこの作品を擁護しない所以である。 (解説) 数々のヒット作を作り出してきた三谷幸喜が、およそ17年ぶりに書き下ろした小説を自ら映画化した群像喜劇。本能寺の変で織田信長が亡くなった後、織田家後継者と領地配分を決めるために、柴田勝家や羽柴秀吉らが一堂に会した清須会議の全容を描く。役所広司演じる勝家と大泉洋ふんする秀吉の主導権争いを軸に、それぞれに思惑を秘めた登場人物たちが駆け引きを繰り広げていく。そのほか佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、西田敏行ら豪華キャストが勢ぞろいする。 in movix倉敷 2013年11月9日 ★★☆☆☆ 「四十九日のレシピ」 母親の遺した「四十九日のレシピ」に導かれて、継母だった母親の人生を旅する娘と夫。 一度NHKでドラマ化されて、粗筋に改変はなかったのに大いに笑い泣かされました。しかもテレビ版よりも良くなっている。作品の中では、少ししか顔を出さなくて、しかも有名俳優を使っていない晩年の母親の存在が、全編通じて暖かく登場人物全員を包み込む稀有な作品。「清須会議」のような「乾いた笑い」よりもよっぽど良質な喜劇がここにある。 二階堂ふみの初めての明るい役なのだけど、やっぱりどこか影がある。でも、あんまり外れがないのが凄いよ、この女優。永作博美は、人見知り努力家人生に自信がなくなっているアラフォー女性を丁寧に演じた。 「子どもがいなくても、空白のない人生は作れる」というメッセージが、私には嬉しい(^_^;)。 inシネマクレール 2013年11月10日 ★★★★☆ 「ルームメイト」 傑作になるのは、五分五分か少し可能性は低いと見て、臨んだ。しかし、北川景子も深川恭子も嫌いな女優じゃないし、こういう「匂い」が時に傑作になって時には見逃してきたこと(例えは「プライド(2008)」)を悔いていたので、とりあえず観たのである。 外れでした。残念。主な仕掛けは途中で見えてしまうし、よくある仕掛けを気にしたのか、余分なエピソードも最後に付け加えるという凡作でした。あとは2人の女優の演技合戦なのだが、深キョンに少し軍配は上がったけど、ドキッとするモノは終にみること叶わなかった。 (あらすじ) 派遣社員として働いている23歳の萩尾春海は、ある日、交通事故に遭い昏睡状態に。そんな春海を気遣い優しく支えてくれたのは、看護師の西村麗子だった。患者と看護師として病院で初めて会った2人だったが、なぜか互いに親近感を覚え意気投合。春海の退院をきっかけに麗子はルームシェアを提案し、一緒に暮らしはじめる。2人の共同生活は順調にみえた。麗子の奇妙な言動を目にしてしまうまでは─。不可解な事件が春海の周りで起き、ついには殺人事件までも引き起こしてしまう。そして、春海の前に麗子と見た目がそっくりのマリが現れる。※PG12 監督 古澤健 出演 北川景子、深田恭子、高良健吾 in TOHOシネマズ岡南 2013年11月13日 ★★★☆☆ 「キャリー」 前作は観ていない。しかし、流石に大まかなあらすじはおろか、主演の彼女の雰囲気のこともわかっているから、前作が何を描きたかったのかさえも想像出来る。 だから、現代においてこれをリメイクする意味はなんなのだろう。CGで迫力を出すことは、果たしてこの作品のミッシングピースをはめることだったんだろうか。それよりも、前作の良いところを壊すことではなかったか。 あゝこの作品のあらすじがわからないで、次に何が起きるかわからないで観たなら、どんなにドキドキするかと思った。それでも、CGでハサミを飛ばすよりも一本のハサミを気持ちを込めて飛ばした方がよっぽど訴える力があるのに、と思った。 グレースちゃんは頑張っていた。彼女のためにはいい作品だった。 (解説) 1976年にブライアン・デ・パルマ監督の実写版もヒットした、人気ホラー作家スティーヴン・キングの代表作を再映画化。念動力の持ち主であるいじめられっ子の少女が、抑圧されていた怒りや苦しみを爆発させたことから起きる恐怖と悲劇を描く。『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツが、悲壮な運命をたどるヒロインを熱演。監督は、『ボーイズ・ドント・クライ』のキンバリー・ピアース。念動力がさく裂してプロムが地獄と化す悲惨なクライマックスには、ただただ圧倒される。 in movix倉敷 2013年11月19日 ★★★☆☆ 「悪の法則」 分かりにくかった。わからなくてもいいと思っているのか。結局、獲物たちが次々とハンターに落ちてゆくのを「愉しむ」作品なのか。 いっときの「欲」のために非日常的な犯罪(巨大麻薬取引?)に手を貸す「弁護士」、失敗したら仕方ないと達観している仲介屋、勝ち組だと思っているブローカー、何を考えているのか、よくわからない女2人。 その悪人たちの日常を描く作品なのかもしれない。地獄の上をすれすれで歩いている彼らが時に喋る「哲学的」みたいな言辞に、時に魅了されるが、それこそが「美しさ」の罠だと思う。 思わせぶりな脚本や、いかにも裏組織然とした映像は、魅力的ではあったが、これはテーマと、分かりにくさで評価すべきではない。 (解説) マイケル・ファスベンダーにブラッド・ピット、ペネロペ・クルスにキャメロン・ディアスにハビエル・バルデムという豪華スターが共演した心理サスペンス。欲望に駆られて裏社会のビジネスに手を出した弁護士とその仲間たちが、危険なわなにハマり否応なく堕(お)ちて行く姿を描き出す。メガホンを取るのは『ブラックホーク・ダウン』などの巨匠リドリー・スコット。セレブリティーたちを破滅へと追い込む謎の黒幕の存在はもとより、予想だにしないラストに驚がくする。 (スタッフ) 監督:リドリー・スコット 脚本:コーマック・マッカーシー (キャスト) マイケル・ファスベンダー ペネロペ・クルス キャメロン・ディアス ハビエル・バルデム ブラッド・ピット in movix倉敷 2013年11月20日 ★★★☆☆ 「晴れのち晴れ、ときどき晴れ」 典型的なご当地映画。牛窓という町は、そのまま撮っても充分に映画的な景観に耐え得る処だということを証明した。 せめて、題名の由来を台詞の中に入れて欲しかった。 (解説) およそ16年振り帰郷した中年男を主人公に、娘だという17歳の少女との親子愛や、地域の結束力を描くヒューマンドラマ。人々の織り成すドラマと共に日本の豊かで心が落ち着く自然や、“うらじゃ”と呼ばれる祭りの音頭などを映し出す。主人公を演じるのは、EXILEのMATSUこと松本利夫。共演は、宮崎香蓮、白石美帆、綿引勝彦など。テレビドラマ「綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状」シリーズの内片輝がメガホンを取り、テレビドラマ「半沢直樹」の八津弘幸が脚本を担当する。お調子者を演じる松本の好演や、ハートウオーミングなストーリーが胸に迫る。 in movix倉敷 2013年11月20日 ★★☆☆☆ 「かぐや姫の物語」 あらすじは純粋に「竹取物語」だけれども、解釈によってこうも違う話になるのか。もともとが「今は昔」なのだから、あの絵柄でちょうど良かったと思う。 特に前半は素晴らしかった。後半に魅力がなくなるのは、かぐや姫が生きる世界そのものに魅力がないからに他ならない。 見る角度によって、いろいろ景色が変わる万華鏡のような、さまざまな模様を持った平安絵巻が出来上がった。 (解説) 数々の傑作を生み出してきたスタジオジブリの巨匠、高畑勲監督が手掛けた劇場アニメ。日本で最も古い物語といわれる「竹取物語」を題材に、かぐや姫はどうして地球に生まれやがて月へ帰っていったのか、知られざるかぐや姫の心情と謎めいた運命の物語を水彩画のようなタッチで描く。声優陣には、ヒロインかぐや姫にテレビドラマ「とめはねっ! 鈴里高校書道部」などの朝倉あき、その幼なじみを高良健吾が務めるほか、地井武男、宮本信子など多彩な面々がそろう。 監督・原案・脚本:高畑勲 製作:氏家齋一郎 製作名代:大久保好男 企画:鈴木敏夫 脚本:坂口理子 音楽:久石譲 主題歌:二階堂和美 人物造形・作画設計:田辺修 美術:男鹿和雄 作画監督:小西賢一 塗・模様作画:斉藤昌哉 動画検査:野上麻衣子 色指定:垣田由紀子 撮影監督:中村圭介 宣伝プロデューサー:高橋亜希人 / 細川朋子 (声の出演) 朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、上川隆也、伊集院光、宇崎竜童、中村七之助、橋爪功、朝丘雪路、仲代達矢 in movix倉敷 2013年11月23日 ★★★★☆ 「ペコロスの母に会いに行く」 今、私は月に二回ぐらい86歳の叔母の処に会いに行っている。叔母は五年ほど前から認知症が急激に進み出した。今年の春にやっと施設に入れたのであるが、一緒に入った夫は半年で還らぬ人に。むつかしいことは、直ぐに「わからん」と投げたす叔母のことばかりを思いながら、クスクス笑ったり、大笑いしたり、泣いたりしながら見させてもらった。 介護問題を告発する作品でもなければ、特別な苦労をして何かを達成する作品でもない。男やもめのペコロス(玉ねぎ頭)岡野は、介護に困ると比較的すんなりと母親の施設入りを決め(普通も相談しないけど)母親に断りもなく施設に入れる。岡野の職業以外は、ホントに普通の介護の日々なのである。 それでも、これが映画になるのはなぜか。ひとえに、一人ひとりの人生には一人ひとりのドラマがあるからに他ならないからだろう。 若き日の母親に久しぶりの原田貴和子、その親友に原田知世を配したり、酒乱で愛すべき亡くなった父親に加瀬亮を配したり、岡野役の岩松了、母親役の赤木春恵が実に自然な演技を見せたりして、人情喜劇とはこうじゃなくちゃいけないという手本のような作品に仕上がった。流石ベテラン監督森崎東である。 私も叔母さんから、昔の話をもっともっと聞かなくちゃいけないと思っている。 inシネマクレール 2013年11月24日 ★★★★☆
2013年12月08日
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昨日、秘密保護法案が参議院安全保障特別委員会で強行採決された。今日にも本会議で成立しそうである。しかし、日本共産党委員長が言っていたように「今回の強行劇は、安倍政権の終わりの始まり」になるだろうし、そうさせなければならない。安倍政権の基盤は弱くはないが、脆いと思う。幾つか出来ているヒビを的確に攻めていかねばならない。 さて、読書ノートは粛々と記録しておこう。 「疾風ロンド」東野圭吾 実業之日本社 「新参者」で久しぶりに東野圭吾に目覚めたせいもあり、本屋に山積みされている、この「長編書き下ろし文庫」なるモノを衝動買いしてしまった。「新参者」が映画の傑作に例えれば、こちらはテレビ二時間スペシャルドラマ。かあるく読ませて貰った。 (「BOOK」データベースより) 強力な生物兵器を雪山に埋めた。雪が解け、気温が上昇すれば散乱する仕組みだ。場所を知りたければ3億円を支払えーそう脅迫してきた犯人が事故死してしまった。上司から生物兵器の回収を命じられた研究員は、息子と共に、とあるスキー場に向かった。頼みの綱は目印のテディベア。だが予想外の出来事が、次々と彼等を襲う。ラスト1頁まで気が抜けない娯楽快作。 七割方は展開が予想出来た。最後の50pでの二転三転までも。しかし、楽しく読ませて貰った。エンタメとはそういうモノだろう。 東野圭吾はずいぶんとスキーが好きなんだろうな、と思った。 2013年11月26日読了
2013年12月06日
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今朝は秘密保護法反対で地元選出参院議員にFAXしました。意図は機械的に仕分けをする議員秘書の手をすこしでも止めたい、ということです。上の句は秋桜子の句を借用しました(^_^;)。 さて、読書ノートは粛々とつけておこう。 「新参者」東野圭吾 講談社 私はテレビ版と映画版の加賀恭一郎シリーズを評価していない。阿部寛が加賀に相応しくないからである。外見が、ではない。むしろこの作品でも加賀を「彫りが深くて浅黒い」と描いていて、ピッタリなのかな?とも思う。しかしテレビや映画にすると、必ず阿部寛が全面にでるのである。主人公だから当たり前だろ、というかもしれないが、このシリーズの素晴らしいのは、加賀は登場するのは必ず途中からであって、活躍するのは最後の最後であって、むしろむしろ謎解きだけしてそのまま居なくなることさえあったのである(初期は違う)。そこが素晴らしかったのだ。テレビや映画だと、どうしてもスターを最初から最後まで登場させなくてはならない。だから映像化は最初から期待できなかった。 「新参者」は、加賀の出番は比較的多いが、あくまでも物語視点を「謎を抱えた人物」に置く。しかも、犯人探しは最後にとっておいて人情話に終始する。事件推理を追いながら、同時に「日常の謎」解きの物語を作るという荒技を今回は挑戦している。しかも成功している。 東野圭吾の小説群の中でも、「白夜」や「私が彼を殺した」以来の傑作になったと思う。 ずっと知りたかった「眠りの森」に登場した浅岡美緒との関係が一つわかったのは収穫だった。加賀は多分、今でもずっと彼女を待っているはずだ。加賀が捜査一課から所轄に移ったのは、あの事件のあとの顛末のせいだとは今回分かった。また、そのあと所轄で華々しい成果をあげ、上司もそのことを認めていながら、上に上げないのは、彼女との関係を加賀が精算する気が一つもないからに違いない。 いつか再び彼女との物語が紡がれることを願ってやまない。 2013年11月23日読了
2013年12月05日
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「シロは死なない」作/北方謙三 絵/浦沢直樹 小学館 北方謙三で検索していたら、珍しくもこんな「児童読み物」があったので借りて見た。 ここには、歴史上の戦いはない。犯罪がらみのバイオレンスもない。舞台は現代、しかも普通に高層住宅に住んでいる小学一年の男の子と捨て犬シロとの出会いと別れの話なのである。 しかし、やっぱり北方謙三。「漢(おとこ)」の、或いは「ハードボイルド」な話になっていた。 男の子が捨て犬を発見して、見捨てることができない。助けようとして「命をはる」。男ならば、誰でも共感出来る話になっていた。 シロを見つけた、その上に大きなケヤキが立っている。孝夫はおじいさんの真似をして腕組みをして「うん、りっぱだ」というのが習慣になっていた。ある日、それに返事をするように泣いていたのがダンボールの箱に入っていたシロだったのである。 2013年11月14日読了
2013年12月04日
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滅多に書かないのですが、つらつらと愚痴のようなモノを書きます。 気が重い。秘密保護法案が今国会で成立しそうだからである。今、一ヶ月前と比べるとはるかに世論は高まっている。NHKを除くマスメディアも比較的頑張っている。けれども、昨日のデモに参加した90数歳の老活動家のMLのこのような投稿を読むとあと一ヶ月盛り上りが遅かった気もする。 [no_more_war:30049] 御堂筋デモに参加して 強行採決された「特定秘密保護法案」が参議院へ回された日から私は、九州の鄙びた温泉で湯治の日々を過ごし30日に帰って来たばかりですが、その間気掛かりだったのはやはりその後の流れでした。安倍政権の暴走に怒った人々が一斉に立ち上がり、各地でけが人が出るほどの騒ぎになっているのでは、と密かに願っていたので す。しかしこれは老人の果敢ない期待に過ぎませんでした。 若い人々はこの悪法の怖さに気が付かないのか、それとも日本人はいつから臆病になったのか?これだけの国難に臨んでも具体的な行動に出ようとしない、“安保闘争 も遠くなりにけり”の感しきりです。さして役にも立ちません「枯れ木も山の賑わい」と、私は昨日の御堂筋デモに参加致しました。中の島の公会堂を出発した“この 法案は嫌いや“の大行進は銀杏並木の御堂筋を約3キロ難波まで、約2300人が参加したと新聞は報じていますが、私は途中の本町まで、その感想は以下の通りです。 先ず気が付いたのは、昨年参加した関電前での原発再稼働反対デモとの違いです。 広汎な市民が自主的、自発的に集まって怒り、それぞれが勝手に声を挙げたのと違って今回は、共産党を軸とした護憲派9団体の主催だそうで、そのためか多様多彩なアピールが少なく単調でした。整然とリーダーの呼び掛けに呼応し、万事お行儀が良過ぎるのです。はじめ並行していた街宣車とのトラブルも無く、どうも私の好みではありませんでした。 またこの大行進の目的は戦争反対、憲法護持、集団的自衛権行使反対など多目的のデモであったらしく、秘密法案廃棄は急遽追加されたもののようで、それが為にテーマが分裂してしまったことが迫力を欠いた大きな原因でしよう。この日はあくまでも「特定秘密保護法案」の廃棄を求める一本槍でやるべきだったと、私は思います。 その日オフイス街はお休みで沿道の反応は殆どなく数少ない通行人も無関心、手を振る人や励ます人も見当たらず、あれでは参加者の自己満足だけの行進で、とても石破幹事長が心配するほどのデモではありませんでした。私は思うのですが、選挙の時にはあれほど声をからして走り回った議員先生が、この大事な時にどうして街頭へ出て市民に詳しく説明し、必死で支持を訴えないのか、市民ともども廃案までの連帯を叫ばないのか。 老人のよたよた歩きが目に触れたのか、私は或る新聞の記者に捕まって取材されたのですが、これらの思いがどのように報じられるのか。しかしこのような有様では、政府の思惑通り今週中には押し切られる事でしょう。朝日新聞のアンケートに依れば賛成25%、反対50%。衆議院での強行採決を可とする者24%、問題だとする者61%。今国会での成立を望む者14%、継続審議を望む者51%、廃案を望む者22%。と、この圧倒的な民意も踏み潰されてしまうのでしょう。 主権在民の民主国家において、この法案が国民の選んだ議員の手によってろくろく審議も尽くされないままに可決成立する皮肉。そのうちじわじわと悪法の効き目が表れてから、国民は初めて失ったものの大きさに気が付くことでしょう。次々と裁判沙汰になるのでしょうが、法整備の遅れから司法での混乱は必至です。その時日本の司法は鼎のの軽重を問われることになります。相変わらず行政府の召使であるのかどうか?我が国の先々は多難です。 と同時に、このように窮屈な日本にしたのはいったい誰の責任か、またこの権力に手を貸したのは誰であったのか? 幸い今であれば特定秘密ではなく歴史からその名を消すわけにはゆきません。国民から知る権利を奪った方々は先々厳しく弾劾されることでしょう。それにしてもこのような事が云えるのも今のうち、私のような不逞の輩は一番先に逮捕されるでしょう。 もちろん、この活動家の参加したデモは波状的な東京の活動の一部でしかない。しかし、圧倒的な多数議員を持つ自民党の決意(驕り)を止めるのはむつかしい気がする。 今さらマスメディアの劣化や罪悪について「絶叫」しても虚しくなるだけだけど、やはり小さく呟きたい。今回秘密保護法をめぐるNHKの役割は大きい。犯罪的です。昨晩も石破の「デモはテロ」発言をあたかも撤回したかのような報道、国会答弁も「言論の自由は保証する」という答弁しか報道しなかった。国会論議を通じて、そのどちらも対象になりうることを報道しなかった。そのことは、きちんと覚えておきたい。 報道ではほとんど出てこないけれども、今国会論議で、対象者はブロガーなどのインターネット使用者も含まれることが明らかになった。 ◆ブロガー処罰 政府否定せず 2013.11.15 しんぶん赤旗(※書き起こし) ブログ(簡易ホームページ)で時事評論などをする人(ブロガー)が「秘密保護法案」の対象となり処罰される可能性について、内閣官房の鈴木良之審議官は14日の衆院国家安全保障特別委員会で「個別具体的な状況での判断が必要で一義的に答えることは困難だ」と述べ、否定しませんでした。公明・国重徹氏への答弁。 鈴木審議官は「ブログが不特定多数の人が閲覧でき、客観的事実を事実として知らせることを内容とし、ブログに(記事を)掲載している者が継続的に行ってるような場合には、(秘密保護法案の)『出版又は報道の業務に従事する者』に該当する場合がある」と述べました。 行政機関が特定のブロガーを「出版又は報道の業務に従事する者」に該当しないと判断とした場合、処罰対象となることが明らかになりました。 法案が成立しても、すぐに発動することはないだろう。しかし、「調査」は直ぐに始まる。或いは始まっているという空気が流れる。「これ以上書くと、憚りがあるので止めます」という言葉が、ブロガーの間で流行るだろう。その「空気」が1番怖い。インターネット選挙が始まって、やっとマスメディアに影響されないもう一つの世論が作れる可能性が出来始めた矢先なのである。 このようにつらつら書いて来たら、少し気が晴れて来ました。なんか鬱々とした気持ちは何処かに吐き出さないといけないのですね! 秘密保護法が成立すると、この前平和大会パンフで書いたように、次に自民党が成立を目指すのは、「国家安全保障基本法」です。 内容は秘密保護法以上にとんでもないモノです。 第10条を見ると、アメリカなどが「○○から攻撃を受けた。支援してくれ」と日本に「要請」してくれば、それだけで集団的自衛権を行使し、アメリカの戦争に参戦出来るようになります。 また「国際連合憲章上定められた安全保障等への参加」(11条)の名で、多国籍軍の活動などにも参加出来る様にしています。 くわえて、3条を見ると、地方自治体に国の戦争政策への協力をも義務づけています。 第4条では、「国民の責務」も定めています。 まさに平成版の国家総動員法なのです。 これを阻止する運動がもう、いますぐから始まります。 これを阻止したら、(根拠はないですが)秘密保護法の発動もずっと塩漬けにできるかもしれない。 安倍政権は確かに選挙で選ばれた。しかし、こんな法律を出すことは、彼らは一生懸命隠した上で選ばれたのである。そこが、彼らの「致命的な」弱点である。 よし、頑張ろう!
2013年12月03日
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ビックイシュー228号ゲット。今回の表紙は言わずと知れた、いま来日中のレディー・ガガ。 その前に、「声」欄から。 ソウルでも韓国版ビックイシューが販売されている事を知りました。光化門広場で5000wだそうです。日本版よりも厚く読み応えがあるそう。今度行った時には必ず購入したいとは思いますが、我がブログ仲間にはソウル行きの方も多いはず。どなたか、韓国版のレポートしてくださると嬉しいです(^-^)/。 さて、レディー・ガガ、あまりよく知らないのですが、前回の「Born This Way」で人権や平等についてのメッセージを込めたアルバムを成功させて、今回はかなり自由に表現しているみたい。「ARTPOP」はウォーホールの「POPART」の影響を受けて出来上ったらしい。 「今度はアート・カルチャーがポップ・カルチャーの中で生まれ変わるのよ。マリリン・モンローはもうキャンバスに描かれる対象ではなく、いま、マリリンこそがキャンバスなの。」よくわからない。一度聴いて(見て)みよう。 「いま営利主義が大きくなりすぎて堕落し、ファーストフードみたいに氾濫している。ウォーホールはファーストフードをキャンバスに描いた‥‥。でも、今はキャンバスのほうがファーストフードより重要になる時なのよ。忘れないで、自分自身でいること、自分が好きなことをつくるのが何よりも大事だってことを。」うーむ。
2013年12月02日
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「うその楽しみ 中学生までに読んでおきたい哲学」松田哲夫編 あすなろ双書 前回この「ウソ」を巡るアンソロジーで紹介したのは、日本人は大まかにはウソに寛容であり、ウソを愉しむ性質さえ持っていた、ということだった。しかし、某都知事のつくウソについては、そうはいかないのではないかというのが私の意見だった。 今回はそれを更に突っ込みたい。そもそも「国」と「個人」とのウソの関係はどうなっているのだろうか。 「嘘について」加藤周一 「すべての政府は嘘つきである」と書いたのは、「冷戦」時代の米国で活躍していた記者、I・F・ストーンである。政府の操作する情報の行間に真実を読み取るほかないと感じていたのが、彼だけではなかったからこそ、彼が1人で書き、編集し、印刷し、郵送までしていた個人週刊紙「ストーンズ・ウィークリー」には報道関係者の読者が少なくなかったのである。 と、書いたのは加藤周一(「夕陽妄語4」平成13)である。加藤はここで、嘘は人間関係をなめらかにするためには必要だとは認めたうえで、大きな損害を与える嘘もあることを指摘している。 日本国民は太平洋戦争の末期に「大本営発表」をほとんど信用しなくなっていた。(略)繰り返される嘘は、狼少年と村人、政府と国民の間の信頼関係を壊す。信頼関係の破壊は嘘をつく側にも跳ね返って、嘘の効用そのものを失わせるに至るだろう。しかもそれだけではない。 民主主義国では国民が主人公であり、国民の支払う税金で雇われ、国民から委託された業務を行う政府は、使用人の集団である。使用人が主人を騙すのは、原則として不正であり、民主主義の破壊である。使用人の嘘が正当化されるのは、主人の利益を守るためにどうしても嘘が必要な例外的な場面に限られるだろう。その場面には、なぜ嘘が必要であるかの理由が、主人側によって十分に理解できるものでなければならない。 もし説得力ある説明が出来なければ、その嘘は「権力の乱用であり、民主主義の原則の侵害であり、国民の重大な不利益である」と、加藤周一は述べている。 平成13年より少し前の頃、政府は消費税のことや社会福祉のことなどでたくさん嘘をつこうとしていたけど、秘密保護法なんて作れる環境になかったから、さすがの加藤も政府が言い訳そのものすらも隠すことができるようになるとは想像していなかったようだ。 しかし、加藤周一の空恐ろしいのは、政府が嘘ばっかりついていると、権力乱用どころじゃない、もっと怖いことが起きることを考察していることである。 しかし嘘つきが他人をだますだけでなく、自分自身をだますこともある。 例として、ドン・キホーテの従者サンチョ・パンサが田舎娘を姫君と偽って、主人をだまし、だまし続けているうちに自らの嘘を信じるようになったことを上げている。 ほんとうでない話を、それと知りながら人に信じさせようとするのが嘘であるとすれば、みずからも信じる嘘はもはや嘘ではない。嘘つきは、そこで自らの馬鹿げた信念を他人に押しつける狂信者に変わる。(略)嘘つきの害毒はおよそ予測することができる。嘘つきが自らの嘘を信じはじめた後に生み出す害毒は測り知ることが出来ない。 加藤周一が危惧している事態が、戦前の日本のような国であることは間違いない。平成13年の頃は、建前としての「知る権利」があったから、まだ時々は政府の嘘を見破ることは出来た。それでも政府と国民との矛盾はどんどん広まっていったから、嘘が見破られそうになるごとに首相は変わっていったのである。 秘密保護法が成立してしまうと、それが次の段階に進むだろう。例えば「TPPも原発からくる不都合を隠すのも全て国民のため」という幻想を、政府自ら信じて疑わなくなる。「中国が明日にも攻めてくる。軍備増大しか打つ手はない」と自ら信じて、本気でその準備に邁進する。国会前のシュプレヒコールが「テロ行為に相当する」と「本気で信じて」秘密保護法を発動する閣僚が出てくるかもしれない。本気ほど怖いものはない。 えっ?大人はそんなに馬鹿じゃない、って?そうだよね、そう信じたいよね。 2013年11月30日読了
2013年12月01日
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