わたしのこだわりブログ(仮)

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2009年06月28日
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カテゴリ: 旅行



ウィリアム・モリスとバイブリー(Bibury)
ウィリアム・モリス(WilliamMorris)(1834年~1896年)
コッツウォルズの各地をまわり、その山野や建造物(家々の造り)やガーデンの美しさを「地上の楽園(The Earthly Paradise)」と言う長編叙事詩で紹介し、褒め称えたのは1868年~1870年にかけてだそうです。春夏秋冬のイギリスの自然が歌いこまれ、広くイギリスの人にもコッツウォルズの良さを知らしめたそうです。

当初は聖職者をめざしてオックスフォード大学に入学したモリスですが、途中で芸術家を志望し、建築家ストリートの事務所に入所します。その経験が彼をインテリアの方向にすぐれた芸術性を発揮させたものと思われます。今日私達が知るモリスは、壁紙のデザインやタペストリー等の作品で有名ですが、コッツウォルズ各地の石造りの家々の保存などに力を入れたのも、やはり建築家の発想から思いついた事なのだと推察できます。
また、モリスの学生時代からの友人エドワード・バーン=ジョーンズやダンテ・ゲイブリエル・ロセッティらとの親交がモリスを多方面での活躍に向かわせた事も間違いないでしょう。モリスもエドワード・バーン=ジョーンズも後期参入のラファエル前派の活動家だからです。
画家、工芸家、インテリアデザイナーにして詩人であり、社会主義者であり、実業家としても成功したマルチな才能を持ったモリスがイギリスの古い街並みに特別な興味を持っていた事を私は知りませんでした。今日はその石造りの家を建築の視点から見てみようかと思い写真をセレクトしました。モリスが「イギリスで最も美しい村」と讃えたバイブリーの村の石、ウーライトは蜂密色てとてもカワイイ色でした。

ラファエル前派は、当初はダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレイの3人の美術学校の学生(画家)によって結成されたグループです。ヴィクトリア朝のイギリスで活動し、彼らの芸術の考え方に同調するメンバーが集まり、増え、美術史においては象徴主義美術の先駆と考えられている活動家です。
ロマンティックな傾向の主題が多く、一つの芸術的嗜好を共有しているグループだと私は考えています。説明が長くなるので今日はやめますが、ラファエル前派も大好きです。ロンドンのテイト・ギャラリーに作品が多くあるようですが、残念ながらまだ行っていません。



昨日紹介したようにアーリントン・ローは、14世紀に羊毛を入れて置く為の倉庫だったようです。それを17世紀に改装され織子の作業場兼住居となった家ですが、今も丁寧に建物は使われています。
アーリントン・ロー 2
丘陵地帯を15cmも掘るとウーライトの地層にあたるそうです。ウーライトは割りに柔らかい石で採掘しやすく加工しやすいのでコッツウォルズでは建築資材としてかなり昔から使われていたようです。
不思議な事に、この柔らかい石は、外気に触れるほど硬くなるのだそうです。
アーリントン・ロー 1
ウーライトは黄色っぽい色した石灰岩です。鉄分が多いと黄褐色になり。鉄分が薄いと明るいオレンジ色になるのだそうです。そして、ここバイブリーで採石されるウーライトは蜂密色(ハニー・カラー)でカワイイのです。モリスはこの色を持ってしてこの街が美しいと言ったのだと思います。
アーリントン・ロー 3
ウーライトは微少な生物の遺骸が土砂とともに海底に積み重なってできた水成岩で平たく薄利する性質があるのだそうです。特にグレイト・ウーライトと言う石は採掘して野原にほっておくと、自然と剥離して平たい板状になるので、それをコッツウォルズ地方では屋根を葺く為に使われてきたのだそうです。
下は、コッツウォルズ地方のバートン・オンザ・ウオーターの街の屋根です。
コッツウォルズの石屋根
多少色はちがうかもしれませんし、石の葺いた年代はかなり違うかもしれませんが、石の葺き方は同じだと思います。
ウーライトは水分を含みやすいので、雨水をなるべくはじくように、屋根は急勾配に設計されているようです。それでも雨水が残りやすいので、苔や地衣類が生えてくる原因となっていて、メンテナンスがかなり必要なのだと思います。(ほっておいたら草から小木まで生えてしまう・・。)

下は、アーリントン・ローではなく一般の民家ですが、石垣とその上のコームに注目です。
バイブリーの庭の石垣とコム
横に積み上げた石垣の上を、さらに、石やりのような石を縦にならべられていますが、これをコーム(櫛)と言うそうです。
ウーライトでも表層に近い部分はラッグストーンと言われて不規則な板状にくずれやすく建築材としては向かないので、牧草地のまわりの囲いなどに使われ、この特徴的な石垣ができたようです。
牧草地の場合は、地面に突出して出て来たラッグストーンにより草刈りガマを痛めるので拾って積み上げているうちに囲いになっていったようです。それが今やコッツウォルズ地方の風物になっています。






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Last updated  2009年06月28日 19時41分52秒
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