わたしのこだわりブログ(仮)

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2010年12月13日
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​​​ サグラダ・ファミリア 4 (未完の理由 と主祭壇)
サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia) Part 4
完成させたくなかった聖堂
主祭壇
天蓋、葡萄、小麦

外尾悦郎さんの「ガウディの伝言」の中でカタルーニャを代表とする詩人ジョアン・マラガールの詩が紹介されています。

「降誕のファサード」は建築ではない。
イエス降誕の喜びを永遠の物にのように歌いあげた詩である。
石の魂から生まれ出た建築の詩である。
未完成の形からこの聖堂に命をかける男の情熱が見える。
彼は聖堂の完成を自分の目で見る欲を持っていない。
建築の維持を後世の人に託す望みだけ持っている。
彼が作っているものは、カタルーニャ自身なのだ。


同郷のガウディと建築途中でありながら、すでに人を感銘させるサグラダ・ファミリアを称えた詩です。(詩人ジョアン・マラガールについての資料が見つかりませんでした。)

詩人は、この詩の中で「聖堂の完成を自分の目で見る欲を持っていない」、「建築の維持を後世の人に託す望みだけ持っている」と語っています。

そう、 この聖堂はガウディが生きている頃から、完成出来ない事が解っていたのです。
いや、むしろガウディはこの聖堂をすぐに完成させたくはなかったのです

この作品は長い時代をかけた産物でなければならない。長ければ長いほど良い。」とさえガウディ自身が言っています。

「聖堂制作はその精神を受け継ぐ幾世代もの人々と共に生きて形をとっていく・・・。
一人だけの作品ではつまらない物になってしまう・・。」


彼は聖堂建設に多様性を求めていた ようです。それも幾世代の幾時代を通り越して、尚かつ当初からの一貫した精神を合わせ持って取り組んだ仕事による聖堂作りを・・。

それを「基本計画の統一性の中で世代による多様性」と彼は規定しています。

つまり彼は ​、一瞬の今の時に造りあげられた聖堂は平凡なものに終わってしまう。時間の経過の中で変化した新たな考えや、新たな技術、新たな職人らの技術なども含めた多様性を望み、この聖堂を表現したかった・​ ・と言う事なのでしょう。

前に紹介した地図に加えました。
サグラダ・ファミリア 12
水色・・・主祭団
赤・・聖堂後陣のステンドグラス
紫の渦・・階段とエレベーター
オレンジ、グリーン、ブルー、イエローは柱につけられた印の場所

聖堂へは1(受難のファサード)と4(降誕のファサード)から入場できます。
2の栄光のファサードの入り口は工事中のせいでしょうか? 閉鎖しています。

栄光の門側から身廊、そして向こうに主祭団を見た景色です。
サグラダ・ファミリア 8
右が東の降誕のファサード側

東の降誕のファサードを西から撮影 主祭団はイスの並ぶ左側
サグラダ・ファミリア 14

​サグラダ・ファミリアはバジリカ(Basilica)式の聖堂​ となっています。
バシリカ式の聖堂は、 ​中央の身廊と側廊が列柱によって分けられている長方堂​ です。

サグラダ・ファミリア 17

バシリカの意味は ギリシア語の「王の列柱廊」 に由来して、古代ローマでも裁判所や取引所といった集会施設で主に使われていた建築技法ですが、キリスト教の建築では特別の意味もあるようです。
特に ローマカトリックにおいては特権を付与された教会堂をバシリカと呼称し、格上の教会をさしている ようです。

サグラダファミリアでは ​中央身廊と後陣を含めて全長95m​ となるようです。
​身廊の幅は15mでその左右にある側廊幅は7.5m。

聖堂は高さ170m放物面体のドームとなっていて聖堂自体の中心は四福音書家に捧げられた4本の柱が支えているようです。

聖堂中央ドームの天井を見上げた所
サグラダ・ファミリア 13
下が主祭団側で左右が翼廊部分の天井
印については後ほど説明。

11月8日にローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)が訪れ、神父や司教ら6500人も参列して正式に教会と認定する聖別のミサがおこなわれました。

中央ドーム下の印
サグラダ・ファミリア 11
アナグラムに見える印は、今は資料がないのでわかったら報告します。

何しろまだ聖堂内部を紹介した書籍どころかネットもないので手探りで書いています大笑い​​​​

​​​​​主祭団を見上げて
サグラダ・ファミリア 10

主祭団はステージのような感じで、前にイスが並べられています。
サグラダ・ファミリア 9

中央ドームの後ろ、聖母マリアに捧げられた高さ140mのドーム下

パラシュートのような傘が開きキリストの像が下げられている。
それは天蓋(てんがい)のようです。
サグラダ・ファミリア 15
こんな主祭壇は初めてなので、制作者の意図がわからないと解釈はできませんが・・。

天蓋(てんがい)
聖体にかぶせる天蓋(てんがい)は崇めるべき特別な対象の上にある事から象徴的な守護を現す とされています。

サグラダ・ファミリア 16
これは 祭壇天蓋ですから、その下は聖なる空間 を示しています。
つまりこれは 神のいる小宇宙 なのです。
天蓋の裏には星? をかたどる物もついています。

縁には葡萄の飾りとロウソク、屋根には麦(小麦) が立っています。

葡萄(ぶどう)
葡萄はもちろん聖なる木の一つで​旧約時代には民のシンボルであり、キリストの時代に入るとメシア(キリスト)を現すシンボル​に。

神は農夫、イエスは葡萄の木、人間の魂はブドウの枝。
葡萄酒はキリストの血。

よって 葡萄の木を植えた葡萄園は天の国のシンボル なのだそうです。

小麦
オリーブ、葡萄と共に小麦は地中海世界では三大農作物の一つ。

小麦は刈り入れ時に選ばれる良い種を意味すると同時に 、​地に落ちて死ねば多くの実を結ぶ・・と言う一説(ヨハネ12)からキリスト自身​でもあるそうです。
小麦は小麦粉となり、パンが作られる。そのパンは聖体の秘跡(ひせき)においてキリストの体になる。 ​​

小麦の穂と葡萄の房は、聖体拝領のパンと葡萄酒の シンボル


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リンク ​ サグラダ・ファミリア 1 (未完の世界遺産)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 2 (降誕のファサード)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 3 (生命の木)
​​​ サグラダ・ファミリア 4 (未完の理由 と主祭壇)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 5 (天井と福音書記者の柱)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 6 (天井の立体幾何学模様)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 7 (ステンドグラス)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 8  (受難のファサード)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 9 (鐘楼のバルコニーから)
リンク ​ サグラダ・ファミリア 10 (教会建設)


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Last updated  2021年10月31日 02時57分49秒
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