わたしのこだわりブログ(仮)

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2018年03月12日
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​国庫の無駄使いだと国民にもとがめられた ルートヴィヒ2世(Ludwig II)であるが、中世 の世界感あふれるおとぎ話のような王の造った夢の城は、 世界一美しい城と形容され、 今やドイツ観光の目玉となっている。

かに女の子が夢見る典型的な城の形をしているのがノイシュヴァンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)なのである。
そんな誰もが認めるメルヘンな城は、カリフォルニア・ディズニー(Disney)の 「眠れる森の美女」の城のモデル にもなっている。
※  シンデレラ城の方は、フランスの城 (フォンテーヌブロー宮殿、ヴェルサイユ宮殿、シュノンソー城、シャンボールなど) の建築様式がモデル とされているらしい。

なんだかんだ王が城などの建設にかけた金額はとっくに回収して余りあるのではないか?
何しろノイシュバンシュタイン城が一般に公開されたのはルードビッヒ2世(1845年~1886年)(在位:1864年~1886年)の死後わすが数週間後からだと言うのだから・・。
※ 当事の入場料は平日2マルク。当事はかなりの高額だったらしい。

※ 現在の入場料は
12ユーロ 現在のレートで約1576円)。


ルートヴィヒ2世(Ludwig II)の城 2  ノイシュヴァンシュタイン城 1 冬

冬のノイシュヴァンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)
城と言えばタレット(Turret)
マリーエン橋(Marienbrücke)

城と言えばタレット(Turret)

ふと思ったのであるが、子供の頃読んだおとぎ話の中の城はどれもこれも三角錐の屋根の付いたタレット(Turret)がついていた。

「城の絵を書きなさい」と言われれば、これを書けば必ず城と認められたと言っても過言ではない。
それだけこの三角錐の屋根の付いたタレット(Turret)は特徴的な意味を持つのである。

では タレット(Turret)は 何か? と言えばこれは 防衛の為の櫓(やぐら)の付いた塔の事 なのである。
普通の塔との違いは、より見渡せ、攻撃しやすいように、外に張り出している事だ。

雪のノイシュバンシュタイン城
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 2.jpg
こちら城の裏側は西面。見えるパルコニーは玉座の間。そこからシュバンガウ城が良く見える。

際目立つ大きなタレット(Turret)
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 3.jpg
たぶんこちらが北面

以前(
2016年01月)、「ミュンヘン(München) 11 (レジデンツ博物館 4 宝物館)」の中、「宝冠と紋章 のところでタレット(Turret)について触れているのだが、城壁にタレットがたくさん付いている城ほど規模は大きくなる。そしてその タレットの形が勲章(くんしょう)の元となる宝冠(ほうかん)の形のルーツなのである

リンク ​ ミュンヘン(München) 11 (レジデンツ博物館 4 宝物館)

タレットは中世から現れた防衛施設であるが、屋根が付くのはさらに後だ。
※ ルートヴィヒ2世(Ludwig II)の城は、あくまでイメージで城を造ったので、実際の防衛施設としての城が建てられた訳ではないし、タレットも実用ではない。

タレットは確かに中世の防衛の最前線である要塞に見られる特徴。
ライン川や、ドナウ川沿いに残る古城には必ず付いている。
つまり、日本の物語に出て来る西洋の城はフランスやイギリス系よりはむしろ、ドイツ系の城のイメージだったのか・・と言う事だ。
まさか全てノイシュヴァンシュタイン城がモデルだったりして? 大笑い
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 6.jpg


ノイシュバンシュタイン城と言えば、冬の方がイメージがある。
なぜなら、ルートヴィヒ2世(Ludwig II)が雪ぞりで夜な夜なソリ遊びをしていたからだ。
夜中に活動を始める王はもはや奇人と思われていた。しょんぼり

下は 2015年09月「ニンフェンブルク宮殿(Schloss Nymphenburg) 5 (馬車博物館 馬ソリ)」 で1度紹介した事がありますが・・。

リンク  ニンフェンブルク宮殿(Schloss Nymphenburg) 5 (馬車博物館 馬ソリ)
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 5.jpg
まさしくこのノイシュバンシュタイン城の山道を下っている絵である。しかもソリは下の天使のソリ。
夜用にライトが搭載されている。
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 7.jpg
ルードビッヒ2世のこだわりは、乗り物にも及んでいる。ニンフェンブルク宮殿(ミュンヘン)には彼の豪奢な馬車やこんな豪華なソリがコレクションとして残されている。あれは一見の価値ありですスマイル

城と麓(ふもと)のシュバンガウの街の往復に冬は馬車か徒歩しか無い。
かつてルートヴィヒ2世が雪ぞりで滑っていた道である。
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 1.jpg

秋ではこんな感じ
pict-秋ノイシュバンシュタイン城 2.jpg

玉座の間のバルコニーからの眺め(秋)
pict-秋ノイシュバンシュタイン城 3.jpg
左にアルプ湖。右にシュヴァーン湖(白鳥湖)。その間にホーエンシュバンガウ城。
湖の後方の山はオーストリアとドイツの国境となっている。

ホーエンシュバンガウ城は前回紹介したが、ルードビッヒ2世の父 (マクシミリアン2世)が建てた中世風の城であり、王は青春時代のほとんどをここですごしている。
ここが玉座の間のバルコニーと言う事もあるかもしれないが、王がここから城を眺める姿が絵画に残されている。


同じバルコニーからの白銀の景色。
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 18.jpg
こちらのバルコニーは立ち入り禁止。中から窓越しの撮影である。チビの雪だるまは職員のご愛嬌?
ちょっと邪魔しょんぼり
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 9.jpg

ザックリしたデフォルメ地図ではあるが街から城へのルート図である。
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 8.jpg
下の 黄色いのが前回紹介したホーエンシュヴァンガウ(Hohenschwangau)城
上の地図がデフォルメしすぎて方位が入れられなかったが、実際はノイシュバンシュタイン城の西方に存在。

薄いパープルが通年城に向かう道。
冬場はバスは登れないので歩きか馬車のみ。ルードビッヒ2世がソリですべったルートである。

ピンクがペラート峡谷(Parat-Schlucht) マリーエン橋(Marienbrücke)に至るルートです 。(冬場は閉鎖)
※  マリーエン橋から城へは徒歩で15分~20分。

マリーエン橋(Marienbrücke)
12月初旬、年によってち違うのだろうが、この時は橋は閉鎖されていたので城の全景は撮影できていない。星つまり マリーエン橋(Marienbrücke)からの城の全景は春から秋でないと撮影できない のである。
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 11.jpg
12月下旬にはこんな感じ
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 16.jpg

pict-冬ノイシュバンシュタイン城 12.jpg

9月

pict-初夏ノイシュバンシュタイン城 3.jpg
初にペラート峡谷(Parat-Schlucht)橋をかけたのは1845年、ルードビッヒ 2世の父 (マクシミリアン2世)である。それは木の橋であり 1866年ルードビッヒ2世により鉄橋に掛け替えられた。

橋の名、
マリーエン橋(Marienbrücke)は、ルードビッヒ2世の母、プロイセン王女であったマリー・フォン・プロイセン(Marie von Preußen)(1825年~1889年)に因んでいる。

マリーエン橋からの城の全景10月
pict-秋ノイシュバンシュタイン城 4.jpg

pict-秋ノイシュバンシュタイン城 1.jpg
ある意味秋はスッキリしているので城をしっかり見たい人には良いかも。

東面は城の正面玄関にあたる城門館。
12月、テラスからは撮影ができないので落葉した後の方が撮影しやすい。
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 17.jpg
しかし、これで城の事情が解っちゃう事がある。
実はこの城は大半がコンクリートでできているのだ。
つまり成りは中世でも中身は近代的な城なのである。

詳しい建築事情は次回にまわすが、1879年~1880年に使用された資材の統計が残っている。
セメント600トン。砂3600㎣。石灰50トン。木炭40トン。
ザルツブルグの大理石465トン。ニュルティンゲンの砂岩1550トン。レンガ(帝国サイズ)40万枚。
足場用木材2050㎣。
これはあくまでその時期に使用された資材である。

何しろ城の礎石は1869年におかれているし、それ以前に山を削って基板も整えている。
1869年~1873年までに上の写真の城門館が建てられているのだが、1872年の一年間でセメント450トンが納品されている。

かなたに見えるのは巨大なフォルクゲン湖 (Forggensee)
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 13.jpg
フュッセン(Fussen)北東部に位置するフォルクゲン湖 (Forggensee)は、アルプスの雪解け水で起こる洪水を防ぐ為にできた人造湖だそうだ。びっくり
pict-冬ノイシュバンシュタイン城 14.jpg

pict-冬ノイシュバンシュタイン城 15.jpg

ノイシュヴァンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)次回につづく
リンク ​ ルートヴィヒ2世(Ludwig II)の城 3 ノイシュヴァンシュタイン城 2 タンホイザー

バックナンバー
リンク ​ ルートヴィヒ2世(Ludwig II)の城 1 リンダーホフ城(Schloss Linderhof)






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Last updated  2020年10月06日 03時30分06秒
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