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2026.06.28
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カテゴリ: 鈴木藤三郎
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423 県下巡遊雑記・佐野の鈴木農場(3)明治40年(1907年)9月15日
   県下巡遊雑記 斗南 佐野の鈴木農場(3)
◎富豪の田園趣味 この大規模なる農場がいかにして経営されつつあるかというと、労役一切は場内の農家10家のものを使用している。家屋器具一切を農場で供給し相当の日給を与うる外に、1戸につき2反歩の自作を許してある。されば10戸の農家、約50人の家族は一致共同して農場のため献身的に働いている。しかしてこれを監督するためには主事河合徳太郎、技手田雑英一、主計谷田久松3氏が熱心に事務に当っている。その上に昨今は場主鈴木氏の令息嘉一郎氏夫妻がこの別荘に起臥し直接に監視督励するので、事業の発展には一段の進歩を現している。嘉一郎氏は大人の気風をそのままにうけて、温良着実、真に敬慕すべく、大人の志業に向て守成の位置に立つには極めて適当な人格であると思う。
▲広袤100町歩のここかしこに付属農戸が散在している。その間に四阿(あずまや)造りの休憩所で一息つきながら徐(おもむろ)に目を挙げれば箱根の秀嶺は眼前に迫って翠色(すいしょく:緑色)滴り、佐野瀑園より来る清流は脚下に流れて淙々(そうそう:水が音を立てて流れるさま)の響あり。更に眼を放って展覧せんか伊豆半島の翠巒(すいらん:緑の連山)、駿河湾の青濤(せいとう:青い波)、特には牛伏の絶勝手に執る如し。かくの如き奇勝は稀に見る所であるが、場員の語る所によれば富嶽の全景はここより見るもの天下一品の称ありと生憎の雨天にてこれを見るあたわざりしは遺憾であった。
▲この農場所在地はもと定輪寺の上地で桃園貞純親王とは深い関係があると見え、38年10月中、鈴木藤三郎氏が竹林の中から貞純親王の古塔を発見され、今現に農場の一区域にこれを安置し、鈴木氏発見の由来を記した碑石が建てられてある。(完)(静岡新報)





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最終更新日  2026.06.28 01:00:05


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