創生陸玖の『Learning Journey』

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2021/09/29
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「家族関係と人間関係」のまとめは、今回で 5 回目になりました。

 これまでをおさらいすると、

「家族関係が今の社会性をつくっている」

「人間関係でトラブルを抱えていたら家族関係を癒やす必要がある」

「子どもの立場で家族関係を癒やす」

「親の立場で家族関係を癒やす」

 といった感じでまとめてきました。大切なのは、家族関係で構築された自己肯定感(セルフイメージ)です。それでは、今回は「 親から子へ与えるもの」を詳しく見ていきたいと思います。いってみましょう!

「自分の中のルール」はいつできるのか?

 人間の脳は、 14 歳くらいまで前頭葉が完全に発達していません。その間に、周りの環境から受ける言葉は、深層心理の深い部分に入っていきます。そのため、 14 歳くらいまでに受けた言葉が、人生を決めるプログラムとなるのです。「自分が何者なのか」「何ができて、できないのか」、こういった“自分の中のルール”が 14 歳くらいまでに、脳へとダウンロードされていきます。

 人間は、見て、聞いて、感じて、コミュニケーションのプログラムを構築していきます。このコミュニケーションのプログラムは、言語や非言語といった、たくさんのルールが存在します。なので、すべてのルールを教えることはできないため、幼少期の子どもは無意識にルールを創り上げていくのです。

 人間は「何を言われるか」がすごく大事なことになります。それは、人間の脳がほとんど「人間関係」で容量を使っているからです。

 親が習慣的に口ぐせとして言っていることは、子どもの深層心理に影響があります。育て方では、「何を言うか」が子どもに影響を与えるのです。

 声掛けの中には、すでに前提が入っています。例えば、子どもに「もっとがんばって」と声掛けすることは、その子の全力を受け入れてあげていないことになります。これは、「今できている結果を認めてあげていない言葉」となり、子どもは「全力でやっても結果が出せない人間」と自分を認識してしまうのです。

 人生の最初の教師は両親です。本人たちに悪気はありませんが、無意識に固定観念を子どもに与えています。そして子どもは、「自分の中のルール(固定観念)」を構築していくのです。

親が自分自身を癒すこと

 親の立場でも子どもの立場でも、固定観念に気づくことが大切です。それは、固定観念は気づくことで、事実ではなく意見に過ぎないとわかるからです。そして、その意見が間違っている可能性もあるからです。

 固定観念は、その人のセルフトークに出てきます。前述した、親の習慣的な口ぐせが、セルフトークなのです。自己を制限する固定観念やセルフトークは、子どものころの家族環境、社会的環境、学校教育などの出所を探っていく必要があります。

 つまり、「 親から子へ与えるもの 」を意識したとき、固定観念やセルフトークを見直すことが大切なのです。前回のブログで述べたように、同じような親子関係を望んでいないのであれば、固定観念やセルフトークを見直し、親自身を癒す必要があるのです。

 子育てで一番大事なことは、子どもに「自分はこの世界にとってプラスの存在」と上手に思ってもらうことです。これは、その人の自己肯定感(セルフイメージ)で決まります。「自分が生まれてきたよかった」という感覚がある人は、「自分はプラスの存在だ」と信じることができるのです。

 そして、子どもの最も強い欲求は、親と一緒にいて安心することです。赤ちゃんは、親のケンカを生後 6 か月未満でもしっかりと理解しているといわれています。親がケンカしていると、赤ちゃんの血圧と心拍数が上がり、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が上昇するのです。

 子どもにとって、家の環境が大事であり、安心感で満たすことが必要です。安心感を伝えるためには、まず親自身が実践しなくてはいけません。そのために、あなた自身を癒やす必要があるのです。

自発的な子どもにするためには?

 最後に「自発的な子どもにするためには?」どうしたらいいのかを見てみましょう。

 親の立場では「親から子へ与えるもの」と考えてしまいますが、でも本当に必要なことは「与えること」ではなく「受け取ること」なのです。換言すると、「問いを与え答えを受け取る」ということです。

 なぜこれが必要なのかというと、コミュニケーションは必ず双方的です。その中で、他人、ここでいう子どもに影響を与えるためには、何かをしっかりと受け取ることが大切だからです。

 子どもは、大人が何を語るかではなく、何をするか、という行動を見ています。子どもは、学校などでさんざん教えられています。なので、親が教える立場に立つとうんざししてしまうのでしょう。

 ようするに「自発的な子どもにするためには」、親の立場でできることは少ない、ということです。それでは、少ない中で、親が何かできることはあるのでしょうか。

 まず、「親が子どもから教わる立場」に立ってみることです。現役で教えられている立場の子どもであれば、自分が教える立場に立つことは新鮮に感じるのではないでしょうか。「問いを与え答えを受け取る」ことをしてみるのです。

 もう一つは、「親自身が何かを学んでいること」です。学ぶことが楽しく、役に立つ体験であることを、親自身が示すわけです。親が実際にどうしているか、を子どもは見ています。そして、子どもは親がコソコソやっていることに憧れたりもします。

 子どもが、がんばっているけれど、やり方が間違っている場合は、親がガイドしてあげることが必要でしょう。親と子の関係で子どもの自己肯定感(セルフイメージ)は決まるのです。

 いかがだったでしょうか? 今回は「 親から子へ与えるもの」を詳しく見てきました。

 まとめると、親から子に伝えるためには、まず親が実践していなければならないということです。「背中を見せる」ということだと思いますが、それを受け取るかどうかは、子ども次第なのかもしれませんね。

 そして、人間にとって 14 歳くらいまでの経験が人生やコミュニケーションのプログラムを自動的に構築していく時期です。それゆえに、「気づいたら今の自分になっていた」となるのだと思います。

 さて明日は、この「家族関係と人間関係」の最後のまとめです。人間関係について詳しくまとめていきたいと思います。お楽しみに!

 それでは読んでいただき、ありがとうございます。





【参考】

・Ken Honda 本田健

・日本統合心理学協会_JAIP

・「言われなくても自分から勉強する子」の親がしている習慣




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Last updated  2021/09/29 07:30:05 AM
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