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今回はネガティブなセルフイメージに気づく方法というテーマでお届けします。普段発している言葉の裏側には、それだけ脳の動きがあります。それが良いか悪いかで、セルフイメージの良し悪しに繋がってくるのです。ではまず「言葉の裏にある苦痛系思考」を見てみましょう。
ある人が 1 年 365 日休みなく仕事を続けて、体調を崩したという話があります。そこで、その人はカウンセリングを受けたそうです。そして、「なぜそこまで仕事をするのか?」という問いを受けました。その答えは「相手に喜んでもらえるのが嬉しいから」というものでした。
これは一見良い理由の様に思えますが、カウンセリングを進めていくと、その答えの奥には「自分は独りぼっちだ」という思い込みがあり、それを否定的に捉えている自分がいたのです。
それゆえにそのかたは、「自分のまわりから人がいなくならないように、喜んでもらえることをしなければいけない」と休みなく働いていたのです。これが、体調を崩すまで働いた原因だったのです。
このような場合、「独り」という自分像を否定的に捉えています。他にも「ダメな自分」「愛されていない自分」「人に必要とされていない自分」を否定的に捉え、それを回避するためにがんばります。このようなネガティブなセルフイメージの悪循環を見てみましょう。
「ネガティブなセルフイメージの悪循環」
①否定的な自分像を回避しようと、がんばればがんばろうとするほどネガティブなセルフイメージが強化される。
②その結果、「こんな自分ではダメだ」という思いがさらに強まる。
③そんな自分であることを避けるために、さらに一生懸命に人の役に立とう、困っている人を助けよう、世の中に貢献しようと、がんばる。
このように、否定的な自分像を回避しようと、「がんばり続ける自分」を維持してしまい、最終的に体を壊したりすることに繋がります。
一見ポジティブに見える思いの中に、苦痛系思考を発動させるネガティブな思い込みやセルフイメージが隠されていることが多くあります。言葉の裏に、人を苦痛系思考にしている思い込みがあるのです。それくらい複雑に、そして根深く、思い込みやセルフイメージは人に絡みついているのです。
では、「○○したい」の裏にあるネガティブなセルフイメージに気づくためには、どうしたらいいのでしょうか。
それには、自分が「したい」と思ったとき、「それは、自分にとって心底楽しいことであり、生きる目的につながっていることなのか? それとも、マイナスな状況を避けたいがためなのか?」という問いを必ず入れることです。
行動の動機のパターンは 2 つあります。
・「目的志向型」=目標や目的があるときにモチベーションが上がる場合。その行動は「何かを得る」という形になっている。
・「問題回避型」=不安やリスクを避けることでモチベーションが上がる場合。その行動は「何かを避ける」という形になっている。
問いの結果、何かを避けるための「したい」だと気づいたら、それはしないほうがいいでしょう。なぜなら、苦痛系思考が働き、ネガティブなセルフイメージの悪循環に繋がるからです。
それでは、さらに奥にあるネガティブなセルフイメージを探っていく方法を見てみましょう。それは次のような問いをしていくことです。
「なぜ、○○したいのだろう?」
「××だから」
「なぜ、××なのだろう?」
「△△だからだ」
「なぜ、△△なのだろう?」
「それは、……」
このように、自分にどんどん質問しつづけることで、ある瞬間に、その奥にあるネガティブなセルフイメージに気がつきます。どんな思い込みやセルフイメージも、自分自身が気づかなければ表に出てきません。逆に、気づいてしまえば、こちらのものなのです。
自分でもその存在に気づかないままでいると、潜在意識やその奥にあるメタ無意識(※)から苦痛系思考を発動させつづけます。
(※メタ無意識=外部からの情報を捉える際の「型」のようなもの。その型に合うように情報が加工されるので、その型を変えないと、変化が起きにくい。観念・確証バイアス。)
ですから、丁寧に自分自身のセルフイメージをほどいていき、見つけ出していくことが大切です。そして、ネガティブな思い込みやセルフイメージに気づいたら、それを信じ込んでいた自分をただ許します。それに対して取り扱わず、あれこれ考えないことが大事です。
いかがだったでしょうか? 今回はネガティブなセルフイメージに気づく方法というテーマで、苦痛系思考(問題回避型)を見てきました。
行動の基準が何かを避けるようになっていると、いい方向には行かないのでしょう。ですから、基準を「自分の楽しいこと」、さらに大きく言うと「生きる目的に繋がっていること」にすると、セルフイメージを健全に保つことに繋がるのです。
「あなたの朝起きる理由は何ですか?」
これが生きる目的を見つけるための最強の問いではないでしょうか。この答えがあなたの人生の目的に繋がっているかもしれませんね。
それでは読んでいただき、ありがとうございます。
【参考文献】
・無意識の反応パターンとは? 【前編】(2021年11月26日記事) 2024年(辰年)、今年もよろしくお願いし… 2024/01/03
「停滞している」と感じたときに活用した… 2023/07/14
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