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今日は寒いなあ・・・・7月31日・・・・ほんとだったら、エアコンがガンガンに部屋を冷やしていなければならないのに、ストーブでもつけようかという気温・・・・何度かなあ?・・・・寒暖計がないんでわからないけど・・・・とっても寒いんです。もう夏も終わっちゃったんでしょうか? 「さっき、神戸君のおじいさん・・・代官所の与力・・・って言ったけど、実は刑事さんだったんだよ。・・・・・この刑事さん・・・・怪しい宗教団体ができたっていうんで、内偵してたんだよね。」部長が話しを引き継いでいます。「宗教って怪しいんですか?」「あまりにもたくさんの奇跡があって・・・・それを間近に見たお年寄がたくさんの寄付をして信者になった・・・・それをその人の子供が騙されてるから調べて欲しいと・・・・警察に届けたんだよ。・・・・それでこの刑事さんが極秘捜査」「だって、本物の神様なんでしょ?」「サアそこだ・・・・最初の奇跡はバスが食堂にたくさんの客さんを連れてくる・・・っていう奇跡だったよね・・・・3人の男がやってきて昼食をとった・・・それがやたら美味しいといって観光バスを送り込むからご飯を出してくれないか・・・という話し・・・どう思う?・・・・普通なら、もし美味しくても値段の交渉をして、値段を決めてからバスを持ってくるよね」「でしょうね・・・・どんな料理か知らないけれど、自分達が家庭で食べてた料理を出して・・・・・それがいくら美味しくても料金を決めずに団体客をつれてくるっていうことにはならないと思うわ」「つまり、この3人も詐欺グループの一員だったと、この刑事さんは言うわけさ」「じゃあ、ほかの奇跡も説明がつくわけね?・・・・ほかの奇跡の事はまだ聞いてないけど・・・」「ところが全て解けたわけじゃないんだ・・・・中にはほんとうに奇跡のような話しもあるという設定だ・・・・」「それからどうなるの?」部長は話しを続けました。「この刑事によって、がけから飛び降りる寸前に助け出された吾作・・・・刑事から、あの宗教団体が怪しいという話しを聞かされて・・・・自分はおよねの父親を殺したのだけれど・・・・元はといえば、あの”神様”と名乗る旅人が、自分を騙したのが発端だから、この宗教団体を退治して、この村を救ってから死のうと決心するわけよ・・・・・」「ちょっと話は戻るけど・・・・その詐欺団・・・食堂のお上を騙して何の得があるの?・・・・・団体客をバス3台分・・・集めるのだけだって大変じゃない?」「あのね・・・・・やろうと思えばできるさ・・・・・バス旅行のツアーをやっている旅行会社にいって・・・・昼食代をお安くしますから・・・・この食堂での昼食にしてくれませんか?ってね・・・」「それで?」「食堂には・・・最初の旅行団だから、料金も特別値段にしてくれ・・・といって安くしてもらえれば・・・・あとは・・・・宗教団体を作って・・・・いまや近隣からたくさんの老若男女がお金を持って、その神様のもとに来るんだから・・・・」「最初の投資ってことね・・・・」「そう・・・経費をかけないで儲けようと思ってもできません!」「ねえねえ・・・それで?」「吾作は・・・・刑事と一緒に村へ戻ると、食堂の女将を連れて宗教団体の建物に向かうんだ。・・・・実はこの事務所にはね・・・・村に人間でない事務員が3人勤めてて・・・・もしかしたら、こいつらが最初に食堂で騙した男達じゃないかと考えたわけで・・・・そしたら案の定・・・食堂の女将が”ア、あの男達だ!”っていうわけよ・・・」「じゃあ神様じゃなくて・・・・詐欺団だったのね?」ここまでの話しを聞き、一成は(もしかしたら・・・今”神戸友也”になりきっている”神様”も実は詐欺団じゃないのか?)と疑い始めました。「そこでだ・・・・実は詐欺団じゃなかったんだけど・・・・ここまでのお芝居を見た観客は詐欺団だと思い込むわけよ・・・・・そこからどんでん返しだ・・・」「え?・・・・詐欺団を退治して勧善懲悪・・・水戸黄門みたいなものじゃないの?」「まあ、最後まで話を聞いてくれよ・・・詐欺と確信した刑事は食堂の女将に警察に連絡してくれるように頼むんだ・・・捜査令状を持ってね・・・・女将が立ち去ってまもなく・・・・実は刑事と吾作・・・・”神様”に見つけられてしまうんだ。・・・・・ここで大立ち回りの始まりだけど・・・・この殺陣は神戸君のおじいさんが詳しいから神戸君のおじいさんに見てもらおう」「2対4か・・・・・でも刑事さんは柔道かなんかやってるから、きっとうまくいくんだね。」「ところが、相手は4人だけじゃない・・・・・”神様をお護りしろ”っていうんで、たくさんの信者も相手にしなくちゃならなくなり・・・・・とうとう二人は捕らえられるんだ」「でも、そこへ警察が来るんでしょ?」「そんなに早く来るもんか・・・・、実はここで、厳かな音楽が聞こえるんだ・・・そして天上から雲が降りてきて・・・・女神様が降りて来るんだよ・・・それも横におよねを従えてね・・・・」「ってことは、今度こそ本当の神様なの?!」「そう・・・そしてこう言うんだ・・・・」部長は急に真正面を向き・・・・厳かな雰囲気をかもし出しながら「神様」のせりふを言うのです。「私はこの村の鎮守をつかさどる神じゃ・・・先ほどこの娘が神社へやってきて”なぜ神様は酷いことをされるのか?”と・・・私に訴えた。話を聞くと・・・・私の名を語るふとどきものがおるそうじゃが・・・・それは御主達か?・・・・・・どこかで見た顔じゃのう・・・・おお、思い出した、御主達は鎮守の森に住む狐ども!・・・・また人里まで降りてイタズラをしておるのか・・・・早く、鎮守の森に戻りなさい!」詐欺団だと思ったのが実は狐の一族だったという話し・・・・・・「そのあとに、死んだと思っていたおよねの父親が現れ・・・・狐の嫁に差し出さなくて良かった・・・・こうなったのも、吾作さんのおかげだ・・・と言うことで吾作とおよねの結婚を許す・・・・また村も本物の神様が現れたという話至と、狐が化かしたという話題で盛り上がり・・・・あちこちから観光客が大勢集まって潤う・・・そんな話にしたいと思う」部長の話が終わりました。みんなは・・・キョトンとしてその話を聞いていたのですが・・・・どうやらこの話にまとまりそう・・・・こうして、筋書きは整ったのです。 つづく
2007.07.31
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ちょっと前から考えていたことがあるんです。今書いている「天は二物を・・・・」ですけどねえ・・・このキャラクター・・・つまり、「神様」をこのまま埋もれさせるのもどうかと思ってるんですよ。この「神様」をあちこち行かせて、「フーテンの寅さん」ならぬ「フーテンの神様」シリーズにしてもいいかな?・・・なんて・・・・・・もちろん連続では書きませんよ・・・・・時々ですよ時々・・・・時代を変えたり、外国に行ってみたり・・・・そんな神様を主人公にした物語・・・・「お歯黒母さん」ももったいないしね・・・・・どうでしょうか?皆さんの意見を求めます。 ここから、「団十郎」が話しを続けます。「駆け落ちすることになった吾作とおよね・・・・村の外れの鎮守様で落ち合うことになったんだが・・・どういうわけかおよねが現れねぇんだ・・・・吾作は心配でたまらねぇ・・・様子を見に、およねの家に行ったと思いねぇ・・・・そしたらな・・・吾作がおよねをかどわかしたと思い込んだおよねの父親だ・・・吾作を捕まえるために、吾作のおっかさんを縄目にして引っ立ててきやがった。およねは・・・というとどっかに隠れちまってたんだなあ・・・”吾作はどこだ!・・・およねをどこに隠した!!”と酷い折檻・・・吾作は”およねと駆け落ちをする・・・どうぞ探さないでおくんせぇ”・・・そんな書置きをしてきたんだが・・・せがれの幸せを考えねぇ親はねぇ・・・おっかさんも必死に隠そうとするんだ。だがそれも我慢の限界だ・・・・吾作はとうとう、およねの家に飛び込んで行っておっかさんを助け出す・・・・と、そこまではいい・・・・」ここまで一気に言い切ると「団十郎さん」・・・一息ついて辺りを見回したのです。その時一人の部員が声を出しました。「ねえ・・・さっきの部長の話だと現代風だったんだけど・・・なんとなく、歌舞伎の世話物風になってない?」それを聞きとがめた「団十郎」・・・・「うるせぇ!・・・近松は友達だ」(近松・・・って近松門左衛門?)一成は、だんだん大げさになっていくお芝居に・・・・少しだけ心配になったのです。「まあ・・・黙って話しは最後まで聞け!・・・飛び込んで行っておっかさんを助け出したまではいいが、勢いあまっておよねの父親を押し倒したと思いねぇ・・・・倒れたところが床の間のあがり框の角だった。およねのおとっつぁん・・・ウーンとうなったまま、動かなくなっちまった。おっかさんを助け出したものの・・・およねの大事な父親を殺しちまったと思い込む吾作・・・・こうなれば、およねに合わす顔がねえ・・・・・・おっかさんを親戚の家に預けると・・・およねを探してくると言い残して・・・たどり着いたところが、越前の国東尋坊にも勝るとも劣らない断崖絶壁だった。」「越前の国ってどこよ?」質問が飛ぶと副部長が説明してくれました。「福井県よ・・・・東尋坊っていう、名所の断崖絶壁があるのよ」「おう・・・かっちけねぇ・・・そうその東尋坊のようなところがあったと思いねぇ・・・そこまで来ると吾作さん・・・・フトコロに石を詰めだしたねえ・・・・トンショウ菩提南無阿弥陀仏と飛び込む算段だ・・・・・そりゃそうだろう・・・・大事な大事なおよねの父親を殺しちまったんだ・・・・およねに申し訳ねぇと・・・・そこへ舞台の裏から探し声が聞こえるんだ・・・・”迷子の迷子の吾作ドンやあ~い・・・・今を逃せば捕らえられ、三尺高い木の上にはりつけ獄門間違いなし・・・・吾作は覚悟を決めて両手を合わせるのももどかしく、夏とはいえどまだ冷たい海の中・・・・飛び込もうとした寸前だ・・・”待て!・・・待て待て待て待て・・・待ちやがれ~~”・・・ここに現れたのが代官所の与力だ。」また陰口がします。「代官所の与力だって・・・・いつのまにか時代劇になってる」きっと睨む「団十郎」・・・・・そこへ部長の「シェークスピア」が割り込んできました。「ああ・・ごめんごめん・・・神戸君のおじいさんは新国劇にもいたからどうしても時代劇風になっちゃって・・・・ここから先はまた僕が説明するよ」今度はまた、部長の説明が続きます。 おっとこの続きはあとで・・・・仕事だ・・・・
2007.07.30
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倦怠感が続いています。もし、ブログでも書いていなければ、きっと一日中ボーッとしていることでしょう。言いたいことは山ほどあるけど・・・・ 「みんなは主人公の名前・・・・吾作とおよねでいいんだね?」キャスティングの変更は考えていないようでしたから、「吾作」は一成が・・・そして「およね」は「丸山さん」がそのまま務めることになるようです。あらすじの紹介は続きます。「絽美男」改め「吾作」は、自分を呼び止めた「旅人」が・・・「お前の願いを叶える為にやってきた」という言葉を聞き、半信半疑ながら・・・それが「神様」だと思わざるをえませんでした。「わしをお前の家で養え・・・」そう言われて、「吾作」は「旅人」を家に連れ戻ります。家にはたった一人の母親が・・・・息子の友達が訪ねてきたと思い、精一杯のもてなしをしますが、「旅人」はワガママし放題です。それでも、何も言わず世話をする親子・・・・・しかし、奇跡はその翌日から起こるのです。朝食を支度すると・・・「なんだ・・・昨日の残りか」・・・そう言って「旅人」はぶらりと外へ出てしまいます。午後になってようやく戻ってくると、彼は爪楊枝を咥えてこう言うのです。「ああ・・・この村にたった一軒の食堂・・・まずかったがきつねうどんを食ってきた・・・・お前につけておいたからな・・・払っておけ」吾作は勝手な振る舞いをする旅人に文句を言いましたが、その時食堂の女将がやってくるのです。「実は、このお客さんが、このあと大型のバスがこの店に来るって言ったんだよ・・・儲かるはずだから・・・・いっぱいぐらいのきつねうどんをただで食わせろって言うとぷいっと出ていったんだ・・・・だから、あわてて追いかけたんだけど・・・それなら吾作につけとけって言うから・・・・あんたが昨日、その人と一緒に歩いてたんで・・・ショウガナイナアと思ってたところ・・・・・来たんだよ・・・いや大型バスじゃないんだけどね・・・・見かけないお客さんが3人やってきて・・・・すぐにできるものを・・・って言うんだけど・・・ちょうど店に出せるものが無くってね・・・・うちで食べてる有り合わせの物を出したら・・・・美味しいって言うじゃないか・・・聞いたらね・・・・その人たち、バス会社の社長と旅行会社の部長さん・・・それと県の観光課の課長さんだったんだけど・・・・これを定食にして、観光バスのお客さんの昼食に出せないか?って言うんだよ・・・とりあえず来週だけで、バス5台ほど乗り入れてくるって言うんだけどね・・・・その人のおかげさ」そういうと、菓子折りを出し、何度も何度もお礼を言って帰って行ったのです。その後、様々な奇跡を、この「旅人」は起こして見せました。そのうち、「あの旅人は神様に違いない」という声が村中に巻き起こるのです。そして・・・・村の長老の後押しで・・・・なんと、この「神様」を教祖とした信仰宗教団体が出来上がりました。その宗教の人気はうなぎ上りで・・・近隣の町や村からも入信者がたくさん入り・・・・この村の一大産業になってしまったのです。吾作も、この宗教の「下働き」として勤めることができたのですが、ある日「およね」の両親が、「神様」に「娘を差し上げたい」と申し出に来るのです。あわてた吾作がおよねを呼び出しますと・・・・それはまったく本人の知らなかった話・・・・2人は「教祖」のところに行くと、「断ってくれるよう」嘆願しました。しかし、この教祖様・・・・およねを見たとたん・・・・その気になってしまったらしく・・・「くれるという物は断らない主義・・・・聞く耳持たん」とはねつけるのです。困った2人は、「駆け落ち」することに決めるのですが・・・・「どうだい・・・ここまでのあらすじは・・・・・?」部長はみんなの顔を見回しました。「この物語に・・・・何か教訓っていうか・・・・言いたいことがあるのかしら?」「まだまだこの話しは終わっちゃいねぇ・・・この先は、おいらが話をしようじゃねぇか」今度は吉田老人に化けた「初代団十郎」が話しを続けます。「おいらは、この辺で立ち回りをしようと思ってるんだ・・・・」どうやら江戸っ子らしく、少し巻き舌で話し始めました。 続く
2007.07.30
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選挙・・・終わっちゃいました。結果は・・・・「捲土重来」を期します。という事で、・・・・早速続きを書きます。 一成と丸山和代は・・・・なんとなくいい雰囲気になって・・・・その「ぬるいお風呂」に浸っている心地よさを味わっていました。「お互いに尊敬できる」・・・・そんな言葉が互いに交わされたのです。一成が「丸山さん」を尊敬するのはわかるとしても、「丸山さん」が・・・今まで何の取り柄もない年下の男を・・・・一生懸命な姿を見て「尊敬できる」って言ってくれた事に・・・・・子の・・・今までそんなことなんか言われた事のない・・「チビ」・「デブ」・「めがね」の男子高校生はジーンときていました。その時です・・・練習場のドアが、なぜか・・・厳かに開きました。そこには、「部長」・「吉田老人」・・・そして「神戸友也」が立っていたのです。もちろん、「部長」は「シェークスピア」・・・「吉田老人」は「初代市川団十郎」・・・そして「神戸友也」は「神様」が、それぞれ化けているのですが・・・・「みんな・・集まってくれ・・・そして聞いてくれ!」部長がみんなを集めます。「この三人で相談した結果・・・・・何とか新しい・・・そして良いものができそうなのでみんなに報告する」「台本がもうできたんですか?」一人の女子部員が立ち上がって質問しました。「台本は今晩中に作る。・・・・でもあらすじはできたから・・・あとは台詞を乗っけるだけだ・・・・明日にはみんなに台本を渡せるよ」それは素人の一成が考えても、無理なように思えましたが、相手は「シェークスピア」に「団十郎」に「神様」・・・きっと何とかなるんでしょう。「そんなむちゃくちゃな台本・・・・お芝居になりません!」副部長が立ち上がりました。「第一・・・・部長や神戸君のおじいさんはお芝居の経験者ですから、まだいいとしても、・・・なんでそこに神戸君が入るんですか?」(神戸君のおじいさん?・・・ああ、吉田さんは神戸君のおじいさんって事になってるからな・・・)「神戸君が入るくらいなら・・・副部長のこのわたしがそこにいなければならないんじゃないですか?」副部長・・・・かなりのご立腹のようです。「君はまだ、尼寺に行ってなかったのか!」(おいおい、さっきは保健室に行けって言ってたんだぞ・・・)そのことに関しては、みんな気がつかない様子でした。「最初は2人で考えてたんだけどネエ・・・・友也君はさすが神戸さんのお孫さんだけあって・・・演劇に関して何かきらっと光るものがあるんだよ・・・だから仲間に加わってもらったんだ・・・マア・・・3人よれば文殊の知恵と言うことわざもあるし・・・三位一体って言う言葉もあるし・・・・」仏教もキリスト教もごちゃ混ぜのような回答でした。(えっと説明すると・・・・文殊の知恵の文殊は「文殊菩薩」で仏教・・・三位一体は「父と子と精霊」っていうことでキリスト教の言葉です)「でも・・・・」まだ副部長は不服のようです。「黙れ!・・・・どんな内容か聞いてから何か言いたまえ」あの部長が副部長を怒ったのです。部長が「シェークスピア」の化けたもの・・・ということを知っているのは部員の中では一成だけです。だから他の部員にとっては、いつも副部長の尻に敷かれている旦那のような部長が、副部長を怒鳴るなんて信じられな~い!・・・・そう思ったようで・・・・・「はとが豆鉄砲をくらったような」・・・そんな顔をしていました。「とにかくみんな、聞いてくれ・・・それから意見を聞こう」部長はそう言って、内容を話し始めたのです。時は現代・・・・場所はだれも存在を知らないような過疎の村・・・・特に産業もなく財政再建団体転落一歩手前の貧しい村でした。そこへぶらりと1人の「旅人」が現れるのです。しかし、態度が横柄で・・・・親切に接してくれた村人たちを怒らせてしまい・・・泊めてくれる所もない有様・・・・何で怒らせたかというと・・・・「お前たちは何の努力もしないから過疎になるんだ」とか・・・「俺が来たからには何とかしてやる・・・だから飯を食わせろ」だとか・・・・とにかく傍若無人な態度を取ったからです。村人があきれてみんなその場を立ち去ろうとしたとき、その「旅人」は1人の男だけを呼び止めました。「おいおい、絽美男(ロミオ)・・・・お前までそんな態度をするのか?・・・お前から頼まれたからやってきたのに・・・」その絽美男と呼ばれた男は、自分が名指しされたことを不思議に思い、その場に1人残ります。「お前は、俺にこの村を豊かにして欲しいと願ったではないか?」そうなんです・・・・実はこの絽美男という男・・・・樹里(ジュリ)という娘と恋仲でしたが、彼女の両親から結婚を反対されていたのです。「この村の男じゃダメだ・・・・村が貧しいからまともなものも食わせられなかんべ・・・綺麗なオべべも買ってやれんじゃろ!」そういわれ続けていたのです。そこで絽美男はいつも、村はずれの神社に行っては、お参りして・・・「この村が豊かになりますように」とお祈りしていたのです。そこまで話すと、1人の女生徒が手をあげました。「あのう・・・話しを聞いてると日本の片田舎のお話のような気がするんですけど・・・・そこに絽美男と樹里って言う名前はどうかと思うんですが・・・・」「しかし・・・・二枚目の役者と美女が”吾作とおよね”じゃおかしいだろ?」部長が説得にかかりましたが、意外にもみんなの意見は「吾作とおよね」がいいという話になってきました。「田舎の人間なら田舎らしく・・・」そういう意見が大半を占めたのです。おや?・・・・シェークスピアと団十郎・・・そして神様の作ったお話しなのに・・・・ちょっとだけひずみが生じてきているようです。この先どうなることやら・・・・・ 続く
2007.07.29
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いろいろ忙しくて今日は書けそうもないや・・・・もし、選挙区がうまくいったら深夜に書くからね。
2007.07.29
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今さっきまで、電話をかけまくっていました。もちろん選挙のお願いです。「電話を掛けるのは違反では?」いえいえ・・・電話を掛けることは違反ではありません・・・ただし、その電話当番に日当を支払ったりすると違反なんです。私が電話する分には「ボランティア」ですから・・・・・明日の投票日が気になります。・・・・ 「台本を作り直す」・・・「部長(実はシェークスピア?)」と「吉田老人(実は初代市川団十郎?)」はそういうと、学校の3階にある「空き教室」に篭りました。いつのまにか「神戸友也」もいなくなっていますから、きっと吉田老人の身体を団十郎に譲った「神様」が「神戸友也」となって、一緒にその空き教室に行ったのでしょう。吉田老人もいませんから、柔道部の4人も前から演劇部にいたような感じで、おそらくクラスメートであろう女子部員と話しをしています。一成はというと、特にすることもないのでただブラブラとしていましたが・・・・そこへ「丸山和代」が声をかけたのです。二人の噂を知っている部員たちは、それを遠巻きに眺めながら何かささやきあっていましたが、「丸山さん」はまったく気にする様子もありませんでした。「坂本君・・・・君もなかなかやるわね・・・・」柔道で4人の黒帯に勝ったことを言ってるんでしょうか?「いや・・・あれは単なる偶然で・・・・」「謙遜しなくていいわよ・・・・でも型はめちゃくちゃだったけど・・・かっこ良かったわ・・・投げ終わった後、きっと目を細めて流し目みたいにするんだもの・・・杉○太郎みたいに決まってたわよ・・・」目を細めて流し目・・・・そんなことした覚えはありませんが、ふだん目が悪くてメガネをかけているのに・・・柔道の試合だからとメガネをはずして戦っていたんです。だから、目を細めたのはどうなったのか確認するため・・・・流し目みたいになったのは「審判」がどこにいるのか探したためなんでしょう・・・・しかし、「演劇少女」の丸山さんが、「杉○太郎」を知っているのが意外でしたので、一成はしげしげと彼女の顔を見つめてしまいました。「ちょっと・・・なによ!・・・・そんなに見つめられたら恥かしいじゃない」彼女は少しはにかみながら下を向いてしまいました。「いや・・・丸山さん・・・・きれいだと思って・・・」(え?おい・・・俺はなにを言ってるんだ!・・・・)一成は思ってもいないことがつい口に出て、あわてました。(思ってもいない?・・・・いや・・・最初は確かにずけずけとものを言う、いやな女だと思っていたけど・・・・最近はちょっと可愛いところもあるんだな・・・なんて思うときもある・・・・・え?俺ってもしかしたら丸山さんが好きなのか?)一成にとっては、自分の心の中の言葉なのに、なぜか信じられないような・・・・・そんな不思議な感覚にとらわれました。「そうやってオバちゃんをからかうんだから・・・」「丸山さん」の頬に、ちょっぴり赤味が差したように思えました。自分では「オバちゃん」といってますが、一成より一個上なだけの高校二年生・・・もちろんきめ細やかな肌には艶も弾力もあり、卵型の顔立ちには両側にえくぼのできる可愛らしい人・・・・目は黒目がちで二重もくっきりしています。高校の演劇部という狭い社会だとしても、主役の娘役を与えられるようなオーラのある美人です。「僕・・・・演劇部に入る前から・・・・丸山さんが好きでした。」(おい、気持ちとは裏腹にコクっちゃったよ!・・・俺どうしちゃったんだろう?)本当に裏腹だったのでしょうか?「神様」に仕組まれた「シナリオ」通りに、自分が操られているようで、それがいやだなあと思う気持ちが半分あり・・・・でも、「神様」とは関係なく、本当に自分の気持ちで「好き」と言ってしまった・・・なんというか・・・・充足感があり・・・・複雑な心境になっていたのです。でも、「丸山さん」はすぐに返事をしませんでした。いつもならきっと・・・「くだらないこと言ってんじゃないよ!」とはねつけられると思っていたのに・・・・少し考えているようです。そしておもむろに口を開きました。「でも、あたし年上だよ?」(え?年の差の問題?・・・それさえ問題にしなければ、俺と付き合っても良いっていうこと?)「お互いが尊敬できるような関係であれば年の差だなんて・・・・」(俺は確かに、丸山さんを尊敬できる・・・演劇にあれだけ真摯な態度で取り組めるのは尊敬に値する・・・・でも、自分が丸山さんに尊敬されるところなんてあるのか?)「坂本君のいろいろなことに真剣に取り組んでいる姿・・・・ここのところずっと見てきたけど・・・坂本君のこと尊敬できるよ」どうやら、「坂本一成」16歳にも、春が来た・・・いえ季節はもう夏ですから・・・一成の頭上にだけ「太陽の燦燦とした輝き」が降り注いでいるような・・・・。まもなく夕飯の時間ですが、一成はもう満腹でした。 つづく
2007.07.28
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私の新聞記事の話しを気にされてる方が多いようですが・・・ようするに「ナイトサファリってどんな顔してるの?」ってことでしょ?それならアーカイブを開いて、昨年9月3日の日記・・・タイトル「わたしはどれ?」っていうのを開いてみれば、祭りの半纏を着たオジサン3人の写真があります。真ん中が当時の校長先生(今は退職されました)・・・永六輔さんに似てるのが教頭先生(今も在職中)・・・そしてメガネをかけてるのが私ですから・・・・・これは8月19日のお祭りの夜のイベント・・「神輿祭り」に、毎年5年生が参加させてもらってまして・・・・去年初めてこの半纏を作ったから、写真に残したんです。今年も8月19日・・・「むつ市立第二田名部小学校5年生」がお神輿をかつぎますよ。私もPTAの会長として先頭を切って歩くことになります。ぜひ見に来てくださいね・・・・ 部長の申し出を、「神様」は受け入れたのですが・・・「とりあえず、この柔道部4人を使い物になる役者にするほうが先決」そう言って、またその4人を引き連れ教室に篭りました。実は「神様」には人をひきつける力はありますが、「演技指導」ということになると話しは別で、・・・「初代市川団十郎」が現れるまで、別室でごまかすつもりのようでした。一成はというと、そっちの「神様」の様子も気にかかるところでしたが、何しろ主役です。部長と副部長の演技指導も熱を帯びてきました。抜け出してサボるというわけにはいきませんでした。「どうも水争いって言うのがわかりにくいなあ・・・どうしようかなあ?」脚本家である部長がそう言いはじめたのです。(おいおい、この脚本はシェークスピアが書いたものだぞ・・・・簡単に直していいのかよ?)一成はそう思いましたが、口には出せません。いちおうシェークスピアが、部長に乗りうつって書いていますから、正式な脚本家は「部長」と言うことになっています。作者が直そうというのです・・・・誰も留めることはできません。その時です・・・体育館の入り口で部長を大音声で呼ばわった(?)人物が登場します。「あいや・・・お待ちを・・・お待ちを~~~~」どこか「歌舞伎調」の発声で現れたのは、あの「吉田竜平さん」でしたが、口調がまるで違いますから、もしかしたら「初代市川団十郎」がもはや乗りうつっているのかもしれません。「吉田さん」はみんなが注目するのを待ってから・・・一歩一歩・・・徐々にスピードを上げながらこちらに近づいてきました。まるで「歌舞伎の花道」を役者が歌舞伎がかって駆けて来るようです。みんなに近づくと・・・そこで立ち止まり・・・「おわけえの・・・お待ちなせぇ・・・・・」これって、どこかで聞いたことがある台詞だなあ?一成は以前テレビで見た「歌舞伎」の台詞を思い出していたのです。「部長さんがおっしゃるまでもねぇ・・・・アッチもそう思っておりぁした・・・・水争いなんざ~ちいせぇちいせぇ・・・どうせ騒ぎを起こすなら・・・・天下わけめの関ヶ原・・・・もっと派手な争いにしておくんなさいぁし」口調がまるで違っていましたが、廻りの人たちは誰も気づいてないようです。「神戸さん・・・あなたの意見に賛成です・・・・ついでですからご相談しますが・・・・最後のほうに、ジュリエットが死ななければならないようになってるんですけど・・・そういうシーンはあまり作りたくないんですよ・・・・生かすべきか死なせるべきか・・・それが問題なんですが?」おや・・・どこかで聞いた台詞だなあ?その時副部長がようやく途中から声を出しました。「あの・・・部長・・・・でも中身をそんなに変えちゃったら・・・みんなせっかく台詞を覚えようとしてるのに・・・・合宿中に間に合いませんよ!」「でも、神戸さんが来てくれて・・・役者の人数も増え・・・・せっかくいいものができようとしているときに・・・・何とか明日までに神戸さんと相談して作り直すから・・・やらせてくれないか?」「でも・・・・」副部長が何か言いかけようとしたとき・・・「黙れ!!・・・・何とか間に合わせるからといってるではないか!・・・お前は疲れているんだ!・・・・保健室へ行け!!!」さっきから変だと思ってたら・・・・「生きるべきか死ぬべきか・・・・それが問題だ」「保健室(尼寺)へ行け!!」どちらも「ハムレット」の台詞のようです。どうやら、「部長」には「シェークスピア」が乗りうつったままで、ここに「市川団十郎」が現れてきたことで、彼のライバル心に火がついたようです。「シェークスピア対市川団十郎」この2人が丁々発止、火花を散らして、新しい台本作りに取り組むことになりました。しかし、本当に明日までに、新しい本ができるのでしょうか? (ハア・・・このナイトサファリの能力の限界を超えそうです・・・・だんだん話しがはちゃめちゃになってきましたが・・・あすまで考えさせてください。)ということで続く
2007.07.27
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昨日の夜は、「安全運転管理者協会」の会員の人たちや警察署交通課の人たちと一緒に、スナックや居酒屋さんを回って「飲酒運転撲滅キャンペーン」をしてきました。私が会長なものですから、署長屋、交通安全協会の会長と一緒に回ったんですが、そんな立場なもんで、テレビカメラや新聞社のカメラなんかのモデルですよ・・・・モデルにしては、ちょっと太り気味?ほっといてください!「ミニ金魚ネブタ」を製作して配ったんですけどね・・・テレビのニュースは終わったと思うけど、そのうち「東欧日報」と「デイリー東北」(いずれも地方紙)に私の写真がでると思います。青森県内の方はお楽しみに(楽しくはないなあ・・・・) その悶着は柔道部からの臨時部員が入部した翌日に起こりました。その4人の柔道部員たちの部屋は、柔道部が合宿に使っている部屋のひとつを、そのまま使用させて貰っています。どうやら「神様」の化けた「吉田老人」も、夕べはそのまま合宿所の彼らの部屋で寝たようです。だって、朝食の時間・・・彼らと一緒に食堂に来たんですから・・・・「見かけない老人」が高校の合宿所に姿を現したとき、普通の教師なら・・・「どちら様ですか?」って聞くでしょ?「小町」先生も、おしとやかにそう聞いたのです。「マロか?・・・マロは演劇部の臨時コーチじゃ」「神様」がそういうと・・・・驚いたようにまじまじと「神様」を見つめ・・・「小町」先生は部長を呼んだのです。「ねえ・・・どういうこと?・・・臨時にご指導していただくなら、先ず顧問に連絡してもらわなくちゃ」「実は、昨日・・・・柔道部から申し入れがあって・・・・4人の部員を演劇部で鍛えてもらいたい・・・って言われたんですが・・・・新人を鍛えるといっても、僕たちには余裕がないので、元有名な劇団にいたこちらの”神戸君のおじいさん”に預けたんです。」「柔道部を演劇部で・・・・なにを鍛えろって?」「あ・・あのう・・・演技力を付けさせて・・・・試合のときにうまく活かしたいと・・・・」「ちょっと意味がわからないけどねえ・・・・まあ男子部員がいないんだから・・・公演にでてもらうならそれはいいけど・・・でも神戸君のお爺さんがコーチをしていただくっていうのは・・・」その時、柔道部員たちが4人とも前に出て着ました。「平野先生(小町先生の本名)!!・・僕たち、演劇ってチャラチャラしたものっていうイメージしかなかったんです。・・・それをこの神戸師匠が、一晩じっくり話してくださって・・・・もう決めました!・・・・ぜひこの神戸師匠に教えを蒙って・・・ぜひ、演劇を極めたいと思います。・・・・神戸師匠を僕たちだけでもコーチとしてお願いしてください」「神様」ですから人をひきつける力は天下一品(小町先生以外)・・・・もう柔道部の4人からは、「師匠」と呼ばれ、慕われているようでした。「どちらの劇団にいらしたんですの?」「小町」先生は「神様」に聞きました。「いろいろ廻ったんじゃがのう・・・・最後はエーッ・・・たぶん、”鯨座(げいざ)”じゃったかな?」「え、あんな有名な?・・・・文芸座にいらしたの?」完全な聞き間違いです。「エーッたぶん、鯨座」って言ったのを「エーット、文芸座」と聞き間違えたとしか思われません。しかし、「小町」先生・・・ころっと騙されてしまったのです。「そんな有名な先生にご指導いただけるなら・・・・4人だけではもったいないわ・・・全体も見ていただきましょう・・・・神戸先生、よろしくお願いいたします。」普通、こんな単純に人は騙せないと思いますが・・・これは「神のなせる技」・・(それなら、なぜふだんの授業でも小町先生を騙せないんだ)一成はそう思いましたが、なんとなくうまく話がまとまりほっとしていたのです。「わたし、これから受験対策夏期講習があるから、ちょっと授業してくるわね・・・その間は神戸先生のご指導を受けて・・・・練習しているんですよ?」そういうと「小町」先生は出て行ってしまいました。一成は、小町先生が出て行ったのを確かめ・・・・「神様」の化けた「老人」のそばに近づきました。そして誰にも聞こえないようにそっと話し掛けたのです。「あんなに簡単に小町先生を騙せるなら・・・ふだんの授業でも先生に目を付けられないようにすればいいじゃないですか?」「ああ・・・あの女か?・・・簡単じゃが、みんなに嘘の歴史を教えておる。・・・それが気に食わんのじゃ・・・それに、ああしてからかっておると・・・顔色が赤くなったり青くなったり・・・・けっこう面白いんじゃよ。」「暇つぶし」にからかっているのだといってるようです。「でも文芸座に居たって言うような嘘はまずいんじゃないかな?」「嘘は言ってない・・・鯨座には居たのじゃ・・・・東京新宿は二丁目にある・・・・あそこの劇団も歌舞伎と同じでのう・・・・全て男が演じるのじゃ・・・女の役も全て男が・・・・」「だって、先生が”文芸座にいらしたんですか?”って聞いたとき、否定しなかったじゃないですか?」「まあ、聞き返されなかったからのう・・・」「聞かれなければそのままにしておいていいんですか?」「まあ・・・嘘も方便じゃ・・・・・あ、これは仏教のほうの言葉じゃったな・・・まあいいさ・・・釈迦も親戚のようなものだ」そこへ部長がやってきました。「あのう・・・・小町・・・いや平野先生がおっしゃってたんですが・・・・全体をご指導いただけますか?」「ああいいでしょう・・・やりましょう」「神様」は簡単に引き受けてしまったのです。(だいじょうぶなんですか?・・・演出なんてできるんですか?)一成が頭の中で質問すると、(大丈夫・・・そっちはまたほかの奴にやらせるから)こう返答が帰ってきたのです。(マロはまた友也に戻るから・・・)(吉田さんはお芝居を知らないと思いますよ)(あの老人の身体を借りて、中身には初代市川団十郎に変える)ということは・・・・今度の公演・・・・・脚本・・・・シェークスピア演出・・・初代市川団十郎すごい公演です。「世紀の公演」になるのではないでしょうか?しかし、一成にとってはますます気の重いものになりそうです。 つづく
2007.07.27
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今朝、「自○党」の「街宣車」がやってきて、8時から地元代議士の先生達の「街頭演説会」がありました。「立候補者」は自分の「街宣車」でよそを回っていますが、候補者の次女が来て投票のお願いしたんです。付いてきたのは、その候補者の秘書で「佐藤君」顔をあわせたら・・・「お誕生日おめでとうございます」突然言うんですよ・・・・「え!君に誕生日の話なんかしてなかったよな?」よくよく思い返して見ると・・・前に・・・「今ブログ書いてるんだ・・・ジャングル・ナイト・クルーズって言うブログ・・」そんなこと話したような記憶が・・・・今や、わが「ジャングル・ナイト・クルーズ」は国政レベルののブログになってしまった・・・のかな?「今度、コメント入れておきますね」おいおい、佐藤君・・・今一生懸命がんばらないと、君は職を失うんだよ・・・選挙に精を出しなさい。29日は、ここの事務所の「ダルマ」に、目を入れておくから・・・・むつ市の読者の皆さん・・・もし29日夜8時・・・・お暇なら中央町の図書館向かいの空き地にある事務所に・・・ぜひおいでください。一緒に「ダルマの目いれ」をしましょう。 柔道部の4人を迎え入れることになり、演劇部の部長はかなり「ハイ」な状態になっています。そりゃそうでしょう・・・今まだたった一人の男子部員だったのが、「神様」と「一成」が入って3人・・・そしてさらに臨時とはいえ柔道部の4人を加えて・・・7人の男子部員となったのです。女子部員19名と合わせて・・・いまや26名の「演劇部」・・・・今まで「宝塚チック」だった演劇部が「普通のお芝居」をできるようになったのですから、有頂天になるのもようくわかりました。ここで、副部長が釘を刺します。「部長・・・男子部員が増えたのはいいんですが、彼らはずぶの素人ですよ?これから鍛えたとしても使い物になるかどうか・・・」その時なぜか、その会議の場にいた「吉田竜平さん」が発言しました。「大丈夫じゃろうて・・・・この一成もまったくの素人なのに、柔道部の黒帯4人をいとも簡単にやっつけたんじゃ・・・なんとでもなるワイ・・・カッカッカッカッ・・・」水戸黄門のような高笑いをしたのです。もちろんこの「吉田竜平老人」は「神様」が化けているものですから、もしかしたら本当に「使い物になる俳優」を作り出してくれるかもしれません。でもそのことを知らない副部長・・・・「おじいさん・・・あなたは演劇のことを知らないのに、よくそんなことが言えますね!・・・素人が簡単にできるもんじゃないんですよ?」怒っています。「マロ・・・いや・・・わしが演劇の素人じゃと?・・・あんたはわしのことを良く知らんらしいが・・・わしゃな・・・・あの初代市川団十郎に芝居の極意を教えたんじゃぞ・・・・」「初代」というのが少し小さく聞こえましたから、「時代が違う!」と文句を言う者はいませんでした。「へえ・・・おじいさん・・・歌舞伎詳しいの?」「市川団十郎」というのが歌舞伎役者の名前・・・・というくらいにしか知らない女子部員が聞き返しました。「あの団十郎の”睨み”って言うのを教えたのがこのわしじゃ」「睨み」とは、歌舞伎役者が見得を切るときに目をかっと見開く様のことですが・・・それを「団十郎」に伝えたという話し・・・・ということは、歌舞伎発展の礎を築いたということらしいのです。「どうじゃ・・・・この4人を・・・わしが教育してやろうじゃないか・・・・お前達は通常の練習を繰り返しなさい・・・・一週間後には、お前達に追いつくくらいの役者にしてやろう」ずぶの素人ではないことを強調して、「神様」は部長に膝詰め談判したのです。自信たっぷりなその言い方に・・・部長も「そうしたほうがいいかな?」と思い始めたようです。「じゃあ・・・この4人についてはおじいさんにお任せ・・・・あれ?」部長はようやく気づいたようです。(このおじいさん・・・一体誰なんだ?)「あのう・・・・あなたはいったい・・・・どなたなんですか?」「アア・失礼失礼・・・・・わしゃな・・・神戸友也の祖父で・・・”神戸竜平”というものでな・・・・合宿に孫が参加するというんで見に来たんじゃ・・・・・演劇のプロであるわしの・・・・孫がふがいない様を見せてるというのでは困るからな」「それじゃ・・・この男子4人の教育・・・お願いしていいですか?」部長はそういいましたが・・・・一成の頭の中には「????」がいっぱいになっていました。(神様だからなんとでもなるんだろうけど・・・・普通のお芝居なのに・・・歌舞伎風になっちゃったらどうするんだ?)「ああ・・・わしに任せておきなさい・・・それじゃあ・・・お前たち4人・・・わしのあとについてくるんじゃぞ」そういうと柔道部の4人を引き連れてほかの教室に向かったのです。このとき、顧問の「小町」先生がいたら決してそんなことを自由にさせなかったと思います。でも、部長は任せてしまったのです。一成はこの先どうなるのか・・・・目がくらくらしてきました。 で、今日は時間がないから続く・・・・・
2007.07.26
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今日は、私の誕生日・・・(私にだって誕生日があるんです)それなのに、忙しくってお祝いなんてしてられません。今日の帰りはおそらく午後9時ですね。実はいつも読んでくださってる「ママリン2825さん」も、一緒の誕生日なんですよ。愛する旦那様と、いつも一緒に朝のお散歩してるんですって・・・・うらやましいですね。あ、時間だ!!じゃあ・・・行ってきます!
2007.07.25
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明日は誕生日といいながら、けっこう忙しい一日になりそうなんです。工事現場のパトロールがあって、それに朝9時から午後4時まで・・・・午後5時から友人のお父さんが亡くなったのでお通夜のお手伝い・・・・だから、誕生祝なんかしてる暇ないですね。だから続きは今のうち書いておきます。ちなみに、昨日の夜中から更新3回目・・・・・コメントの数からして・・・・皆さん3回前から読んでいただいた方がいいですよ。 今度は柔道部の主将が正式に審判をしてくれます。だからもし一成が絞め落とされたりしても、降参の合図さえすれば勝負ありということで、停めてくれるはず・・・・・ボコボコにされる心配だけはなくなりました。柔道部二人目は筋肉のつき方が半端じゃないほどのゴッツイ男でした。一番目の選手が突っ込んでいった勢いで自分で転んだ・・・と思っていますから、彼はゆっくり間合いを詰めてきました。(一成・・・今相手はお前の右襟を取りにくる。・・・あと3つ数えて・・・右襟を取った瞬間に、取りにきた相手の袖を引っ張り、相手の左くるぶしを蹴っ飛ばせ)「神様」の指示です。・・・・1,2,3・・・相手の袖をつかんで・・「えっ!」不思議なことに、相手はバランスを崩して倒れました。「一本!」主将の声が体育館に響きました。「次」また、一成の頭の中に「神様」の声が聞こえます。(今度は相手の両襟をつかんだらすぐに体を開いてしゃがみこめ・・・それ1,2,3・・いまだ!)相手はまたごろんと転びました。まったく格闘技経験のない一成が、柔道部の・・・それも黒帯3人までを全て「一本勝ち」しているのです。主将の「一本」の声も・・・かすかに震えていました。「次!」最後は一成に柔道着を貸した裸の男です。しかし、もう彼に戦う意欲はありません。他の柔道部員から柔道着を借り・・・前に出てきたのですが、奇声を発するだけで組もうとはしないのです。一成もその気になって一気に詰め寄ると、コーナーまで追い詰められた彼はその場にしゃがみこみました。勢いでぶつかるとごろんと横になり・・・一成はそのまま横四方固めで押さえ込んだのです。相手はもう一成がかなり強いと思い込んでますから・・・なすがまま・・・身動きしないであきらめてしまいました。「完敗です」柔道部の主将は素直に負けを認めました。そして、最初にけんかを売ってきた4人の柔道部員を横一列に並べたのです。「お前たち・・・ずぶの素人に4人とも負けるとは・・・・・・ふだんの練習を真面目にしていないからだ!・・恥を知れ!・・・・・これから、お前たちはしばらく練習停止だ・・・・そして、演劇部に置いてもらって自分たちが何で負けたか教えてもらえ!!」そう言うと、振り返って部長にこういったのです。「迷惑だろうけれど・・・この4人を演劇部で預ってくれ。・・・・小道具作りからさまざまな手伝い・・・・よければ出演者として使ってくれてもいい・・・こいつらが充分に反省し・・・真面目に練習するように教育して欲しい」部長は了解して・・・・臨時ではありますが男子部員が一気に4人増えたのです。「さあ・・・これで神戸君・・・4役する必要はないぞ・・・・僕も二役しなくていい・・・一人一役でできるようになるから・・・もっと自然な流れで芝居ができるぞ」この臨時部員も・・・もしかしたら「神様」の台本通りなのでしょうか?「神のみぞ知る」・・・・・の言葉通り、真実を知る「神様」だけがニヤニヤ笑っていました。 つづく
2007.07.24
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今日も暑い一日になりそうです。永平寺の管長様の行事が終わると、続いて隣町の町長さんと観光協会長さんが当社にお見えになるそうです。「花火大会」の件らしいんですが・・・・・何も町長さんまでお出でにならなくても・・・・ 柔道部4人対演劇部3人・・・・はなから勝負にならないと思っていましたが、そこへ「吉田竜平老人」に化けた「神様」が味方に入り・・・・4対4・・・「神様が付いているから何とかなるかなと考えていたやさき・・・「マロは爺で役に立たんかも知れんが・・・この坂本一成を侮るでないぞ・・・」「神様」が急に、柔道部の猛者たちに向かって言い放ったのでした。一瞬たじろいだように見えましたが、彼等も一成を見てせせら笑いました。どう贔屓目に見ても強そうに見えないからです。というよりも、実際一成の運動神経と来たら、前転後転がせいぜいで、懸垂だって10回が限度・・・・「鈍い」というのを絵に描いたような男でした。柔道部の中の一人が、柔道着の上だけを脱ぎました。「一人ずつやってやるよ・・・・これを着な」そういうと、その上着を放り投げてよこしたのです。「何の真似だ?」「神様」が化けている吉田老人が言いました。「これは柔道の練習試合だよ・・・・けんかじゃないからな!」つまり、もしここに先生が来ても、「練習試合」という名目でごまかし、コテンパンにしてやるという、彼らの逃げ道なのでしょう。「ほう・・・マロたちをコテンパンにするだけだと、単なるいじめになるから・・・先生には練習をしていたということにするわけだ・・・・しかし、試合となるとこちらからもひとつ条件がある・・・・演劇部もこのあとの練習もあるんでな・・・総当りとなると練習に差し支えるんで一人だけ疲れるように・・・勝ち抜き戦にしてもらおうか?」「神様」は一人で柔道部をみんなやっつけるといってるようなものです。柔道部はカッカしていましたが、女生徒たちもこっそり覗いています。演劇部の条件も飲まないとかっこ悪いとでも思ったのでしょう・・・了承しました。「まあお前達のような卑怯者には、一成一人でかたが付くじゃろ・・・・じゃあ一成・・・頼んだよ」「神様」はそういうと柔道着を一成に放り投げ・・・ほかの2人の肩を抱いて後ろに下がります。畢竟、一成が一人取り残されるわけで・・・なんとなく自分が積極的に前に出たように見えました。(こうなったらしょうがない・・・・もし負けても、最後には神様が控えてるから・・・・痛くないように負けておこうか)一成は覚悟を決めて柔道着を着ました。「どうせけんかじゃ・・・審判はいないから思いっきり行くんじゃぞ」「神様」は応援しているつもりなのかもしれませんが、これは相手を興奮させるだけで、一成にとってはますます不利になるだけです。最初でてきたのは、最初にからかい始めた、・・・このけんかのきっかけを作った男でした。身長も体重も、一成よりはるかにでかく感じました。「行くぞ!」一成を脅しつけるように大きな声を出し、両腕を頭の上まで高く掲げてせまってきました。(一成・・・お前の後ろに千円札が落ちてるぞ)頭の中で声が響きました。「え?」一成が後ろを見るとそこには千円札が・・・・なぜか振り返ってその千円を拾おうとしたところ・・・・「ズズーン!!」一成の頭の上を何かが飛び越えて行ったような・・・・「サア、一本じゃぞ」「神様」が大声で叫びました。体育館の入り口付近で見ていた演劇部の女生徒たちも大きな拍手で飛び上がっています。(何があったんだ?)一成が冷静になって考えて見ると、千円札・・・と言われたときそれをなぜか拾わなくてはと思い、振り返ってしゃがみ込んだのですが、一成を捕まえようとした勢いがあまって・・・柔道部の男が勝手に飛び越えていってしまったらしいのです。それも一成が立ち上がりかけようと思ったときですから、一成の背中に引っかかった彼は仰向けに倒れこんでしまったのですが・・・・・「今のは勢いで倒れただけだ・・・無効だ!柔道部の男達は顔を真っ赤にして抗議しましたが、そこへ一人の男が登場したのです。「お前達なにやってるんだ!」それは柔道部の主将・・・・・・「ア・・・・いえ・・・けんかではありません・・・練習試合です」一番体格のいい柔道部の選手が、言い訳をしました。「試合?・・・誰が許可した?」「ア・・・いえ・・・・演劇で使うから柔道の技を教えてくれって言われたもんで・・」すぐばれるような嘘をつきました。演劇部の部長がそれに対して文句を言おうとしたとき、「神様」がそれを制しました。「そうなんじゃよ・・・・教えてもらおうと思ったんじゃがな・・・・演劇部のほうが勝っちまったから洒落にならん・・・まあ今のは偶然かも知れんから、後3人にも教えてもらおうか」せっかく柔道部の主将が中に入ってくれたんだからこれで終わりにすればいいものを・・・・一成はそう思いました。「ほんとに、こいつらがけんかを売ったんじゃないんですね?・・・練習・・・それならお前達・・・・お相手をして差し上げろ」主将は残り3人に命じたのです。 つづく
2007.07.24
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明日、永平寺の107歳の管長様が「恐山にお出でになります。そうなんです・・・・恐山を管理されてるお寺は「曹洞宗」なんですよ。 合宿初日から一触即発モードでした。小町先生(本名・平野先生)と相性の悪い「神戸友也君」・・・・実は「神戸君」に化けた「吉田竜平老人」なのですが・・・・外は完璧な「神戸君」でも中身はごまかしきれませんでした。「神戸君」が台本にない台詞を言ったことに腹を立てた小町先生・・・でも老人はそこまで怒鳴られるようなことをしたとは思っていませんでした。昼食は各自学食で取ります。といってもいっせいに休憩時間になるので全員が学食に行くのです。ところで、夏休み合宿しているのは演劇部だけではありません。この週は柔道部も合宿していました。学食では柔道部員が昼食をとっています。そしてその中には、演劇部にいる一成達を「軟弱」と決め付けている男もいたのです。男だらけの汗臭い軍団にいると、もしかして演劇部のような花園にいる男たちを許せないのかもしれません。さっそく一成に難癖をつけてきたのです。「おい・・・そこのおかま・・・・ソースとってくんねぇか?」明らかにけんかを売っています。一成はまったく無視をしていますが、それでもしつこく攻撃してくるのです。「ソースならそこにあるから自分で取れよ」部長が、そう言ってもせせら笑って・・・・・「どうかとってくださいよ・・・・味気ない魚フライが美味しくなりそうじゃないですか・・・・」他の柔道部員が、からかうようにわざと丁寧な言葉を使うのです。「柔よく剛を制すという言葉を知らんのかのう」「神戸君」がボソッと声を出しました。それはけんかを買ったことを意味しました。「神戸君」一成はあわてたのです。「神戸君」が「神様」本人ならあわてはしなかったでしょうが、今日の「神戸君」は「吉田老人」です。色めき立った柔道部員が4人ほど「神戸君」を取り囲みました。すっくと立ち上がった「神戸君」言葉を発しないまま学食を出て行きました。相手は4人・・・それも柔道部のゴッツイ連中です。(行っても敵わないとは思うけど・・・一人で行かせるわけにはいかないな)そう思った一成が立ち上がると・・・・同じ思いだったのでしょうか・・・部長も一緒に立ち上がったのです。柔道部4人と演劇部3人・・・・7人は体育館に向かったのです。(女の子たち・・・・先生を誰か呼んできてくれないかな)一成は祈る思いでしたが、彼女たちはおろおろするだけでしたので期待できません。体育館に着き、奥の側に柔道部4人・・・そして入り口の側に演劇部3人・・・「おいおい、4対3っていうことはないじゃろ・・・・マロがこっちの味方につこうかのう」突然、体育館の窓から声がしました。「吉田さん・・・・・」(神様だ!)どういうわけか、この場に「神様」が現れたのです。「爺さん・・・・怪我するぞ・・・・・」「神様」だということを知らない柔道部員が、脅すようにいいました。「アア・・・大丈夫じゃ・・・・わしのような老人にはお前たちを倒すというのは難しいかもしれないがのう・・・この坂本一成という男を侮ってはいかんぞ・・・・」(神様!!なにを言い出すんだ?・・・俺、格闘技の経験なんかないんだぞ!)どうなってしまうんだろう・・・・一成の動悸は一気に高まったのです。 つづく
2007.07.23
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もうすぐ、ブログ初めて1年だなあ・・・・そんなことを考えていたら、その前に「あさって誕生日だろ?」なんていう人がいました。そういえば、あさって・・・・7月25日は誕生日です。まあ・・・お祝いするような年でもないしね・・・・母親が苦労して生んでくれたこと、育ててくれたことだけに感謝しましょう。 合宿が始まって、さっそく練習開始です。この学校の合宿所には自炊する施設はありませんが、学食が充実していて夏休みでも食べられるようになっていました。朝だけは自分達で作らなければなりませんが、売店では牛乳とパンが売られています。夏休み前から、学食と売店とは話がついており、食事についてはまったく心配ありません。すぐに柔軟体操から始めて、発声練習・・・・ 本読みの段階はある程度終わっていましたから、台本を持ったまま立ち稽古に入ります。顧問の平野先生(小町先生)も、立ち会っています。しかしその目は、いつも平野先生に逆らう「神戸君」に注がれていました。ただし、この「神戸君」は「吉田竜平さん」が「神戸友也君」に化けているだけですから、彼は自分が先生に注目されていることを知りません。「神様」から指示されている通り、「神戸君」になりきって一生懸命練習しています。「さて・・・ではさっそく始めるよ・・・・最初の出番は・・・村娘5人と神戸君・・・それと僕だ。・・・村娘たちは井戸から水をくみ上げたりしながら料理や洗濯している・・・そこへ僕と神戸君がやってくるんだ・・・・じゃあ行くよ」部長の声で始まります。最初の場面は、村娘達が洗濯屋料理をしているところへ村の長老Aの部長がやってきて叱るところからです。それは、料理や洗濯に水を無駄遣いしているからですが、この村は最近水不足で悩んでいるのです。長老の後ろには、神戸君が演じる長老の息子が手に何かを持ちながらウキウキしています。娘達は叱られた腹いせに、その息子をからかうのです。「その手に持っているのはなんだい?」「これは・・・・秘密だ」息子はそれを隠そうとしますが、娘達はその小さなものが「ジュリエットに渡すプレゼント」だと知っているのです。息子はジュリエットに恋焦がれており、プレゼントを渡しては関心を引こうとしているのですが、彼女にはまったく無視されています。「水を無駄にするっていうけど・・・私達は生活するために最小限使ってるだけ・・・そんなものより、あんな高価なものを買うために、湯水のようにお金を使って・・・それこそまったく無駄じゃないか!・・・」「ねえねえ・・・湯水のように使うっていうのは・・・おかしかないかい?・・・だって水は貴重なもの・・・・あたし達はそんなに使えないじゃないか・・・・」娘達は大声で笑いあい、その場を去っていくのです。それが出だしでした。そしてこの出だしから・・・・神戸君はとんちんかんな事をやったのです。それは部長が、娘達の水の無駄遣いをたしなめたシーンの直後に起こりました。「そうじゃぞ・・・・長老のいうとおり・・・・水の無駄遣いはいかんぞ・・・・終戦直後の食糧難・・・・わしらは小麦粉なんぞを水で延ばして飢えをしのいだものじゃ・・・・水がなければ国民の半分以上が飢えで亡くなったじゃろう」神戸君にこんな台詞はありませんでした。「あんた・・・なにやってんのよ!」平野先生が立ち上がって怒り始めました。「最初の出だしからとちって・・・・だいたいこの時代はいつなの?どこなの?・・・終戦直後って・・・・この物語には関係ない話でしょ?」「神戸友也君」になっている「吉田竜平老人」は消え入りそうに小さくなっていました。この老人にとっては昔水不足で悩んだときのこと、終戦直後の食糧難ががよみがえってきたのかもしれません。思わず出た言葉だったのでしょう・・・・・合宿初日から、前途多難です。 つづく
2007.07.23
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昨日は「恐山」も暑くって・・・・カミシモ姿って意外と暑いんですよ。昨日は参拝客も多く、外人さんもけっこういましたからね・・・・「シャシン、イイデスカ?」なんて言われたんで、「OK」したんですよ。どうも写真を撮られると「ピースサイン」しちゃうんでね・・・・「ソレハ、ヤメテ」・・なんて言われちゃったりして・・・・「侍」は「ピースサイン」しちゃいけないそうです。ついでに、メガネもはずされちゃいましたが・・・・メガネの日焼け跡がくっきり・・・その外人さんも・・・それを見て・・「メガネハOKシマショウ」メガネかけさせてくれてありがとう・・・・・ 期末試験のころ、台本は出来上がりました。一成は家で受験勉強をするために部屋にこもりましたが、ついつい渡された台本を見てしまいます。お芝居なんて、小学校の学芸会で「そよぐ木」の役をやらされた経験しかなく、もちろんそんな役ですから台詞ひとつありません。初めての台詞のある役・・・それも主役です。試験勉強も手につかないほどでした。しかし、「ロミオとジュリエット」といえば、町を二分する家同士の争いに愛し合う男女が巻き込まれて、最後は2人とも死んでしまうという・・・・悲恋がテーマになっているのですが、この台本では内容がだいぶ違うようです。読んでいると、農家の水争いのお話になっていて・・・・それに、幽霊から水戸黄門のような人・・・・そのほか様々な人が絡むお話になっています。忍者のような魔法使いのような人も出てくるのです。部長が作者ということになっていますが、実のところ、シェークスピアが書いた台本のはずでした。それがこんなにもはちゃめちゃなお話しで・・・・「あのシェークスピアは本物なのかな?」そんな疑いさえ持つようになりました。そんな風にいろんなことを考えちゃったりして、一成は試験勉強が手につきませんでした。しかし、ふだんの勉強がものをいったのでしょうか・・・成績は上がったのです。あいかわらず歴史と古典の成績は芳しくありませんでしたが、数学と英語・・・それに生物、地学などの成績はすばらしいものがありました。演劇部で主役になったことが、何かしら自信に繋がってるようでした。「歯車が、かみ合ってくると、何事もうまくいくんだな」「神様」が現れるまで、このクラスの「一番」は、何事も「加藤拓馬」君でしたが、今は、なぜかそんなにも目立つ存在ではなくなったのです。成績は一成とさほど違わなくなってきました。イケメンには違いありませんが、特に彼女というものもいないらしく・・・・その点成績はまだ追いついていませんが、一成のほうが、真実はともかく・・・「丸山さん」と言う年上の女性との噂が学校を駆け巡っていましたから、目立つ存在のようです。「最近、お前・・・・昔ほどおどおどしなくなってきたな・・・・マロもうれしいぞ」「神様」が言うには一成の顔に、「自信」という二文字がくっきりと浮かんできたというのです。さて、明日「終業式」を迎えると・・・いよいよ夏休みです。演劇部は来週の週明けから合宿に入ります。一成の高校には、各部活が空いてさえいれば、いつでも合宿を張れるような「合宿施設」があります。食事は自分達で作らなければなりませんが、女生徒が多いので心配ないと思っていました。「神様・・・・月曜日から合宿ですよ・・・・いろいろ準備しなきゃ」「準備は特にしなくても、おまじないで何でも出せるからいいが・・・・困ったのう・・・来週は3日間・・・マロの神社の夏祭りがあるんじゃ・・・マロがいないと御神体がないということになり・・・まずいんじゃがなあ・・」そういえば昨年の夏祭り・・・・一成は「お神輿」をリアカーに積んで町内を一人で練り歩きました。あ、一人ではありませんでした。いまや、「神戸友也君」の祖父という役割を担っている「神戸竜平さん」・・・そう、まこと本名「吉田竜平さん」と一緒だったのを思い出しました。あれからもう一年が過ぎようとしていたのです。「でも、合宿は参加しないとまずいですよ」「うちの爺様・・・・マロに化けさせて合宿に参加させよう」吉田竜平さんは、「神様」と血のつながりはもちろんありません。だから遺伝子からいっても、まるで似ても似つかない顔つきです。「無理ですよ・・・・あの年で高校生の役なんか」「肉体から何から、全てマロのものを貸してやる。・・・何とかなるじゃろ」「神様」はあっけらかんと答えました。そしていよいよ合宿・・・・家の玄関を出ると・・・・風呂敷包みを持った「神戸友也君」が立っていました。間違いなく「吉田竜平さん」が「神戸友也君」に化けたものだと確信できました。合宿所に向かう足取りも、どこか「よぼよぼ」と歩くように思えます。校門に着くと、神戸君はやれやれという表情を浮かべ・・・・腰の辺りを「とんとん」と二回たたきました。「だいじょうぶですか?」一成はこれから続く一週間の合宿に不安を覚えたのです。学校に着くと、いつも練習に使っている教室に・・・2人並んで向かいました。もうみんな集まってきています。部長の挨拶・・・・「今日から一週間の合宿に入る・・・・ふだん練習には出ていらっしゃらない顧問の平野先生も参加してくださる。・・・部屋割りは男3人は一緒の部屋として・・・あとは副部長の指示に従ってもらいたい・・・」一成は愕然としました。いえいえ、女生徒と同じ部屋になるとはもちろん初めから思っていません。顧問の「平野先生」・・・・実は「小町」先生の本名なのです。あの、古典の授業で「神様」が怒らせた「小町」先生が顧問・・・本人が合宿に参加しているならともかく・・・・今の「神戸友也君」は「吉田竜平さん」が化けているのです。ひと波乱ありそうな予感がしました。 つづく
2007.07.23
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明日は8時に「恐山」に行きます。「恐山大祭」の行事の一つ・・・「上山式」の行列に参加するためです。これは「三途の川」に架かる「太鼓橋」をスタートして「地蔵堂」まで「山主様」を駕籠でお送りする行列なんですが・・・・南部藩の殿様の子供の一人が「山主様」になったとき、「大名行列」のように「警護の侍」に守られながら「恐山」に来られたものを模したとされています。「駕籠」を担ぐにはちょっときついので、私は「「警護の侍役」になりますが、「カミシモ姿」に「おもちゃの刀」を挿して、出てますから・・・・来れる人は来て下さいね。 役が「神様」にも「一成」にもつきそうだ・・・という話しは翌日の通学時に話しました。しかし、「神様」は前もってわかっていたようです。「そりゃそうじゃろう・・・・この台本はマロがシェークスピアに作らせたものじゃもの・・・・でもマロは芝居には出たくないのう・・・面倒じゃ・・・まあ男は3人しかおらんから、チョイ役ででもでるか」「神様」が最初にいったのは実際に舞台の上で行われるお芝居ではなく、「実生活」の上で台本を作ると言ったはずです。「「劇中劇って言うのもあるじゃろ?」「神様」はケロッとした顔で言ったのです。「でも、台本は部長が考えていたものですよ?」「部長の頭にも、マロがインプットしといた。」やっぱり「神様」の決めた「運命」どおりに動いているようです。 それから一週間たちました。練習は毎日行われますが、土曜と日曜はお休み・・・・だから週5日制なのですが、一度腹痛で「サボリ」を覚えた「神様」はあの休んだ日と、その翌々日も休みました。あ、学校には出てきてたんですが、練習の時にはもういなくなっていたんです。そして、月曜日・・・・・お昼休みに、部長から連絡があり、一回目のたたき台ができたから全員来るようにというお達しが・・・・・一成は「神様」がサボらないように、ずっと見張っていました。「大丈夫だって・・・・・今日は必ず出るから」「神様」は一成の目を気にしながらそう答えたのです。「練習場」にいくと、もう他の人全員はそろっていて、一成と「神様」はその全員の目にさらされました。つまり、部長以外の女性の目が一斉に2人を見たのです。少し遅れたのかと思って時計を見ると、いつもの時間でした。(何でこんなにジロジロ見られるんだろう?)「ア・・・今日は第一回目の打ち合わせだから、みんな気になって早く着ただけだ・・・君たちが遅刻したわけじゃないから、早く座って」部長に急かされて、「神様」と一成は一番後ろの席に座ります。「じゃあ・・・みんなそろったから・・・これから第一回目の打ち合わせ会議を始めるけど、さっき話したように今回のタイトルは”新説・ロミオとジュリエット”にしようと思う。」「さっき話した」・・・・ということは、さっき一成に注がれた視線は、明らかにあの噂の「ロミオ・一成」と「丸山ジュリエット」を意識したものだったのでしょう。一成はとっさに「丸山さん」の姿を探しましたが・・・・前列に座っていた丸山さん」は冷静な顔をして、部長の次の言葉を待っていました。「マア、基本的にはロミオとジュリエットなんだけど・・・・他のお話も次々取り入れたもので・・・・この本を考えたとき・・・自分にはシェークスピアがのりうつったように感じたものなんです。」内容は、ロミオとジュリエットのお話と同じで、ふたつの格式ある家に生まれた男女の悲恋ものといったものなんですが、そのほかの良く知られた物語があちこちちりばめられたお話しになっていて・・・・ひとつで二度美味しい・・・いや何度も美味しい・・・そんな感じなんですけど、裏を返せばめちゃくちゃな内容になっていました。しかし、だれひとり反対するものもなく、コレといった意見もないまま、みんなの了解を得てしまったのです。しかも・・・・「最初ロミオには神戸君、ジュリエットには丸山君と思っていたんだけど・・・・君たち本人も知ってるとおり・・・学校中に”ロミオ・一成”と”丸山ジュリエット”の噂が、・・ほんとかどうかは別にして流れているんだ・・・・ここで別な配役にするのもへんだから、坂本君のロミオ・・・丸山君のジュリエットで行きたいと思うけど・・・いいかな?」一成はめまいがしてきました。そしてやおら立ち上がり「無理です!」と一言叫びました。しかし、「丸山さん」は冷静でした。「あたしはそれでいいと思います。・・・・噂なんか気にしていませんけど・・・坂本君の熱心な練習を見ていて・・・・悪いけど部長や神戸君より・・・見ごたえのあるものができるような気がするわ。」部長が話しを続けます。「それに男性の役はまだまだあるんだ・・・・これを1人なん役もこなさなければならないから、それは僕と神戸君でやってみたいと思う。・・・神戸君はそれでいいだろ?」「神様」はにっこりうなずきました。こうして一成の「ロミオ」役は決まり、「神様」は4役こなす事になったのです。夏休みまでに台本ができ・・・・それから学校で本読みやたち稽古・・・・ある程度までの仕上げは合宿をして練習する事になったのです。 つづく
2007.07.21
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すっかり忘れてましたが「恐山大祭」が始まっています。「手伝い」の従業員を派遣してるんです。明日は、「上山式」また、カミシモを着て歩くことになりそうです。24日は「永平寺の107歳の管長様」がいらっしゃいます。 その日の授業は、「神様」のことが気になってしょうがありませんでした。最近ずっと一緒にいて・・・一成にとっては「神様」中心の世界になっていましたから、何となく落ち着かない気分。授業が終わってからの練習も、今日は一人で「練習場」に行かなければなりません。練習場に着くと、いつものように「丸山さん」一派の人たちが机の片付けなどをしていましたが、まだ「丸山さん」は来ていませんでした。一成を見つけた「丸山さん」一派の女性達は、いっせいに一成の元に押し寄せたのです。「ねえ・・・ほんとにあなたは丸山さんのロミオなの?」「そんなことないわよ・・・丸山さんは年下のこんな神戸の腰巾着にいかれちゃうような人じゃないわ。」「神戸」というのは「神様」が今現在高校生として使っている名前・・・「神戸友也」を指しています。その腰巾着・・・主体性のない男・・・そう言われているようでした。「僕は腰巾着じゃありません」大勢の女性達に囲まれていますから、一成としてはたじたじになっていました。「あの丸山さんなら・・・・よっぽど強い男性じゃないと惹かれないでしょ?」「そうよね。・・・こんなひ弱な男なんか目もくれるはずがないもの」噂を立てられ始めてから、いつかはこんな目にあうだろうなとは想像していた一成でしたから・・・・ここはじっと耐え忍んでいました。「でも、あの丸山さんがねえ・・・アッチの男のほうならなんとなくわかるんだけれど」「神様」のことのようです。「神戸君って何でもこなしちゃうからねえ・・・・あれは天才よ」「それに引き換え・・・・なんでこんな男なんかに・・・・・」つまり、このグループのトップである丸山さんが、あの天才(神様だから何でもできちゃう)神戸君と付き合わず、一成と噂になっているというのが、この人たちにとっては面白くなかったということらしいんです。「うちのトップの彼氏は天才少年」というような、箔が欲しいということなんでしょう。その時です。彼女達の後ろから声がしました。「あんた達は何にもわかっていないねえ・・・」それはもちろん「丸山さん」の声・・・・・「あなたたちは、ふだんの練習に何を感じてるの?・・・・確かに坂本君はまだ上手になんてとてもできないわ・・・・でも彼には感動できる心があるのよ・・・・感受性が強い子はきっと伸びると思う・・・・・今朝ちょっと相談されたんだけど、”間のとり方”を一生懸命練習しようとしている。・・・台本の行間からでも・・・感動を引き出そうという努力をしているのよ。・・・・・」今朝、とっさに何か話さなくては・・・と思って出た言葉の話を言っているようです。その言葉を聞いて、グループの女性達は静かになってしまいました。そして発声練習から始めようとしたとき、ほかのメンバーも入ってきたのです。もちろん部長も副部長もいました。「丸山さん」は、部長のそばに近寄って行きこう言ったのです。「部長・・・先日はスミマセンでした。・・・・坂本君や神戸君にも役を付けてあげてください。・・・・彼らならきっと言いお芝居ができると確信しましたから」それだけ言うと、彼女は元の位置に戻りました。部長も副部長も、その言葉を聞いて面食らったようです。でも、部長はしばらく考え事をするそぶりをして、それからみんなを集めたのです。「今、丸山君が神戸君と坂本君を使ったお芝居を作ることに承知してくれた。・・・みんなもそれでいいね?」部長のグループの人たちに否応はなく、「丸山さん」一派もトップが決めたことですから、渋々賛成しました。「実は、彼らを演劇部に誘ったときから、ある構想を持っていて・・・・それがこの前の会議で崩れちゃったからどうしようかと思っていたんだ。・・・来週までに最初のたたき台を作るから、みんなで今年の公演を成功させよう」部長はそう言ってから練習を再開させました。しかし、この台本は・・・・部長の頭の中から湧き出たものではないと思います。「神様」がシェークスピアに命じて作られたもの・・・・どんなものになるのか、一成は心配していました。練習が終わり、急いで家に帰って・・・・一成はすぐに「神様」に電話しました。「ねえ・・・聞いて欲しい話しがあるんですけど・・・」「神様」は、少し機嫌の悪そうな声で言いました。「マロは、今日は腹が痛くって、あまり話しをしたくないなあ・・・」「神様」が本当に腹痛?「この前、向こう横丁の団子屋の婆がな?・・・残り物の団子をマロの社にお供えしたんじゃ・・・・美味そうに見えたんじゃが・・・やっぱり梅雨の時期の食べ物は足がはやいのう・・・・腐っておったようじゃ」そういえば6月・・・・一ヶ月しないうちに夏休みになるのです。 つづく
2007.07.21
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今日の「個人演説会」の司会・・・・なんとなくうまくいったかな?ちょっとスケジュールが変わっちゃって、準備した原稿は何の役にも立たなかったけど・・・・行き当たりばったりでも何とかなるもんで・・・・・ お付き合いしているわけでもないのに、将来のことまで考えてしまった自分が恥ずかしくなり、一成は少し顔を赤くしました。「どうしたのよ・・・黙っちゃって・・・・」「丸山さん」は、一成に何か話しをするよう強要します。切羽詰った一成・・・・・・「あのう・・・・僕、・・・演劇ってこんなに面白いものだと思いませんでした。」何か話さなくては・・・・そう思った一成がとっさに出た一言でした。「そう・・・どんなところが?」「どこがって・・・・そう句読点の間っていうんですか?・・・無言の中に言葉がつまっているような・・・・・誰も何も言葉を発していなくっても・・・その中に緊張感があったり安らぎがあったり・・・・」思いついたことを並べたのです。「あなたもそう思う?・・・実はわたしが面白いと思ったのもそこなのよ・・・それと一秒の数分の一・・・・・そのわずかなずれが緊張感をあらわしていて・・・・それが少しずれただけで・・・だらしなく感じることもあるのよね・・・・」(正直、筆者は演劇の経験がなく・・・コーラスしか経験はないのですが・・・”3連符”と”付点8分音符プラス16分音符”とのごく微妙な差が、緊張感をかもし出すような気がしてるんです。)ここでもう少し説明をすると「3連符」っていうのは1拍の間に3分割した音符が入るもの・・・そして「付点8分音符プラス16分音符」って言うのは1拍を4分割し、そのうち4分の3を付点8分音符が受け持ち、残り4分の1を16分音符が担当するんです。これがまたちょっと微妙でね・・・・・・あごめん眠くなっちゃった。
2007.07.20
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今日は、参○院議員選挙の、ここ「むつ市」で行われる「個人演説会」の司会を頼まれました。原稿なんか作る気もありませんが・・・どうなんですかねえ・・・1000人弱の集会になると思うんですけど・・・・出だしだけは考えてます。「祖父、○○岩男の銅像が釜臥山から見守る、この下北の地に・・・○○が、ようやく戻ってまいりました。お忙しいなか、またお足元のお悪い中を・・・みなさまにはご参集賜りましてまことにありがとうございます。ただいまより、○○個人演説会を開会させていただきます。」こんなもんでいいですかね?最後は、・・・「この次はいよいよ国政の場におきまして重要な地位を戴こうかという大事な選挙でございます。皆様のいっそうのご支持ご支援を・・・下北の地にゆかりのある○○に圧倒的な勝利を賜りますよう・・・お一人お一人が一票一票の掘り起こしをしていただきますようお願いを申し上げまして・・・○○個人演説会をお開きとさせていただきます・・・本日はまことにありがとうございました。」でいいでしょうかね? 一成にとって、自分の意志に反し「恋愛ドラマ」が進んでいくことは決して好ましい状況ではありませんでしたが、坦々と一成や「神様」を指導してくれる「丸山さん」が・・なぜか気になる存在になりつつありました。ある日、練習が終わっての帰り道・・・神様が聞くのです。「その後、なんの進展もないのか?」「だって、僕とあなたはいつも行きかえり一緒じゃないですか?・・・・どう進展するって言うんです?」半ば腹立ち紛れで答えます。「おお、そうじゃったな・・・・マロも気がきかんことで・・・・」しばらく歩いていると、また例の「コンビニ」のような店の前まで来ました。「そういえば・・・・しばらく焼きそばパンを食っていないなあ・・・・買ってきてくれんかのう?」「神様」がそう言うのです。何で、「神様」が食べたい焼きそばパンを一成が買わなければならないんでしょうか?「だって、マロは金をもっとらんぞ?・・・・ここはお前に買ってもらわんと・・・・」「神様」がお金を使うことはないんでしょうか?・・・・いえいえ、けっこうあるんです。「高校の諸費」を払ったり、「町内会費」を払ったり・・・・食料は「おまじない」だけでほんとは出てくるんですが、「たまに買い物をしないと近所に疑われる」・・・そんなこともあって、時々あの「お歯黒お母さん」が買い物をしている姿を見かけることがあります。「このお金はどうやって稼いでるんですか?」一成は一度聞いたことがありました。「ああ・・・お祭りの寄付とか、賽銭箱の中・・・・あれにも少し入っているがな・・・・あれがなくなると役員が疑われるから・・・そうなると誰も役員になりてがなくなる。・・・じゃからマロの神社のイチョウの木の葉っぱをお札に変えて使っておる。」それじゃまるで狐が人間を化かすときのようだ・・・・・一成は神様にそんな「詐欺」まがいのようなことをさせたくありませんでしたから、焼きそばパンを買ってあげることにしました。店に入ろうとしたまさにその時、・・・・一成たちの背中に声をかけるものがありました。「坂本君・・・そんなことする必要ないわよ!・・・神戸君もそんな集りのような真似はやめなさい!」「丸山さん」の声でした。「神戸君、あなたねえ・・・坂本君をいつも家来のように扱っているけど・・・大切な友達なんじゃないの?・・・だったらそんなたかりの様な真似はやめなさい!」「ああ・・・いんですよ・・・和代さん・・・僕がおごってあげたいだけな・・」それを「神様」が制しました。「すみません・・・丸山先輩・・・・」ペコリと頭を下げた「神様」は、・・・・「あ、僕ちょっと用事を思い出しましたから・・・寄り道して行きます・・・さよなら」そういうとさっさと、別な方角に走り去ってしまいました・「神戸君!」一成は呼び止めましたが、いつのまにか「神様」の姿は見えなくなっていました。「都合が悪くなって逃げ出したのね・・・・・それにしても坂本君・・・なんであんな奴の言うことばかり聞いてるのよ・・・あなた男でしょ?」丸山さんは、少し興奮したように話しました。「ア・・・ほんとに彼は悪くないんです。・・・・僕も食べたかったから・・・・彼の分も買おうと思っただけで・・・」一成は「神様」のためにいいわけをしました。「君って・・・・優しいのね」「そんなわけじゃないんですけど・・・・」「坂本君を見てると、昔の漫才師・・・・西川きよしって言う人を思い出すわ・・・わがままいっぱいの相方・・横山やすしって言う人の面倒を一生懸命見ているあの目玉の大きな人・・・・」「え?漫才のですか?・・・やすし・きよし?」「そ・・・ずっと面倒見てるじゃない・・・・神戸君の・・・」「いやあ・・・そんなことないですよ・・・友達だから・・・・」「確かにあの子は、なにをやっても天才よ・・・演劇の飲み込みも早いし・・・でも、それはあなたが付いてるから自由奔放に振舞えるのよ・・・」「丸山さん」は・・・ニコリともせずにそう言って最後に歩き出しながら・・・「あたし、そんなあなたのような優しさって・・・好きよ」そう言ってその場から立ち去りました。・・・「和代・・・さん」一成は、その後姿をいつまでも見送ったのです。 翌日のことです。家を出るといつも待っている「神様」が・・・今日はいません。「どうしたんだろう?」一成は「神様」の家に迎えにいったのです。「あのねえ・・・・うちの友也は今日、ちょっとおなかが痛いって・・・・だから学校のほうには電話しておいたんだけど・・・・」最近は、世間のこともだいぶわかって「お歯黒」をやめている「お母さん」でしたから、第三者に聞かれてもいいように、最近では「神様」のことを「友也」と呼んでいましたが・・・・しかし、「神様」が腹痛になるものなのでしょうか?いぶかしく思いながらも、一成は学校へ一人で出かけました。そして途中・・・いつもの「コンビニ」のような店の前で、「丸山さん」と出会ったのです。出会ったというよりも、もしかしたら彼女は一成を待っていたのかもしれません。「おはよう・・・・あれ?・・今日は一人なの?」「丸山さん」も「神戸君」がいないのを不思議に思ったようです。「今日も坂本君を家来のように扱うなら、叱ってやろうと思ってたのに・・・」こうして、学校へは「丸山さん」と一成が二人並んでいくことになりました。通学途中の同じ高校の生徒達は、「あの噂」の「ロミオ・一成と丸山ジュリエット」が並んで歩いている姿を遠巻きに見つめていました。しかし、「丸山さん」はいっこうに気にしないように歩いています。だから一成も覚悟を決めて並んで歩き出しました。そしていろんな話をしたのです。「和代さんは、兄弟2人なんですか?」「そうよ・・・年が離れてるけどね」「このまえ、消しゴムなんか一緒に買ってましたけど、・・・小学校1年生?」「そうなのよ・・・・うち両親が共働きで・・・遅くに帰ってくるでしょ?・・・だから買い物にいけなくて・・・・消しゴムなんて無くなりそうなのは何日も前からわかっているはずなのに・・・当日になって騒ぎ出すんだもの・・・」「でも、そうやって付き合ってあげるなんて、いいお姉さんじゃないですか。」こんな話しを・・学校につくまで延々と話していました。それでわかったこと・・・・・・彼女の名前は「丸山和代」・・・高校二年生・・・・中学時代から演劇を続け、その中学時代には「演劇コンクール」で県の大会で優勝したこと・・・そしてその中学での演劇部部長を務めていたこと・・・・兄弟は小学校一年生の弟が一人・・・父親は電気工事会社の社員・・・・母親はパートで銀行事務で働いているそうです。中学時代は女優を目指したいと思っていたようですが、今は教師を目指しているという話でした。「学校の先生か・・・・・」一成は、将来教師となる人が自分のお嫁さんになるとしたら、自分にはどんな職業がいいのか・・・と考え始めていました。 つづく
2007.07.20
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昨日は、徹底的に飲んだ・・・・いや飲まされちゃった。なんとなく二日酔い・・・・・・ 丸山さん一派が練習に参加するようになりました。けれども、まだまだ部長グループとの確執があってギクシャクとした関係が続いています。そして、いつのまにか「神様」と一成2人だけが、「中間」に位置するようになっていたのです。もともとは、部長と副部長に誘われて「演劇部」に入った2人ですが、今、2人に基礎練習をしてくれているのは、その2人ではなく「丸山さん」とそのグループの人たちでした。当然、部長達は面白くなく・・・・・かといって、みすみす自分達のグループからの離脱を簡単に許すわけもなく・・・2つのグループはお互いをけん制し、遠巻きにして、2人を眺めているといった具合でした。ただ片方の派閥の「領袖」である丸山さんだけは・・・・2人の「師匠」といった感じで「神様」と「一成」に接するようになりました。「丸山派閥」の人たちにとっては、自分達のドンが、二人に接しているのを見て「なぜ?」といった疑問を持つものもいたようですが、「あの二人をこっち側につけるため・・・そして部長達を挑発するため」と勝手に解釈しているようでした。それと、もうひとつ問題が出てきました。実は、あの日・・・そう朝の出掛けに「コンビニ」のようなお店で、弟に消しゴムとノートを買ってやる「丸山さん」に出会った時、「和代さん・・・練習に来てください」と大声で叫んだことが、噂になってしまったのです。通学途中での出来事でしたから、同じ高校の生徒達がそれを大勢見ていました。それがそのまま広まるような噂なら問題はないのですが・・・どうも噂という物は尾ひれはひれがついて広まるようです。いつのまにか、形が変わっていきました。「和代さん・・・練習に来てください」から・・・・「和代、練習に来てくれ」と「敬称略」になり、それから・・・「和代・・・来てくれ」が「和代、俺のところに来てくれ」に変わって行き、最終形は「和代・・・好きなんだ・・・俺のところに来い」に変わっていったのです。「噂」というのは、「口偏」に「尊ぶ」と書くはずですが、どうもあまり「尊ばれる」ような「噂」はないようで・・・・・面白おかしく・・・全校に広がりました。「ファーストネームで呼び合ってるんだってよ」「でもかわいそうだよな・・・・2つの派閥の板ばさみにあって・・・」「板ばさみといったって丸山さんは、片方のドンじゃないか?」「そうなんだよなあ・・・その辺がよくわからない?」「そりゃ、トップを張る人っていうのは、私情よりグループの利益優先だから・・」「ってことはなにかい?・・・・愛し合ってるけど、おもうようにならないってことか?」「ああ・・・両家のあととりに生まれたがゆえに、悲恋となったあの”ロミオ”とジュリエット”と同じ構図だよ・・・たまたま、ジュリエットはもう親分になっちまってたけどな」噂は際限なく広がりました。最近一成は影で「ロミオ・一成」と呼ばれ、丸山さんは「丸山ジュリエット」と呼ばれるようになりました。一成は苦々しく思っていましたが、否定すれば否定するほど話しが大きくなるようで・・・・一方「丸山さん」は気に留める様子もなく・・・・いつものように坦々と練習を続けるのでした。 つづく
2007.07.19
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昨日、「外車販売」の社長が、「串揚げ屋」を始めたと言うので行ってきました。「カマンベール」の串揚げが、けっこう好きですねえ。 一成は、「運命に弄ばれる」という言葉を思い出していました。まさに「神様」に弄ばれている感じです。シェークスピアの作った台本通りに、この先進んでいくというのは、ロボットがプログラムされたというのと同じこと・・・・それも、自分の意志に関係なく進んで行きそうな感じなんです。「僕は、丸山さんのことを本当に好きなわけではなく、・・・それなのに好きにならなければいけないんですか?」興奮した一成は、「神様」に食って掛かりました。「マロは、丸山さんがお前の好みだと思うんじゃがなあ・・・・」そんなわけはありません。だって、彼女のことは昨日初めて出会ったようなもの・・・どんな性格かは、昨日の会議を見ていれば少しぐらいわかるのですが、どんな人なのかはほとんど知らないんです。「だから、それは・・・これから知ればいいことじゃろ?」「でも、僕が彼女のことを好きになることは80パーセントありえません」「残りの20パーセントは?」「それは・・・・」具体的な数字を挙げたように思えますが、それは単に感覚でものを言ったまでで、「100パーセント」と言い切れなかった自分に歯がゆさを覚えました。「その20パーセントって言う数字がたとえ1パーセントだとしても、その可能性があるんだから・・・・」「僕だって選ぶ権利はある!」「だから丸山さんを選ぶ権利があるんだよ」ノラリクラリとかわされている様な感じがしました。一成が「神様」に噛み付きながら歩いてくると・・・・昨日「夢の映画」の中で「A丸山さん」と出会った「コンビニ」のようなお店の前までやってきました。そこで偶然にも、その丸山さんが買い物していたのです。「ア、丸山さん・・・」一成は思わず立ち止まってしまいました。見ていると、どうやら彼女の弟らしき、ランドセルを背負った男の子に、新しい消しゴムとノートを買ってあげてるようです。その男の子に注がれる目は、お母さんのように優しさに満ち溢れています。(お母さんのよう?・・・イヤイヤ、うちの母親はあんな顔で俺を見た事なんぞないなあ・・・)一成はしばらくそれに見とれていました。視線を感じたのでしょう・・・・丸山さんは一成に気づくと同時に顔色がサッと変わり、目が釣りあがったように見えて・・・まるで夜叉のような顔つきになったのです。「丸山さん姉弟(?)」は、その店から出て来ました。そして、一瞥もせずに向こうへ歩き出したのです。「丸山さん!」(え、何で俺声をかけちゃったんだろう?)一成の声で驚いたのか、その弟らしき小学生が振り返り、丸山さん本人は立ち止まりました。「僕、去年の文化祭に受験する高校を見ておこうと思って来て見たんです。・・・ちょうど演劇部が公演していて・・・すばらしかったなあ・・・」一成は、すらすらと言葉が出てくる自分に驚いていました。去年確かに一成は、「受験校を見ておこう」と思い、この高校の文化祭には来ていましたが、「演劇部の公演」なんて見ていません。「特に、・・・あの女子高生・・・敏江の役は、感動しました。」(女子高校生・敏江?)その公演を見ていないのですから、「女子高生・敏江」なんて役があったことも知りません。(これがシェークスピアの作った台本か!)もう既に、「神様」のプロデュースした「演劇」は始まっているようです。しかし、丸山さんは何も言わずに歩き出したのです。彼女の弟だけがいつまでも振り返って一成を見ていました。「和代さん・・・今日の練習にはきっと来てくださいね」丸山さんの背中に向けて、一成は大きな声で叫びました。(和代さん?・・・誰だそれ?・・・え?丸山さんのファーストネーム?)一成の頭の中には、着実に台本がインプットされ、まるで知らないことまで入っているようです。丸山さんの姿が完全に見えなくなるまで、一成は見送っていました。「さて・・・イントロダクションはこれで終わったな」「神様」が、一成の横ですました顔で言いました。「神様・・・・僕が知らないことまで、頭の中に入れちゃって・・・・あとで辻褄があわなくなったらどうするつもりなんですか?!」一成が文句を言うと「そんなことより、お前のせりふで、間のとり方が悪かったから、少し遅刻しそうだな・・・・」時計を見ると、もう走っても間に合わない時間です。「今日は特別に、近道を行こう・・・」そういうと「神様」は今、丸山さんが出てきた店に入いりました。一成も、そのあとに続きました。店の奥にトイレのドアがあります。「神様」はそのトイレのドアを開け振り向いて一成にも一緒に入るよう目配せしました。「ア、お客様・・・トイレは一人用ですから・・・」店員の制止の声を尻目に、二人中に入ると・・・・そこは・・・・いつのまにか学校の裏門の影にある物置小屋の中でした。「こ、ここは!?」一成が声を上げると、「神様」は落ち着いた声で答えます。「ここ?ここは学校の物置の中だよ・・・・だって道路上に突然2人の人間が現れたら、通学途中の生徒達が騒ぐじゃないか・・・・・だから物置に出るようにしたんだよ。」そういうと、「神様」はさっさと物置のドアを開けて外へ出ます。あわてて一成も外へ出ました。外では偶然部長に会いましたが、「神様」は如才なく「おはようございます」と挨拶します。「お前達学校の物置で何してたんだ?」「神様」はそれには答えず・・・・「いやあ、今の時点では、部長の出番ではないんです。」そう言ったのです。そしてさっさと教室に向かいました。 さて・・・・・その日の午後・・・「神様」と一成は練習の行われる教室に向かいました。本当は、「舞台」のある「体育館」で練習できればいいのですが、体育館を使用する「運動部」の練習が非常に多く・・・・「体育館の舞台」の上では柔道部が畳を敷いて練習しているのです。週に一度だけ、この舞台は「演劇部」が使用出来るのですが、今日は「一般教室」で練習する日・・・・「神様」たちは、「一年生」ですから、早めに行って机や椅子を片付けなければなりませんでした。「参ったなあ・・・帰りのホームルームの時間が長引いちゃったから・・・急がなくっちゃ」一成は、練習教室のドアを思いっきり開けました。と、そこには丸山さんがいたのです。仲間数人と一緒にいた丸山さんは・・・「君たちを認めたわけじゃないからね・・・・でも演劇部員としてちゃんと練習には参加しなくちゃ・・・サア、早く準備してちょうだいよ!」彼女と仲間達がもう既に準備を始めていましたから、机の片付けもすぐに終わりました。それからおもむろに・・・・・「サア、君たち、発声練習からしてごらん・・・・私が徹底的に鍛えてあげるから」丸山さんがそう言ったのです。今朝の一成の言葉で、丸山さんの感情に何らかの変化があったようです。 つづく
2007.07.18
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「むつ市長選挙」は終わりましたが、まだまだ選挙は続きます。そう・・・もちろん、「参議院選挙」です。「選挙区」も「比例区」も、ほんと逆風で大変なんですよ。でも、「自○党は不満」と言う人は確かに多いんですけど、「民○党は不安」と言う人も多いですね・・・ 夢の中の映画はまだまだ続いています。「丸山さんの演技はすごいと思います」・・・「A一成」が告げた日の夕方・・・「演劇部」の基礎練習があった日なのに、「丸山さん一派」の部員達は誰一人来ませんでした。総勢20人の部員に、「神様」と「一成」が加わって22人・・・・しかし練習には5人しか集まらなかったのです。もちろん「丸山さん」も来ませんでした。丸山さんのグループだけでなく、派閥抗争に嫌気がさした部員達も練習に来なかったのです。「今日は人数が少ないから、早めに練習切り上げよう」部長の提案で、早く帰れる事になったのです。「神様」と「A一成」が帰宅途中・・・今でいう「コンビニ」のようなお店がありました。そして、その店から出てくる「A丸山さん」に出くわしたのです。突然の出来事に、お互い、足が止まりました。しかし、「A丸山さん」は・・・「A一成」の顔を見ないようにして、「神様」と「A一成」のあいだを通り抜けて去ろうとしたのです。「待って下さい・・・丸山さん!」呼び止める「A一成」・・・・・お互いが振り向きもせずに立ち止まったまま・・・・・・・「A一成」が続けます。「あなたにしてみたら、確かに僕の芝居は、小学校の学芸会以前のようなものかもしれない・・・僕が相手役としたらまだ役不足と言われてもしょうがないけど・・・・それなら教えてください・・・あなたにふさわしくなれるように教えてください!・・・僕にもチャンスをください!」その時「A丸山さん」はゆっくり振り向いて・・・・こわばらせた顔のまま・・・こう言ったのです。「一成・・・・・早く起きなさい!・・・遅刻するよ!!」(ほんとに中途半端なところで起こされちゃったな)しかし、一成の左手は、ついさっきまで「R丸山さん」に握り締められていた感触が残り・・・痺れさえ感じていたのです。それも、結末もなく山場もない映画を見せられたあとのように、かなりの欲求不満が残っているのです。「たかが夢なんだけどな・・・・」一成は一言そういって布団を出ました。それから身支度を整え、朝食代わりの牛乳を一本飲んで、一成は玄関を出たのです。外へ出ると「神様」が待っていました。「いやあ・・・昨日は変な夢見ちゃったんですよ」そういうと「神様」はしたり顔で・・・・「ああ、知ってるよ・・だってマロが見せた夢だもの・・・・・」「え?」「昨日お前が帰ってからまもなく・・・またシェークスピアが戻ってきたんだ。・・・台本が出来上がったって・・・」「早い!」「そりゃそうさ・・・だって時空を飛び越えた次元にいるんだもの・・・」「それでどういう筋書きなんですか?」「それはもう既に、お前の頭の中にインプットしてあるから・・・」「え?」「お前の見た夢も、その台本の一部さ」「え?よくわからないんですけど?」「だから、お芝居はもう始まっているということなんだよ」「神様」の言ってる意味が飲み込めませんでした。「ということは・・・どういうこと?」一成は敬語を使うことを忘れていました。「普通の生活の中でお芝居をする。」まだよくわかりません・・・・・「じゃあ・・・舞台でお芝居をするんじゃないんですか?」「ああ・・・シェークスピアの作った台本どおりにお前達は生活することになるんだ」「文化祭の出し物にするんじゃないんですか?」「文化祭なんぞどうでもいい・・・・マロが楽しめればいいんじゃ」「普段の暮らしが決められるって・・・それは・・・」「そう・・・・お前達は神の決めた通りに動くことを”運命”と呼んでるそうだけどな」神は人々の運命を、いろいろな劇作家に作らせて、それをお芝居に見立てて楽しんでるんでしょうか?一成は少々腹立たしく思いました。 続く
2007.07.17
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今日、「新市長」に会いました。他の候補を圧倒的に引き離して・・・よかったですね。参議院議員立候補者の事務所にいたら、新聞記者が2人やって来て・・・「裏話」を教えてくれました。でも、それ、全てがほんとじゃないでしょ? 「僕・・・・丸山さんの演技が忘れられない・・・・」「A一成」がボソッと言います。でも、「A丸山さん」はそれにはなにも答えず、その場を振り向かないままで去っていったのです。そこへ・・・偶然にも部長と副部長が現れたのです。「一成君・・・君はそんなことで入部したの?・・・あの丸山さんはあなたの入部には反対したのよ?・・・それなのに・・・・」部長も副部長もまるで一成が裏切ったとでも言いたげに睨み付けたのです。「僕は純粋に、美しいものを美しい・・・感動したものを感動したと言っただけです。・・・・あなたたちの派閥同士のいがみ合いに巻き込まれたくはないんです。」「だけど、君のその純粋な気持ちを聞いても、彼女は君たちを追い出そうとしている・・・それでもまだ君は彼女が素晴らしいと言い切るのかい?」そのとき、「A丸山さん」が振り返って言うのです。「そうよ・・・・あなたが観客として素晴らしいといってくれるのはうれしいけど・・・あなたが作る側に立つ事はまったく反対だわ・・・わたしはいつでも完成されたものを作り出したいの・・・・素人にジャマされたくないわ!」そう言うと、校舎の中に駆け出し消えていったのです。副部長が言います・・・・「ほら、ごらんなさい・・・・あの人は才能のある人だけで演劇をすべきだっていう人なのよ・・・素人は手出しされると困るっていう言い分なの」要約すると・・・部長・副部長側の意見としては演劇の好きな人であれば・・演技の上手な人下手な人・・・誰でも楽しんでやれればいい・・・という考え方。一方の「丸山さん」側の意見としては、たとえ、高校の演劇部だとしてもできるだけ完成度の高いお芝居をしなければ観客に失礼であり・・・したがって素人は出すべきではない・・・という考え方のようでした。つまり「楽しけりゃいいんじゃない?」て言う側と、「演技をもっと磨いて完成度の高いものを作りたい」って言う側の戦いなのです。そして特に何の意見も持っていない「A一成」はいつの間にか「楽しけりゃいい」というグループのメンバーになっていたのでした。 ごめん・・・時間だ
2007.07.16
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比絽さんのご質問にお答えします。「あの世ではどこの言葉でも使えるんですか?」・・・とうい意味のご質問でしたが・・・そうなんです。「私の地元にある恐山」は、死者と交信できる「イタコ」と呼ばれる人たちがいますが、一度「ジョン・レノン」を呼んでもらったら、「津軽弁」の「ジョン・レノン」が出て来ましたから。・・・あ、そういえばたった今、「地元代議士」の義理のお兄さんがお出でになりました。実は先月、代議士のお姉さんがお亡くなりになったんです。「鎌倉」でしたからおいそれとは行けないんで、「「香典」を郵送させていただいたんですよ・・・そしたら、その旦那様がわざわざ青森までお出でになって、「お礼のご挨拶」にいらしたんです。この方、俳優の「梅宮辰夫」さんのお兄さんなんですけどね・・・・やっぱりかっこいいんですよ・・・・この次の選挙は、「梅宮辰夫さん」でも連れてくるのかな? シェークスピアに台本を頼むと、彼は「ここでは落ち着かない」と言って、あの世に帰ってしまいました。一成も12時近くなったので、「神様の家」を辞し帰宅したのですが、なかなか寝付かれませんでした。「俺を主人公にする気なのか?」それも、あの「丸山さん」を相手役に・・・・・・そういえば「丸山さん」って下の名前なんていったっけかな?そんなことを考えながら、いつのまにか寝入ってしまったのです。一成は夢を見ました。それは映画を見ているシーンから始まりました。隣には「お姫様」のような衣装を着た「丸山さん」が・・・・・「え?何でこいつが隣にいるんだよ?」そこで夢だと気づいたのですが、なぜか心地よく・・・目が覚めなかったのです。映画が始まりました。タイトルは「一成と丸山」・・・・こんなタイトルの映画が撮影されるはずもないことを、一成は充分に理解していました。「これは夢なんだ・・・夢なんだ・・・・」きっと、シェークスピアが作る台本だから「ロミオとジュリエット」が元になっているのかもしれません。タイトルロールが終わり、最初のシーンは、あの会議が行われた教室でした。(ずいぶん古い手法だな・・・・最近なら出演者の名前なんか、最後のほうに出てくるのに・・・)そのシーンは、先日行われた会議そのままでした。「丸山さん」の一派が、会議決裂後に教室を出て行きながら・・・・「この前決めたとおりの筋書きにならなければ、私達は出ませんからね」最後に教室を出た「丸山さん」がふりむきながら捨て台詞を残したのです。残されたのは、部長と副部長・・・そして数人の部員・・・・しかし、その残された者たちも少しの会話のあと・・・ため息を残しながら教室を出るのです。そしてその帰り道・・・・一成と「神様」は会話をしながら歩きます。「マロは、ただたんに誘われたから演劇部に入ろうと思ったのに・・・・なんでこうなるんだよ」少しおかんむりのようです。「そうだよな・・・・俺たちは誘われたから入ったのに・・・いらないって言われたって・・・」「お前の場合はマロと違って、入部の同期ははっきりしてるだろ?」「え?」映画を見ていたほうの一成は驚きました。事実としての入部動機は「神様」の付録なんです。それが、入部動機がはっきりしてるだなんて????映画の中の一成は、せりふを続けます。「僕の動機なんか・・・何にもないよ・・・・君が入ったからついでにはいったんじゃないか」「そうだっけかな?」「神様」はからかうように、一成の顔を下から覗き込みました。「マロは神だから、何でもわかっているんだよ?・・・・君の入部動機」「な、なんだよ・・・・そんなことないよ!」一成は顔を真っ赤にしながら、何かわからないことを否定し始めました。ここからは面倒なので、映画を見ているほうの本物?「一成」を、「リアル一成」として「R一成」・・・・映画に出ている「一成」を「アクター一成」として「A一成」と表現します。ですから、今、顔を真っ赤にしたほうが「A一成」ですからね・・・・・ここで、「R一成」は、不思議な感覚に襲われました。(俺の入部動機って・・・じつは違うところにあったのかな?)映画は続いています。「マロはせっかく高校生になったのだから、クラブ活動は何でも良かったんだよ・・・どこに入ってもよかったんだ」「じゃあ、何で演劇部なんだよ・・・俺だって、ただあなたが心配だったから一緒に演劇部に入っただけで!・・・」「そうかな?」「神様」はまた下から顔を覗き込んだのです。「お前は、あの丸山さんを、この前も演劇部の部室をこっそり覗きながら見てたじゃないか?・・・・気になるんだろ?」「そんなことしてないよ!」・・・・「A一成」は大きな声で否定しました。「R一成」も同じです・・・・第一、リアルな状態で「丸山さん」を見たこともないのですから・・・・・しかし、隣に座っていた「お姫様姿の丸山さん」は・・・・映画館の椅子の肘掛の上においていた「R一成」の手の上に、自分の手を重ねあわせ・・・・「そうだったの」・・・と言ったのです。「R一成」は否定の意味も込めて、その手を払いのけようとしましたが「お姫様姿の丸山さん」は、映画にのめりこんでいる態で、「R一成」の手を離そうとしませんでした。映画は続きました。翌日のシーンです。お昼休み・・・・真夏の太陽が真上から、グラウンドを走り回り友達とサッカーボールを蹴っている「A一成」に照りそそいでいました。「ねえちょっと!」突然、どこからともなく「A一成」は呼び止められます。声がする方向を見ると・・・そこには「A丸山さん」が仲間数人と立っていました。あ、こっちも面倒だから、 今後は「A丸山さん」と「R丸山さん」にします。「なんですか?」「あなたたち、どんな目的があって演劇部に入ったのか知らないけれど・・・・辞めてくれない?・・・あたしたち迷惑なのよ!」そのまま去って行こうとする「A丸山さん」・・・・しばらくそれを目で追う「A一成」・・・・・少しして意を決したように「A一成」が叫ぶのです。「待って下さい!・・・・僕、去年の文化祭のお芝居で・・・・丸山さんの演技を見てすばらしいと思ったんです。!・・・だから・・・だから演劇部に入りたかったんです!」(おいおい・・・・去年はまだ中学生で・・・演劇部の芝居なんか観てないぞ)「R一成」はそう叫びそうになりました。しかしその時、「R一成」の手を押さえ込んでいた「R丸山さん」の手に力が入り・・・「あたし・・・辞めろだなんて・・・そんな酷いこといわないわよ」・・・・(痛ぇーっ!)「R丸山さん」は食い入るように画面にのめりこんでいました。 つづく
2007.07.16
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どうもすいませ~ん!今日は市長選挙の投票日・・・それと青森市に参議院比例区の立候補者がいらっしゃったので会いに行ってきました。何度かお目にかかってる方なので、何とか当選していただきたいなと思ってますが・・・ここで皆さんにお願いするわけには行きませんので・・・「切歯扼腕」といった状態ですね。 「神様」の部屋で、「シェークスピア」が来るのを待つ間、一成と「神様」は一緒に宿題をしていました。もちろん「神様」ですからどんな問題もスイスイと解くんですが、一成に教えてくれるときも、「神」くだくように教えてくれるんで、最近一成の成績もどんどん良くなっているんです。ただ困ったことに、「歴史」の問題になると、「事実・真実」を直接見聞きしている「神様」ですから、教科書に載っている事などの間違い・・・例えば桶狭間の戦いの真実とか・・・聖徳太子がl蘇我一族なのに責め滅ぼされた本当の理由とか・・・・教科書を作った先生たちなら確実に湯気を立てて怒るだろう事を平気でいったり、テストなんかにも答えとして書くものですから、「歴史」の成績と「小町」先生の「古文」の成績とは・・・・良い点数が取れるわけがありませんでした。だから歴史の真実はどうであろうと、テストでは教科書通りに書こうと決心していました。マアどっちにしろ、「理数系」のほうが好きでしたから問題はありません。そのとき、玄関に「ピンポ~ン」というチャイムの音が広がりました。律儀な事に、シェークスピアは玄関から入ってきたようです。「ハ~イ!ママサ~ン、コニチワ」シェークスピアはいまや「イギリス人」ではなく「あの世の人」ですから、きちんとした日本語が話せるはずなのに、わざと「片言の日本語」を使っているようでした。(コリャ偏屈な人だな?)階下では、こんな事には動じない「お歯黒のお母さん」がシェークスピアに応対しています。「フォローミィ・・・カミサマ、アップスティアーズネ」この「お母さん」なら・・・どの国に行っても、どの時代に行ってもどうにか暮らせるだろうな・・・・一成はそう思いました。「お歯黒お母さん」はシェークスピアを、「神様」のもとへ案内してきました。「紅茶はアールグレイでよろしゅうございますか?」(え!・・・お母さんは抹茶しか知らないんじゃないのか?・・・アールグレイって!)今まで、この家に遊びに来ていて、「抹茶」以外飲んだことのない一成にとってはたいへん驚くべきことでした。下へ降りるとき「お母さん」は一成に「ウィンク」して降りて行きました。今まできっと、一成をからかっていたのかもしれません。思い直して考えてみれば、この「お母さん」が買い物にいったなら、きっと近所に「お歯黒」で評判になっていたはずですから・・・・・さて、シェークスピアですが、部屋に入ってくるなり、部屋の中をあっちにいったりこっちに着たりしながら・・・ぶつぶつ何か文句を言っていました。「アタシ、アノヨデ、マリーアントゥァネットト、タノシクエンジョイシテタノニネ・・・ヨビダスンダモノナァ・・・・」そんなシェークスピアでしたが・・・「神様」がたしなめます。「きちんとした言葉を話しなさい・・・・マロはお前のなくごとを聞くために呼び出したわけではない!」穏やかでしたが、凛としたその声にシェークスピアは急におどおどし始めました。「申し訳ございませんでした・・・・それで私目に何か御用で・・・・?」「お前は、この世で最高といわれた劇作家だ・・・・・今、ここに恋愛恐怖症の女の子がいる・・・・この子に恋愛の楽しさを教えるような戯曲を書き上げなさい。」「畏れ多い事ですが、神様は男女の機微というものをご存じない・・・そもそも女という生き物は恋愛がこの世の最上のもの・・・相手が男であれ女であれ・・・・必ず恋愛をするものでございます。」「ほう・・・お前はマロに意見を申すというのか?」「いえいえ、そんな・・・畏れ多い・・・」「キリストの信者は、全てを神にささげ・・・修道院で一生を過ごすものもおるではないか!」「それとても神を愛するがゆえ・・・・同じ事でございます。」「男の場合は違うと申すのか?」「じゃっかんの違いがございます。」「どういう違いか?・・・女は何でも愛と結びつけ、男はちがうということか?」「そうではございません・・・・男も女も少しの差しかございませんが・・・それが男女の機微でございます。」わかったようなわからないような・・・・・・しかし、あのいろいろな戯曲で世界を席巻したシェークスピアの言葉です。・・・どこか説得力のあるような気がします。「何かいいアイディアがあるかのう・・・・?」シェークスピアは少し考えながら、一成を見ていました。「この男を使いましょうか?」「「この一成が使えるのか?」「神様」は少し喜んでいるように見えました。「この一成にも、ある約束をしておってなあ・・・そういう具合にいくならばそれでもいいが・・・・」「私にお任せを・・・」シェークスピアは「神様」にお辞儀をして見せました。一成は、自分が何かの実験台にされそうで・・・ブルッと身震いしたのでした。「それでいつまでに戯曲を完成させましょうか?」「演劇部が本格的に練習をするのは夏休みとか言う時期らしい・・・男女が同じところに泊まって練習するのだが・・・・」「神様」は少しにやっとしました。そういえば、部長と副部長は「合宿」すると言っていました。どんなお芝居が出来上がるんでしょうか? つづく
2007.07.15
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昨日は朝7時に会社に行ったきり・・・・ずっと選挙事務所に詰めており、仕事の打ち合わせは電話対応でした。どうにもならない問題のときは、担当者とメーカー・・・商社を選挙事務所に呼んで対応しましたけど、「選挙応援」のために顔を出した人には、ご迷惑をおかけしました。あの狭い事務所に、何枚も図面を並べてましたからねえ。うちの会社の「現場事務所」じゃないっちゅうに! その夜のことです。「神様」が一成の家を訪れてきました。「ちょっと、うちに来てくれないかなあ・・・・」玄関先でこういうのです。「こんな時間にか?・・・・もう8時過ぎだぜ?」「神様」に対してぞんざいな口を聞いてるようですが、一成にしてみれば、「神様」の存在を家族に話していませんから、あくまでも「友人」に接しているように見せかけなければなりません。そこへ一成の母親が現れました。最近、一成が変な仲間とつるんで行動している・・・・近所の井戸端会議の会員達から報告を受けていたので気になっていたのでしょう。「ア、おばさんこんにちは・・・隣の神戸友也です。・・・・今日はちょっと勉強のことで一成君に聞きたいことがあって・・・いやあ・・・僕、ちょっとわからないことがあるといつも一成君に聞くんですよ」母親にしてみても、今まで部活に入らなかった一成が、隣の子に誘われて「演劇部」に入部したっていうことで、引きずられていってるように思っていましたから、ちょっと心配だったんですが、それでも、「友也君」と友達になってから、徐々にではありますが成績が上がってきているので、むげには断れないでいました。特に「勉強のことで聞きたい」と言われると・・・・「友也君」が成績優秀だっていう話しはPTAなどで聞かされていましたから、その子から「一成君に勉強のことで聞きたいことがある」と言われると、そんなに悪い気はしません。「まあ・・・お隣だから・・・・でも、遅くても12時前には帰ってくるんですよ」そう言って送り出してくれたのです。一成も、とりあえずは教科書やノートを持って「神戸家」に向かったのです。神戸家の玄関を入ると、二匹の犬がじゃれ付いてきます。「あれ・・・・ペットは飼わないっていったんじゃないですか?」でも、よく見るとそれは、お向かいの神社の前に鎮座まします「狛犬」にそっくりです。と言うか、こんな種類の犬は絶対にいないと断言できるほどで・・・・確実に「狛犬」でした。「ああ・・・そう狛犬だよ・・・・だって神社に座ってるだけじゃつまらないって言うんだもの・・・まだ子供だからさ」そうなんです・・・・狛犬はまだチビだったんです。成犬になるとどれほど成長するのかわかりませんが、今のところ、トイプードルくらいの大きさなんです。「こっちのちょっと口を開き気味の犬が”ア”って言う名前・・・・こっちの口をきりっと閉じているのが”ウン”って言う名前だ・・・・」兄弟犬なのでしょう・・・そのとたんに声をそろえて「ワン!」と吼えたのです。まさしく「阿吽の呼吸」!珍しい犬達に心を奪われていた一成でしたが、「神様」に促され、二階の彼の部屋に・・・・・部屋へ入ると「神様」はピッタリとふすまを閉め、一成に話し掛けます。「マロはあの娘を助けてやりたいんじゃ」「そんなこと言ったって、あの娘は僕たちのことを嫌ってるんですよ」「そうなんだけど・・・・あたら若いみそらで・・・恋愛経験もないまま青春時代を過ごさせるのもかわいそうじゃ・・・」最近「神様言葉と普通の言葉」の境が、だんだんなくなってるようで・・・・「で、どうするんですか?」「あの部長の書いたもののような脚本だと・・・まったく面白くない」断定してしまいました。「だから、脚本はマロの知り合いに頼むことにしようと思うんじゃが」「だって中身の変更なんて、あの娘了承しませんよ」「マロを誰だと思っておるのじゃ?・・・・神じゃぞ!・・・なんとでもなるわい」なんとでもなるなら、彼女の頭の構造を変えてしまったほうがもっと楽なのに・・・・「それは、基本的人権を捨てさせるようなことになるからできんわい」一成の頭の中を覗き、「神様」はちょっぴり怒りました。「で、知り合いの脚本を書ける人って?」「神様」には勝手に怒らせておいて、一成は誰を持ってくるのか興味しんしんでした。「マロの知り合いで、そういうものを書ける者となると・・・・滝沢馬琴なんかどうじゃ?・・・・それでなければ近松門左衛門・・・・あいつらのどっちかでいいんじゃないのか?」「滝沢馬琴だと・・・とんでもない話になりそうだし・・・近松だと悲恋になっちゃいますよ?」「それじゃあ、・・・マロの直接の知り合いではないけど・・・もう一人いいのがおるんじゃが・・・」「その人は悲恋でもとんでもない話でもないんですね?」「悲恋も書けるが、楽しいものも書ける・・・直接には連絡できないからアッチの知り合いに頼もう。」そういうと「神様」は自分の勉強机の引き出し・・・・それも薄さ5センチほどの引き出しを開けて、中から電話機を取り出したのです。「よく、そんな薄い中から電話が出てきましたね」一成が驚いていると・・・「これは、友達とのホットラインじゃ」と言いながら受話器を取り上げたのです。「ダイヤル」も「プッシュ式のボタン」もついていない電話・・・そのピンク色の毒々しい電話機は何か恐ろしいことが起きるような予感がしました。「ああ・・・・もしもし・・・ああ・・・・キリスト君?・・・・ほら君が前に言ってた・・そそ・・・シェークスピアっていう脚本家ね?・・・・ちょっと貸してくんないかなあ?」どうやら、シェークスピアを呼ぶようです。一成が何か言おうとしたとき、ふすまが静かに開いて「神戸友也君」の母親が顔を出しました。「サア、お勉強疲れたでしょ?・・・・お抹茶と醍醐ですよ」お盆に乗っかってでてきたのは、「お抹茶」と乳白色をしたチーズのようなもの・・・・「これ意外とあうんだぜ」「神様」が一口食べましたので一成も口に入れてみました。脳天をガ~~ンとやられるような美味しさ・・・「美味しいでしょ?・・・・これがほんとの醍醐味ですよ!」そういうと、母親がにっと笑い・・・・・その口元にはお歯黒が・・・・・ つづく
2007.07.13
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今日から「参議院選挙」が始まりました。だから個人的にちょっと忙しいんです。選挙事務所に詰めていましたが、「市長選挙」と一緒になりましてね・・・・間違えてくるお客さんも多いんですよ。たまたま、市長選挙に立候補した人の家の隣に事務所を作ったものですからね・・・・「期日前投票に行ってきました」っていう報告に来る人がいまして・・・でも、「参議院議員選挙」の「期日前投票」は明日からですから・・・・・・ 「演劇部」の全体会議が終わって、「神様」や一成に役をつけることに反対する「丸山」さん達「反対派」の人たちが退席したあと・・・・・会議が行われた教室に残ったのは、部長と副部長・・・そして当事者である「神様」と一成でした。「部長・・・・丸山さんに言われたからって、せっかくの男子部員なのに・・・・」副部長が悔しさをにじませながら部長に食って掛かっていました。「だけど、丸山さんに抜けられたら困るだろ?」部長は困った顔をして、この場をすぐにでも逃げ出そうとしているようでした。「男子部員を入れて、自分たちの出来る演劇の幅を広げたいって言ったのは部長じゃないですか?・・・それなのに・・・」「確かにそう言ったけど、・・・僕だって説得したかったよ」しかし、さっきの会議の流れでは、その様子は見られませんでした。「ああ、僕たちのことは気にしないでください・・・僕たちは部長の台本作りを見て勉強させてもらいます。」「神様」は如才なさを見せます。「ああ、それはいいね・・・僕の脚本作りから、演出方法・・・損なのを見て勉強してもらって・・・・来年のものは君たちで作ってもらうようにしてくれれば・・・」部長は「神様」の出してくれた「助け舟」に簡単に乗ってきました。こうして、「神様」と一成は、この時点では裏方に回ったのです。2人は最初に、部長の書いている「オリジナル台本」を見せてもらいました。それが面白いものかどうか・・・一成としてはよくわかりませんでした。話に無理があるような・・・・・女子高生の恋心を、「相手役」の男性が出てこないまま進行させる・・・そんな内容の本になっていました。(せっかく、男の子が入部したのに、わざわざ・・・話しを難しくさせている)一成にはそれが不思議でしたので、部長に聞いたのです。「僕は無理だとしても、神戸君なら、この”男の子の役”・・・できると思うんですけど、丸山さんはなぜそうさせてくれないんですか?」「ああ・・・それはね・・・その男の子を登場させないことで、観客の想像力をかきたてられるから・・・それの方がより素晴らしいどらまになるっていうんだよね・・・」「だれが?」「丸山さんがだよ」一成は、そのことを「神様」に話したのです。「ああ、それは知ってるよ。」「神様」はこともなげに返事をしました。「え?」「あの娘は、恋愛にたいしてすごい憧れを持っている・・・・でも、自分で誰かを好きになる事に怖れも持っているんだ。・・・だから、彼女の恐怖心を拭い去ってやらなければならないんだ。」「神様」が言うには、そのことを会議の席で感じ取っていたから、その対策も含めて今後の事を考えているという・・・・「さて?・・・どうしたものかのう・・・・マロも恋愛には疎いもんじゃから・・・・」 どうなる・・・今後!つづく
2007.07.12
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昨日は、思った以上に寒くって、選挙事務所の女史が、ストーブをつけていました。「そんなにかい!」そう思ったんですが、女性の身体は神秘です。 「演劇部」に入部した「神様」と一成・・・・中途入部ですから、今年の秋の文化祭の公演内容はほぼ決まっていました。今までたった一人の男子部員であった部長が、脚本を書き中身をつめているようです。予定では、脚本を書いた部長がそのまま演出家となり、出演は女性部員たちだけの予定でしたが、「有望な男子部員」二人が入ったものですから、もう一度、構成段階に戻ろうということで、「全体会議」が開催されることになりました。「私は反対よ!・・・・せっかく台本も80パーセントできてるんじゃない・・・このままでやろうよ」「コチコチの演劇少女」らしき女子部員が、やり直しに反対しています。「だって、せっかく男の子が入部したんだよ・・・この人たちが出れる場面を作ってやってもいいじゃない!」一成たちを勧誘した副部長が、主張します。どうやら、最初の予定では女子高生の日常生活を題材にし、男性が一人も出てこないようなお芝居だったようです。「おい、一成・・・・ふだんの生活を見せられて、面白いと思うか?・・・やっぱり水戸黄門のような勧善懲悪のものがいいと思うんだけどなあ・・」「神様」は小声で一成に言いました。お芝居というのは「水戸黄門」とか「遠山の金さん」のようなものだと思い込んでいた「神様」は、この会議に参加して、自分の思ったものと違うお芝居であり、また勧誘されたにもかかわらず、一部では「神様」たちの入部を快く思っていない部員達がいたこともショックに思っていました。「だって発声も満足にできない人たちなんだよ・・・その子達のために今までやってきたことを、全て無にするの?」先ほどの「演劇少女」がヒステリックに叫びます。さすがに基礎ができているとみえて、そのよく通る声が一成のおなかの底にずんずんと響きます。どうやら状況を判断すると、部長と副部長が「カリスマ性のある神戸君」を勧誘して、「演劇部」の体質改善を図りたいと思っていたらしく、他の部員には一切相談がなかったようなのですが、中にはこの「演劇少女」のように「今の「宝塚風」の現状に満足している部員もいたのです。様子が違うなと思ったのは・・・この「反対派部員達」が会議の席に着くとき、明らかに敵意をむき出しにして「神様と一成」を睨んだからでした。一成は思いました。(歓迎されてないクラブなんだから辞めようよ・・・針のむしろに座らされているようじゃないか)その時、「神様」の声が一成の頭の中に響きました。(物事は前向きに捉えないと、自分の思う方向には絶対に向かないぞ)「神様」ですから別に声を出さなくても、言いたいことが伝えられるようなんです。今まで、小声で耳打ちするようなしぐさ・・・一体なんだったんでしょうか?(だって、声を出すってことも面白いじゃないか)「神様」はこの「人間生活」・「高校生生活」をけっこう楽しんでいるようです。「とにかく・・・この人たちのような素人が出るようなお芝居なら、私達は参加しませんからね」先ほどまで興奮状態にあり、感情をあらわにして叫び続けていた「演劇少女」が、このときばかりは「無機質」に感情を押し殺し話したのです。この発言は、いままでたったひとりの男子部員だった部長には、充分な脅しになリました。「わかったわかった・・・・今までどおりにやろう・・・・神戸君と坂本君にはイチから勉強してもらうために、僕の助手をやってもらうよ。」事なかれ主義というか、たった一人の男子部員だったから「あて職」でなったような部長でした。「部長!」激高した副部長が机を叩いて立ち上がります。「しょうがないじゃないか・・・丸山君はこの演劇部の要だ・・・彼女に抜けられたらこの演劇部は壊滅するよ」一成は、もう一度「丸山」と呼ばれた「演劇少女」の顔をまざまざと見ました。(こいつが演劇部の要?・・・部長や副部長が要じゃないのかよ?)どう見てもまん丸としたこの「丸山さん」は、「要」と呼ぶより「重鎮」と呼ぶほうがふさわしいように思いました。(重しかよ!) つづく
2007.07.11
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「ランキング」のことについてご質問を戴きましたが、気にしなくていいからね・・・・最初、よくわからずに「タグ」の練習のつもりでのっけたんですけど・・・うまくできなくて、そのままにしてたんですよ。半年前に一度、どうなってるのかな?って見たら、「220位」だったんですけどね・・・・その後、またしばらく見ていなかったんだけど・・・最近コメントで「応援ポチしておきます」っていうのが増えて・・・・「もしかしたら、ランキングのことかな?」っていうんで見たら・・・なんと26位まであがってて・・・・この前そのことに触れたら・・・・一時期「12位」まであがったんですけどね・・・・・今朝は「15位」になってました。え?・・・ああ3箇所登録してますけど・・・「HOME」の上のほうにあるんですけどね・・・「15位」になってるのは、「人気blogランキング」ってとこの「小説部門」です。でも、昨日「濱ちゃん」から「目指せベスト10」なんていわれると・・・・がんばっちゃおうかな?ア・・・・「マロががんばってもせん無きこと・・・」おいおい、「神戸友也」君が乗り移ったか? てんやわんやで終わった「家庭訪問」職員室では「神戸友也は家族中変わっている」と言う評判になりましたが、生徒間ではあいかわらずの人気で・・・・何しろ、運動神経も抜群ですからあちこちの部活にも勧誘されました。しかし、何を思ったのか・・・・「神様」は「演劇部」に入部してしまったのです。一成は、めんどくさいので部活には入るつもりなどなかったのですが、「神戸君」が入部したとなると、放っておくわけにもいきません。必然、一成も「入部」ということに相成りました。この高校の演劇部は男子部員が「部長一人」、あと20人は全て女子部員で占められていましたから、「お芝居」をするとしても「宝塚チック」なお芝居しかできませんでした。それじゃ・・なぜ「神様」は演劇部なんぞに入部しようと思ったんでしょう?それは、ほかの運動部なんかだと、勧誘に男子の部長が来たのですが、なぜか「演劇部」だけは女子の副部長という人が勧誘に来たからにほかなりません。その時も、一成は「神様」と一緒にいました。いまや、一成は「芸能人のマネージャー」のごとく、いつも「神様」のそばにくっついていたからです。「あなたの個性を生かして見ませんか?・・・・みんながあなたの入部を待っているんです。」さすが「演劇部」の副部長・・・・今にも涙のこぼれそうな・・・潤んだ瞳で「神様」に訴えたのです。この「迫真せまる演技」に、純情な「神様」・・・コロっといかれちゃったのです。「マロは演劇部に入るぞ・・・お主も同道いたせ・・・」一成に誘いが来たわけでもないのに、しょうがなく一緒に入部してしまいました。でも、「神様」にお芝居の知識はあるのでしょうか?おそらく舞台関係のものと言ったら、「神楽」ぐらいしか知らないと思います。一成はこっそり神様に聞きました。「神様・・・・演劇をご存知なのですか?」「演劇とは芝居のことじゃろ?・・・マロはよく存じておる・・・特にマロのお好みは月曜日の夜8時・・・・テレビに出てくる爺様と若いもん2人の旅日記の芝居が好きじゃがのう」「水戸黄門」だ!!!「よく、うちの爺様が見ておるんじゃ」吉田竜平さんなら、きっと「水戸黄門」のような時代劇が好きでしょう。しかし、高校の演劇部です。きっとシェークスピアとか、阿部公房あたりの演劇なんでしょう。絶対に「水戸黄門」はしないと思いました。 おっと時間です・・・・続く
2007.07.10
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今日はほんとにスケジュールが狂ってばっかりです。夜も飲み会があったんですが、事情があって中止・・・・・・だからまたまた続きを書きます。しかし、「濱ちゃん」から「ランキングが下がってきたよ」というご指摘・・・・でも、実力だからしょうがないでしょ! 「先生どうなさいました?」「神様」の母親役の女性が桜田先生に声をかけます。「ハッ」と先生が気付いたとき、父親役の男性と祖父役の吉田竜平さんは居間に移動していました。一成が、「先生の出迎えは母親だけでいい」と進言したからです。「さあ、こちらへいらせられませ」母親の案内を受け桜田先生も居間に向かいます。居間には父親が待っているのですが、実は玄関で出迎える予定でしたからどうすればいいのか・・・手持ち無沙汰で待っていました。けっこう長い時間に感じられます。(そういえば先日テレビでは、こういう場合、新聞を読んで待ってたな)父親は普通の家にある状況を作り出したくて小道具類も集めていました。すぐに手元においてあった新聞を読み始めたのです。「大日本帝国海軍が真珠湾攻撃」いったいいつの新聞を手に入れたのでしょう?しかし、父親はまったくその日にちの事など考えていません。桜田先生が居間に入ってくると、父親は話題づくりのために先生に早速そのニュースを伝えたのです。「ああ、友也の担任の先生であらせられますか・・・・いつもお世話になっておりまする。・・・ところで先生・・・わが国もたいへんな事になりましたな・・・・大日本帝国海軍は真珠湾奇襲に大成功したそうですぞ!」その言葉を聞いた桜田先生は・・・友也が古事記の件で「小町」先生にくってかかったことを思い出し、(この家族は右翼だ)・・・そう思ってしまったようです。そこで先生は、下手に逆らわない作戦に出ました。「大日本帝国万歳!」突然万歳を叫んだ桜田先生に面食らった父親ですが、脇を見ると明らかに戦争経験者である吉田竜平さんも、涙を流して万歳しています。仕方なく、父親も一緒に万歳をします。そこへ母親がお茶を持って登場しました。「あらら・・・・皆さん仲がよろしくって・・・・」普通にこの状況を見たら、そんなことをいえるような場合じゃないと思うんですけど・・・このお母さんも浮世離れしちゃってますから・・・・驚く状況ではないと判断したようです。猫に化けてる一成は、その場で、この状況を冷静に見ている「神様」に話しかけました。「もう一度、桜田先生の記憶を消しちゃってくださいよ」「マロもそうしたほうがいいように思う」そう言うと自分の鼻の頭をひょい人差し指でなでました。そうすると、桜田先生が独りだけストップモーションになったのです。すかさず一成がお父さんに話しかけます。「新聞で話題づくりはいいんですけど・・・古すぎます。・・・もう少し新しい話題にしてください。」「ああ、じゃあそうしましょう・・・・いつの新聞がいいですかな?」「今日の朝刊の話題にしてください!」朝刊にはたいして大きな話題もなく「石油値上げ」が一面でした。「それじゃ・・・先生がここに座って挨拶するところからはじめますよ・・・ア、お母さんはお茶を入れなおしてください・・・それじゃ。・・・3・2・・・・」猫のくせに一成はQ出しをしたのです。「いやあ先生・・・ようこそいらせられました。・・・・友也の父でございます。・・・いま新聞を見ておりますと石油元売各社が一斉値上げを致しましたそうで・・・・わが国の景気上昇もますます遅れますなあ」猫の一成としては少し硬すぎる話題かなとも思ったのですが・・・マアこれくらいならいいでしょう。そこへまた、母親がお茶を持って登場します。「粗茶でございます。」そう言って、母親が桜田先生に差し出したお茶・・・・実は「お抹茶」だったのです。「煎茶」とか「ほうじ茶」という感覚は、この母親にはなかったのでしょう。しかし、桜田先生は「この親子は少し変わり者」という先入観があったのでしょう・・・・やおら茶碗をまわし一口飲んでから「けっこうなお手前で」といったのです。その後は、「友也」君の成績の話し・・それから進学の話になったようです。「友也は大学に進学させたいと思っています。」これだけは昨日のうちに練習をしておりましたので・・・あとの事はもう大丈夫だろう・・・そう思った一成は自分の家に戻ったのです。しばらくすると・・・桜田先生が一成の家に訪ねてきました。「先生、いらっしゃい・・・お待ちしてました。」一成がそう言うと・・・桜田先生は突然一成にこういったのです。「おい、神戸の家族だけどな・・・変わってるとは思っていたが・・・特にあのお母さん・・・」お母さん?・・・確かに抹茶を立てて出すなんぞは普通ではないんでしょうが。。。。「どうかしたんですか?」「お歯黒してたんだよ!」さすがの一成も、お母さんの口の仲間では気がつきませんでした。 つづく
2007.07.09
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タイトルからドンドンかけ離れているように感じられる今日この頃・・・・タイトルをあとで変更すればいいことだから、まっ、いいか!しかし、「忙中閑あり」・・・・アポをとってきた人が数人同時にキャンセル。お昼、ちょっと時間ができました。だから、続き書いちゃおうかな? 翌日学校へ行くと、「家庭訪問の日程」を変更して欲しいという生徒が数人いました。「帰りのホームルームまでに、各家庭訪問の日程を配るから・・・」桜田先生は張り切っています。どうやら、お母さんがたの中に、桜田先生の好みのタイプが数人いるらしくって・・・・でも、どうやらその中には一成のお母さんは入っていないようです。一成は同級生の手前、学校では「神様」のことを「神戸君」と呼んでいました。「神戸君・・・君の家の家庭訪問は来週の火曜日かい?」「えっと・・・そうだね・・・火曜日だ・・・・5時になってるけど」「じゃあ、俺の家の前だ・・・・うちは5時半だからな」「ほう・・・30分の何を聞くんだろう?」「進学とか就職のことだろうね・・・この前も話したけど・・・」「どちらもしないと言ったらどうなるのかな?」「そりゃまずいよ・・・とりあえず大学進学といっておいたら?」「じゃあそうしておこうか・・・」「ところでね・・・俺、まだ君の家族心配なんだよ・・・・見にいっちゃいけないかな?」「別にマロは・・・いや、僕はかまわんよ」2人っきりになると、最近では時々ポカして、神様のときの口調になってしまうんです。「それそれ・・・言葉遣いなんか、なんとなく失敗しそうで心配なんだけど・・・・でも、俺が君の家の家庭訪問を見てるっていうのもまずいよな。。。。」「そんなに心配なら、隠れてればいい・・・」「それじゃ先生と親が話してる声が聞こえないでしょ?」「じゃあ、お前を透明にしてやろうか?」「ああ、それがいいかも・・・でも気配で気づくかもしれないなあ」「それじゃあ、この前駄目っていわれたけど、動物にでも化けさせようか?」「家の中に居てもおかしくないペットか・・・じゃあ猫だね」こうして、一成は当日、ペットとして「神戸家」にいる事になりました。そしていよいよその当日・・・・・・学校から帰るとき、一成と「神様」のあいだに桜田先生が追いかけてきました。「おい、お前達・・・・先生これからな、お前達の家に家庭訪問なんだが・・・一緒に行こう」表向きの理由は「お前達の家の場所をよく知らないから・・」しかし、なにやら含んだような言い方です。一成にはそれが何かおよその見当がついていました。先日の古典の授業のときです。担当は、「小町」という仇名の女性教師でした。本人は自分が小野小町にでもなったような気分で、この仇名を気に入っていたようですが、生徒のあいだでは決して褒め言葉でつけた仇名ではないのです。美人の尺度というのは時代によってずいぶん違うといわれますが、そういった意味で、「きっと平安時代なら美人だったろう」というような意味だったのでした。卒業していった先輩達の話だと、もっと違う意味があるようで・・・・・裁縫で使う針は糸を通す穴がありますが、「町ばり」という針は仮に止めておく針ですから穴が開いてない・・・そんなような意味らしくて・・・・ってこんなこと書いていいのかな?・・・作者として反省していますが・・・・・まあとにかく、古典の授業で「古事記」を勉強していたときのことです。「よもつ平坂から逃げ帰ったイザナギの命は、身を清めるために川で目と鼻と口を洗いました。そこで生まれたのが、天照大神と、ツクヨミの命・・・それとスサノオの命です。」そう言ったときのこと・・・・「神戸君」がものすごい勢いで手をあげたのです。「先生・・・・それだけではありません・・・・第一、穢れを祓ういうのは全て清めなければならないんですから・・・もっとたくさんの神がそこで生まれたはずです。・・・手や足、胸から背中・・・あらゆるところの穢れを祓わなければならないんですから・・・目と鼻と口だけなんて・・・・」「神戸君・・・これは古典の授業なんですから・・・第一、これは完全に作られた話で・・・」「それじゃ先生は真実ではないとおっしゃるのかな?」「でも教科書にはそう書いてある・・」「教科書が全て正しいと思うほうが間違いだ・・・先生は顔を洗うとき、目と鼻と口だけ洗うっておかしいと思いませんか!・・・普通はほっぺたとかおでこを中心に洗うでしょ?」・・・・この日の古典の授業はけっきょくそのしこりを残したまま、中断されてしまいました。「小町」先生が・・・真っ青な顔になって教室を飛び出していったのです。桜田先生は、そのことをいぶかしく思っていたようです。ほかの教科は抜群の成績なんです。この「古事記事件」以外は、東京大学もストレートに合格できるんではないかという、噂にもなりつつありました。だからこそ、この「日本史観」というか、「神話」についての考え方について、きっと「神戸家」の家庭環境に問題があると結論付けたようです。桜田先生は、「神戸友也の家」に着くまで、しつこく「神戸君」に、家族の話を聞いておきたいと思ったようでした。しかし、急ごしらえで作った「両親」ですから、息子の「友也」君に、「ご両親はどんな人かね?」と聞かれてもまともに答えられるわけがありませんでした。そうこうしている内に「家の前まで来てしまいました。「先生・・・僕は先生が隣の家まで来たことを母親に伝えに先に帰ります。」一成はそういうと、自宅に駆け戻りました。かばんを置くと、母親に「ちょっと出かけてくる」と言い残し、すぐに玄関を出ます。背中から「これ一成・・・今日は家庭訪問なんだから家にいなさい!」・・そう叫ぶ母親の声を尻目に、一成は隣の門をくぐりました。そのとたん、一成の姿は消え・・・そこには真っ白な猫が一匹・・・・「神様」は門をくぐればすぐに猫になるよう・・・一成に呪文をかけていました。そのまま、猫になった一成は当初の予定通り、開け放したままになっている勝手口から家の中に入っていきました。「もう、居間に通されているだろうな」しかし、居間には誰もいません・・・「あれ?先生は居間まで上がってこないで玄関で話をするつもりかな?」今度は玄関に行ってみました。「オ!居た居た!・・・・でも先生、様子がおかしいな?」桜田先生は目を真ん丸くし・・・口をあんぐり開けたまま・・・正面を見据えていました。「何を見てるんだろう?」一成は、その視線の先を見てみました。そこにはなんと!・・・・・衣冠束帯姿の父親と、十二単の母親が正座しているではありませんか。そして玄関の土間には黒い烏帽子をかぶった従者のような白い着物を着た吉田竜平さんが・・・・・カタヒザを着いてかしこまっていました。「おい、神戸君・・・この格好はまずいよ・・・・先生立ったまま気絶しちゃってるよ」「え?そうかな・・まずいかなあ・・・・だって目上の人を出迎えるには正装じゃなきゃまずいんじゃないのか?」「でもこれはやりすぎだよ・・・現代の正装で衣冠束帯に十二単はないよ」「じゃあどうする?」「お父さんとお母さんの服装を昨日のようなくつろいだ格好にさせて・・・あ、吉田さんも同じようなのでいいよ・・・・そうしておいて、先生の記憶から衣冠束帯十二単の格好を消去しよう」彼らの格好が現代の普段着に変わりました。「おっと・・・お母さんの眉毛・・・ぽちっと丸いのも駄目だよ・・・・普通の眉毛にして・・・そうそう・・・そうしておいて先生を起こそう」なんとなく前途多難な「家庭訪問」になりそうです。 つづく
2007.07.09
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昨日は1日走り回って、かなりのダイエットにはなったように思います。でも、帰ってからビール飲んじゃったからなあ・・・・まあ、ここ一ヶ月は同じような生活になりそうだから、徐々に減らしますか! 学校帰りに、一成は「神戸家」へ寄る事になりました。「家庭訪問にとんでもないことが起きる」なんとなくそんな予感がしたからです。吉田竜平さんの家だったときには、回覧板を持って数回オジャマしたことがありました。家の中にも、ほんとに小さい頃でしたがあがらせてもらい、おかしをもらったりして、遊びに行ったこともありますし・・・外見は変わっていませんから、それほど不都合はないと思ったのですが、・・・・念のためです。先ず門があって、そこから5メートルほど行くと玄関です。こまめに庭の手入れをしていた竜平おじいさんですから、玄関へと続く通路の左右には、きれいに刈り込まれた庭木が見事です。犬小屋がありました。「あれ?・・・犬なんか飼ってたかな」「ああ、それはこの前テレビというものを見ていたら、わが国はペットを飼ってる家庭が多い・・・としてあったので、マロの友人の”お稲荷様”のペットを借りてきたのじゃ」「お稲荷様のペット」というともしかして!それは、耳と鼻がとんがった・・・・そう・・・・ふさふさした尻尾の狐です。それも、いかにも稲荷神社に鎮座まします・・というような「白狐」動物園にいる狐とは、どこか種類が違うような狐でした。「狐はまずいよ!」「しかし、マロの神社にいる、あのようなものよりはいいじゃろ?」マロの神社のあのようなもの・・・・指差した先には「狛犬」が見えました。一成は、あのライオンのようなたてがみを持った架空の犬・・・「狛犬」が庭をうろちょろしている姿を想像しました。「ああ・・・狛犬よりは・・・イヤイヤ!・・・狛犬も白狐もまずいよ・・・・」一成はあわてて、ペットを飼うことに反対しました。「青竜や白虎はまずいと思ったが・・・そうか白狐も狛犬もだめか」「ああ、動物はやめたほうがいい」「庭には朱雀と池の中に玄武を飼ってるんだが、それもだめかのう?」朱雀は架空の鳥、玄武は架空の亀ですから、これを桜田先生に見られても困ります。それも即刻、消してもらうことにしました。家の中に入ります。「まあ、あがりなさい・・・」「神戸友也君」にうながされ、「お邪魔します」といって和也は靴を脱ぎました。居間に通されると、そこにはきちんと正座してちょこんと「ご両親」が座っていました。「はじめまして・・・・友也くんの同級生の坂田一成です。」型どおりの挨拶をしました。「これはこれは・・・お噂はかねがね・・・ご丁重なるご挨拶いたみいります。」少し、時代がかった挨拶ですが、まあ常識的な挨拶といえば常識的でしょう。「お父さん、お仕事は?」「私の仕事?・・・・私の仕事は父ですが・・・それが何か?」父親って言うのは職業じゃない!「いや・・・生計を立てる仕事・・・どうやって収入を得てるか・・ってことなんですけど。」「ああなるほど・・・それなら皆様から浄財を戴いておりますが・・」つまり賽銭で生活をしているという・・・・・「そりゃまずいですよ・・なんかできないんですか?」「そういわれても・・・・まあできることといったら、ずっと神様にお仕えしてきましたから、神主の真似事なら・・・・」「友也君は兵庫県からお父さんの転勤でここに来たことになってるからなあ・・・神主さんに転勤なんてあるんでしょうか?」「さあ?」「じゃあこうしましょう・・・・神社に使う道具を売っている商社マンということで・・」様々な演出をしながら、一成は夕飯の時間まで、神戸君の家で過ごしたのでした。 つづく
2007.07.09
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今日は早朝から電話が入って忙しい一日となりました。その事情については、機会があったらいつか話しますけど、今日はちょっと言えないなあ。でも、ジュニアと今日は遊ぶ事ができなかったし・・・朝からバドミントンをする約束してたんだけどね。来週もちょっと忙しくて・・・・しばらく遊べないかもしれない。 クラスでは相変わらずの「神戸君」人気が続いていて、昼休みなんかではいつも彼の周りに人だかりができます。必然、いつもくっついている一成もその輪の中にいるわけで・・・・けっこう楽しい毎日を送っています。「さあ、来週から家庭訪問が始まるぞ・・・みんなには手紙を持って行ってもらうからご両親に見せるように・・・・それぞれの家庭訪問の日にちが書いてあるから、都合の悪いものだけ、明日までに連絡するように」ホームルームの時間に、桜田先生が独りずつ手紙を渡しました。一成の家は、母親が専業主婦ですからいつでも家にいるわけで、問題はないのですが・・・問題は「神戸君」の家のことです。帰りの道すがら、一成は「神戸君」に聞きました。「ねえ・・・家族どうするんですか?」「家族は、お前に言われたとおり作ったさ」「というと、ご両親とおじいさんということですよね。」「ああ、マロの本当の両親は、イザナギ・イザナミの命なんじゃが・・・あのお二人をこの世に出現させると、時代錯誤がはなはだしいから混乱をきたしてしまうじゃろ?・・・じゃからお二人に生き写しではあるが、何とか生き人形を作ってみた。・・・今、この世の事を勉強させておるところじゃ」どんな勉強をさせているのでしょう?「おじいさんはどうしていますか?」本当のあの家の持ち主・・・吉田竜平さんの事です。「ああ・・・なにやらぶつぶつ言っておる。・・・あの世の方が身体も不自由なくてよかったのに・・・とか申してのう・・」そういえば、吉田さん・・・この世では「乳母車」のようなものを押してよく散歩していたのですが・・・・・・・「あちらの世界では、身体の不自由がないのですか?」「ああ、自分の一番よかった時代に戻れるからなあ・・あっちの方が幸せじゃろうて」神様の言う事ですから・・・・「そんなものなのかなあ?」一成はそう思ったのです。そういえば、一成は神戸君が引っ越してきてから、まだ一度も行った事がありません。「これからおじゃましてもいいかな?」一成は恐る恐る聞いてみたのでした。「いいよ・・じゃあうちに来てどんな家族か確かめてみればいいよ」あ、だめだ。。。ねむい
2007.07.08
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今朝は、ある参議院議員候補の事務所を作ってきました。「この地区の拠点を作って欲しい」っていうことだったので「3連のユニットハウス」を設置しました。ぜひ当選して欲しいな。 一成は神様がいま住んでいる家の(本当は吉田竜平さんの家なんだけど・・・)家族構成を聞きました。「いや・・・今はマロ独りで住んでるんじゃが・・・その家庭訪問があるなら、家族を拵えんといかんのう」「これから作るんですか?」「そうじゃのう・・・その吉田老人も家族として迎えるから、両親と姉でも拵えるか」「お姉さんもですか?」「そうじゃな・・・マロよりひとつぐらい上の姉を」「でもそれじゃ同じ学校に入れなきゃまずいでしょうに」「ああ・・・じゃあ面倒じゃからわし一人の子供ということにしよう」そんな話しをしながら、2人は学校に着きました。教室に入ると、いつもの事ですがみんな朝の挨拶を交わします。しかし、今日は少し様子が違いました。挨拶をふだんしたことのない、無愛想な「長谷川泉美」まで挨拶したのです・・・・しかも・・・「神戸君オハヨウ・・・坂本君も・・・」「神戸君オハヨウ」はわかります・・・でも一成には「坂本君も」・・・「も!」「も」っていうのは「ついでに・・・」っていう意味が込められているのです。それも一人だけじゃありません。クラスの仲間全員がそう挨拶したのです。あの頭脳明晰成績優秀、イケメンで大会社の社長のお坊ちゃま・・・「加藤拓馬」までがそのように挨拶したのです。昨日一日で「クラスの仲間全員」と親しくなって・・・・カリスマ性があるというか、オーラがあるというか・・・・とにかく、クラス中が昨日一日で「神戸君」の虜になったのです。これは、「神戸君」が「神様」であるという事を知った一成にとっても驚くべきことでした。さすがに「神様」です。その人気は、授業が始まってもうなぎのぼりでした。だって「神様」ですから、先生が質問する事などすぐにわかっていましたし、数学なんか、あの加藤が悩むような問題でも、「暗算」で解くようなものでした。一成は、少し心配になってきました。(あまり目立ちすぎると、神様だってばれないかなあ?)そのことを「神戸君」に言うと「目立たないようにする」と約束してくれましたが、一度「あいつはすごい」といわれた噂は、すぐに学校中に知れ渡りました。よそのクラス、よその学年からも見に来る女性との数が増えました。「すごいねえ・・・神様」一成は、こっそり耳打ちしました。「お前もこうなりたいのか?」一成としては人気者にはなりたいとおもいますが、ここまでだと窮屈なような気がしました。 ごめん用事ができた。
2007.07.07
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来週は「安全運転管理者講習」があります。この講習会は「車を5台以上所有している企業には、法定講習を受けた管理者を置きなさい」という法律があって・・・それに基づいて行われるんですけどね・・・・11日と12日にあるんですよ。ところがね・・・私、その会の会長なんで・・・挨拶しなくちゃいけない・・・・頭が痛いですよ。 翌朝、一成はいつものように起きたのですが、どうも頭がすっきりしません。「隣の吉田竜平さんはどうしちゃったんだろう?」母親に聞くと、隣の家はむかしっから神戸さんという家で、そんなお年寄は会ったことないなんて言うんです。「去年、お祭りのとき、俺と一緒に寄付係で歩いてくれたじゃないか!」一成はそう訴えたのですけれど、母親は・・・「変ねえ?・・・そういえば去年のご祝儀係り・・・だれだったかしら?」なんていう始末・・・・すっかり、吉田竜平さんのことは忘れています。頭の片隅に何かが残っているような状態で、すっきりしないまま・・・一成は通学のため玄関のドアを開けました。「よっ」片手を上げて外で待っていたのは、あの「神戸君」でした。確かに隣の家の住人ですし、クラスメイトですから、一緒に学校に行くつもりなんでしょうが、一成としてはあまり触れたくない「人物」となっていました。「一成は「神戸君」を無視して学校に向かおうとしましたが、いつもの癖なんでしょう・・・・神社の前に行くと、自然に頭を下げ拍手を打つ習慣になっていました。「クックックックックッ・・・・」背中から忍び笑いが聞こえます。「何がおかしいんだよ!」一成は、笑われたことに腹を立てたのです。「だって・・・・マロはそこには居らんのじゃぞ!・・・マロは今お前と一緒に学校へ行こうとしておるのに・・・」「え?」「昨日おぬしが申したように、マロが神様じゃ!」まあ、そうじゃないかな・・・て思ってましたから、一成はそんなに驚きはしませんでした。それでも・・・「じゃあ、何できのう転校生として学校に現れて・・・・僕のことを知らないって言ったんですか?」「否定した覚えはないんじゃが」神様は少し困ったような顔をしました。「でも、神様なら何でもできるんでしょ?・・・わざわざ転校生にならなくたって」「いや・・・だから、姿を現さないままおぬしと一緒にいたら、回りに不思議に思われることもあるじゃろ?・・・それがマロには不都合に思われてな・・・」確かに、神様が姿を現さないまま何かをしたら、・・・例えば前々日のように、少年の姿から突然老人になったり・・・そんなことがみんなに見られたら一成も困ります。「それじゃ、転校生のまま暮らすんですか?」「うんうん・・・・この生活もなかなか面白い・・・少し続けて見るつもりじゃ」「ところで、吉田竜平さんはどうしたんですか?」「ああ、ちょっと別の次元に行ってもらっておるがな?」「そんなことして大丈夫なんですか?」「大丈夫じゃろ・・・・時間の流れは止まっておるがな・・・その分、年をとることもないから・・・」「そりゃまずいでしょ?」「なんで?」何で・・・といわれても・・・・うまく説明はできませんが、吉田さんの人生もあることだし・・・・「どうですか?・・・人の心も自由自在になる神様なんですから、吉田さんの、あなたの祖父って言うことにしたら。」「ああ・・・それもいいかもね・・・」「今まで一人暮らしだったから、家族と暮らせるのも、あのお爺さんにとってはいいかもしれない」その時、一成はひとつ思い出したことがあります。「神様に家族っているんですか?」「ああ、おるぞ・・・両親と兄弟が800万柱」八百万の神・・・ということだろうか?「そんな本当のことじゃなくて・・・・今週、学校では家庭訪問があるんですよ」「家庭訪問?」「そうなんです・・・桜田先生が生徒の家を訪ねて家庭環境の調査と化するんです。」「ほう・・・・そんなことをしてどうなる?」「どうなるって・・・その人の進学とか就職とか・・・」「マロは進学とか就職とかはしないんじゃがのう」そりゃそうでしょ・・・神様は全知全能ですから勉強しなくっても何でも知ってるんだろうし、働かなくても食えるわけですから・・・・ ア・・・お出かけの時間だ・・・スマン中途半端で・・・
2007.07.06
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えっと・・・・地元の人に業務連絡ですけど・・・・8月26日、昼夜二回の予定で「吉幾三チャリティコンサート」を行います。会場は「下北文化会館」これは私達「吉下北幾三会」の創立10周年を記念して開催するんですけど、吉さんとの付き合いも、かれこれ16年になるんですねえ・・・・おっと、下北といっても、東京の「下北沢」じゃなくて純粋に青森県むつ市の「下北文化会館」ですからね・・・お間違いのないように。 神様と初めて出会った翌日、一成が寝起きで最初に思ったこと・・・・・・「昨日の事はきっと夢の中の出来事だ・・・きっとそうに違いない」「きっと」という言葉を二度使わなければならないほど、まだまだ動揺していたのです。夕べは、あまりの出来事に・・・・・ボーッとした状態のまま帰宅して、家族団らんの夕食のときも一言も言葉を発しないままでいました。「一成どうしたの?具合でも悪いの?」母の敏江が心配そうに言いましたが、一成は返事をするのも億劫でしたので、途中で箸を置き、そのまま入浴もしないまま寝たのです。「あれは悪夢じゃなかったのかな?」誰に言うともなく、布団の上で一成はいいました。パジャマのまま、二階の自室から居間へ降りて行き、テレビのスイッチを入れましたが、特に世の中に変わった事件は起きていないようです。もしかしたら、「世界中に神様出現」・・・なんていう事件でも起っていないのかな?・・・・自分だけ、特殊な世界にさらされているということが、たまらなく感じていました。「あら?・・・今日は早く起きたのね・・・・もしかしたら熱でもあるんじゃないの?」一成のおでこに手を当て熱を計ろうとする母親の手を振り払い、部屋に戻って着替えをして・・・・一成は学校へに向かうために玄関を出ました。ドアを開けるとき、もしかしたら玄関先に神様が・・・・そんなことも考えましたが思いっきりドアを開けます。そこには!・・・・・誰もいませんでした。すぐに神社の方向を見ましたが、そこにも誰もいません。「やっぱり昨日の出来事は夢だったんだ・・・・」一成は自分にそう言い聞かせ学校へ歩き始めました。「オイ、一成・・・待てよ」後ろからそう呼びかけられたらどうしよう?なんとなくビクビクしながら・・・、時々後ろを振り返りながら・・・・25分の道のりを歩いたのです。しかし、その途中には何事も起りません。ほっとして生徒の玄関につき、上履きに履き替えて教室に入ります。「オイ、一成・・・・昨日はどうしたんだ?」ドキッとしましたが・・・・そう声をかけたのはいつものクラスメイトです。「俺たち、いつもの公園で、お前を待ってたんだぞ?・・どうしたんだよ昨日は?」別の同級生がそう言いました。(昨日?・・・昨日はいつものように公園に行ったじゃないか・・・来なかったのはお前たちだぞ?)そう思いましたが、もしかしたら昨日の自分は友人たちのいない違う次元の公園だったんじゃないのか?・・・そんなことを考えてしまったのです。「ああ・・・昨日ちょっと寒気がしてな・・・・悪かったけど早目に家に帰ったんだ」なぜかそんな嘘をついてしまったのです。朝のホームルームの時間になり、担任の桜田先生が教室に入ってきましたが、一成は頭を抱えたのです。桜田先生と一緒に教室に入ってきたのは・・・・そう・・昨日とはうってかわって、学生服をキリリと着こなす、あの「神様」だったのです。「ああ・・みんな・・・今日からこのクラスに転校して来た”神戸友也"君だ・・・お父さんの仕事の関係で兵庫県から転校して来たんだが、仲良くするように・・・・えっと・・・席は・・・そうだな・・・坂田の隣の席が空いてるな・・・そこに座りなさい・・・坂田!・・よく面倒みてやるんだぞ」(神様だから名前は自分で勝手につけたんだろうけど・・・それにしても言うに事欠いて”かみとともや”・・・・神と友やだって?・・・・それも神戸って書くから兵庫県から転校して来たって・・・・)その「神戸君」は、一成の顔を見るとにやっと笑って「よろしく」といい、一成の隣の席に座ったのです。桜田先生が職員室に戻り、一時間目の授業が始まるまでの間、一成はその「神戸君」に声をかけました。「君・・・昨日の神様なんだろ?」しかし、神戸君はにっこり笑うだけで答えようとしません。一時限目の授業が終わり・・・二時限目、三時限目が過ぎ・・・昼休みになりました。神戸君が鞄の中から取り出した弁当は・・・オレンジジュースと焼きそばパン・・・またもにやっと笑って・・・「僕はこの焼きそばパンが大好きなんだ」・・・そう一成に話しかけてきたのです。教室ではみんなの目があるので弁当を食べ終えた後・・・・一成は「神戸君」を誘い出し、グラウンドに出たのです。「ねえ・・君は神様なんだろ?」「何のことだい?」あくまでも白を切るつもりのようです。でも彼は、キッパリ否定もしません。「神とともに・・・なんて変な名前を勝手につけやがって」一成が独り言のようにつぶやくと・・・「僕の名前は”神戸友也”・・・ともになんていう名前じゃないよ」そう言うと、1人で教室に戻っていきました。午後の授業も、一成は手につきませんでした。 どうしても隣の席が気になり、それぞれの授業の先生が話す言葉も上の空です。「神戸君」は一生懸命授業を受けていて、脇目もふらず熱心にノートを取っていました。帰りのホームルームが終わると、また桜田先生が一成に声をかけました。「おい坂田・・・神戸はお前の家の近所だ・・・一緒に帰ってやるんだぞ」(もしかしたら、あの神社に住んでるのか?)先生には「はい」と返事をしたものの、なんとなく気持ちが悪くって、一成は1人で帰ろうと先に席を立ちます。しかし、神戸君はすぐにあとを追いかけてきました。「おい、待ってくれよ・・・一緒に帰れって桜田先生が行ってただろ?」走って追いかけてきたにもかかわらず、彼は少しも息を切らせていません。一成は返事もせずに、また朝と同様25分かけて家に戻ってきました。今日はいつものようにコンビニに寄るでもなく・・・ひたすら家路を急いだのです。しかし、神戸君はピッタリとついてきたのです。それは一成の家のすぐ手前まで続きました。(やっぱり神社に住んでるんだ)そう思ったとたん神戸少年は、神社ではなく・・・一成の隣の家・・・そう・・88歳の・・いや今年は89歳になった「吉田竜平」さんの家に入っていったのです?(あいつ、隣の家に住み着きやがったのか・・・)どうやって吉田竜平さんを騙したのか知りませんが、彼は吉田さんの家に着くなり「ただいま!」と大きな声で入っていったのです。「ねえ母さん・・・となりの家に、いつの間に高校生が住み着いたんだろう?」「隣って?」「吉田竜平さんのうちだよ」「一成・・・・お前まだ熱があるんじゃないのかい?」「え?」「だって隣の家はむかしっから神戸さんの家じゃないの・・・おかしな事言うわね?・・・しっかりしてよ?」一成は頭がおかしくなりそうでした。 つづく
2007.07.05
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昨日、スナックを数軒回ってきました。檀家周りというやつですね。そしたら、行きつけのスナック「イブ」の「サッチャン」が・・・「今日は神様に会ったんだよね?」熱心に読んでくれてるようです。・・・ありがとね!そういえば「織姫」っていうお店のママさんも、読んでくれてるんだって・・・ママもありがとう! 「じゃあ、お前・・・神様だって言うのか?」この、ボーダー柄のTシャツの少年が「神様」だと言われても、一成には信じることができません。「神様っていうのは・・・こう・・・例えば白いヒゲが長くって、白い着物を着て・・・第一、おじいさんなはずだろ?」「マロがこの格好だから神様には見えないっていうのか?」「そりゃそうだろ・・・ジーパンの神様なんて見たこともない!」「ほう・・・ほかの神様には会った事があるんだ」その少年は疑わしそうな目で一成を見ました。「いや・・・そんな・・神様に会った事なんかあるわけない・・」「だって、マロは神様なんだからどんなものにでもなれるんだよ?・・・この男の子の格好はもちろん、お前が想像している中国の仙人のようなおじいさんにもなれるし・・・なろうと思えばお前の好きな”恵美ちゃん”にもなれる。」「バ、バカヤロー・・・同級生だっていうだけで、好きでもなんでもないよ!」あわてて一成は否定をしましたが、きっと顔は真っ赤になっていたのかもしれません。「マロはどんな格好で出てきても良かったんじゃが、お前に親しみやすい格好のほうが良いかと思ってな・・・もし気になるようなら、お前の想像通りの格好にしてやろうか?」たちまち、そのボーダー柄のTシャツの少年の顔に白く長いヒゲが伸び始め、いつのまにか手には長い杖を持った白い着物姿の「仙人風」の老人になったのです。一成は腰が抜けて、立ち上がることができなくなりました。「これじゃったらいいかのう・・・・?」その老人は、アゴに伸びた白いヒゲをなでながら、こう一成に聞くのでした。一成が驚くあまり、何も言えずにいると、「やっぱりお前の友達風の格好のほうが良いじゃろ?」そう言って元の「少年」に戻ったのです。「お前・・・さっきからなんじゃ?・・金魚のように口をパクパクさせて・・・」一成は声も出せないくらい驚いて、呼吸困難に陥ったようでした。「アア・・・驚いたのじゃな?・・・さもあろう・・カッカッカッカッ・・・」神様は、昔のテレビの水戸黄門のように、いたずらがばれた少年のように楽しそうに笑うのです。「そ、・・その・・神様が・・・な、何で僕の前に・・・で、出てきたんですか?」さっきまで「俺」と言っていた一成でしたが、なぜか敬語を使わなくては・・・と言う思いにとらわれ、「僕」と名称変更したのです。(落ち着こう、落ち着こう・・・)一成は、呼吸を整えて質問を始めたのでした。「なぜかって?・・・・それはお前が、マロの信者だからじゃよ・・・お前だけだ・・・・毎日マロの前で手を合わせてくれるのは・・・」「でも、急に出てこられたっていうのは、・・・?」「お前の願いを叶えてやろうと思ってな・・・」「願い?」「毎朝手を合わせながら言ってるだろ・・ぶつぶつと・・・天は二物ともくれないのかとか何とか・・」「え?聞いてたんですか?」「毎朝毎朝のことだ・・・聞きたくなくても聞こえるわい・・・・で二物とは何のことだ?」正直なところ、一成も良く知りません・・・「サア・・・?・・・」「女の子にもてたいということか?・・・それとも金が欲しいのか?・・・それとも優秀な頭脳か?・・・・力か?・・・・権力か?」言われて見ると、「ニ物」って何のことなんだろう・・・なんて考えてしまいます。「なんだ・・・お前、二物ともくれないなんて言いながら、それが何のことやらわからないなんて・・・・」神様は少々怒って見せましたが、少しにやついて・・・・「じゃあこうしよう・・・お前の願いがなんなのかわかるまでお前と行動を共にしよう」「エッ?・・・ということは僕と一緒に生活するってことですか?」「それはまずいかのう?・・・そうじゃな・・・お前の両親がおかしく思うか・・・まあそのことはなんとかしよう・・・明日から行動を共にする。・・・」そういうと、神様は「バイバイ」するように手を振り、その場から忽然と姿を消したのでした。「明日から?・・・」どのようにするつもりなんでしょう?まさに・・・「神のみぞ知る」!!!!!!!!! つづく
2007.07.05
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夕べは大騒ぎしました。次男が「ランドセルに入れた宿題のプリントがない」って言い出したんです。親子でランドセルをひっくり返したり、机の周りを探したり・・・とうとう見つかりません。「お前、ほんとにランドセルの入れたのか?」「ほんとだよ、間違いなく入れた。」「じゃあないわけないだろ?」「嘘じゃなく、ほんとに入れたんだってば」でも、きっと学校の机の中に入っているはずです。今朝は、だから車で送っていきました。「早く学校へ行って、学校で宿題せい!」 今日もなんのやる気も起きないままだらだらと授業を受け、どこの部活にも参加していませんから、坂田一成は、やっぱりだらだらと帰路についていました。途中、近所のコンビニに寄り、焼きそばパンと紙パックのオレンジジュースを買って公園に行くと、そこで食べ始めました。これも一成のいつもの日課です。一人で食べるというよりも、部活をしてない友人達がなぜかいつもここに集まり、一緒に話をしたりする・・・・いわば、「高校生の井戸端会議場」の様なものが作られていたのです。しかし、今日は誰もまだ来ていませんでした。仕方なく、一成はブランコに揺られながら、焼きそばパンとオレンジジュースを食べ始めます。「もうすぐ夕食の時間じゃないのか?」不意に横から声をかけられ、一成はあわてて「二連のブランコ」のもう片方を見ました。そこには、見たことのあるような、いや見たことのないような・・・そんな同年代の男の子がブランコに座っていたのです。「え?誰だったろう?」一成は懸命に思い出そうとしましたが思い出せません。「アッ!」青地に黒くて太いボーダー柄のTシャツ・・・そしてジーパン。見たような気がするわけです。その洋服は一成のお気に入りの洋服でした。似たような服なんてものじゃありません・・・以前こぼして、洗っても取れない「ナポリタン」のケチャップあともそのまま・・・つまり一成の洋服だったのです。「それって俺の服じゃないか・・・お前誰なんだよ!」しかしその少年はそのことには答えず・・・逆に聞き返しました。「それって美味いのか?」その少年の目は、一成が右手に持っていた食べかけの焼きそばパンに注がれていました。「なんだよ!」一成も思わず焼きそばパンを隠します。でも、その少年の顔・・・・・洋服だけでなく・・・やっぱりどっかで見知った顔のようでした。一成の洋服を勝手に着て、どこかで見たような顔・・・・親戚にはいない顔でしたが、やっぱり誰だったか思い出せません。「それ一口食わせてくれんかのう?」「お前・・・焼きそばパン・・・知らないのか?」「アア、マロはそっただもの食ったことねえ」「マロ!?」少し頭のねじでも緩んでいるんでしょうか?・・・かわいそうに思った一成は、焼きそばパンを半分ちぎってその少年に渡しました。一成が手渡したとたん、・・・その少年はサッとかっさらうように受け取り、たちまちのうちに口に詰め込んでしまいました。「アア、美味かった」その少年は、口をぬぐいながらニコッと笑いましたが、その笑顔はとっても上品でした。「お前・・・変なやつだなあ・・・転校生か?」自分のことを平安時代のお公家さんのように「マロ」と呼ぶ変な少年を、一成は「コンビにもないような辺鄙な土地から来た転校生」と判断したようです。「田舎者だとは思うけど、人の家の洗濯物を勝手に盗んで着ちゃだめだろ」一成の洋服も夕べ、母親に洗濯してくれと頼んでいましたから、きっと一成の家の物干し竿から盗って来たものだろうと思いました。「コリャ、マロの着物じゃワイ」その少年は頑固に否定します。「じゃあ、その洋服はどうしたんだよ・・・汚れているところまでそっくりな洋服ってあるのかよ!」一成もいい加減頭にきました。「お前がいつも着ている洋服を真似したんじゃが・・・・そりゃまずいのか?」いつも着ている・・・って何で知ってるんだろう・・・・?「お前・・・一体誰なんだ?」一成は、単刀直入に聞くことにしました。「マロじゃよ・・・・お前の家のすぐ前に住んでる・・・マロを覚えておらんかのう?」一成の家の前にはこんもりした林があって・・・そこには小さな「お社」があるだけ・・・「フン!・・・俺の家の前には神社があるだけだぜ」バカにされていると思い、一成は少しふてくされて見せました。「そう・・・そこがわしの住みか・・・マロが誰か思い出したじゃろ?」神社に神主は常駐していません。ということは・・・・・・この少年は、自分が「神様」だとでもいうのでしょうか?「お前・・・神様だって言うのか?」一成が言うと、その少年はにっこり笑ってうなずくのでした。 時間です。・・・・つづく
2007.07.04
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「かくれんぼ」が終わり、一息つく暇もなく・・・いや一息つく島だったかな?どっちにしても、次のことを考えていました。今度は少し自分に当てはまるようなお話しを・・・・・ 「天は二物を与えず」・・・この言葉だとふたつのうちどっちかは与えられていると判断しますよね。イケメンだと金を持っていない・・・逆にダサい男には金があるっていうような・・・もうひとつ言い古された言葉には「色男、金持ちからもなかりけり」っていうのまである。でも坂田一成には、このふたつのことわざ・・・・別な捉えかたで見ていました。「天は二物を与えず・・・っていうことは天は二物とも与えず・・・っていうことも成り立つよな。」朝起きて、洗面所で顔を洗いながら鏡を見て、一成はこんなことを考えていたのです。「いや・・このことわざじたい、間違いじゃないのかな?・・・だって加藤拓馬は、イケメンなのに金持ちのお坊ちゃまだもんなあ」どう考えても不公平です。坂田一成は、高校一年生・・・つらい受験戦争を生き残ってきて、これからようやく青春が始まる・・なんて思っていました。でも現実は、教室に行っても女の子たちは加藤拓馬に一極集中なんです。金持ちでイケメンで・・・そのうえ頭脳明晰にスポーツ万能とくれば、二物というより三物も四物も持っているといっても過言ではありません。「あいつとどこが違うんだよ」そう言ってうそぶいて見たものの、逆にどこからどう見ても勝てる要素はひとつもありませんでした。チビ、デブ、めがね・・・おまけに成績は中の下くらい・・・・親父は普通のサラリーマンで、この親父の給料でほんとに大学まで行けるのだろうかという程度の暮らしです。「ああ、学校へ行ってもつまんないなあ・・・」最近この科白が毎朝の日課のようになっていました。洗顔を終わり一応ブラシで髪を整え、母親の「ご飯は食べないの?」という声に見送られて、玄関でさっきのせりふを言いながらドアを出る毎日でした。玄関を出るとすぐそこには小さな鳥居が立っていました。神主さんもいないような小さな神社で・・・・年に一度のお祭りはあるのですが、そのお祭りでは小さな小さな「子供神輿」が出るのです。一成の子供のころには、まだそのお神輿を担ぐ子供も町内に大勢いましたが、最近ではこの町内でも少子高齢化が進み、昨年のお神輿運行ではとうとう担ぎての子供が少なすぎて、「担ぎ棒」をはずし、お神輿本体をリアカーに乗せて町内を「練り歩く」しまつ・・・・それも、そのかっこ悪い役目を父親が「うちの一成にやらせます」と言って引き受けてきたせいで、どこかの福引セールのときに使った薄汚れた半纏を着せられ、リアカーをひとりで引っ張らされました。1人ならまだ、スピードをあげ走り回ってすぐに終わらせることもできたのですが、運悪く、その年の「ご祝儀集金係」は、一成の家の隣に住む88歳の吉田竜平さんでしたから、ゆっくりゆっくりしか歩けないのです。おかげで、今は通う高校も違いますが、それまで同級生だった「憧れの恵美ちゃん」にしっかり見られ、「フン」とそっぽを向かれるしまつ・・・・散々な思いをさせられた神社です。でも、子供のころから「ばあちゃん」が・・・「ここの神様は一成をずっと見守ってくださってるんじゃぞ・・・きちんと毎朝手を合わせにゃ・・・・」そういって育てられたものですから、一成は毎朝神社の前で「拍手」を打つことは忘れません。しかし、いかんせん小さな神社です。今までの「ご利益」といったら、今年の春「高校入試」に合格できたくらいでしょうか。一成はそう思っていました。 さて、寝ましょうかね・・・・続く
2007.07.03
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何とか、書き綴ってきた「かくれんぼ」・・・・そろそろ終盤になってきました。実はさっき・・・・電話に蓉子が出て。。。「蓉子ちゃん・・・めっけ!」で終わりにしようと思ってたんですよ。ところが、まだか解決してない問題があったんです。そこをどうまとめようか・・・思案のしどころです。 電話で呼び出ししてもらうことにして、慶子は健太に受話器を渡しました。呼び出しを待つチャイムの「とおりゃんせ」のメロディが、ユックリと流れているようでした。「もしもし・・・蓉子です。」「蓉子ちゃん・・・めっけ!」健太としては、傷ついている蓉子の気持ちを和ませようと、わざと明るく振舞ったつもりでした。「・・・・・・健太君・・・・・健太君なのね?」そこまで言うと、突然黙り込んだ蓉子・・・・「蓉子・・・探しちゃったよ」それでも、まだ蓉子は黙っていました。「おい、どうしたんだ?」健太は心配になって尋ねました。「入院してたって聞いてたけど・・・お見舞いにいけなくてごめんね。」慶子に助け出され、健太が入院していることを知った蓉子は、翌日すぐに健太の病院に向かったんだそうです。しかしそこには、あの吾郎が先回りしていて・・・・恐怖を感じた蓉子はその後も病院に行けなくなりました。従兄のしでかしたことですから、自分の父親に相談するにもためらいがあり・・・・昨日ようやく吾郎のことを電話で伝えたのだそうですが、怒った父親が吾郎に何度電話しても誰も出ない・・・・吾郎の父親である父の兄も、「勘当する」と大騒ぎになっているとのこと・・・・もしかしたら、あの老侠客に連れ去られてしまったのでしょうか。どちらにしても、あの男のしたことは、親戚としての付き合いはもうできないと言うことになるでしょう。「あいつのしたことは絶対に許せないことだけど・・・・僕は君が無事でいたことのほうがうれしい」「今すぐ・・・会いたいなあ」「アア、僕だってすぐにでも会いたい」「大事なお話しがあるの・・・・・」「恵理さんのことだろ」「ええ・・・恵理さんにあったの?」「アア・・・会ったよ」「そのこともあるからすぐに会いたいなあ・・・」「これからそこに行くよ・・・・慶ちゃんがそこを知ってるって言うから」「「事故の怪我は大丈夫なの?」「君に会うためになら、どんな事だって我慢できるさ」こうして、健太は蓉子に会うために向かいました。蓉子のいまいる場所は少し遠い場所でした。東武東上線N駅・・・隣の駅はもう埼玉県というところ・・・・駅を降りると、ダウンジャケットを着込んだ蓉子が改札口で待っていました。通勤時間のピークを過ぎ、少し閑散とした駅前で、蓉子は突然健太の胸に顔をうずめて泣き出しました。この一ヶ月・・・蓉子もきっと今までも、そしてこれからも忘れることのできない一ヶ月になったでしょう。健太は蓉子のなすがまま・・・そのまま胸に抱いて泣くだけ泣かせておいたのです。一緒に来てくれた慶子も、少し涙ぐんでいました。3人は一緒に、蓉子のお世話になっているお宅にお邪魔しました。その家の家族に世話になったお礼はしつくしても仕切れない・・・そんな思いでした。蓉子は、今イギリスに語学留学している、その友人の姉の部屋を使わせてもらっています。「どこから話せばいいのかな・・・・」蓉子はこの一ヶ月に起こった出来事・・・・それを全部話しておきたいという気持ちのようです。吾郎の恋人であった恵理が、実は健太の探していた写真の女の子だったということを発見したはなし・・・・その時、恵理の実の父親は蓉子の父だったというショッキングな事実も・・・蓉子は冷静に話してくれました。「私ね・・・・確かにショックだったけど・・・恵理さんが中村さんって言う戸籍上のお父さんに、本当に愛されて育ったということを知って、本当に良かったと思ってる。・・・・だって、すてきなお姉さんができたっていう感じなんだもん。」にこやかに話してくれました。「でねえ・・・あの写真の話なんだけど・・・・あの写真・・・・実は健太君のお母さんが撮ったものらしいの・・・・・恵理さんの実家でね。」その写真をなぜ、健太のアルバムに、母は入れておいたのだろうか?「そのあと、けっきょく父さんとのことがわかって・・・・恵理さんのお父さんは恵理さんを連れて出て行った・・・・で、アルバムなんかも持って行っちゃったから、恵理さんのお母さんの手元にはこの写真しか残らなかったのよ。」その時横から慶子が口を挟みました。「あたし、ゴッホのひまわりの絵なら健太の家にかかってたの見たよ・・・ある人から預けられたんだけど、亡くした子供が好きな絵だったんで預かってくれないかって頼まれたらしいのよ、あんたのお母さん・・・」「そ、そうなのよ・・・・恵理さんも言ってた・・・小さいころひまわりの絵が好きだったから、その絵の前で写ってる写真ならきっと自分だって」蓉子も続けて話したのです。「でね・・・あたし、うちのお母さんと電話で話したんだけど・・・・あたしも小さい頃、あなたの家に遊びに行っててね・・・その絵がすごくお気に入りだったんだって・・・・そしたらね・・・・健太君のお母さんがあたしにこう言うの・・・”健太のお嫁さんに来てくれたら、この絵もあなたにあげますよ・・って」そうか・・・そうだったのか・・・・健太には記憶になかったのだけれど、この絵の前にいる蓉子のことをどこかで覚えていたのでしょう。もしかしたら、健太の母は蓉子が本当に健太の嫁になるものと思っていたのかもしれません。その時に、きっと蓉子の姉の事を、ある程度年数がたったら、健太と蓉子に教えてくれるつもりだったのでしょう。そのために、健太のアルバムに恵理の写真を忍ばせておいたのかもしれません。なぜかそれが真実のような気が、健太にはしました。「もういいかい・・・」「まあだだよ」・・・・長いかくれんぼをしてたんだなあ・・・・・・ようやく見つかってよかった・・・健太は清々しい気持ちで、蓉子と見つめあいました。 終わり・・・でいいかな?
2007.07.03
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いやあ・・・昨日は深夜酔っ払った状態で書いちゃって・・・しかし、ありがたいですね・・・・こんな、私のようなものが書いたものでも読んでくださる方がいて、「応援」をしてくださる方がいて・・・・「応援ポチッ」ってしてくださる方が多いんで、久しぶりに今朝、「ブログランキング」を覗いてみたんですよ・・・そしたら!半年ぐらい前に見たときには「220位」くらいだったんですけどね・・・今朝は「23位」・・私の「小説もどき」がですよ?信じられな~い!!!! 慶子が毒牙にかかる寸前の蓉子を助け出してくれた・・・・・そして、友達の家に避難させてくれたという話を聞き、健太はほっとすると同時に、涙がどっとあふれてきたのです。無事だった・・・・蓉子が無事だった・・・・・その友達は、もともと東京の子で、両親と一緒に大学のそばに住んでいて、「どっちにしろお正月の休みには実家に帰ることになるので、それまでは匿っていて欲しい」・・・そう頼んだそうです。年頃の娘を持つその友達の両親も、快く引き受けてくれました。「すぐに電話してくれないか?」健太はあせって慶子に言いました。「いいわよ・・・じゃあ公衆電話まで行こうか?」公衆電話につくと、健太は自分でダイヤルを回そうと慶子に伝えました。「だめよ・・・男からの電話だと、アッチが取り次いでくれないわ」なだめるように健太を押し留め・・・・慶子はユックリ番号を確かめながらダイヤルしました。むこうでは、すぐに電話に出たようで・・・・すぐに蓉子を呼び出してくれました。 おっと時間だ
2007.07.03
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今日も酔っ払いです。あまりお酒は得意じゃないんですけどね。。。でも付き合いですからしょうがない・・・・この酔っ払った状況で「かくれんぼ」の続きを書こうという・・・無謀でしょうか? 健太の部屋のドアを乱暴に叩く音・・・・昨日の件もありますから健太は慎重に返事をしました。「どちら様ですか?」「健太・・・わたしよ!・・ここを開けて」それは従姉のの慶子の声でした。慶子とは昨日の夕方電話をしたばっかりです。急いでドアを開けると、そこには目を真っ赤にした慶子が立っていました。「どうしたんだい?恵ちゃん」「夕べあんたに電話を貰ってから、すぐに車でこっちに向かったの・・・」「わざわざ・・・・」「あんたに悪いことしたなって・・・・・」「「しょうがないさ・・・僕が入院した話しをしただけなんだろ?」「ほんと・・・・最初は、なんで健太の話しばっかしするんだろうと思ったのよ」慶子の話はこうでした。慶子の勤めているデパートの売り場に、吾郎が顔を出し始めたのは、あのカラオケに健太と慶子、そして育美が一緒に行った翌日のこと。慶子の売り場は婦人服の売り場だったから、若い男性がひとりで来ることはまず無いことでした。慶子も最初は「なんで若い男がひとりで来るんだろう?」と不思議に思ったそうです。2~3日して、慶子は同僚から「あの若い男・・・・慶子の話を聞きたがるのよ?・・・もしかしてあんたに気があるんじゃない?」と言われました。それも1人や2人ではなく、5人ほどの同僚にそう言われて、慶子も気にし始めるようになったある日・・・・・また1人でやってきた吾郎に・・・・「お客様・・・私に何か御用でございますか?」気の強い慶子ですから、本人にそう聞いたのだそうです。その時はしどろもどろでごまかした吾郎でしたが、慶子にはそれが純情そうな仕草に見えました。今から考えてみると、「カラオケ屋」で、健太が蓉子に窓越しに挨拶したとき、吾郎は健太を睨みつけたことから考えると、もしかしたら帰り際にでも健太達の部屋を覗きこんだのでしょう。そこで、健太を調べるために、以前デパートに買い物にでも来た時、慶子の顔を覚えていて、そこから慶子を調べ・・・そのつてで健太のことを調べようとしたようです。それを勘違いした慶子が、吾郎とデートを重ねるようになり・・・・そして、慶子は吾郎に聞かれるまま、健太のことをみな話してしまったようです。健太と蓉子が付き合っていることなどまったく知らず・・・と言うよりも蓉子のこと自体まるで知らなかった慶子ですから吾郎と従兄妹同士ということも知らないでしょう。それまで暴走族崩れのような男としか付き合ったことのない慶子でしたから、吾郎のような一流大学に通う上品な大学生と付き合っていると言う事で、有頂天になっていたのかもしれません。健太が入院したときも、健太の父と一緒に上京して健太の面倒をみるというより、吾郎に会えることを楽しみにきた帰来があります。しかし、吾郎にとっては慶子は眼中にない・・・・健太と付き合っている蓉子を我が物にしようと狙っている、蛇のような吾郎がわかったのです。「ごめんね・・・健太」慶子は素直に謝ったのでした。「慶ちゃん・・・そんなこと気にしなくていいよ」「そう言ってくれると・・・・・」「それより・・・その蓉子さんがどこに行ったのか気になっているんだ・・明日彼女の短大にでも行って探してみるよ」健太がそう言うと、慶子は意外そうな顔をしました。「え?健太・・・あんた蓉子さんがどこにいるのか知らないの?」そう言うと慶子は自分のバッグから手帳を出して調べ始めたのです。「え?慶ちゃん・・・蓉子さんのこと知ってるの?」「あのね・・・あんたが入院したとき、私は吾郎に会いに来たの・・・そしたら変な雰囲気だからあいつの行き先をチェックしてたんだ。・・・そしたら蓉子さんのアパートに行って・・・あたし頭にきたからさ・・・彼女の部屋に乗り込んでいったら・・・あいつが襲い掛かる寸前だった・・・・」「え?」「だから、あたし助け出して・・・・彼女の友達のトコまで送って行ったんだよ」健太の表情に明るさが見えてきました。 つづく 「
2007.07.02
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今日は「中小公庫友の会」の総会です。政府系の金融機関ですけど、まもなくどこかと統合して名称が変わるんです。今年がこの名称で最後なのかなあ・・・・ 「でも、そのお父さんとどんな暮らしをしていたの?」健太は素直な気持ちで聞きました。「普通の親子として暮らしてたわ・・・・当時は景気もよかったし、父さんが若いころからの知り合いの人がいて、仕事も紹介してもらったの・・・だからふつうのサラリーマンだけど・・・幸せに暮らしたわ。」「再婚しようなんていう気はなかったんだろうか?」「あんな形でお母さんと別れたから、もう騙されたくない・・・っていうか・・・女性不信だったのね・・・それに・・・もし再婚すれば、その人に説明もしなければならなかったし・・・めんどくさかったのかもしれない。」「じゃあ・・・ずっと恵理さんと2人っきりで・・・」「ええ・・・まだ小さかったから、料理はほとんどお父さんが作ってくれたけど・・・・残業もしないで・・・だから・・・サラリーマンで偉くなることはなかったけど・・・あたしが寂しい思いをすることはなかったわね。」「で、お父さんは今どうしてるの?」「あたしが高校卒業すると同時に死んじゃったわ・・・・デモね・・・あたしを育て上げて満足したみたい・・・安らかな寝顔だった・・・」「死に顔」といわず「寝顔」と言ったことに、健太は恵理の父親に対する愛情を感じました。「お母さんのところには戻らないの?」「あたしにとってはどうでもいいことなんだけど、お父さんを裏切れないっていう気持ちかな?・・・だから会わない」もしかしたら、恵理の母親はまだA温泉に勤めているかもしれません。でもあえて、恵理には教えないことにしました。まもなく、スナック開店の時間になります。健太は礼を言い、その店をあとにしました。アパートに戻る前に、公衆電話から、従姉の慶子に電話をします。「もしもし・・・・慶ちゃん・・・健太だけど・・・・」「アア、健太・・・退院したんだってね・・・おめでとう・・・」「ちょっと聞いてもいいかな・・・・」「なによ・・・」慶子は少し身構えました。「神崎吾郎の件なんだけど・・・」「吾郎がどうかしたの?」「僕と吾郎のことは知ってるのかい?」慶子は少し黙りましたが、すぐに思い直したように語り始めました。「知ってるよ・・・・でも、あたし付き合い始めてからそのことを知ったんだ・・・だからあいつとはもう連絡も取ってない・・・」「そう・・・・それならいいんだ」健太はそれだけ言うと電話を切ろうとしました。「健太・・・それだけなの?・・・あたし、あんたをあいつに売ったんだよ」慶子は、それなりに悩んでいたようでした。「売ったって・・・・でもそれはまったく慶ちゃんが知らなかったことでしょ?・・・」「もちろんよ・・・あんな男だとは知らなかったわ」慶子は吐き棄てるように言いました。「それならいいんだよ・・・気にしなくていいから」それっきり電話を切りましたが、健太はあの慶子にも女性の弱い部分を見せられたような気がしたのです。アパートにようやくの思いでたどり着きました。今日一日で、健太はいろいろなものを見聞きして、5つも6つも年取ったような気がしました。朝、突然のノックでたたき起こされ、連れ出されたままでしたので、布団は敷きっぱなしになっていましたから、またそのまま、布団に寝転び、目を閉じました。考えてみたら、健太はふだんジャージのまま寝ていますから、今日一日ジャージのままあちこち歩いたことになります。「このまま寝て・・・・明日になったらこれが夢だったらいいのになあ・・・」健太はそのまま深い眠りに落ちたのです。そして翌朝・・・・・健太はまだ布団の中で横になっていました。もうお昼近くなのですが、起きる気力がありませんでした。それでもそろそろ、起きなければ・・・そう思った矢先です。「ドンドン!・・・ドンドンドン!!」またしても、ドアを乱暴に叩くノックの音が響いたのです。
2007.07.02
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実は先週、わが町にも「すき家」がオープンしたんですよ。そしたらジュニア・・・「今朝は牛丼が食べたいなあ」朝からってちょっと・・・とは思ったんですが、かみさんも期待してるようなんで・・・・喰ってきましたよ。でもちょっと重いなあ・・・・・ 「けんちゃん・・・・そろそろ起きてくれない?」恵理の声で健太は目を覚ましました。顔の脹れは少しひいたようです。両手で目をこすり、スナックのテーブル席から起き上がって、腰掛けました。「インスタントだけど、コーヒー飲む?」「ああ、頂きます・・・・」ふだんはコーヒーメーカーで淹れたコーヒーを飲んでいる健太でしたが、「インスタントも割りといけるもんだな」・・そう感じたのです。恵理は、健太の寝ている間、買い物に出かけてきたようで・・・・きっと近くのパン屋さんから買ってきたのでしょう・・・・サンドウィッチも一緒に出してくれました。朝、あの男たちに捕まって、アパートからそのまま、あの工場あとに連れて行かれたので、健太はなにも食べていませんでした。腫れがひいたとはいえ、まだ殴られたとき切った口の中がしみます。「あら、まだ痛むんでしょ・・大丈夫?けんちゃん」恵理にそういわれて、気になりました。「恵理さん・・・・けんちゃんって・・・・」昨日は「内山さん」と呼ばれていたのに・・・少し違和感を覚えます。「あたしねえ・・・少し、昔のことを思い出したみたいなの。」恵理が父親に連れられて、郷里を離れたときのこと・・・・彼女は少しずつ話し始めたのです。「小さかったから母親のこと覚えてない・・・っていえば嘘になるわ。・・・というより、忘れた事はないのよ。」伏目がちに話す恵理の目には既に涙がにじんでいます。「私が父の子ではないということ・・・それはうすうす感じていたの・・・だって、母が私の事を父に触らせようとしなかったもの・・・」健太は、恵理の話が終わるまで、口をはさまないでおこうと思ったのです。「でも、私の自分の子だと信じて疑わない父は、母の見ていないところで一生懸命わたしと遊んでくれたわ・・・・私も、そんな父が大好きだった・・・あるとき、私がたった一人で家にいたとき・・・なぜ母がいなかったのか、それはよくわからないんだけど・・・・父が血相を変えて飛んできて・・・”お父さんは家を出える”って言うのよ・・・あたし大好きなお父さんだもの・・・急になにを言い出すのかと思ったわ・・・で、”お父さんと一緒に行く”って言っちゃったの・・・初めはためらっていた父親だけど・・・私をわが子だと思ってずっと育ててきたんだもの・・・親子の情ってあったんだと思うわ・・・私を連れて家を飛び出したの。・・・・一人残された母はかわいそうだと思ったんだけど・・・母には私の本当の父親がいて・・・・でもこの父には私しかいないと思ったから・・・」そこまで言うと恵理は、いつの間にか手に持っていたウィスキーの水割りのグラスをあおるのでした。吉田は、その中村という男は家を省みない男だ・・というような事を言っていましたが、彼は彼なりに家族に対する愛情があったのだと、健太は思いました。健太は、正月に温泉旅館で会った恵理の母親の事も思い出していました。自分勝手な判断で「亭主が自分を省みなかったから寂しかった」・・・だから神崎と・・・・あの母親の配慮が足りなかったのがボタンの掛け違いの始まりだった・・・健太はそう思い始めていました。あの老侠客は、「吾郎が嘘をついたから搾り取るだけ搾り取れ」と言っていました。そういった意味では配慮の足りなかった神崎・・・蓉子の父親が山を売って作った金を渡したという話し・・・・うまく説明はできませんが、どっちに罪があるのか・・・そう思ったときにより悪いほうから金を搾り取る・・・そのやり方なんだろうなと思ったのです。蓉子の父と恵理の母は、「愛情」があって結ばれたのではないのです。中村という男を、健太はずっと悪いやつだと思っていたのですが・・・・恵理にとってはいい父親だったに違いありません。 世の中は複雑なんだなあ・・・健太は考えていました。 おっと時間だ・・・・続く
2007.07.01
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